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第13回 コーディネーター会合

2012年3月7日〜9日
福井県国際交流会館(7、8日)、若狭湾エネルギー研究センター(9日)



 (会合サマリーレポート仮訳)
 平成24年3月7日から9日まで、内閣府及び原子力委員会の主催(文部科学省及び福井県の共催)による第13回FNCAコーディネーター会合が福井県において開催された。参加12ヵ国(オ−ストラリア、バングラデシュ、中国、インドネシア、日本、カザフスタン、韓国、マレ−シア、モンゴル、フィリピン、タイ、ベトナム)からFNCAコーディネーターと上級行政官や専門家、IAEA技術協力局RCA地域事務所代表(韓国)が出席した。我が国からは、西川福井県知事、近藤原子力委員会委員長、秋庭原子力委員会委員、町FNCA日本コーディネーター、関係省庁(内閣府及び文部科学省)の行政官、福井県関係者が参加した。

 第13回コーディネーター会合のまとめとして、結論と提言が議論され、承認された。


第13回 コーディネーター会合
結論と提言(仮訳)

2012年3月8日   

1. 東京電力福島第一原子力発電所事故に関し、各国における原子力安全確保の改善のために、日本が事故の教訓を各国と共有していくことが有益であるとの認識で一致した。
2. 福井県が関係者と良好な連携を持ち、原子力発電所や人材養成(HRD)に役立つ関連施設を誘致することによって地域の発展につなげた良い事例であることが確認された。
3. 原子力安全、核セキュリティ、および保障措置を確実にすることは、原子力利用や放射線利用の前提であることが合意された。FNCAにおける核セキュリティ・保障措置プロジェクトは、核セキュリティや保障措置に関する経験、知識、および情報を効果的に共有する場を提供する。
4. 原子力安全マネジメントシステム、放射線安全・廃棄物管理、研究炉ネットワーク、核セキュリティ・保障措置、人材養成等のFNCAにおけるプロジェクトが、高い安全性を確保しつつ原子力利用を推進するための基盤強化に寄与することが認識された。
5. 東京電力福島第一原子力発電所事故後、メンバー国における広報活動の必要性が高まっていることから、FNCAにおける原子力発電の基盤整備に向けた検討パネルにおいて、広報活動を効果的に行うための情報や経験を共有すべきであるとの認識が合意された。
6. 原子力発電と放射線利用の健全かつ安全な利用と発展のために、人材育成は必要不可欠なものであることから、政府の支援によるそれらの人材育成の推進に向けて、人材養成(HRD)に関する提言(別紙1)が全会一致で採択された。
7. 医療用アイソトープ供給の改善のための地域ネットワークの設立が、政府の同意の下で推進されるべきであると合意された。RIの安定供給と価格安定のために、FNCAメンバー国の研究炉の保守点検期間の調整や、製造及び供給ネットワークの調整が重要であると認識された。また各メンバー国の需要に対応した新規研究炉の設計に関する協力も重要であると認識された。
8. がんの放射線治療、放射線育種、電子線加工、バイオ肥料、および中性子放射化分析等の原子力技術の利用促進のためのFNCAにおけるプロジェクトは、有意義な社会経済的影響をもたらす、顕著で明確な成果を生み出したことが確認された。
9. 各国における関係省庁および潜在的エンドユーザーとの連携によって、社会経済的利益の達成に向け、FNCAにおけるプロジェクト成果の活用促進のための努力をすべきであることが全会一致で合意された。
10. FNCAにおける農業関連プロジェクトの成果を普及させるためのIAEA/RCAとの可能な協力として、放射線利用農業マネジメントセミナーを開催する提案が承認された。
11. FNCAの活動と成果の国際社会への発信を強化するため、IAEA、科学・産業に関するジャーナル、インターネット、公開セミナー、およびシンポジウム等の手段を活用した更なる努力が必要であることを確認された。
12. 大臣級会合、検討パネル、およびプロジェクトのワークショップの開催国(別紙2)を含む2012年度の活動計画が合意された。
13. 電子加速器利用およびバイオ肥料の両プロジェクトの活動を3年延長すること、及び他のプロジェクト活動を継続することが合意された。

 各セッションの内容は以下の通りである。

セッション1: 開会セッション
原子力委員会の近藤駿介委員長が開会挨拶を行うとともに、福井での第13回コーディネーター会合の開催にあたり福井県に対し謝意が述べられた。
また、福井県の西川一誠知事が参加者に対し歓迎の意を表した。
各参加者が自己紹介を行った後、議事次第が承認された。

西川一誠 福井県知事

特別セッション1: 東京電力福島第一原子力発電所事故後のオンサイトおよびオフサイトでの取組の現状について
近藤委員長が東京電力福島第一原子力発電所事故に関する最近のオンサイトおよびオフサイトの活動や日本政府の取組を紹介し、事故の教訓と情報の共有を図った。
東京電力福島第一原子力発電所事故後の原子力政策、汚染土壌の除染計画、および汚染された食品の管理等についていくつかの質問があり、議論が行われた。

近藤駿介 原子力委員会委員長

特別セッション2: 原子力発電と地域の関わり
財団法人若狭湾エネルギー研究センターの来馬克美専務理事が「福井における原子力発電立地と原子力行政」と題するプレゼンテーションで、多くの原子力発電プラントを有する福井県の特徴と原子力安全に関連する対応について紹介した。引き続き、福井県総合政策部電源地域振興課の清水英男課長が原子力利用および原子力発電所に関する人材育成計画を含む福井県のエネルギー研究開発拠点化計画を紹介した。放射線傷害に関連したがんの陽子線治療のパブリック・アクセプタンス、原子力発電所の安全を確実にするための福井県の役割、および福井大学における原子力工学課程のカリキュラム等について紹介された。
 

来馬克美
若狭湾エネルギー研究センター 専務理事

清水英男
福井県総合政策部 電源地域振興課長

セッション2: 第12回FNCA大臣級会合報告
町末男日本コーディネーターが、2011年12月16日に東京で開催された第12回大臣級会合の概要と決議について報告し、原子力安全の強化、東京電力福島第一原子力発電所事故の教訓の共有、および広報の重要性が強調された。

町末男 FNCA日本コーディネーター

セッション3: 原子力安全および核セキュリティ・保障措置強化
1. 各プロジェクトの成果報告
(1) 放射線安全・廃棄物管理
小佐古敏荘プロジェクトリーダー(東京大学大学院工学系研究科原子力専攻教授)が2011年度の成果として、(i) バングラデシュ・ダッカにおける放射線安全・廃棄物管理(RS&RWM)プロジェクトワークショップ、(ii) 放射線安全に関する統合化報告書のためのデータ集積、および(iii) 2012年3月にFNCAウェブサイトに掲載する予定のRS&RWMニュースレターについて報告した。いくつかの参加国から、緊急時対応は重要であり、FNCAで取り上げるべきとの指摘があった。

(2) 原子力安全マネジメントシステム
ピーター・マックグリンオーストラリアコーディネーターが、2010年にインドネシア、2011年にマレーシアでそれぞれ開催されたワークショップとピアレビューの結果を報告した。マレーシアにおけるワークショップでは、今後のワークショップとピアレビューにおいては自己評価ツールを改良し、原子力施設の自己評価の実施を促進することが合意された。
ピアレビューの過程における重要な特徴は、前回ピアレビューを受けた国がピアレビューチームにより指摘された改善推奨事項を反映した進捗状況を、次回のワークショップにおいて報告することである。また、韓国から次回ワークショップの開催国になるとの申し出があった。プロジェクトの主導国であるオーストラリアは、韓国あるいはバングラデシュのいずれを次回ワークショップ開催国とするか、参加国の了解をとり、FNCA事務局に伝えることとした。

(3) 核セキュリティ・保障措置
千崎雅生プロジェクトリーダー(独立行政法人日本原子力研究開発機構(JAEA)核不拡散・核セキュリティ総合支援センター長)が、2012年2月22日−24日に水戸および東海で開催された第1回ワークショップについて報告した。本ワークショップでは、原子力安全、核セキュリティ、保障措置(3S)において、IAEA、アジア・太平洋保障措置ネットワーク(APSN)、その他多国間での枠組みとの連携、および人材育成(HRD)を通して取り組むべき活動の明確化を図った。

2. 第12回大臣級会合のフォローアップ項目に関する討議
中村武彦プロジェクトリーダー(JAEA安全研究センター研究計画調整室長)がリードスピーチを行い、FNCAプロジェクトは、3Sの基盤整備に関して、相乗効果のある統合を促進する可能性があると指摘した。自然災害にともなう事象に対しても3Sの相乗効果をもたらし得ることに大きな関心が寄せられた。今回の事故を受けて、国際的な安全基準の改善が重要となっていることが認識された。

セッション4: 広報について
秋庭悦子原子力委員会委員が多様な広報の形に焦点を当て広報に関する話題を紹介した。福島第一原子力発電所事故後の最初のステップとして、原子力に対する国民の信頼・信用の回復が重要であると強調した。良好な広報活動のためには、情報の種類および情報発信の戦略も重要であると同時に、原子力関連の論点に対する情報の受け手の特徴を考慮することが重要であると指摘された。将来の国の意思決定を担うこととなる小・中・高校生に対して放射線教育を行うことは、戦略的な方法として価値があるとされた。続いて、財団法人福井原子力センターの伊原隆広報課長が福井原子力センターにおける広報関連活動を紹介した。原子力コミュニケーターの訓練、および放射線に関する日本語の副読本の英語翻訳等、FNCAにおける広報に関する協力が討議された。
 

秋庭悦子
原子力委員会委員

伊原隆
福井原子力センター広報課長

セッション5: 人材養成
1. プロジェクトの成果報告
山下清信プロジェクトリーダー(JAEA原子力人材育成センター長)が、ベトナムでのHRDプロジェクトワークショップが成功裏に開催され、政府からの資金援助について討議されたことを報告した。ワークショップでは、国際協力としてHRDプログラムであるアジア原子力教育訓練プログラム(ANTEP)でのニーズと講座の調整を改善するため、メンバー国は適切な国の組織や関係機関を単一の窓口として指定すべきであると合意された。
ベトナム原子力研究所(VINATOM)原子力訓練センターのグエン・マン・フン副センター長は、ベトナムにおける最初の原子力発電所のためのHRD戦略および計画を紹介し、ベトナム政府によるHRDのための財政的支援とプログラム実施が約束されており、ベトナムにおけるネットワークのひな型の計画・実施はかなり進んでいると述べた。

2. 第12回大臣級会合のフォローアップ項目に関する討議
町日本コーディネーターが、原子力関連プログラムの実施・発展のためには、十分な資金の下での原子力HRDが必要であるという背景が紹介された。このような背景に基づき、FNCAにおけるHRD活動の強化と効果的な協力の促進のために「HRDに関する提言」が紹介された。この提言では、各国内のHRDのニーズを適切に収集、評価すべきHRDネットワークを、各国が構築することが重要であると強調している。オーストラリアは、原子力発電の開発を実施していない国のポジションと、HRDネットワークは各国のニーズにともなって発展させていくという認識を提言の序文に明記した。原子力発電所の開発が決定されれば国による予算が確保されるが、一方で原子力発電所の開発が決定していない国でもFNCA協力を通したHRDのための予算支援をある程度行うべきである。
「HRDに関する提言」は修正・改良の上、承認された。

セッション6: 原子力発電の基盤整備に関するスタディパネルの成果と計画
内閣府原子力政策担当室の濱田早織政策調査員が、2011年7月5日−6日にジャカルタで開催された第3回パネル会合について報告し、第4回パネル会合の計画を紹介した。第4回パネル会合は2012年7月26日−27日にタイにおいて開催予定であり、東京電力福島第一原子力発電所事故で得られた経験と教訓の共有、広報、緊急時対応に焦点が当てられるとした。続いてタイエネルギー省エネルギー政策計画局電力政策部のサメルジャイ・スクスメック部長が第4回パネル会合の計画案を紹介した。
本会合では、第4回パネル会合において緊急時対応に関する各国の状況および情報の交換を行うことが合意された。情報交換の後、財源のような問題点の確認を含めてピアレビュー実施の可能性について討議が行われる予定である。可能であれば専門的情報の共有のためにIAEAを招聘する。開催国であるタイは、東京電力福島第一原子力発電所事故により延期された原子力発電所建設計画に関する特別発表を準備する予定である。

セッション7: 研究炉利用開発
1. プロジェクトの成果報告
(1) 研究炉ネットワーク
河村弘プロジェクトリーダー(大洗研究開発センター副所長)が、研究炉ネットワーク(RRN)プロジェクトの背景と目的を紹介し、2011年10月24日−27日に韓国で開催された第1回ワークショップについて報告した。ワークショップでは2012年の活動計画が討議された。アドホック会合が2012年3月15日−16日に中国で開催される予定であり、アイソトープの安定生産・供給/配布の確保を目的として、FNCA地域ネットワークに関する提案のドラフトが準備される予定である。将来の需要推定や、新規研究炉の設計および建設・運転・管理に関する専門知識の獲得の支援、および運営管理や運転のトレーニング等が提案された。インドネシアのユディウトモ・イマルジョコプロジェクトリーダー(PT Batan Teknologi(Persero)社社長)が、インドネシアにおける研究炉利用とアイソトープ供給計画および輸出状況を紹介し、アイソトープ輸送に関する課題についても言及した。

(2) 中性子放射化分析
海老原充プロジェクトリーダー(首都大学東京大学院 理工学研究科分子物質化学専攻教授)が、プロジェクト第4フェーズにおける第1回ワークショップに関し、鉱物探査と地表の元素分布、食品汚染のモニタリング、海洋堆積物に着目した環境汚染のモニタリング、の3つのサブプロジェクトで得られた成果を報告した。分析技術としてのICP-MSとの相乗効果、エンドユーザーとのより密接な関係の確立、および各国コーディネーターを通じた本プロジェクトに対する国からの一層の支援について提案があった。フィリピンは本プロジェクトにおけるRCAとFNCAの良好な関係に言及した。次回ワークショップの期日についても議論された。次回ワークショップには新たな参加国であるカザフスタンおよびモンゴルの参加が期待される。本プロジェクトが、学術誌への論文によりFNCAにおける成果の国際社会へ発信に貢献していることが認識された。

2. 第12回大臣級会合のフォローアップ項目に関する討議
町日本コーディネーターが、「アイソトープ製造・供給、研究活動および人材育成のための研究炉ネットワーク構築」についてのリードスピーチを行い、FNCAメンバー国において研究炉の保守点検期間や計画的停止の調整を考慮して、放射性同位体(RI)の生産・供給・価格の安定を確保するための地域ネットワークの重要性と同様に、新規研究炉の設計と運転に関する経験の共有も重要であると指摘した。

セッション8: 放射線利用開発
1. プロジェクトの成果報告
(1) 放射線育種
中井弘和プロジェクトリーダー(静岡大学名誉教授、同学元副学長)が、イネの品質改良育種サブプロジェクトについて、ほとんど全ての参加国がそれぞれの需要に合った有望な突然変異体の開発を進めていることを報告した。耐病性バナナに関しては、マレーシアおよびフィリピンですでに商業利用のための技術移転に成功している。また、可能な相互協力とより広い技術利用を促進するため、FNCAとRCAで放射線育種に関するワークショップを数年に一度同時開催することが提案された。

(2) バイオ肥料
横山正プロジェクトリーダー(東京農工大学農学研究院生物生産科学部門教授)が、i) キャリアの放射線滅菌利用と課題、ii) FNCAバイオ肥料品質基準マニュアルの開発、iii) 多機能バイオ肥料の開発、iv) バイオ肥料とオリゴキトサン植物生長促進剤の併用等に関するプロジェクトの成果と課題について報告し、次期フェーズでの主要な目標はバイオ肥料の大量生産技術の開発と利用拡大であり、さらにオリゴキトサンとバイオ肥料の相乗効果も研究されると述べた。バイオ肥料は持続可能な農業に貢献しており、各国の農業関連機関のエンドユーザーや農業関連省庁に成果を普及すべきであることが強調された。

(3) 電子加速器利用
天然高分子の放射線加工による植物生長促進剤(PGP)と超吸水材(SWA)製造の利点に関する2つの報告が行われ、両者の利用が成功したことが確認されている。
玉田正男プロジェクトリーダー(JAEA量子ビーム応用研究部門環境・産業応用量子ビーム技術研究ユニット長)は、フィールド試験においてPGPが収量増大に効果があったことを報告した。マニラで開催されたワークショップでは、PGPとSWAに関し、農業セクターでのさらなる研究開発と技術移転が今後も継続されることが合意された。
また、カマルディン・ビン・ハシムプロジェクトリーダー(マレーシア原子力庁放射線加工技術部長)が、オリゴキトサンPGPのイネに関するフィールド試験の結果、オリゴキトサンが収量増大と同時に殺菌剤の役割を果たすこと、またオリゴキトサンの種子浸漬と散布の相互作用が明らかとなったと報告した。

(4) 放射線治療プロジェクト
辻井博彦プロジェクトリーダー(独立行政法人放射線医学総合研究所フェロー)が2012年1月10日−13日に中国の蘇州と上海で開催されたワークショップについて報告を行った。アジア地域で発症率の高い子宮頸がん及び上咽頭がんを含めた共同臨床試験を通して、放射線治療の良好な結果が示され、安全かつ効果的な治療方法が提案された。また、中国のツァオ・ジェンピンプロジェクトリーダー(蘇州大学核医学部放射線医学防護学院院長)が本プロジェクトについて中国における現状を報告した。討議ではこのプロジェクトの成果の普及が重要であると強調された。

2. IAEA/RCAの活動報告と協力のあり方
FNCAとRCA間の協力について町日本コーディネーターがリードスピーチを行い、FNCAとRCA間の、特に農業分野における協力の必要性を強調し、農業管理セミナーの開催と広報分野における協力を提案した。続いてRCA地域事務局がRCAに関する発表を行い、RCA中期戦略の詳細が説明され、FNCAとRCA間の協力強化のために情報交換の強化が強調された。討議において、相乗効果を得るために取り得る協力方法が述べられた。協力拡大における課題として、予算の制限についても言及された。この点に関しては、4月に行われるRCA代表者会議において討議することとした。

3. 第12回大臣級会合のフォローアップ項目に関する討議
「放射線・アイソトープ応用の実用化促進とエンドユーザーとの連携強化」をテーマとして、フィリピン科学技術省(DOST)のフォルナート・タンセコ・デ・ラ・ペナ次官がリードスピーチを行い、フィリピンにおける技術移転の法律について、特にキープレイヤー、知的財産所有権、収益配分、商業化、及び関連する制度等を紹介した。

フォルナート・タンセコ・デ・ラ・ペナ
フィリピン科学技術省次官

セッション9: FNCAの今後の活動について
1. 第12回大臣級会合のフォローアップ項目に関する討議
町日本コーディネーターが、「プロジェクト活動成果の国際社会への情報発信」に関するリードスピーチを行い、メンバー国における注目すべきFNCAの成果の普及を改善するためのいくつかの例を紹介した。商業化による経済効果の実績あるいは予測が、プロジェクトの成果を評価する手法の一つであり、これにより潜在的なエンドユーザーの関心を集めることができるのではないかと述べられた。
国際社会に対しプロジェクトで得られた成果を効果的に普及することが、資金の持続的確保も含めFNCAの活動の持続可能性と継続した成長を達成するために必要であり、その重要性が強調された。中性子放射化分析プロジェクトの例のように学術誌に投稿することが他のプロジェクトでも奨励され、また、インターネット等のさらなる効果的な利用を進めるべきである。また、成果を普及させるターゲットと方法はプロジェクト設立の際に明確化されるべきであり、そうした普及に向けて努力を促していくべきであるとの指摘もなされた。

2. 2011年度成果評価と2012年度活動計画
町日本コーディネーターが、2011年度におけるFNCAプロジェクトの主な成果についてまとめの報告を行い、さらなる農家への拡大と商業利用の促進という目標を達成するため、放射線育種プロジェクトおよび電子加速器利用プロジェクトの活動延長を提案した。また、2012年度のワークショップに関し、開催国と主なトピックに関する計画を提案した。議論においては、商業化のコスト評価も重要な課題として指摘された。
放射線育種プロジェクトと電子加速器利用プロジェクト両プロジェクトの3年間の延長、およびその他の全てのプロジェクト活動の継続実施について合意が得られた。
2012年度のワークショップの予定については、以下のように合意された。
· 放射線育種プロジェクト - マレーシア、2013年2月
· バイオ肥料プロジェクト - 中国、2012年7月(確認中)
· 電子加速器利用(天然高分子の放射線利用)プロジェクト - カザフスタン、2012年10月
· 放射線治療プロジェクト - タイ、2013年1月
· 中性子放射化分析プロジェクト - ベトナム、2012年8月
· 研究炉ネットワークプロジェクト - インドネシア、2012年9月
· 放射線安全・廃棄物管理プロジェクト - フィリピン、2013年1月
· 原子力安全マネジメントシステムプロジェクト
2ヶ国(バングラデシュおよび韓国)が次期ワークショップおよびピアレビューの開催国となることを申し出た。韓国およびバングラデシュが開催国となることに賛成・反対の両方の意見があったことから、プロジェクトリーダーであるオーストラリアのバジル・エリス氏が次回ピアレビューにふさわしい施設について合意を得ることとした。この合意により選ばれた国がバングラデシュ、韓国のどちらとなっても、選ばれなかった国が続く2013年度にワークショップを開催する予定である。
· 核セキュリティ・保障措置プロジェクト - ベトナム、2012年12月
· 人材養成プロジェクト - 中国、2012年9月

セッション10: 閉会セッション
第13回コーディネーター会合の結論と提言が承認された。サマリーレポートについては、各国からのコメントを集約し、事務局が最終版を作成することで合意された。町日本コーディネーターによる閉会の挨拶では、全ての参加者に対し、FNCA活動における多大なる貢献とこれまでの継続的な支援に対して感謝の意が表された。

本会合3日目の3月9日には、福井県及び福井県国際原子力人材育成センター主催にてアジア原子力人材育成会議が開催された。続いて、若狭湾エネルギー研究センター、原子力発電訓練センター(NTC)、関西電子ビーム(株)、美浜オフサイトセンターの見学を行い、各国と放射線利用や原子力発電所に関する知見や情報の共有を図った。


若狭湾エネルギー研究センター
 

原子力発電訓練センター(NTC)
 

関西電子ビーム(株)

美浜オフサイトセンター