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第18回コーディネーター会合

2017年3月7日〜8日
東京 三田共用会議所


集合写真

 2017年3月7日(火)から8日(水)まで、内閣府・原子力委員会の主催、文部科学省による共催の下、第18回FNCAコーディネーター会合が、東京において開催されました。FNCA日本コーディネーターである和田智明氏が会合議長を務めました。
 会合には、FNCA参加11ヵ国(オーストラリア、バングラデシュ、中国、インドネシア、日本、カザフスタン、マレーシア、モンゴル、フィリピン、タイ、ベトナム)の他、RCA地域オフィスから代表が出席しました。(韓国は都合により欠席)

結果概要は以下の通りです。

  • FNCAプロジェクト全10件の代表者から、年間活動についての報告が行われました。2016年に実施期間が終了するプロジェクト6件からは、これまでの活動成果や今後の展望についての紹介も行われた。
  • 昨年のFNCA大臣級会合で承認された「新たな評価プロセス」の下、合計6件のプロジェクトが提案され、それらの評価を実施した。その結果、2件の新規プロジェクト(「原子力及び同位体技術を用いた気候変動研究プロジェクト」及び「研究炉利用プロジェクト」)及び現行プロジェクトを基礎に、新たなフェイズとして実施するプロジェクト3件(「放射線治療」「放射線安全・廃棄物管理」「核セキュリティ・保障措置」)を2017年に開始することになった。
  • 「会合ガイドライン(TOR: Terms of Reference)」案について議論し、原案につき合意した。本年10月に開催する大臣級会合での最終承認に向け、7月の上級行政官会合で「会合ガイドライン」案についてさらに議論する。
  • 昨年の大臣級会合で正式決定された「FNCA賞」の導入に関し、選定・運用手順を含む実施案を議論した。継続的改善を条件に、今回提案された枠組みを試行し、本年10月の大臣級会合に初回授与を行うことを合意した。
  • 「放射線育種」や「放射線治療」分野における相乗効果の確保や経験の交流を目的としてIAEA/RCAとの協力を継続することを合意した。

各セッションの詳細は以下の通りです。

セッション 1:開会セッション

 和田FNCA日本コーディネーターの開会宣言に続き、岡原子力委員会委員長が開会挨拶を行いました。

「岡委員長と和田コーディネーターの写真
岡原子力委員会委員長(手前から4人目)
和田FNCA日本コーディネーター(手前から3番目)

セッション2:2016年度のFNCA会合報告

 進藤内閣府大臣官房審議官(上級行政官会合議長)が、2016年11月に東京で開催された第17回大臣級会合の概要及び共同コミュニケのポイントを紹介しました。

セッション3:原子力安全強化プロジェクトの成果報告

  1. 原子力安全マネジメントシステム
     本プロジェクトはオーストラリアの主導の下6年間実施され、この間に、参加各国6カ国の研究炉のピアレビューを実施しました。安全監視、文書管理、高経年化対策など原子力施設における安全マネジメントシステムが強化され、これに関する知見や良好事例の共有などの成果をあげた旨、報告されました。

  2. 放射線安全・廃棄物管理
     本プロジェクトはFNCA参加国間において放射線安全及び放射性廃棄物管理に関する情報、知見を共有することで、アジア地域における放射線及び放射性廃棄物の取り扱いに関する安全性の向上を図ることを目的としています。プロジェクト期間中、参加国の放射線安全・廃棄物管理の現状をまとめた報告書の刊行、研究施設における放射線安全・廃棄物管理の確保の考え方や取組方法について参加各国間での情報共有が図られ、FNCA地域の安全文化を促進した旨、報告されました。

  3. 人材養成
     本プロジェクトはアジア地域の人材育成・交流の促進により、原子力技術基盤の強化を目的としています。プロジェクト期間中、参加各国の原子力人材育成関係者国内ネットワークの構築、中・高等学校における原子力・放射線に関する科学教育支援などが行われた旨、報告されました。
     会合は各国が実施している人材育成プログラムを、アジア原子力教育関連プログラム(ANTEP)を通じ効果的・効率的に情報公開することを勧奨しました。また、FNCA参加国間の人材養成の一層の促進に向け、「人材養成」に係る課題は、大臣級会合で討論されることが推奨されました。

  4. 核セキュリティ・保障措置
     本プロジェクトは2010年のワシントン核セキュリティ・サミットでの日本の声明に呼応して開始されました。核セキュリティ・保障措置の重要性に係る各国の認識を高めるための情報交換、人材養成、研究開発を推進しています。プロジェクト期間中、ワークショップや公開セミナーを通じ、核セキュリティ・保障措置のための能力向上や枠組強化において成果が見られた旨、報告されました。

  5. 放射線育種
     本プロジェクトは、アジア各国でニーズの高い農作物に対し、放射線照射による突然変異育種技術にて耐病性、耐虫性、耐旱性などに優れた品種を作り出し、アジア地域における食糧増産と農作物の高品質化に貢献することを目的としています。今回会合では、持続可能な農業のためのイネの突然変異育種プロジェクトについて、各国において得られたすぐれた突然変異育種の登録・実用化が順調に進められていること、放射線・イオンビームが実用的観点から有効な突然変異誘発源になることが、プロジェクトの中で確認された旨、報告されました。

  6. バイオ肥料
     本プロジェクトは、放射線滅菌を利用して高品質なバイオ肥料を開発・普及することにより、アジア地域における食糧生産を増加させるとともに、化学肥料の使用を低減し、環境と土壌の保全を図り、持続可能な農業を促進することを目的としています。今回会合では、電子加速器プロジェクトでの植物生長促進剤との連携の強化等を目的とした合同ワークショップを開催し、情報交換の継続、効果的な連携方法や今後の課題についての議論をおこなった旨、報告されました。

  7. 電子加速器利用
     本プロジェクトは、各国に存在する天然高分子の放射線分解による植物生長促進剤を用いたフィールド試験の実施や、放射線架橋による高品質な超吸水材ハイドロゲルの研究開発等を行い、エンドユーザーへの技術移転を図ることを目的としています。今回会合では、技術移転を促進するための実施計画の策定、バイオ肥料プロジェクトとのワークショップの共催により、工業利用から農業利用に亘る幅広い層の研究者やユーザーに対する放射線利用技術の普及が行われた旨、報告されました。

  8. 放射線治療
     本プロジェクトは、アジア地域にて罹患率の高いがん(特に、子宮頸がん、上咽頭がん、乳がん)についてアジア人の体格、経済事情を考慮したプロトコル(標準治療手順)確立を目的としています。20年余りにわたる多国間共同臨床試験を通じ、FNCA参加国において標準治療法を確立し継続的に更新中である旨、報告されました。

  9. 研究炉ネットワーク
     本プロジェクトは、各国が保有する研究炉の情報共有、研究者の技術基盤向上、各国研究炉の相互利用促進、RI(放射性アイソトープ)の安定供給の推進を目的としています。今回会合では、各参加国内において医療用アイソトープの生産と安定供給ネットワークが形成された他、FNCA地域のネットワークを確立したこと、Mo-99の生産技術や医療用アイソトープ生産のための新たな研究開発に係る情報共有が促進された旨、報告されました。

  10. 中性子放射化分析
     中性子放射化分析は、分析対象物に中性子を照射して構成元素を放射化させ、その放射能及びエネルギーを測定して元素分析を行う手法であり、試料の化学組成を非破壊で高感度に分析することが可能です。今回会合では、サブテーマ(1)「大気浮遊塵PM2.5の分析による大気汚染状況評価」「レア・アース分析による鉱物資源評価」の年次計画の策定と終了時目標の設定、及び(2)エンドユーザーとの連携強化や新たなエンドユーザー獲得に向けた各国取組状況に関する報告がなされました。

セッション4: IAEA/RCAの活動とFNCAとの協力

 RCAは、アジア・太平洋地域の加盟国を対象とした原子力科学技術に関する研究、開発及び訓練のための地域協力協定に基づき、加盟国間の技術支援協力を行うIAEAの事業であり、FNCA参加国より11か国及び非FNCA参加国11か国(インド、パキスタン、スリランカ等)の22か国が参加しています。今回の会合では、RCA地域事務所(韓国)ムン・ヘジュ所長が出席し、本年度のRCA活動の紹介がありました。RCAではFNCAを「戦略的な協力パートナー」と位置付けており、2017年以降も、放射線育種や放射線治療分野での協力が合意されました。

ムンRCA所長の写真
ムン・ヘジュRCA地域オフィス所長(右)

セッション5: 新規プロジェクト提案に関する説明

 第17回大臣級会合の共同コミュニケを踏まえ、2017年より開始する新規プロジェクト「原子力と同位体技術を活用した気候変動研究」に関し、オーストラリアから準備進捗の説明がありました。また、バングラデシュより保健医療専門家のための核科学に関する資料/データについての情報交換を主な内容とする新規「人材養成プロジェクト」提案の概要説明がありました。

セッション6:第17回大臣級会合共同コミュニケのフォローアップに関する討議

(1)FNCA会合TOR(Terms of Reference)に関する検討
 本年10月の大臣級会合での最終承認に向け、「会合ガイドライン」案について議論し合意しました。議論に際し、TORに「各層会合構成員リスト」を添付すること(「付録」)が提案されました。7月の上級行政官会合で「会合ガイドライン」案についてさらに議論されます。
(2)FNCA賞選定に係る検討
 昨年度の大臣級会合で正式決定された「FNCA賞」の導入に関し、選定・運用手順を含む実施案を討議しました。その際、選定プロセスに関連し、各層会合の受賞者決定権や候補プロジェクト推薦の妥当性に関連するコメント・質問が提起されました。継続的改善を行うことを条件に、今回提案された枠組を試行し、本年10月の大臣級会合に初回授与を行うことが合意されました。

セッション7:FNCAプロジェクトの今後の活動について

 和田FNCA日本コーディネーターより、「新たな評価プロセス」の下、提案された6件のプロジェクト提案の総括評価が提示されました。続いて、各国コーディネーターより、所定の評価の視点から、各プロジェクト提案に対するコメントが発表されました。その結果、2件の新規プロジェクト(「原子力及び同位体技術を用いた気候変動研究プロジェクト」及び「研究炉利用プロジェクト」(「研究炉ネットワークプロジェクト」と「中性子放射化分析プロジェクト」を統合))、及び現行プロジェクトを基礎に、新たなフェイズとして実施するプロジェクト3件(「放射線治療」「放射線安全・廃棄物管理」「核セキュリティ・保障措置」)を2017年に開始することになりました。なお、保健医療専門家のための核科学に関する資料/データに関連した「人材養成プロジェクト」については、案件熟度の向上など、さらなる検討を要すると評価されました。

会合の様子の写真
会合の様子

セッション8:閉会セッション

 和田FNCA日本コーディネーターから今回会合の「結論と提言」案が提示され、討議の結果合意されました。

テクニカルビジットの様子の写真 テクニカルビジットの様子の写真
J-PARCへのテクニカルビジットの様子(3月6日)

結論と提言(仮訳)


1. コーディネーター会合(「以下「会合」)は2016年度のFNCA活動が効果的に実施され、参加国に利益をもたらし、重要な成果をあげたことを高く評価した。
2. 気候変動緩和に向けた原子力科学技術の利用による持続的発展への貢献の重要性や、放射性廃棄物の安全管理と処分の課題に対する取組の重要性に関連し、第16回及び17回FNCA大臣級会合の各共同コミュニケの指摘を踏まえ、会合は以下のとおり合意した。
a) 原子力と同位体技術を適用することで、気候変動に対する生態系と景観の脆弱性と復元力を把握することをメンバー国に支援するため、2017年に気候変動研究プロジェクトを新規に開始する。
b) 特に、廃棄物保管及び処分施設の建設について、放射線安全・廃棄物管理プロジェクトを強化するとともに、放射線安全と安全文化を促進させる。
3. 会合は、2016年に実施期間が終了する6つの既存プロジェクト、a)放射線治療、b)研究炉ネットワーク、c)原子力安全マネジメントシステム、d)放射線安全・廃棄物管理、e)人材養成、f)核セキュリティ・保障措置の終了時評価を実施した。各プロジェクトの評価は以下のとおり。
a) 放射線治療
アジア地域に多くみられるがんに最適な治療法を確立するため、本プロジェクトは20年以上にわたり化学放射線療法臨床研究を行ってきた。臨床研究の結果、FNCAメンバー国においていくつかの放射線治療に関する共通手順書(プロトコール)が作成された。
b) 研究炉ネットワーク
本プロジェクトは医療用アイソトープの生産と安定供給のためのメンバー国内のネットワークを構築してきた他、FNCA地域間ネットワークも確立してきた。また、Mo-99の生産技術や医療用ラジオアイソトープ生産のための新たな研究開発に係る情報共有を促進した。
c) 原子力安全マネジメントシステム
本プロジェクトは2010年から2016年の間、インドネシア、マレーシア、韓国、バングラデシュ、ベトナム、タイの施設を対象に、計6回のピアレビューを実施した。ピアレビューを受けた施設は、改善に向けた指摘事項に従って、安全監視、文書管理、高経年化対策、維持管理の安全マネジメントシステムが強化された。また、本プロジェクトは原子力安全マネジメントに関する知見や良好事例の共有を通して、原子力安全の強化に貢献をした。会合は、安全管理システムの更なる強化に向けFNCAウェッブページに良好事例を掲載し、FNCAメンバー国間でそれらを共有することを奨励した。
d) 放射線安全・廃棄物管理
プロジェクト参加国の現状をまとめた報告書などの刊行に加え、研究施設などにおける放射線安全・廃棄物管理の確保についての考え方、取組み方について参加国間で情報共有が図られ、FNCA地域における安全文化が促進をされた。
e) 人材養成
本プロジェクトでは、各メンバー国に対し、原子力人材育成に関わる国内ネットワークの構築を促した他、中・高等学校における原子力・放射線に関する科学教育を支援した。会合は、各国が実施している人材育成のためのプログラムについて、効果的・効率的に情報を公開するため、アジア原子力教育訓練プログラム(ANTEP)のネットワークシステムを構築し、アジア各国の研究者等の一層の活用を勧奨した。また、FNCA 参加国間の人材養成を一層促進するため、「人材養成」に係る課題は、大臣級会合で討論されることが推奨された。
f) 核セキュリティ・保障措置
3年間の本プロジェクト活動では、ワークショップや公開セミナーの開催を通じ、核セキュリティ・保障措置の重要性についての認識の向上、核セキュリティ・保障措置のための能力向上や枠組強化などの顕著な成果が見られた。
4. 第17回FNCA大臣級会合で承認された「新たなプロジェクト評価プロセス」の下、「新規プロジェクト」と「現行プロジェクトの新フェイズ」合計6件の提案が提出され、全コーディネーターは、関連性、有効性、効率性、インパクト及び持続性(発展性)の観点からの評価を実施した。その結果、会合は3年を期間とする、2つの新規プロジェクト:「原子力及び同位体技術を用いた気候変動研究プロジェクト」及び「研究炉利用プロジェクト」(「研究炉ネットワークプロジェクト」と「中性子放射化分析プロジェクト」を統合)及び既存プロジェクト3件の新フェイズ(期間3年):「放射線治療」及び「放射線安全・廃棄物管理」、「核セキュリティ・保障措置」の開始を合意した。付帯コメントは以下のとおり。
a) 放射線治療
    子宮頸がんに対する、最新の放射線治療技術を含む、放射線治療及び化学療法による最適な治療法(CERVIX-V)が、3年間で確立し普及されることが期待される。
    参加医療機関での放射線医療の物理的なQA/QCが重要であり、計画通りに実施されるべきである。
ワークショップ参加者が、臨床医と医学物理学者の代表としてだけでなく、3種類のがんに対する代表としても必要を満たせる様、各国から最低でも2名の参加が必要である。
b) 原子力及び同位体技術を用いた気候変動研究
    本プロジェクトを通じて、FNCA参加国の原子力及び同位体技術の環境研究への適用に関して技術レベルが強化されることを期待する。
土壌、水質、土壌侵食、海岸浸食、海洋システム等の研究での参加国の技術協力が、この3年間に始まることを強く期待する。
c) 研究炉利用
本プロジェクトは中性子放射化分析から人材養成まで複数のサブテーマに分かれるが、各国の研究者や技師の技能向上に有効であることが期待される。
研究炉の研究者の技術レベルの向上のために、文科省の原子力研究者交換プログラムが活用されることが重要である。
毎年のワークショップでは2〜3のトピックに絞ることが望ましい。
各国より、プロジェクト・リーダーと副プロジェクト・リーダーが選ばれることが必要である。一人は研究炉の運用と管理の責任部署から、もう一人は、中性子放射化分析の研究者が望ましい。中性子放射化分析プロジェクトで進行中の研究活動は2019 年3 月まで継続すべき。
d) 放射線安全・廃棄物管理
FNCA参加国の大半が、低レベル放射性廃棄物の処理施設及び長期保管施設の建設を計画しており、本プロジェクトは、低レベル廃棄物の放射線安全と管理に関連して、各国の安全性向上に資するべき。
e) 核セキュリティ・保障措置
核鑑識、サイバー・セキュリティ、放射線源のセキュリティについて、向こう年間にわたり集中的に議論し、喫緊の課題であるアジアに於ける核セキュリティの有効な国際的な仕組みを構築すべき。
核セキュリティの人材養成は、本プロジェクトにて推進されることが強く期待される。
5. 会合は、放射線開発に関連する3件のプロジェクト:「放射線育種」「バイオ肥料」及び「電子加速器応用」の進捗を把握するとともに、それらプロジェクトが参加国の協力の下、農業分野において効果的に実施されていることを確認した。
6. 会合は、評価活動の改善に向け、プロジェクトの「新たな評価プロセス」について、次回第19回会合でレビューを行うこととした。
7. 放射線育種、放射線治療及び放射線プロセスの分野において、IAEA/RCA参加国でFNCA以外のメンバー国との相乗効果の確保や経験の共有を目的として、IAEA/RCAとの協力を継続させることを合意した。
8. FNCAの「会合ガイドライン(TOR)」の制定に関し、会合は、来る第18回FNCA大臣級会合での最終承認に向けて(案)について議論し、原案につき合意した。その際、TORに別添として、コーディネーターを始め、その他会合のメンバーのリストを添付することが提案された。更なるコメントがある場合には、(参加各国は)2017年3月21日までにFNCA事務局にコメントを提出する。TOR原案は、2017年7月19〜20日に開催されるSOMにて最終原案とされる。
9. 会合は、第17回FNCA 大臣級会合で正式決定された「FNCA賞」の導入に関し、選定・運用手順を含む実施ガイドライン案について討議した。その際、選定プロセスに関連し、上級行政官会合(SOM)と大臣級会合(MLM)の受賞者決定権や候補プロジェクトの提案に題する妥当性に関連したコメント・質問が提起された。会合は、提案された枠組でまずは開始し、継続的改善に向け議論を続けることとした。来る7月のSOMで受賞候補者を確認・決定し、10月の大臣級会合にて初回授与を行う予定。
10. 会合は、日本の会計年度2017年度のプロジェクトワークショップについては、別添1に示すとおりそれぞれの参加国政府が主催することで合意した。「電子加速器利用」と「バイオ肥料」プロジェクトは、成果における相乗効果の確保、効果・効率的な討論実施の観点から、共同ワークショップを開催する予定である。主催候補国政府は、可及的速やかにその実施可能性を確認し、共有することを合意した。
11. 会合サマリー(ドラフト)は各国コメントを得るため2週間以内にメールにて送付し、参加国コーディネーターはその後2週間以内にコメントを寄せること、事務局は各国同意を得た最終報告を作成する。