ラン耐虫性育種サブプロジェクト
活動期間:2003年〜2009年
参加国:インドネシア (〜2008年)、マレーシア、タイ (〜2008年)
ランは観賞用・切り花用の植物として知られていますが、タイやマレーシア、インドネシアなどの東南アジア諸国ではランの栽培が盛んであり、国内市場が大きいことに加え、外貨獲得のための重要な輸出品目でもあります。
スリップス
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ラン栽培で問題となるのは害虫であり、とくにスリップス(和名:アザミウマ)という害虫は、ランの花弁について樹液を吸うため、花弁に傷が付き、観賞用植物としての商品価値を激減させてしまいます。
「ランの耐虫性」のテーマは、害虫に強いランの新品種の開発を目指し、ランの栽培が盛んなインドネシア、マレーシア、タイの3ヶ国が参加し、2003年にスタートしました。(「ランの耐虫性」立上げ会合(2002年・中国)討議メモ(仮訳)」)
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マレーシアで開発された耐虫性ラン 右が親品種、左が改良種 |
2003年にフィリピンで開催されたワークショップでは、母材とする育種材料の相互交換なども行われました。また、ワークショップとは別に専門家会合も開催して活発な活動が行われました。2008年からはマレーシアが他の参加国のサポートを受けて研究を行い、イオンビーム照射を利用して耐虫性に優れた変異系統が得られたため、2009年度をもって活動を終了しました。この変異系統は今後、マレーシアにおいて農家への普及・新品種登録が行われる予定です。
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ワークショップにおけるランの育種母材交換の様子 (2003年、フィリピン) |
2010年3月には活動成果をまとめた成果書「Achievement of Sub-Project on Insect Resistance in Orchid」が発行されました。(サブプロジェクト『ランの耐虫性育種』成果書)
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