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放射線加工・高分子改質 ワークショップ

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ロゲルおよびオリゴ糖類
の開発に関するFNCA
ガイドライン
(PDF)
オリゴキトサンのイネと唐辛子への利用に関するガイドライン(PDF)

ワークショップ

FNCA 2006 電子加速器利用ワークショップ

FNCA 2006 電子加速器利用ワークショップ
-天然高分子の放射線加工-
概 要

2006年12月12日〜16日、クアラルンプール、マレーシア

開会で挨拶するマレーシア原子力庁のダウド長官
開会で挨拶するマレーシア原子力庁のダウド長官
FNCA 電子加速器利用ワークショップが平成 18 年 12 月 12 日より 16 日まで、マレーシアのクアラルンプールにおいて、中国、インドネシア、日本、韓国、マレーシア、フィリピン、タイ、ベトナムの専門家約20名が参加して開催された。

 ワークショップでは各国プロジェクトリーダーより、プロセス開発に関するカントリーレポートの発表と今後の活動計画について討論が行われた。ワークショップに先立ち、電子加速器利用の技術や応用について情報共有するための上級管理者セミナー ( 公開セミナー ) が開催され海外からの参加者を含む専門家の講演と質疑応答があった。参加者はマレーシアの産業界、大学、研究機関などから約 120 名が参加した。その際、天然高分子の放射線加工処理に関する製品やポスターの展示会も行われた。

開会で挨拶するマレーシア原子力庁のダウド長官 開会で挨拶するマレーシア原子力庁のダウド長官 開会で挨拶するマレーシア原子力庁のダウド長官
公開セミナー風景 製品・ポスター展示会風景

 ワークショップの内容は以下の通りである。

久米リーダーが講演中のワークショップ
久米リーダーが講演中のワークショップ

 天然高分子の放射線加工には、放射線架橋でヘルスケアおよび環境保全に役立つ天然高分子ハイドロゲル製造と植物の成長促進剤となる放射線分解天然高分子を製造する2つの領域がある。放射線架橋ハイドロゲルについては、韓国よりキトサン - ハイドロゲル、日本より CMC- ハイドロゲル、マレーシアよりサゴデンプン - ハイドロゲル、インドネシアよりカラジーナン - ハイドロゲル、およびタイよりキャッサバ - ハイドロゲルに関するプロセス開発の状況が報告された。植物成長促進剤となるアルギン酸、カラギーナン、キトサンなどの天然高分子の放射線分解は、ベトナム、フィリピン、および中国からプロセス開発の状況が報告された。

 以上の報告を受け、 FNCA 各国において農業用放射線分解天然高分子および放射線架橋天然高分子ハイドロゲルの開発と実用化が成功裏に進んでいる例もあることから、「放射線加工によるハイドロゲルおよびオリゴ糖類の開発に関する FNCA ガイドライン」を作成して配布することを合意した。ガイドラインは天然高分子の放射線加工の概説、架橋ハイドロゲル、および天然高分子分解の個々のプロセスの解説で構成される。
 実用化に焦点を絞ったプロセス開発については、次回ワークショップまでに、フィリピン、タイ、ベトナム、マレーシアの4カ国に日本からの専門家で構成するエキスパート・ミッションが個別に訪問して詳細を詰めていくことになった。
  また、天然高分子の放射線加工処理については、2年間の計画ではなく、3年計画とすることをコーディネーター会合や大臣級会合に報告することになった。
  次回の 2007 年のFNCA電子加速器利用ワークショップはベトナムで開催することが提案された。
  ワークショップの開催中に実施された住友電工のマレーシア子会社のジョホールバル工場を参加者全員とマレーシア原子力庁の専門家で視察した。その概要は以下の通り。
12 月 14 日にジョホールバル市にあるマレーシア法人住友電気インターコネクト・プロダクツ株式会社を視察。武田康夫社長の出迎えを受けた。同社は電子線架橋ケーブルを含む各種電線を製造していて、伸線、配合、押出、照射工程までの電子線による放射線架橋の全工程を視察した。電子加速器については、日新ハイボルテージ社 (NHV) 製の2 MeV 電子加速器の照射室内部と搬送装置を見学した。同工場には3基の電子加速器があり、それらは 800 keV (100 mA) 、 2 MeV (100 mA) 、および 250 keV (80 mA) の電子加速器である。

2006年FNCA電子加速器利用ワークショップの参加者

2006 年 FNCA 電子加速器利用ワークショップの参加者


FNCA 2006 電子加速器利用ワークショップ
-天然高分子の放射線加工-
議 事 録 (仮訳)

2006年12月12日〜16日、クアラルンプール、マレーシア

  1. はじめに
     本ワークショップは、文部科学省( MEXT )とマレーシア科学技術革新省 (MOSTI) が共催し、マレーシア原子力庁( Nuclear Malaysia )と日本原子力研究開発機構( JAEA )が共同して実施した。本ワークショップは、マレーシア、クアラルンプールのプトラ世界貿易センター( PWTC )で開催された。ワークショップの主な目的は、 FNCA 参加国における天然高分子の放射線加工の実用化状況を分析し、 2006-2007 年の FNCA 活動の作業計画を策定するとともに今後のプロジェクトのため天然高分子の放射線加工の新技術を論議することであった。

    今回は電子加速器利用に関する FNCA プロジェクトの第 6 回目のワークショップである。プロジェクトの主要な目的は、様々な応用とすぐれた安全特性がある電子線 (EB) 照射システムを使用した新技術を開発し、その応用例を公開することである。このシステムは放射線加工、環境保全等の種々の分野に応用できる。本プロジェクトは FNCA 加盟 8 カ国の参加により組織されている。

    本会合には参加国からの電子加速器の応用及び天然高分子の放射線加工の専門家、中国 (1 名 ) 、インドネシア (1 名 ) 、日本 (7 名 ) 、韓国 (1 名 ) 、マレーシア ( 事務局含めて 8 名 ) 、フィリピン (1 名 ) 、タイ (1 名 ) 及びベトナム (1 名 ) が出席した。

    初日に、天然高分子の放射線加工のための電子加速器利用に関する上級管理者セミナーが開催され、産業界、大学、研究機関及び FNCA 加盟各国専門家の合計 120 名が参加した。同時に開催した展示会には、中国、日本、インドネシア、韓国、マレーシア及びベトナムが参加し、ポスター及び製品が展示された。

    日本原子力産業協会の高橋誠一郎氏が文部科学省に代わって歓迎の辞を述べた。氏は、セミナー及びワークショップを主催したマレーシア政府に謝意を表明した。 Daud Hj. Mohamad マレーシア原子力庁長官が開会の辞を述べた。長官は、すべての関係者を暖かく歓迎し、セミナー及びワークショップの討議が成功裏に終わり成果をあげることを希望すると表明した。

    FNCA2006 ワークショップはマレーシア原子力庁の Khairul Zaman Mohd Dahlan 放射線加工技術部長が主宰した。ワークショップのプログラムは、概要が説明された後、無修正で採択された。

    日本の久米 FNCA 電子加速器利用プロジェクト・リーダーは、 FNCA 電子加速器利用ワークショップ第1期及び第 2 期の概要を説明した。第2期には、 2 つの主題すなわち、 a) 天然高分子誘導体の放射線架橋及び b) 多糖類放射線分解がある。氏は FNCA 電子加速器利用プロジェクトの評価報告及び FNCA ワークショップ 2005 報告に対する町氏の以下のコメントを紹介した ;
    1. 第2期プログラムは天然高分子の放射線加工に焦点を合わせ、 2 年間 (2006-2007 年 ) とする。
    2. 天然高分子の放射線加工に関する FNCA のプロジェクトは、 RCA の同様なプロジェクトと協力する。

    本会合は、招待講演3件、参加国報告、ジョホール バル市にあるマレーシア法人住友電気結合製品株式有限責任会社の電子線加工施設訪問、プロセス開発、将来計画及び新活動についての討議から構成されている。

  2. 招待講演
     マレーシアの Khairul Zaman Mohd Dahlan 氏は、「天然高分子の放射線加工総論 - 分解及び架橋の応用」について講演した。アジア及び太平洋地域における多糖類 ( カラギーナン、アルギン酸、キチン / キトサン及びデンプン ) の放射線加工の開発状況が紹介された。放射線分解したアルギン酸、カラギーナン及びキトサンが植物成長促進剤及び植物保護剤として一部の国で開発され、実用化された。放射線分解したキトサン、カラギーナン及びデンプンは合成高分子に混ぜられ、創傷被覆材、皮膚加湿剤、生分解性包装フィルム及び発泡体となるハイドロゲルにも使用されている。日本では、カルボキシメチルキトサンやカルボキシメチルデンプンのような天然高分子誘導体の放射線架橋の開発に成功し、汚染物質の除去、家畜排泄物の脱水、褥瘡防止床等の様々な用途に利用されている。

    日本の戸倉清一氏は、加工天然高分子の可能性について講演した。水和キトサン及びキチンの電子線照射、金属射出成形、キトサンの抗菌活性、キトサン塗布アルギン酸フィラメント、及びバクテリア・セルロース繊維や膜の電子線照射による製造が紹介された。

    キチンオリゴマーが上皮細胞 再生 を加速する急性効果に貢献するであろうと強調された。一方、キトサンオリゴマーは繊維芽細胞の形成を誘導し、創傷治癒効果に貢献するであろう。キトサンの抗菌活性は、分子量の大小に大きく依存する。

    もう一つの講演は、マレーシア原子力庁の Zulkafli Ghazali 氏による「照射施設の運転と安全性の要件」であった。照射設備を効率的かつ安全に運転するために必要な基本条件が紹介された。設備の安全運転とオペレターの安全を確保するために必要とされる基本的な安全要求事項が説明された。マレーシア原子力庁の加速器設備の安全面での特徴と安全運転を更に増進するために実施した改善作業も解説された。過去の照射設備事故とこれらの事故から学んだ教訓についての詳しく説明もあった。

  3. 参加各国の報告
     天然高分子放射線加工に関する最近の研究開発及び実用化について8件の参加国報告があった。出席者にとって、天然高分子の放射線加工に関連する諸問題の論議、意見交換、経験を共有するのによい機会となった。参加各国の報告の概要は以下の通りであった。

    中国

    中国はキトサン分解の研究と植物及び水産養殖への応用を推進している。重要なことは、3つの方法 ( 放射線、化学薬品、酵素の触媒作用 ) で分解したキトサンの品質及び費用を比較できるより明白なデータを与えることである。キトサンの植物への応用では、実験室と実地現場でさらに多くの試験を実施するが、実験植物は少数に限定される。水産養殖の会社との協同により、分解キトサンの実用化が強化される。

    インドネシア

    ポリビニルピロリドン (PVP) との放射線共重合で k- カラギーナン (kC) を改質した。ハイドロゲルの物理的及び機械特性から、 PVP と kC の最適共重合条件は組成比が 2/2(g/g) であり、他の組成比のハイドロゲルは脆弱であることを確認した。この PVP/kC- ハイドロゲルは、生物活性材料の固定化マトリックスや創傷被覆材として使用できる。
    脱アセチル化が 80.5% 程度のキトサンを、固体状態、湿った状態及び水溶液の状態で、 Co-60 源からのガンマ線により 50 kGy 照射した。 50 ppm の照射キトサンを含む 300 ml の溶液を赤唐辛子に週3回散布した。照射乾燥固体キトサンにより、赤唐辛子は丈が 50% 、乾燥重量が 93% 増加した。赤唐辛子に照射キトサンを使用する実地試験データは、およそ 60% の増産を示した。

    日本

    カルボキシメチルセルロース (CMC) はペースト状の照射で架橋し、ハイドロゲルが生成する。このハイドロゲルは、野菜や魚を低温保存するための冷却材として応用された。米や甘藷の発酵でつくる焼酎(日本の酒類、アルコール 25% )の残渣は、乾燥 CMC- ハイドロゲルを添加し、発酵することによって短時間で飼料に転換できた。

    トリアリルイソシアヌレート( TAIC )の存在下で放射線架橋したポリ乳酸 (PLA) は、可塑剤への含浸で弾力性を得た。可塑剤を最大 60 wt % 含浸した PLA 樹脂から、柔軟な PLA シートが得られた。
    放射分解アルギン酸水溶液の散布で花の開花が加速され、花の出荷を 1 週間早めることが可能となった。

    韓国

    韓国原子力研究所が開発したカラギーナン及び PVP からなる放射線架橋ハイドロゲルの創傷被覆材 Cligel は、 2001 年に Hugel 社に技術移転された。 2004 年に KFDA の承認がおり、 Hyundai Pharm 社によって市販された。 EB 及びガンマ線による多孔性ゼラチンハイドロゲルが、細胞組織工学のための細胞足場として研究されている。その他の天然高分子ハイドロゲルは、医療目的のために研究されている。

    韓国原子力研究所の高度放射線技術研究所 (Advance Radiation Technology Institute) が Jeoungeupsi に設立された。放射線応用研究のために、 2 つの Co-60 照射施設、線形電子加速器及びイオン注入器が設置された。

    マレーシア

    マレーシアでは、天然高分子の放射線加工はいくつかの進捗段階に分けられる。マスク用サゴハイドロゲルのような特定の製品は、企業に技術移転された。サゴハイドロゲルからの創傷被覆材、包装用生分解性フィルムや発泡体は、開発の段階にある。まだ実験段階にあるものもある。新技術または新材料の実用化のためには、産業パートナーの発掘に一層努力する必要があり、企業への技術移転を成功させるには、研究、試験規模プロジェクト及び実用化のため政府資金の提供が重要であると認識している。

    フィリピン

    PVP- カラギーナンハイドロゲルは、市場試験のためセミコマーシャル規模で生産する段階となった。市場試験後、民間企業に技術移転される見通しである。カラギーナンオリゴ糖類の製造は、技術的経済的可能性が検討される予定である。キトサン -PVP のハイドロゲルは、膀胱尿管逆流症の内視鏡的治療のための人工移植材として開発された。 6 カ月間の動物テストで、安定性、生体親和性及び非遊走性が確認された。カルボキシメチル k- カラギーナン (CM-kC) を合成した。 2 段階カルボキシメチル化反応により CM-kC は放射線架橋できるようになった。最適ゲル化濃度は 40% で、線量は 100 kGy であった。ポリマー濃度の増加とともに架橋線量は減少した。 1g の乾燥 CM-kC ゲルは、線量及び濃度に依存するが、 100 〜 200g の水を吸収する。 CM-kC は医用及び化粧品に応用される。

    タイ

    天然高分子の放射線架橋及び分解の研究開発を継続した。放射線架橋 PVA- 絹フィブロインハイドロゲルで作製した創傷被覆材の動物試験を行った。キャッサバデンプン誘導体の放射線架橋及びグラフトも研究した。放射線分解キトサンは蘭の植物成長促進剤として試験された。絹のガンマ線分解物は市販の石鹸、浴用ゲル及び保湿クリームに利用されている。

    ベトナム

    放射線分解アルギン酸 ( オリゴアルギン酸 ) は植物に対する強い成長促進効果を有するが、照射コスト高のために、化学処置プロセスに変更された。分解アルギン酸に他の成分を混合し、液体肥料として使用されている。照射キトサンからのオリゴキトサンは、 elicitation ( ワクチン ) 及び成長促進の両方の効果を示す。これは植物または種子の病気予防に効果的である。 2006 年に、 70% の水溶性のオリゴキトサンを含む製品が実用化された。水溶性オリゴキトサン濃度をより高めた製品の実地試験が進行している。キトサンの放射線分解線量を低減するため、過酸化水素の相助効果を研究し、 4 〜 16 kGy まで低減する新しいプロセスを開発した。

    放射線架橋 PVA/PVP/kC/ キトサン - ハイドロゲルによる創傷被覆材の民間企業への技術移転が進みつつある。デンプンとアクリル酸系ハイドロゲルの高水吸収剤としての実地試験が承認された。

  4. 施設訪問
     本会合の関係者は、ジョホール バル市にあるマレーシア法人住友電気結合製品株式有限責任会社を訪問した。訪問者は武田社長の出迎えを受けた。同社は電子線架橋ケーブルを含む各種電線を製造している。会社の事業内容、製品及び製造工程の説明があった。工場では、伸線、配合、押出、照射工程までの電線放射線架橋の全工程を視察した。訪問者は、 2 MeV 照射室内部と搬送装置を見学した。同社には NHV 製の 800 keV (100 mA) 、 2 MeV (100 mA) 及び 250 keV (80 mA) の電子加速器3基が設置されている。

  5. プロセス開発に関する議論
     天然高分子の放射線加工には、ヘルスケア及び環境保全のため天然高分子ハイドロゲルと植物成長促進剤となる放射線分解天然高分子の2つの領域がある。放射線架橋ハイドロゲルでは、キトサン - ハイドロゲル ( 韓国 ) 、 CMC- ハイドロゲル ( 日本 ) 、サゴデンプン - ハイドロゲル ( マレーシア ) 、カラギーナンハイドロゲル ( インドネシア ) 及びキャッサバ - ハイドロゲル ( タイ ) に関するプロセス開発が報告された。
    韓国は CM キトサン、 CM キトサン - ハイドロゲル及び CM キトサン - ハイドロゲル溶液の製作方法を示した。 CM- キトサンハイドロゲル溶液はネズミの盲腸剥離術後癒着を有効に低減することが示された。一方、日本は褥瘡防止床、冷却材、排泄物の家畜の処置など様々に応用できる CMC ゲル及び乾燥 CMC ゲルの製造法を説明した。インドネシアは、海藻からのカラギーナン分離とカラギーナンハイドロゲルの製造方法を示した。インドネシアも放射線分解キトサンの植物成長促進剤として使用した成功例を報告した。タイは絹 PVA- ハイドロゲル及びキャッサバ - ハイドロゲル、 PVP- キャッサバ放射線グラフトハイドロゲル、放射線架橋 CM- デンプンハイドロゲル及び PMA グラフトデンプンからのポリ ( ヒドロキサム酸 ) キレート樹脂の製造に関連する複数のプロジェクトを報告した。マレーシアもサゴデンプン - ハイドロゲルの製造プロセスと技術移転の経験及び実用化の過程で遭遇した問題点について報告した。

    アルギン酸、カラギーナン及びキトサンのような天然高分子の放射線分解は、ベトナム、フィリピン及び中国から報告された。植物成長促進剤のためのアルギン酸の放射線分解は生産費が高いためにベトナムで終焉した。それに代わって、ベトナムは放射線分解したキトサンを植物ワクチンとして実用化した。ただし、放射線分解アルギン酸は組織培養のために商業的に使用されている。フィリピンはヘルスケアのためのカラギーナンハイドロゲル及び CM のカラギーナンハイドロゲルの開発に焦点を合わせている。中国は農業及び水産養殖の応用のための放射線分解キトサンの開発と実用化を継続している。

    FNCA 加盟の国々において、農業用放射線分解天然高分子及び放射線架橋天然高分子ハイドロゲルの開発及び実用化が成功していることから、天然高分子の放射線加工に関するマニュアルの作成が提案された。参加者は、提案された「放射線加工によるハイドロゲル及びオリゴ糖類の開発に関する FNCA ガイドライン」の作成に同意した。ガイドラインは、天然高分子の放射線加工の概説及び架橋ハイドロゲル及び天然高分子分解の個々のプロセスから成っている。ガイドラインの準備は工藤氏によって調整され、 Dahlan 氏及び Hien 氏が補助する。

  6. 将来計画及び新活動
     本会合は各 FNCA 加盟国における天然高分子の放射線加工に関する研究開発の現状をまとめた表を作成した。現状は、研究 (L) 、開発 (D) 及び実用化 (C) の 3 つの段階に分類された。本会合は、成功した実用化製品のデータを集め、編集することで同意した。 FNCA 加盟国が経験した研究開発成果の実用化は、成功か失敗にかかわらず文書化することになった。データは 2007 年の次回 FNCA ワークショップで評価され、論議される。現行プロジェクトの遂行には時間的制約があることから、本会合は電子加速器応用に関する FNCA 計画を 2008 年までもう1年間延長すべきであると提案した。

    すべての参加国は、次の FNCA 会合を 2007 年 10 月にベトナム、ホーチミン市で開催することに賛同した。
    天然高分子の放射線加工に関する FNCA 加盟国の活動を支援するため、専門家を派遣する用意があるとの日本の申し入れは、すべての参加加盟国により歓迎された。専門家派遣は会計年度 2006 年内の 2007 年 2 月、派遣期間は国ごとに 2 〜 3 日とし、少なくとも 2 カ国を連続的に訪問する。専門家派遣に関心のある FNCA 加盟国は、 2006 年末までのできるだけ早い時期に久米氏に知らせること。日本の援助により他の FNCA 加盟国からの科学者を専門家として派遣したいとの日本への要請は、日本の関係当局に伝達される。

    本会合は、日本の FNCA 代表が IAEA/RCA 代表と今後の活動における協力の可能性を協議するよう要請した。 FNCA 加盟国内の特許に関する問題は、複雑であり、時間を要することから、今後の検討課題とすることで合意された。

    参加者は、主催者及び運営機関に対し深甚の謝意を表明した。

PROGRAM
NATIONAL EXECUTIVE MANAGEMENT SEMINAR
ON APPLICATION OF ELECTRON ACCELERATOR
- RADIATION PROCESSING OF NATURAL POLYMERS ?

12 December 2006,
Putra World Trade Centre (PWTC), Kuala Lumpur, Malaysia

Malaysian Nuclear Agency (Nuclear Malaysia), Ministry of Science, Technology and Innovation (MOSTI),Ministry of Education, Culture, Sports, Science and Technology (MEXT), Japan, Japan Atomic Energy Agency (JAEA)
12 December 2006, Putra World Trade Centre (PWTC), Kuala Lumpur, Malaysia
08:00 Registration and arrival of guests  
09:00 Arrival of the Director General, Malaysian Nuclear Agency and visit the exhibition.  
09:30 Welcoming address by representative of Ministry of Education, Culture, Sports, Science and Technology (MEXT), Japan  
09:45 Opening Address by Dr. Daud Mohamad, Director General, Malaysian Nuclear Agency (Nuclear Malaysia)  
10:00 Refreshment  
10:30 Prospect of Radiation Application in Industry and Agriculture, Dr. Tamikazu KUME (JAEA, Japan)
11:00 Radiation Processing Program at the Malaysian Nuclear Agency Dr. Khairul Zaman Hj. Mohd Dahlan (Nuclear Malaysia)
11:30 Radiation Processing of Natural Rubber and Its Applications, Dr. Dahlan Hj. Mohd (Nuclear Malaysia)
12:00 Radiation Curing Applications of Palm Oil Acrylates, Mohd Hilmi Mahmood (Nuclear Malaysia)
12:30 Environmental application of radiation grafting Dr. Masao TAMADA (JAEA)
13:00 Lunch  
14:30 Radiation Processing Facilities and Services in Malaysia  Dr. Zulkafli Ghazali (Nuclear Malaysia)
15:00 Application of radiation crosslinked natural polymers Dr. Fumio YOSHII (JAEA)
15:30 Radiation Processing of Polysaccharides and Its Applications Dr. Kamaruddin Hashim (Nuclear Malaysia)
16:00 Applications of Radiation Processed Natural Polymers for Plant Growth Promotion, Dr. Nguyen Quoc Hien (VAEC)  
16:30 Applications of Chitin and Chitosan   Prof. Shinichi TOKURA (Kansai University)
17:00 Afternoon tea and adjourned  
 

PROGRAM OF FNCA 2006 WORKSHOP
ON APPLICATION OF ELECTRON ACCELERATOR
-RADIATION PROCESSING OF NATURAL POLYMERS-

13-16 December 2006, Kuala Lumpur, Malaysia
WEDNESDAY, 13 December 2006
9:00-09:30 Opening
   Opening address (Nuclear Malaysia)
   Introduction of Participants
   Briefing and adoption of the Program
 
9:30-10:00 "Progress of FNCA EBWS Phase 1 and Outline of Phase 2"  Dr. Tamikazu KUME (JAEA)
10:00-10:20 Break (Photo Session)  
Session 1. Invited paper
          Chair person: Vietnam
10:20-11:00 "Review of Radiation Processing of Natural Polymers- Application of Degradation and Crosslinking"  Dr. Khairul Zaman (Nuclear Malaysia)
11:00-11:40 "Potentiality of processed natural polymers" Dr. Seiichi TOKURA (Kansai University, Japan)  
11:40- 12.20 "Operational & Safety Requirement of Radiation Facility" Dr. Zulkafli Ghazali (Nuclear Malaysia)  
12:20-14:00 Lunch break  
Session 2. Country report
          Chair person: Korea
14:00-14:20 China  
14:20-14:40 Indonesia  
14:40-15:00 Japan  
15:00-15:20 Korea  
15:20-15:40 Break  
15:40-16:00 Malaysia
Chair person: Indonesia
 
16:00-16:20 Philippines  
16:20-16:40 Thailand  
16:40-17:00 Vietnam  

THURSDAY, 14 December 2006

Technical Visit
  Sumitomo Electric Interconnect Products (M) Sdn. Bhd., Johor Bahru

FRIDAY, 15 December 2006

Session 3. Discussion for process development
          Chair person: Japan (Dr. Kudoh)
9:00- 10.00 Radiation crosslinked hydrogel of natural polymers for healthcare and environment
(Co.chair: Malaysia)
  • Chitosan-hydrogel     Korea
  • CMC-hydrogel     Japan
  • Carrageenan-hydrogel     Indonesia
  • Cassava-hydrogel     Thailand
  • Sago-hydrogel     Malaysia
  •  
    10:00-10:20 Break  
    10:20-11:00 Radiation degradation of natural for plant growth
    (Co.chair: Vietnam)
  • Alginate     Vietnam
  • Carrageenan     Philippines
  • Chitosan     China
  •  
    11:00-11:30 Proposal for manual preparation  
    Session 4. Discussion on the Activity in Phase 2
              Chair person: China
    14:30-15:40 Discussion for Commercial Application
  • Collection and Evaluation of Data
  • Promotion of Technical Transfer to End User
  •  
    15:40-16:00 Break  
    16:00-17:00 Discussion on future plan
    Chair person: Thailand
  • Economic Evalution
  • Proposal for WS in 2007
  •  

    SATURDAY, 16 December 2006

    9:00-10:30 Discussion on the draft of workshop minutes
    Chair person: Philippines
     
    10:30-11:00 Break  
    11:00-12:00 Adoption of the report and closing
    Chair person: Malaysia
     
     

    FNCA 2006 電子加速器利用ワークショップ
    -天然高分子の放射線加工-
    参加者リスト

    2006年12月12日〜16日、クアラルンプール、マレーシア

    Mr. Gatot Trimulyadi REKSO Mr. Gatot Trimulyadi REKSO

    Leader of Industrial Processing Group,
    Center for Application of Isotopes and Radiation Technology (PATIR),
    National Nuclear Energy Agency (BATAN)

    Mr. Tamikazu KUMEMr. Tamikazu KUME

    Takasaki Advanced Radiation Research Institute,
    Japan Atomic Energy Agency (JAEA)

    Mr. Seiichi TOKURAMr. Seiichi TOKURA

    Executive Advisor,
    Central Office for the Promotion of Technologies,

    Mr. Hisaaki KUDOHMr. Hisaaki KUDOH

    Associate Professor,
    Nuclear Professional School, School of Engineering,
    The Tokyo University

    Mr. Fumio YOSHIIMr. Fumio YOSHII

    Senior Principal Researcher,
    Industrial Cooperation Promotion Department,
    Japan Atomic Energy Agency (JAEA)

    Mr. Masao TAMADA Mr. Masao TAMADA

    Environmental Polymer Group Leader,
    Environmental and Industrial Materials Research Division, Quantum Beam Science Directorate,
    Japan Atomic Energy Agency (JAEA)

    Mr. Seiichiro TAKAHASHI Mr. Seiichiro TAKAHASHI

    Senior Project Manager,
    Japan Atomic Industrial Forum. Inc., (JAIF)

    Mr. Khairul Zaman Hj. Mohd DahlanMr. Khairul Zaman Hj. Mohd Dahlan

    Director,
    Radiation Processing Technology Division,
    Malaysia Nuclear Agency ( Nuclear Malaysia)

    Mr. Zulkafli Ghazali Mr. Zulkafli Ghazali

    Manager,
    Electron Beam Facility (ALURTRON), Radiation Processing Technology Division,
    Malaysia Nuclear Agency ( Nuclear Malaysia)

    Mr. Kamaruddin Hashim Mr. Kamaruddin Hashim

    Senior Research Officer,
    Radiation Processing Technology Division,
    Malaysia Nuclear Agency ( Nuclear Malaysia)

    Mr. Dahlan Hj. Mohd Mr. Dahlan Hj. Mohd

    Senior Research Officer,
    Radiation Processing Technology Division,
    Malaysia Nuclear Agency ( Nuclear Malaysia)

    Mr. Kamarudin Bahari Mr. Kamarudin Bahari

    Research Officer,
    Radiation Processing Technology Division,
    Malaysia Nuclear Agency ( Nuclear Malaysia)

    Ms. Lorna RELLEVEMs. Lorna RELLEVE

    Senior Science Research Specialist,
    Philippine Nuclear Research Institute (PNRI)

    Mr. Guozhong WUMr. Guozhong WU

    Director,
    Research Center for Accelerator and Radiation Processing,
    Shanghai Institute of Applied Physics (SIAP),
    Chinese Academy of Science (CAS)

    Mr. Junhwa SHIN?Mr. Junhwa SHIN 

    Senior Researcher,
    Radiation Application Research Division, Advanced Radiation Technology Institute,
    Korea Atomic Energy Research Institute (KAERI)

    Mr. Manit SONSUKMr. Manit SONSUK

    Chief,
    Chemistry and Material Science Research Group,
    Thailand Institute of Nuclear Technology (TINT)

    Mr. Quoc Hien NGUYEN Mr. Quoc Hien NGUYEN

    Principal Scientist,
    Research and Development Center for Radiation Technology (VINAGAMMA)

    Secretariat

    Mr. Raja Jamal Raja Hedar   Nuclear Malaysia, Malaysia
    Ms. Norzita Yacob   Nuclear Malaysia, Malaysia
    Ms. Norhashidah Talip   Nuclear Malaysia, Malaysia
    Mr. Mahathir Mohamed   Nuclear Malaysia, Malaysia
    Mr. Keizo MAKUUCHI   JAEA, Japan

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    Forum for Nuclear Cooperation in Asia