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研究炉ネットワーク ワークショップ

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ワークショップ

FNCA 2012 研究炉ネットワークワークショップ

2012年 FNCA 研究炉ネットワークプロジェクトワークショップ
概要

2012年11月19日〜11月22日
インドネシア スルポン



 2012年度の研究炉ネットワーク(RRN)ワークショップは、2012年11月19日より11月22日まで、インドネシア研究技術省、インドネシア原子力庁 (BATAN)および日本の文部科学省(MEXT)の主催により、インドネシア・スルポンにおいて開催されました。

 オーストラリア、バングラデシュ、インドネシア、中国、日本、カザフスタン、韓国、マレーシア、モンゴル、フィリピン、タイ及びベトナムの12カ国が参加し、参加人数は事務局を含め計22名でした。

 本プロジェクトは2011年度から始まったプロジェクトで、主に研究/試験炉及びRI製造の現状についての発表がなされ、それらのアジアにおける地域的ネットワーク構築について討議がなされました。

[ オープンセミナー 〜アジア諸国の原子力開発のための研究/試験炉の重要性〜 ]

 インドネシア原子力庁 (BATAN)長官Prof. Dr. Djarot、町FNCA日本コーディネーターから開会の挨拶がありました。日本、インドネシアをはじめ、中国、韓国から、研究/試験炉についての講演がなされました。


インドネシア原子力庁(BATAN)長官

オープンセミナーの様子

[ ワークショップ ]

· 1日目 (11月19日)

 セッション1では、町FNCA日本コーディネーターからFNCAの10プロジェクト全体の活動について報告がなされました。また、第1回ワークショップのサマリー等をまとめて、本プロジェクトの目的等について明確にしました。セッション2では研究/試験炉利用について、各国から発表がなされ、討議しました。

· 2日目 (11月20日)

 セッション3では研究/試験炉の可能な協力について、日本のリードスピーチに続き、韓国、タイ、ベトナムから発表がなされました。セッション4ではRIの需要/製造について、各国から発表がなされ、討議しました。

ワークショップの様子

· 3日目 (11月21日)

 セッション5では、n-gamma法によるMo-99製造技術開発の課題と計画について、神永氏のリードスピーチの後に討議をしました。セッション6では、中性子ドーピングシリコンの製造と市場の現状および技術的な課題について、Mr. Michael Druceのリードスピーチの後に討議をしました。セッション7では、FNCA地域ネットワーク設立に向けたアイソトープ製造及びアイソトープ安定的供給のための国内ネットワークについて各国より発表があり、井戸氏のリードスピーチの後に円卓討論がなされました。また、セッション8では、アイソトープ製造及びアイソトープ安定的供給に向けたFNCA地域ネットワークをいかに運営するかについて、円卓討議がなされました。

· 4日目 (11月22日)

 テクニカルビジットとして、BATANの主要施設である RSG-GAS炉、RIセンター等を見学しました。セッション9では第13回大臣級会合に向けたサマリー発表を含むまとめを行いました。最後に、町FNCA日本コーディネーターより閉会の言葉があり、ワークショップを成功裏に終了しました。


2012年 FNCA 研究炉ネットワークプロジェクトワークショップ
会議報告

2012年11月19日〜11月22日
インドネシア スルポン



結論及び提案事項

会合において確認された主要な事項は、以下の通り。

1. KAERIが建設する研究炉は、出力20MWで2014年に建設を開始し、RI製造を2017年に予定している。
2. ANSTOは、Mo-99の製造能力を3600Ci(6d)/週に増強するために、1億6680万オーストラリアドルの投資にて新たな製造設備を設置する計画があり、製造により発生する放射性廃棄物についてはSynrock技術を用いて処理する施設を設ける。
3. Batan Teknologiは、米国のB&Wとの共同出資によりMo-99製造専用炉を建設する計画である。液体燃料(ウラニル硝酸塩)を用いた炉のMo-99製造能力は4400Ci(6d)/週である。資本投資は、1億6500万米ドルである。施設は、米国で2017年に運転を始める予定である。(その後、インドネシアに同様な施設を建設する計画。)
4. マレーシア原子力庁は、10〜15MW規模の新たな研究炉の建設計画を2010年に政府に提案したが認められなかった。2015年に再度提案する予定である。
5. ベトナムの新たな研究炉は、現在、ロシアのROSATOMにて設計中である。ベトナムに建設される予定の研究炉は10〜20MW規模であり、2015年に建設を開始し2020年に運転を開始する予定である。
6. TINT(タイ原子力技術研究所)は、新たな研究炉の建設計画を持っている。しかしながら、現時点では、まだ政府に認められていない。本建設計画については、2013年度に許可を得るべく政府のレビューを受ける予定。
7. 医療用RIの安定供給を確保するための調整を行うFNCA加盟国間の地域ネットワークの必要性について、再確認された。
8. 主要なFNCA加盟国においては、RI製造及び供給を調整するための国内委員会が設立された。

本会合における提案事項は、以下の通り。

1. 次回のワークショップ会合は、各国のRI製造及び供給に係る国内委員会の代表またはメンバーが参加すべきである。
アジェンダの主な内容は、以下の通りとすべき。
(1) ノルディオン社がMo-99の生産を止める2016年前後における輸入/輸出計画と、市場需要および生産能力に係る信頼できる調査に基づいた需給戦略(計画)
(2) 要求を満たすMo-99の供給を確保するための商業的な考察を含む挑戦
(3) 医療用RIのための地域的調整会合の主要な役割の定義と運営、及び会合の将来計画の準備
(4) Mo-99の製造と需要、Mo-99製造を行う新たな研究炉計画の状況
2. FNCA加盟国の健康省や核医薬品協会などのエンドユーザーとの密接な協力に基づく信頼性の高い医療用RIの需要予測を準備されるべき。
3. 研究/試験炉技術に関する協力は、安全性やRI製造等の利用設備の向上に焦点を当てた次世代試験研究炉の概念設計を通じ実施されるべき。この協力を実施するために、原子力機構は、機構が現在実施している(人材育成)プログラムの下で、FNCA加盟国から研究炉の技術者を3週間招聘することを考慮すべき。
4. 商用生産用のためのn-γMo-99製造技術の開発に係る協力。実施計画及び可能な協力(日本、カザフスタン、ベトナム、韓国)を検討するための臨時会議は、2013年度中に実施されるべき。2013年2月5〜8日に予定されているIAEAの小規模なMo-99に関する会合(平和利用イニシアチブ)は、本会合の計画を立案する際に考慮すべき。
5. カザフスタンやモンゴル等いくつかの国々は、前回のワークショップで合意された医療用RIの製造及び供給の調整をするための国内委員会/グループを設立することを激励すべき。
6. 次回のワークショップは、2013年の6月または7月に開催されるべき。


2012年 FNCA 研究炉ネットワークプロジェクトワークショップ
プログラム

2012年11月19日〜11月22日
インドネシア スルポン



共 催: インドネシア研究技術省
インドネシア原子力庁 (BATAN)
日本文部科学省(MEXT)
開催日程: 2012年11月19〜22日
開催地: ホテル・サンティカ (インドネシア・スルポン)

11月19日(月)
08:00 受付
オープンセミナー 〜アジア諸国の原子力開発のための研究/試験炉の重要性〜
議長: インドネシア
08:30 開会挨拶:
   Djarot Sulistyo Wisnubroto氏 (BATAN長官)
   町氏 (FNCA日本コーディネーター)
08:45 原子力の世界的傾向及び福島第一原子力発電所事故からの知見 (町氏)
09:35 福島第一原子力発電所事故後のインドネシアにおける原子力計画及びBATANの研究開発における役割 (Yarianto Budi Susilo氏、インドネシア)
10:15 研究/試験炉の重要な役割及び利用 (神永氏、日本)
10:45 休憩
11:00 科学技術に向けたRSG-GAS研究炉利用の見通し (Gunawan氏、インドネシア)
11:30 原子力科学利用に向けた新CARR研究炉の重要な役割 (LIU Xingmin氏、中国)
11:45 韓国における新研究炉プロジェクト (Nam HO氏、韓国)
12:10 昼食
FNCA研究炉ネットワークプロジェクトワークショップ
13:15 開会セッション
議長: インドネシア
開会挨拶: 町氏
自己紹介、アジェンダ確認
13:45 セッション1: FNCAの概観及び進捗状況について
議長: バングラデシュ
1. 平成23年度プロジェクト及び大臣級会合について報告 (町氏)
2. 研究炉ネットワークプロジェクトのアドホック会合のまとめ、提言 (町氏)
14:30 休憩
14:45 セッション2: 研究/試験炉利用についてカントリーレポート
ポイント:
   · 炉管理の現状、課題(運転面、技術的課題、財政的課題等)と新規炉計画
   · 主要な現在及び潜在的研究炉利用とエンドユーザー
   · 炉の技術的仕様データ
   · 2011年10月からの進捗状況またはトピックス
12カ国から発表: (20分ずつ)
議長: ベトナム
   オーストラリア、バングラデシュ、中国、インドネシア、日本、韓国
16:45 休憩
17:00 セッション2: 続き
議長: タイ
   マレーシア、モンゴル、フィリピン
18:00 1日目終了
 
11月20日(火)
09:00 セッション2: 続き
議長: 中国
   カザフスタン、タイ、ベトナム
10:00 休憩
10:20 セッション3: 研究/試験炉の可能な協力
ポイント:
   · 地域(韓国、タイ、ベトナム)における新規研究/試験炉の計画、設計、利用の協力
   · 人材育成に係る協力
議長: モンゴル
   リードスピーチ:神永氏 (日本)
   韓国、タイ、ベトナム (10分ずつ)
11:05 円卓討議 (55分)
議長: マレーシア
12:00 昼食
13:00 セッション4: アイソトープの需要/製造についてカントリーレポート (中性子ドーピングシリコン含む)
ポイント:
   · アイソトープ国内需要の種類、その製造計画(特にMo-99)、利用、技術的課題、エンドユーザー、
     供給システム等
   · 2011年10月からのトピックス
12カ国から発表: (20分ずつ)
議長: フィリピン
   オーストラリア、バングラデシュ、中国、インドネシア、日本、カザフスタン
15:00 休憩
15:20 セッション4: 続き
議長: カザフスタン
   韓国、マレーシア、モンゴル、フィリピン、タイ、ベトナム
討議・質疑応答
17:20 2日目終了
 
11月21日(水)
09:00 セッション5: n-gamma法によるMo-99製造技術開発の課題と計画
議長: オーストラリア
   リードスピーチ: 神永氏 (日本)
10:00 休憩
10:20 セッション6: 中性子ドーピングシリコンの製造と市場の現状および技術的な課題
議長: 日本
   リードスピーチ; Druce氏 (オーストラリア)
11:20 セッション7: FNCA地域ネットワーク設立に向けたアイソトープ製造及びアイソトープ安定的供給のための国内ネットワークの状況
ポイント: 国内ネットワーク設立及びFNCA研究炉ネットワーク設立についての国内合意を得るために講じられた行動結果
12カ国から発表: (10分ずつ)
議長: 韓国
   オーストラリア、バングラデシュ、中国、インドネシア
12:00 昼食
13:00 セッション7: 続き
議長: インドネシア
   日本、カザフスタン、韓国、マレーシア、モンゴル、フィリピン、タイ、ベトナム
14:20 休憩
14:40 円卓会議
国内ネットワーク構成に関連する提案、問題、障害等
議長: オーストラリア
   リードスピーチ: 井戸氏 (日本)
15:40 休憩
16:00 セッション8: アイソトープ製造及びアイソトープ安定的供給に向けたFNCA地域ネットワークをいかに運営するか (将来の計画を含む)
円卓討議 (60分)
議長: 日本
   リードスピーチ: 町氏 (FNCA日本コーディネーター)
17:00 3日目終了
 
11月22日(木)
08:30 テクニカルビジット (BATAN、RSG-GAS炉、アイソトープセンター等)
12:00 昼食
13:00 セッション9: 第13回大臣級会合に向けたサマリー発表を含む結論及び提言
議長: インドネシア、日本
14:30 閉会挨拶 町氏 (FNCA日本コーディネーター)
15:00 ワークショップ終了


研究炉ネットワークワークショップ
参加者リスト

2012年11月19日〜11月22日
インドネシア スルポン



オーストラリア

Mr. Michael Druce
オーストラリア原子力科学技術機構(ANSTO)
技術責任者

バングラデシュ

Mr. Md. Jahirul Haque Khan
バングラデシュ原子力委員会(BAEC)
原子力研究所(シャバール)(AERE)
原子力科学技術研究所(INST)
上席研究員

中国

Dr. LIU Xingmin
中国原子能科学研究院(CIAE)
炉エンジニアリング研究開発部(DRERD) 炉理論設計課長

インドネシア

Prof. Dr. Djarot Sulistyo Wisnubroto
インドネシア原子力庁 (BATAN)
長官

Mr. Yarianto Budi Susilo
インドネシア原子力庁 (BATAN)
原子力開発センター センター長

Mr. Gunawan
インドネシア原子力庁 (BATAN)
原子力産業材料センター センター長

Mr. Yusi Eko Yulianto
インドネシア原子力庁 (BATAN)
多目的炉センター 炉システム部長

Dr. Yudi Utomo IMARDJOKO
PT Batan Teknologi (Persero)社
社長

Dr. Koesnanto
PT Batan Teknologi (Persero)社
次長

日本

Dr. 町 末男
FNCA日本コーディネーター

Mr. 齊藤 毅
文部科学省(MEXT) 研究開発局原子力課
(併)研究開発戦略官付原子力国際協力室調査員

Dr. 井戸 達雄
東北大学 名誉教授

Dr. 神永 雅紀
(独)日本原子力研究開発機構(JAEA) 大洗研究開発センター
照射試験炉センター 副センター長

Ms. 猪越 千明
(公財)原子力安全研究協会(NSRA) 国際研究部

カザフスタン

Ms. Yelena Chakrova
カザフスタン国立原子力センター(NNC)
核物理研究所
放射化学/アイソトープ製造センター長

韓国

Mr. Nam HO
世界アイソトープ機構 (WCI)
国際コーディネーター

Mr. Ji-Yup YO
世界アイソトープ機構 (WCI)
課長補佐

マレーシア

Mr. Wan Anuar WAN AWANG
マレーシア原子力庁(Nuclear Malaysia)
医療技術部 研究員

モンゴル

Mr. Chadraabal MAVAG
モンゴル原子力庁 原子力技術導入部
行政官

フィリピン

Mr. Neil Raymund GUILLERMO
フィリピン原子力研究所(PNRI)
科学研究専門家

タイ

Mr. Chanatip TIPPAYAKUL
タイ原子力技術研究所(TINT)
原子力技術/炉運転部 原子力エンジニア

ベトナム

Mr. Duong Van Dong
ベトナム原子力研究所(VAEI)
ダラト原子力研究所(NRI) RI研究/製造センター長




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