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原子力安全文化 ワークショップ

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FNCA 2005 原子力安全文化 ワークショップ


FNCA 2005原子力安全文化ワークショップ
概要



ワークショップ会場
ワークショップ会場周辺

 2005年FNCA原子力安全文化ワークショップは、オーストラリア原子力科学技術機構(ANSTO)、インドネシア原子力庁(BATAN)およびインドネシア原子力規制庁(BAPETEN)の主催により、2005年6月6日〜6月10日にインドネシアのジョグジャカルタのシェラトン・ムスティカ・ホテルにおいて開催され、オーストラリア、インドネシア、日本、韓国、マレーシア、フィリピン、タイおよびベトナムの8カ国(中国は不参加)から原子力安全文化活動に携わる各国代表が参加しました。
 ワークショップの初日では、インドネシアのFNCA原子力安全文化プロジェクトのリーダーであるBATANのアルファハリ・マルディ原子力安全技術開発センター長およびANSTOのケイト・マロニー安全・放射線科学部長より、それぞれ歓迎の挨拶が行なわれました。続いてBAPETENのスカルマン・アミンジョヨ長官より、開会が宣言され、最後にANSTOのピーター・マーシャル上級安全・信頼性指導官より、お礼の挨拶が行なわれました。

2005 年 FNCA 原子力安全文化ワークショップの参加者

 会議では、まず、本プロジェクトの主導国であるオーストラリアより、原子力安全文化プロジェクトの概要と 2005 年 3 月にオーストラリアで開催された日本とオーストラリアとの二国間会議について報告が行なわれ、今後、両国が本プロジェクトを支持していくことで合意したことが明らかにされました。
 続いて、日本より、ワークショップ間におけるプロジェクト内のコミュニケーションを向上させるための方策として、ニュースレターの発行および IAEA の研究炉の安全についての行動規範( Code of Conduct )の実施状況をまとめた報告書の作成等の提案が行なわれ、これにもとづき討議が行なわれました。
 カントリーレポートでは、前回のワークショップの後、韓国が研究炉の自己評価報告書をもとに作成したカントリーレポート用の書式にもとづき、参加各国より研究炉の組織管理、緊急時訓練、高経年化管理等の安全文化活動の実施状況について報告が行なわれました。
 続いて、ジョグジャカルタのガジャマダ大学のジャマルディン・アンチョク教授より、インドネシアの国民文化が安全文化に与えている影響について報告が行なわれました。
 また、韓国より、 2003 年 5 月に制定された緊急時対策法に対する韓国原子力研究所( KAERI )の取り組みについて報告が行なわれました。

 ワークショップの 2 日目では、まず、オーストラリアより、研究炉の廃止措置段階における安全文化に関する ANSTO の新たな取り組み(保持すべき技術の特定、所要資金に係る政府への助言、雇用者や地元自治体とのコミュニケーション等)について報告が行なわれ、続いて、 ANSTO が行なっている安全パフォーマンス指標に関する研究について報告が行なわれました。
 続いて、インドネシアより、同国の安全文化の醸成に対する BAPETEN の役割について報告が行なわれました。
 次に日本より、 2004 年に発生した美浜発電所 3 号機 2 次系配管事故について事例報告が行なわれ、続いて、 IAEA アジア原子力安全ネットワーク( ANSN )の目的と活動状況、安全文化に関する FNCA と ANSN との協力活動の可能性について報告が行なわれました。
 午後からは、以前よりフィリピンから出されていた、本プロジェクトにおいて放射線源の安全とセキュリティの報告とピアレビューを行なうという提案について討議が行なわれました。この結果、プロジェクトの活動範囲を広げることによりその成果が見えにくくなることを避けるため、本提案は、取り扱わないことで合意しました。
 続いて、過去に実施されたピアレビューにおいて勧告された改善策に対する実施状況についてベトナムおよび韓国より、それぞれ報告が行なわれました。
1)ベトナム
 2003年1月にダラト原子力研究所の研究炉において実施された第1回目のピアレビューでは、 16 項目の改善策が提案されましたが、このうち、安全方針声明の作成、線量測定作業のピアレビューの実施等、12 項目が完了し、残りの4 項目についても着手または検討中であるとの報告がなされました。
2)韓国
 2004年2月に KAERI の HANARO 研究炉において実施された第 2 回目のピアレビューでは、15 項目の改善策が提案されました。今回は、原子炉最上階における落下物の防護柵の設置、燃料とターゲットのラベルによるラックの位置標示等の改善状況が写真により紹介され、全部で 12 項目の改善策が完了し、残りの 3 項目についても既に着手しているとの報告がなされました。
 次に、インドネシアより、翌日からピアレビューが実施されるカルティニ研究炉の自己評価報告書について説明が行なわれました。続いて、参加者のグループ分けおよび各グループのリーダ ー( KAERI のインチョル・リム HANARO 運転管理部課長とおよび鴻坂厚夫委員)によるピアレビューの進め方についての説明が行なわれました。

 ワークショップの 3 日目および 4 日目には、 BATAN のジョグジャカルタ原子力研究センター( P3TM )のカルティニ研究炉(熱出力 100kW )のピアレビュー(第 3 回)が行なわれました。ピアレビューは、 前回(韓国ワークショップ)と同じように 2 日間かけて行なわれました。
 ピアレビュー1日目は、 P3TM へ移動し、カルティニ研究炉の概要説明を受けた後、 2 グループに分かれ、それぞれ研究炉の現場視察、作業現場における研究炉の職員へのインタビューおよび研究炉の自己評価報告書についての考察が行なわれました。

 ピアレビュー 2 日目(ワークショップの 4 日目)は、ワークショップ会場において、前日の調査結果をもとに各グループ内で討議、検討を行ない、良好事例、改善提案についての原案が作成されました。その後、グループ毎にカルティニ研究炉の管理、運転職員との間で討議を行ない、最後に全体会合が行なわれました。
 ピアレビューでの BATAN の対応は、好意的、協力的で、かつ非常に熱心でした。また、活発に意見の交換が行なわれ、これらの活動を通じて、インドネシアのみならず、他の国のワークショップ参加者も安全文化に対して意識の向上を図ることができました。

 ワークショップの最終日には、まず、ピアレビュー報告書(案)の討議、検討が行なわれ、最終的に 29 項目の良好事例と防火設備の見直し、放射線管理区域の標示方法の改善等 14 項目の改善提案および 14 項目のコメントがまとめられました。
 続いて、今後の活動と議事録(案)について討議が行なわれ、以下のとおり合意されました。

次回よりピアレビューは、ワークショップと切り離して実施するものとし、開催時期は、ワークショップの数ヶ月前とするよう検討する。
次回のワークショップとピアレビューをそれぞれ、マレーシアで開催することを FNCA コーディネーター会合に推奨する。
本プロジェクト活動のコミュニケーション向上の方策について今後も継続して検討していく。
 
開催挨拶を行なった BAPETEN
のスカルマン・アミンジョヨ長官
ANSTO のケイト・マロニー安全・放射線科学部長(左)とピーター・マーシャル上級安全信頼性指導官
海外からのワークショップ参加者
日本からのワークショップ参加者
BAPETEN の安全文化の醸成に対する役割について報告を行なうアス・ナシオ・ラスマン次官(原子力安全評価担当)
ANSN の活動状況等について報告を行なう横山 勉プロジェクトリーダー
ダラト研究炉の改善状況について報告を行なうベトナムのファム・ヴァン・ラム・プロジェクトリーダー
HANARO 研究炉の改善状況について報告を行なう韓国のインチョル・リム HANARO 運転管理部課長

カルティニ研究炉の自己評価報告書について説明を行なう BATAN のシャリプ氏

BATAN, P3TM カルティニ研究炉
原子炉最上階での現場視察
カルティニ研究炉の職員(右)への
インタビュー
グループ内での討議の様子

カルティニ研究炉の職員(右側)との討議の様子

自国における安全パフォーマンス指標の活用状況について調査し、次回のワークショップにおいて報告する。
今後、 FNCA 安全文化プロジェクトと ANSN との連携の強化を図っていく。
今回、韓国が作成した自己評価報告書をもとにしたカントリーレポートの書式では、報告が一つの研究炉に限定されるため、韓国が再度、カントリーレポートの書式を検討する。
各国が実施したプロジェクト評価については、ワークショップ後、オーストラリアが取りまとめ、各国の合意のもとに統合評価報告書を作成する。

ボロブドゥール寺院遺跡
プランバナン寺院遺跡

 



議事録(仮訳)

2005年6月6-10日 インドネシア、ジョグジャカルタ


 本ワークショップは、インドネシア原子力庁(BATAN)原子力安全技術開発センターのアルファハリ・マルディ・センター長による歓迎の挨拶により開始された。

 続いて、オーストラリア原子力科学技術機構(ANSTO)を代表して安全・放射線科学部のケイト・マロニー部長により歓迎の挨拶行われた。また、本プロジェクトの目的、中国がワークショップに参加できなかったこと、さらに次回のワークショップではすべての国が参加することを希望していることが述べられた。

 BATANのスジャルトモ・スントノ長官の代理としてインドネシア原子力規制庁(BAPETEN)のスカルマン・アミンジョヨ長官より、開会が宣言された。

 続いて、ANSTOのピーター・マーシャル上級安全・信頼性指導官より、オーストラリアのプロジェクトリーダー(PL)の代理としてワークショップを主催したインドネシアに対し感謝の意が表わされた。

<原子力安全文化プロジェクトの概要およびオーストラリアと日本との二国間会議の報告>
  ケイト・マロニー部長 より、 2005 年 3 月に石川迪夫教授を団長とした日本の派遣団が FNCA 安全文化プロジェクトの評価について協議するために ANSTO を訪問したことが報告された。会議では両国により、現在のプロジェクトの目標に対して継続的に支持していくことが決意された。日本は、特別拠出金事業( EBP ) を通じた基金にもとづく IAEA のアジア原子力安全ネットワーク( ANSN )の組織とウェブサイトによる情報の共有について述べた。また、オーストラリアが近くソウルで行われる ANSN の運営委員会に出席し、 FNCA 原子力安全文化プロジェクトの活動について報告することが合意された。
 続いて同部長より、2005年5月に開催されたANSN運営委員会の出席報告が行われた。ANSNにとって安全文化は、非常に重要な問題であり、ANSNに参加しているアジア諸国は、FNCA安全文化プロジェクトの参加国と同じであることが指摘された。また、ANSNとFNCA安全文化プロジェクトとの間で緊密な協力を行なう機会が訪れ、また、この問題については、後ほど本ワークショップにおいて横山勉PLより報告が行われると述べられた。

<コミュニケーション向上の方策>
  小寺充俊調査役より、安全文化プロジェクト内のコミュニケーションの向上と関係者向けのプロジェクト活動報告書の発行の二つの提案が行われた。ワークショップでは、プロジェクト内のコミュニケーションを改善していく必要があることが合意された。また、プロジェクト内のコミュニケーションの向上を効率的に図る方法として、 ANSN との協力が提案された。

アクション : 小寺充俊調査役が検討用としてコミュニケーション向上のためのパンフレットを作成し、電子メールにより各国に送付する。

<カントリーレポート>
  ワークショップに参加したすべての国より、最新のカントリーレポートが報告された。各国において良好な安全文化が著しく促進されていることが明らかにされた。多くの国では、一般職員や管理職のあらゆる階層を対象とした訓練と安全文化の意識向上プログロムが実施されている。

<安全文化とインドネシア文化>
  ガジャマダ大学のジャマルディン・アンチョク教授より、インドネシアの国民文化による安全文化への影響に関する興味深い報告が行われた。安全文化についての考察が行なわれた後、最近ホフステードが行なった研究について論じられた。これは、社会における力の不公平な配分の受容性の基準として「パワー・ディスタンス:Power Distance」という概念を紹介したものである。ホフステードの理論では、「ハイ・パワー・ディスタンス:High Power Distance(すなわち指導者の権威が労働者によって疑われない社会)」は、安全文化に対し負の影響を与えるものとしている。

<韓国の緊急時対策>
  韓国のグァンユ・リ氏より、韓国の新緊急時対策法に対する韓国原子力研究所 ( KAERI )の対応について報告が行われた。 KAERI では、緊急時対策計画が見直され、特に緊急時の教育と訓練が強化された。

<研究炉の廃止措置段階における安全文化>
  ケイト・マロニー部長より、研究炉が運転から廃止措置へ移行する段階における安全文化への特別な取り組みに関する考察について報告が行われた。ワークショップ参加者より廃止措置時の経験について報告が行われ、さらに、フィリピンのヴァンジェリン・パラミ課長より、まもなく同国の研究炉の廃止について発表があるであろうとのコメントが出された。この問題は、今後ワークショップで重要な議題になるであろう。

<安全についての主要パフォーマンス指標>
  ピーター・マーシャル指導官より、ANSTOが行なっている安全についての指標に関する研究ついて報告が行われた。これは、事故の発生を防止するための活動を評価する指標(Lead Indicators)と事故と記録を報告する指標(Lag Indicators)に関するものである。この安全に関する研究は、安全文化について報告するために適用されるが、資源の確保が必要であると考えられる。

アクション :

ワークショップ参加者は、次回のワークショップで安全パフォーマンス指標の適用状況について報告することで合意した。

<安全文化の醸成に対するBABETENの役割>
 BAPEENのアス・ナシオ・ラスマン次官より、インドネシアの安全文化の醸成に対するBAPETENの役割について報告が行われた。安全文化を促進するための要件は、BAPETENの設立法により規定されており、BAPETENの任務を規定している条文では、安全文化の推進について記載されている。次に原子力利用者による良好な安全文化の醸成を促進するためにBAPETENが実施している活動について報告が行われ、インドネシアが原子力エネルギーの利用を開始すれば、良好な原子力安全文化が必要となると述べられた。

<原子力安全文化に係る事例報告>
 日本の伊東宏泰課長より、昨年、発生した美浜発電所3号機2次系配管の事故についての事例報告が行われた。この事故は、原子力によるものではなく、放射能は含まれていなかったが、5名が亡くなり、6名が負傷した。また、世界中の報道機関から注目された。事故調査により、配管検査の不備が明らかにされた。配管検査は、請負業者によって行われていたが、請負業者に対する監督責任が不明確であったことが内在する要因としてあげられている。再び同様の事象が起きないように他の日本の組織により、事故調査が行なわれている。

<IAEA アジア原子力安全ネットワーク(ANSN)>
  ANSN運営委員会の議長である横山勉PLより、ANSNの目的と活動について報告が行われた。特にANSNのウェブサイトは、いくつかの段階でパスワードにより保護されているため、情報はごく一部の利用者だけにしか提供されていないことが述べられた。ワークショップの参加者からは、FNCAの情報をANSNのウェブサイトに載せることができるか、検討すべきであるとの意見が出された。

アクション : ケイト・マロニー部長と横山勉PLは、ANSNとFNCAとの協力について引き続き調査を行い、次回のワークショップで報告を行なう。(ワークショップより前の場合は、電子メールにより報告を行なう。)

<放射線安全の取り扱いに関するフィリピンからの提案>
 ヴァンジェリン・パラミ課長より、原子力安全文化プロジェクトの活動範囲を拡大し、放射線源の安全とセキュリティの報告とピアレビューを行なうという前回のワークショップで提案された内容が説明された。討議の結果、この問題は非常に重要であることが確認されたが、本プロジェクトの活動範囲を拡大することにより、その効果が減少する懸念があるとの意見が出された。また、放射線源の安全とセキュリティについては、いくつかの国際的な取り組み(IAEAのRaSSIA(放射線安全と放射線源のセキュリティに係る基盤評価)のミッション、オーストラリアのRSRSプロジェクト、フィリピンから提案され、現在、2005年の第1回会合の開催準備が行われているFNCAのパネル)が存在することが明らかにされた。今回、FNCA安全文化プロジェクトでは、その活動範囲は拡大しないが、安全文化の促進に関するものであれば、これまでと同様にすべて扱っていくことになった。

<過去のピアレビューの勧告に対する進捗状況報告>
1.ベトナム
 ベトナムのファム・ヴァン・ラム副所長より、2002年に本プロジェクトで実施されたダラト研究炉のピアレビューでの勧告に対する進捗状況について報告が行われた。いくつかの項目は、まだ完了していないが、ダラト原子力研究所ではピアレビューの勧告への対応が継続して行なわれ、著しい改善が見られていることが明らかにされた。同研究所では、QAシステムに関して韓国から援助を得る計画である。

2.韓国
 KAERIのインチョル・リム課長より、2003年に実施されたHANARO研究炉のピアレビューでの勧告に対するKAERIの実施状況について報告が行われた。勧告の半分以上は、既に完了しており、さらに多くが近く完了する予定である。
 ベトナムと韓国による報告とこれまでに実施された改善および両研究所の勧告に対する継続的な取り組みへの決意は、ワークショップ参加者によって高く評価された。

<安全文化プロジェクトの今後の活動>
ワークショップ参加者は、 FNCA 活動計画を検討し、 2006 年(暦年)の早期にピアレビューチームを派遣し、続いて 2006 年の後半にワークショップを開催することで合意した。
次回のピアレビューと 2006 年のワークショップをそれぞれマレーシア原子力庁( MINT )の主催によりマレーシアで開催する。プロジェクト活動を効率的に行なうためにピアレビューをワークショップの数ヶ月前に実施するようにスケジュールを検討する。
自国における安全パフォーマンス指標の適用状況について調査し、次回のワークショップにおいて報告することで合意した。
近い将来、特に情報のウェブサイトへの掲載について、 FNCA 安全文化プロジェクトと ANSN との連携を強化していくこととする。
FNCA の原子力安全文化活動におけるコミュニケーションの適切な方法について(電子メールにより)検討していくことで合意した。
2003 年のワークショップにおいて、新しい自己評価報告書にもとづくベースライン報告書を作成、提出し、カントリーレポートとして 2003 年以降に変更した項目を報告することで合意した。 2004 年のワークショップでは、いくつかの国は、この方法に従ったが、従わなかった国もあった。インチョル・リム課長により、この方法は多くの研究炉がある国にとって適切ではないことが指摘された。ワークショップでは、インチョル・リム課長が次回のワークショップにおけるカントリーレポートのフォーマットについて電子メールにより検討、調整を行なうことで合意された。

アクション : インチョル・リム課長とピーター・マーシャル指導官は、電子メールにより、安全文化を促進するうえで適切なカントリーレポートについて検討を行なう。

カルティニ研究炉のピアレビュー
カルティニ研究炉のピアレビューの結果については、添付の付属書 - 1に記載されている。

成果
FNCA 原子力安全文化ワークショップの参加者は、 BATAN と BAPETEN による準備、プログラムおよび安全文化に対する明確な決意に対して感謝の意を表わした。
ワークショップ参加者は、 FNCA 諸国において原子力安全文化を向上していくには、強い決意が必要であること、また、ワークショップとピアレビューは、参加者に対してお互いに学ぶための絶好の機会となることを確認した。
ワークショップ参加者は、次回のワークショップとピアレビューをマレーシアで開催することを FNCA コーディネーター会合に推奨することで合意した。さらに開催時期については、 PL のサイモン・バースティン課長とムハマッド・ユソフ・イブラヒム課長との間で調整することで合意した。
小寺充俊調査役は、まもなくアジア協力センターでの担当が変わり、原子力安全文化の業務から離れることになった。ワークショップ参加者は、小寺充俊調査役の過去数年にわたるサポート対し感謝の意を表わし、今後の成功を祈った。また、同調査役の業務を引き継ぐことになった福田真一調査役を迎え入れた。




プログラム



● 2005年6月6日(月) [ワークショップ1日目/シェラトン・ムスティカ・ホテル]
08:30-09:00 参加登録
09:00-09:05 歓迎挨拶:Mr. Alfahari Mardi(BATAN)
09:05-09:15 歓迎挨拶:Mr. Cait Maloney(ANSTO)
09:15-09:25 開会挨拶:Mr. Soekarman Aminjoyo(BAPETEN)
09:25-09:30 お礼の挨拶:Mr. Peter Marshall(ANSTO)
09:30-09:45 記念撮影
09:45-10:15 コーヒーブレーク
  議長:Mr. Peter Marshall(ANSTO)
10:15-10:30 原子力安全文化プロジェクトおよび日本/オーストラリア二国間会合(2005年3月)の概括:Mrs. Cait Maloney(ANSTO)
10:30-11:20 コミュニケーション向上方策の検討(ニュースレター、eメール、ウェブサイト等):小寺充俊(JAIF)
  カントリーレポート(研究炉自己評価報告書の更新)
11:20-11:45 オーストラリア:Mr. Peter Marshall(ANSTO)
11:45-12:15 インドネシア:Mr. Johnny Situmorang(BATAN)
12:15-12:45 日本:久保 稔(JNC)
12:45-14:00 昼食
14:00-14:55 安全文化とインドネシア文化:Prof. Dr. Djamaludin Ancok(インドネシア ガジャマダ大学)
  カントリーレポート(続き)
14:55-15:20 韓国:Dr. In-Cheol Lim(KAERI)
15:20-15:35 マレーシア:Mr. M. Yusoff Ibrahim(MINT)
15:35-15:45 フィリピン:Ms. Vangeline K. Parami(PNRI)
15:45-16:15 コーヒーブレーク
16:15-16:25 タイ:Ms. Toungporn Angwongtrakool(OAP)
16:25-16:45 ベトナム:Mr. Pham Van Lam(VAEC)
16:45-17:15 KAERI原子力研究施設の緊急時対応:Mr. Goan-Yup Lee(KAERI)
19:00-21:00 歓迎レセプション(主催:ANSTO)[シェラトン・ムスティカ・ホテル]


● 2005年6月7日(火) [ワークショップ2日目/シェラトン・ムスティカ・ホテル]
  議長:Mr. Alfahari Mardi(BATAN)
09:00-09:35 研究炉の廃止措置における原子力安全文化活動の取り組み:Mrs. Cait Maloney(ANSTO)
09:35-10:20 安全に関する主要パフォーマンス指標:Mr. Peter Marshall(ANSTO)
10:20-10:50 インドネシアの原子力安全文化の醸成に対するBAPETENの役割:Dr. As Natio Lasman(BAPETAN)
10:50-11:10 コーヒーブレーク
11:10-11:30 事例報告(美浜発電所3号機2次系配管事故):伊東宏泰(JAPC)
11:30-12:15 原子力安全文化に関するFNCAとIAEAアジア原子力安全ネットワーク(ANSN)との協力:横山 勉(JNES)
12:15-12:30 放射線安全文化に関する提案:Ms. Vangeline K. Parami(PNRI)
12:30-13:30 昼食
  議長:久保 稔(JNC)
13:30-14:00 放射線安全文化に関する提案についての討議
14:00-14:30 ベトナム・ダラト研究炉ピアレビューのフォローアップ報告:Mr. Pham Van Lam(VAEC)
14:30-15:00 韓国・ハナロ研究炉ピアレビューのフォローアップ報告:Dr. In-Cheol Lim(KAERI)
15:00-15:30 コーヒーブレーク
15:30-16:00 ピアレビューのためのカルティニ研究炉の自己評価報告:Mr. Syarip(BATAN)
16:00-17:00 カルティニ研究炉のピアレビューの進め方および参加者のグループ分け:鴻坂厚夫(NUSTEC)/Dr. In-Cheol Lim(KAERI)


● 2005年6月8日(水) [ワークショップ3日目/BATAN P3TM]
<カルティニ研究炉のピアレビュー1日目>
07:30-08:00 BATAN P3TMへ移動
08:00-08:40 P3TM-カルティニ研究炉の説明および質疑応答:Mr. Soedjatmoko(BATAN)
08:40-12:00 P3TM-カルティニ研究炉の現場視察および作業現場でのインタビュー(グループ毎に)
12:00-13:00 昼食


● 2005年6月9日(木) [ワークショップ4日目/シェラトン・ムスティカ・ホテル]
<カルティニ研究炉のピアレビュー2日目>
09:00-10:30 グループ毎の討議、検討
10:30-10:45 コーヒーブレーク
10:45-12:30 BATANおよびBAPETEN職員との討議(グループ毎に)
12:30-13:30 昼食
  議長:Mrs. Cait Maloney(ANSTO)
13:30-15:30 全体会合(各グループからの発表および討議):鴻坂厚夫(NUSTEC)/Dr. In-Cheol Lim(KAERI)
15:30-16:00 コーヒーブレーク
16:00-17:00 ピアレビュー報告書(案)およびワークショップ報告書(案)の作成
19:00-21:00 フェアウェル・パーティー(共催:BATAN/BAPETEN)[クラトン・パレス]


● 2005年6月10日(金)  [ワークショップ5日目/シェラトン・ムスティカ・ホテル]
  共同議長:Mrs. Cait Maloney(ANSTO)/Mr. Alfahari Mardi(BATAN)/ 横山 勉(JNES)
09:00-10:10 ピアレビュー報告書(案)の検討、討議
10:10-11:00 コーヒーブレーク
11:00-12:00 3カ年活動計画、プロジェクト評価、次回ワークショップの開催および議事録(案)の検討、採択
12:00-12:05 閉会挨拶:Mrs. Cait Maloney(ANSTO)
12:05-12:10 閉会挨拶:Dr. Hudi Hastowo(BATAN)
12:10-13:00 昼食

 




参加者リスト


オーストラリア

Mrs. Cait Maloney
オーストラリア原子力科学技術機構(ANSTO)安全・放射線科学部長

Mr. Peter Marshall
オーストラリア原子力科学技術機構(ANSTO)安全・放射線科学部
上級安全・信頼性指導官 安全文化推進責任者

日本

横山  勉
独立行政法人原子力安全基盤機構 安全情報部 特任参事
(日本・プロジェクトリーダー)

山田 眞嗣
文部科学省 科学技術・学術政策局 原子力安全課 原子力安全国際室

青柳 雅夫
日本原子力発電株式会社 理事 発電管理室長

久保  稔
核燃料サイクル開発機構 広報部長

倉田  聡
中部電力株式会社 発電本部 原子力部 品質保証グループ長 部長

鴻坂 厚夫
財団法人原子力安全技術センター 原子力防災事業部 特任参事

中込 良廣
京都大学 原子炉実験所 教授

伊東 宏泰
日本原子力発電株式会社 発電管理室 業務運営グループ 課長

向山 武彦
社団法人日本原子力産業会議 ジャカルタ連絡事務所長

小寺 充俊
社団法人日本原子力産業会議 アジア協力センター 調査役

福田 真一
社団法人日本原子力産業会議 アジア協力センター 調査役

韓国

Dr. In-Cheol Lim
韓国原子力研究所(KAERI)HANARO管理本部 HANARO運転管理部 課長

Mr. Goan-Yup Lee
韓国原子力研究所(KAERI)原子力緊急時対策部

マレーシア

Mr. Mohd Yusoff Ibrahim
マレーシア原子力庁(MINT)放射線・産業安全課長
(マレーシア・プロジェクトリーダー)

フィリピン

Ms. Vangeline K. Parami
フィリピン原子力研究所(PNRI)原子力規制・許認可・保障措置部
許認可審査・評価課長
(フィリピン・プロジェクトリーダー)

タイ

Ms. Toungporn Angwongtrakool
タイ原子力庁(OAP)原子力安全規制局 原子力技師

ベトナム

Mr. Pham Van Lam
ベトナム原子力委員会(VAEC)ダラト原子力研究所 副所長
(ベトナム・プロジェクトリーダー)

インドネシア

Mr. Alfahari Mardi
インドネシア原子力庁(BATAN)原子力安全技術開発センター長
(インドネシア・プロジェクトリーダー)

Mr. Johnny Situmorang
インドネシア原子力庁(BATAN)原子力安全技術開発センター 技師

Mr. Hendro Tjahjono
インドネシア原子力庁(BATAN)原子力安全技術開発センター 技師

Mrs. Itjeu Karliana
インドネシア原子力庁(BATAN)原子力安全技術開発センター 技師

Mr. Syarip
インドネシア原子力庁(BATAN)高度技術研究開発センター 技師

Mr. Purwanto
インドネシア原子力庁(BATAN)高度技術研究開発センター 技師

Mrs. Rini Heroe Oetami
インドネシア原子力庁(BATAN)高度技術研究開発センター 技師

Mr. Naek Nababan
インドネシア原子力庁(BATAN)研究炉技術開発センター 技師

Mr. Soejatmoko
インドネシア原子力庁(BATAN)ジョグジャカルタ原子力研究センター 所長

Dr. As Natio Lasman
インドネシア原子力規制庁(BAPETEN)次官 原子力安全評価担当

Dr. Khoirul Huda
インドネシア原子力規制庁(BAPETEN)原子力施設・放射性物質規制評価センター長

Mr. Heryudo Kusomo
インドネシア原子力規制庁(BAPETEN)原子力施設・放射性物質規制評価センター 技師

Mrs. Yusri Heni Nurwidi Astuti
インドネシア原子力規制庁(BAPETEN)原子力施設・放射性物質規制評価センター 技師

Dr. Djamaludin Ancok
ガジャマダ大学 教授

 

Forum for Nuclear Cooperation in Asia