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セッション1は近藤駿介原子力委員長が議長を務めた。第10回FNCA大臣級会合の主催国を代表して、開会と歓迎の挨拶が菅直人副総理兼内閣府特命担当大臣(科学技術政策)より行われた。続いて、会合の代表出席者の自己紹介、梶田内閣府官房審議官により上級行政官会合の報告と本会合アジェンダが説明され、会合アジェンダについて正式に採択された。
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2. |
セッション2-1および2-2はイ・サンモク韓国科学技術部副大臣とチェン・チュウファ中国国家原子能機構主任が議長を務めた。IAEA新事務局長である天野之弥I氏によるビデオメッセージが上映され、メンバー10ヶ国によるカントリーレポートが報告された。カントリーレポートでは特に各国の原子力政策の現状、原子力と放射線利用に係わる活動に焦点をあて、関係する地域間および国際的な協力について強調した。
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3. |
セッション3はマキシマス・ジョニティ・オンキリ マレーシア科学技術革新省大臣が議長を務めた。町末男FNCA日本コーディネーターにより第10回FNCAコーディネーター会合の結果が報告され、各FNCAプロジェクトの進展と年次計画について発表された。年次計画は大臣級会合によって承認された。
第3フェーズパネル「原子力発電のための基盤整備に向けた取組に関する検討パネル」第1回会合の成果について、同会合議長であった伊藤隆彦原子力委員より報告が行われた。すでに原子力を導入している国(中国、日本、韓国)の実際の経験に基づく教訓とこれから新規導入を計画する国のニーズがメンバー国間で共有され、有意義な意見交換がされた。また2007年10月の第1回パネル会合で提案されたウェブサイトベースの人材養成データベースが2009年4月から運営を開始したことも報告された。
2009年4月から実施してきたCDMケーススタディの結果について横尾内閣府参事官補佐が報告を行った。原子力発電をCDMプロジェクトに組み入れることによって温室効果ガス排出量削減と経済性の向上が期待できることを示唆した。
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セッション4はヤーフェシュ・オスマン バングラデシュ科学・情報・通信技術省大臣が議長を務めた。近藤駿介原子力委員会委員長によりリードスピーチが行われ、原子力利用分野のさらなる協力の可能性について円卓討論の論点として以下2点が提案された。@原子力発電の基盤整備に関して、FNCAとしての各国への支援や基盤整備パネルの効果的運用、原子力安全、核セキュリティ、核不拡散/保障措置(3S)の確保のために各国が取り組むべき協力の強化、特に地域に固有の課題である地震や津波等に関する安全確保対策について知見共有、及び核セキュリティと核不拡散/保障措置を確保するための基盤の整備や強化のためにいかに人材育成や技術基盤の整備を行うべきか。ACDMケーススタディ結果を踏まえて、UNFCCC枠組みの下の2013年以降の国際的枠組みにおいてCDMを含むクレジットメカニズムに原子力発電を含めるためにFNCAとしてどのように取り組むべきか。
これらの提案は承認され、議論の結果、第11回コーディネーター会合、専門家会合、その他関係するワーキンググループで討議すべく引き継ぎを行うことが承認された。
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セッション5はエストレラ・ファゲラ・アラバストロ フィリピン科学技術省大臣が議長を務めた。町末男FNCA日本コーディネーターよりリードスピーチが行われ、FNCAプロジェクトの将来計画に関して議論の論点が提案され、モリブデン99供給や半導体生産に貢献するためのFNCAメンバー国のネットワークを通じた研究炉利用について強調された。フィリピンからは原子力の専門家だけでなく一般企業からも招待して開催する原子力技術の商業フォーラム(実用化促進フォーラム)を2010年に開催、主催することが提案された。マレーシアからは大臣級会合と同時開催するビジネスフォーラムが提案された。提案は歓迎され、次回大臣級会合で進展が報告されることした。
各国からの提案については、セッション4の内容と同様、第11回コーディネーター会合、専門家会合、その他関係するワーキンググループで討議すべく引き継ぎを行うことが承認された。ベトナムからはFNCA活動による技術開発の成功例を示すことが提案され、また、アジア地域の既存の大型原子力研究設備を共同利用することが提案された。
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セッション6はフディ・ハストウォ インドネシア原子力庁長官が議長を務めた。梶田審議官より、FNCAメンバー国による原子力科学技術の協力の強調にむけた今回の大臣級会合の決議案および会合サマリー案の説明が行われ、議論の結果、決議は承認された。
また次の行動計画が承認された。 a) 第10回FNCAコーディネーター会合で提案された計画に従って8分野11プロジェクトを遂行する b) 2010年の第11回大臣級会合を中国で開催する c) 第11回コーディネーター会合を2010年の3月に日本・東京で開催する d) 第3フェーズパネル「原子力発電のための基盤整備に向けた取組に関する検討パネル」第2回会合を韓国で開催する e) CDMケーススタディを異なる条件を設定した上で継続して実施する。条件の詳細については第11回コーディネーター会合で決定することとする。
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セッション7(閉会セッション)はヴォン・フー・タン ベトナム原子力機構委員長が議長を務めた。梶田審議官から提案された第10回FNCA大臣級会合の決議および会合サマリーについて確認された。チェン・チュウファ中国国家原子能機構主任より次回FNC大臣級会合を中国で開催予定であることが述べられた。最後に近藤駿介原子力委員長の閉会挨拶で締めくくられ、その後、記者団を交えた質疑応答セッションが行われた。 |