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研究炉ネットワーク ワークショップ

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ワークショップ

FNCA 2014 研究炉ネットワークワークショップ

2014年度 FNCA 研究炉ネットワークプロジェクトワークショップ
概要

2014年10月14日〜10月16日
タイ バンコク



2014年度の研究炉ネットワーク(RRN)ワークショップは、2014年10月14日より10月16日までの3日間、タイ原子力研究所(TINT)および日本の文部科学省(MEXT)の主催により、タイ・バンコクにおいて開催されました。

オーストラリア、バングラデシュ、インドネシア、日本、カザフスタン、韓国、マレーシア、モンゴル、フィリピン、タイおよびベトナムの11カ国およびIAEAが参加し、参加人数は事務局を含め計26名でした。

本プロジェクトは2011年度から始まったプロジェクトで、今年度は第2フェーズの1年目にあたります。主に研究/試験炉およびRI製造の現状についての発表がなされ、RI製造・供給に係るるFNCA地域ネットワーク構築について討議がなされました。

[ワークショップ]
タイ原子力研究所(TINT)所長Dr. Somporn CHONGKUMおよびFNCA日本コーディネーター町末男氏から開会の挨拶がありました。
セッション1では、町FNCA日本コーディネーターからFNCAの10プロジェクト全体の活動について、神永氏より第1フェーズの活動に触れつつ、本プロジェクトの活動概要および課題について報告がなされました。
セッション2では安定供給に向けた医療用RI(Mo-99)製造ネットワークについて、オーストラリア、インドネシア、韓国、日本のリードスピーチに続き、各国から発表がなされ、議論しました。


 

セッション3ではn-γ反応を用いたMo-99製造技術開発について、IAEA、日本、カザフスタン、インドネシア、ベトナムからリードスピーチがなされ、議論しました。
セッション4では用途に応じた効率的研究炉設計について、タイ、ベトナム、韓国、日本、モンゴルのリードスピーチがなされ、議論しました。
セッション5では第15回大臣級会合に向けたサマリー発表を含むまとめを行いました。最後に、町氏より閉会の挨拶があり、ワークショップを成功裏に終了しました。

[
オープンセミナー]
10月16日、オープンセミナー「人類のための原子力技術」が開催されました。Dr. Somporn CHONGKUM(TINT) からの開会挨拶のあと、ワークショップ参加者の町末男氏(日本)、Mr. Chanatip TIPPAYAKUL (タイ)、 Mr. LEE Kye Hong (韓国)、Mr. Michael DRUCE (オーストラリア) 、およびタイからのDr. Nateekool KRIENGCHAIPORNによって講演がなされました。

 

 

[テクニカルビジット]
10月16日、オープンセミナー終了後、タイ原子力研究所(TINT)のTRIGA研究炉(TRR1-M1)や放射性同位体製造施設等を見学しました。


 


2014年度 FNCA 研究炉ネットワークプロジェクトワークショップ
会議報告

2014年10月14日〜10月16日
タイ バンコク



2014RRNワークショップ 結論および提案事項

安定供給に向けたMo-99製造についての協力

1.

韓国原子力研究所(KAERI)におけるRI製造用新研究炉の運転開始は、2018年の予定である。Mo-99製造能力は2,000 6-day Ci /週であるが、当初5年間は1,000 6-day Ci /週の製造を計画している。

2.

オーストラリア原子力科学技術機構(ANSTO)では、Mo-99の製造能力を2016年までに3,500 6-day Ci /週に増強する。

3. Mo-99の(中国を除く)FNCA加盟国における需要は3,000 6-day Ci /週程度であり、製造能力は2018年までには5,500 6-day Ci /週を上回ることから、安定供給が確保される見通しである。
4.

2014-15年のMo-99供給量が少ない懸念がある。

5. このため、インドネシアはインドネシア原子力庁(BATAN)の30MW炉を用いてMo-99の製造を直ちに行うべく行動すべきである。
6.

中国が本会合に不参加のため、中国におけるMo-99の需要および製造能力に関する情報は得られなかった。

7.

日本原子力研究開発機構(JAEA)は千代田テクノルと協力し、2019年以降、日本国内の需要の20%のMo-99製造を実施する計画である。

8. 米国においてMo-99は5,000 6-day Ci /週が消費されている。これは主に2016年に停止するカナダのNordion社から供給されているため、米国政府はMo-99の供給確保にあたり原子炉や加速器を用いた様々な技術を適用予定である。
9. FNCA研究炉ネットワーク(RRN)プロジェクトは加盟国間のMo-99の製造計画や需要について引き続き情報交換を行っていくことが確認された。加盟国間、またAIPES(Association of Imaging Producers and Equipment Suppliers)やOECD/NEAとの調整は、安定供給確保のために必要である。
10. 会合では、Mo-99安定供給のために、主要な製造事業者であるANSTO、KAERI、BATANおよび主な消費者である中国、日本RI協会(JAEA)間での調整メカニズムを構築することが提案された。

(n、γ)法によるMo-99製造技術

11. 国内における少量の需要のための小規模なMo-99製造には(n、γ)法が適しており、国際マーケット向きの大規模な製造には核分裂法が適している。
12. カザフスタンは、ゲルを用いた(n、γ)法により医療機関向けに1週間当たり5個のTc-99mジェネレーターを供給している。
13. 千代田テクノルは、250 6-day Ci /週規模でMEKを用いた抽出手法によるMo-99製造技術を開発しており、2019年から商業製造を開始する予定である。
14. ベトナムでは、IAEAの支援の下でゲルを用いた(n、γ)法の開発を完了し、15MWの新研究炉を用いたMo-99の製造においては、(n、γ)法および核分裂法の両方を用いることを検討している。
15. 共同研究プロジェクト(CRP)および技術協力(TC)プログラムを通して、ゲルまたは溶媒抽出手法を用いた(n、γ)法によるMo-99製造技術開発へのIAEAの支援を高く評価し、地域の需要に応えるためこれらの技術移転についてさらなる支援を期待する。
16. フィリピン原子力研究所(PNRI)は、フィリピンにおける(n、γ)法によるMo-99現地製造のために、BATANの30MW炉でMo-98ターゲットを照射するよう依頼している。
17. 今後も(n、γ)法によるMo-99の製造技術に関する情報や経験を共有し、核医薬品の国内需要を満たすために本技術の商業利用の強化に資することとした。

研究炉の設計および利用

18.

ベトナム原子力研究所(VINATOM)においては、熱出力15MW多目的研究炉の建設計画があり、ロシアの支援により2020年までに運転開始する予定である。フィージビリティスタディはロシアとの協同で行われる。

19. タイ原子力技術研究所(TINT)は、RI製造、シリコンドーピング、宝石用原石照射、中性子ビームを用いた基礎研究、原子力エンジニアのトレーニングを行う新たな多目的研究炉の建設計画がある。
20. KAERIは、核分裂法を用いたMo-99を含むアイソトープ製造や半導体製造シリコンドーピングに焦点をあてた15MWtの研究炉を建設している。最初のMo-99製造は、2018年11月を予定している。
21. モンゴル政府は、5〜10MWの多目的研究炉の建設を検討しており、5年以内に計画実施の最終判断が為される予定である。
22. 新設・新型研究炉に関する設計仕様等の情報交換は、引き続き行われることが推奨された。これは、新たな研究炉の建設を計画しているタイ、ベトナム及びモンゴルにとって有益であり、さらに、オーストラリア、中国、日本および韓国のこれまでの試験研究炉の設計および建設の経験の共有が可能であることが確認された。

 


2014年度 FNCA 研究炉ネットワークプロジェクトワークショップ
プログラム

2014年10月14日〜10月16日
タイ バンコク


共 催: タイ原子力研究所(TINT)
文部科学省(MEXT)
実施機関: 益財団法人 原子力安全研究協会
開催日程: 2014年10月14日 - 16日
開催地: タイ・バンコク、プルマン・バンコク・ホテルG

1日目:10月14日(火)
【ワークショップ】
09:30-10:15 < 開会セッション >
議長:タイ
開会挨拶
Dr. Somporn CHONGKUM (タイ原子力研究所 (TINT))
町末男氏 (FNCA日本コーディネーター)
アジェンダ確認、自己紹介、写真撮影
10:15-10:30 休憩
10:30-11:30 < セッション1 > FNCAプロジェクトレビュー
議長:タイ
1)平成25年度プロジェクトおよび大臣級会合、コーディネーター会合について報告
(町コーディネーター)
2) 研究炉ネットワークプロジェクトの概要および課題 (神永氏)
11:30-12:30 昼食
12:30-15:30 < セッション2 > 安定供給に向けた医療用RI(Mo-99)製造ネットワーク
議長:マレーシア
(1)リードスピーチ
1)オーストラリア:2017年まで/アップグレードした2018年以降の製造計画
2)インドネシア:FNCA MC需要に応じた増産計画
3)韓国:2018年以降の新規炉による製造計画
4)日本:2017年までの製造/供給計画(JRIA)
5)JIRA:世界、とりわけアジアにおけるMo-99製造/需要に関するNEA委員会
レポート
(2)カントリーレポート
タイ、バングラデシュ、マレーシア、カザフスタン、ベトナム、モンゴル、フィリピン
(3)議論
 ポイント 
 1) 2017年までの需要を満たすためのMo-99の安定供給に向けた戦略および課題
 2) BATANでのMo-99増産可能性
 3) 2017年までのFNCA地域外からのMo-99の輸入
 4) 地域需要を満たすため2018以降のANSTO、KAERI、JAEAによるMo-99増産スケジュール
15:30-15:45 休憩
15:45-16:15 < セッション2 > 続き
(4) 本プロジェクト要素の活動計画
(5) セッションサマリーおよび結論
16:15-18:00 < セッション3 >n-γ反応を用いたMo-99製造技術開発
議長:フィリピン
(1)リードスピーチ
 1) IAEA:n-γ反応を用いたMo-99製造の紹介
 2) 日本:n-γ反応および抽出法を用いたMo-99大規模製造の研究開発
 3) カザフスタン:n-γ反応を用いたMo-99商業製造
 4) インドネシア:FNCAにおける日本の協力によるn-γ反応を用いたMo-99製造
   経験
 5) ベトナム:ジェル法によるn-γ反応を用いたMo-99製造
 
2日目:10月15日(水)
09:00-10:00 < セッション3 >続き
議長:フィリピン
(2)議論
ポイント
 1) 廃棄物管理、不拡散、経済の面からfission法の利点と欠点
 2) n-γ反応を用いたMo-99製造の技術的な課題
 3) IAEAの視点
(3) 本プロジェクト要素の活動計画
(4) セッションサマリーおよび結論
10:00-10:15 休憩
10:15-12:00

< セッション4 >用途に応じた効率的研究炉設計
議長:バングラデシュ
(1)リードスピーチ
 1) タイ:新規炉建設の計画および目的
 2) ベトナム:動力炉建設に関連して研究炉の計画および目的
 3) 韓国:新規炉建設の現状および運転開始計画、RI製造炉の特徴
 4) 日本:日本における先端研究/試験炉の共同設計の提案および計画
 5) モンゴル

12:00-13:00 昼食
13:00-14:30

〈セッション4〉続き
(2)議論
 ポイント
 1) 新規炉設計における加盟国間の可能な協力
 2) タイとベトナムにおける新規炉のための人材育成
 3) FNCA参加国による新規炉利用についての可能なシェアリング
(3) 本プロジェクト要素の活動計画
(4) セッションサマリーおよび結論

14:30-14:45 休憩
14:45-15:45

< セッション5 >結論および提言
議長:オーストラリア
 リードスピーチ:町コーディネーター

15:45-16:00

〈セッション6〉閉会セッション
閉会挨拶
 町末男氏 (FNCA日本コーディネーター)

 
3日目:10月16日(木)
【オープンセミナー】
09:00-09:15

受付
 開会挨拶:Dr. Somporn CHONGKUM (TINT)

09:15-09:45

(1)持続可能な開発のためのRIおよび放射線技術
 :町末男氏 (FNCA日本コーディネーター)

09:45-10:15

(2) タイにおける産業および人の健康の発展に向けた原子力研究炉の利用
 :Mr. Chanatip TIPPAYAKUL (TINT、タイ)

10:15-10:30 休憩
10:30-11:00

(3) エネルギー安全保障および気候変動緩和のための原子力エネルギー
 :Dr. Nateekool KRIENGCHAIPORN (EGAT、タイ)

11:00-11:30

(4) 韓国における原子力発電の展望
 :Mr. LEE Kye Hong (KAERI、韓国)

11:30-12:00

(5) オーストラリアにおける産業や人の健康に向けた研究炉・RI利用の成功事例
 :Mr. Michael DRUCE (ANSTO、オーストラリア)

12:00-13:30 昼食

【テクニカルビジット】
13:30-17:00

タイ原子力研究所(TINT)


2014年 FNCA 研究炉ネットワークプロジェクトワークショップ
参加者リスト

2014年10月14日〜10月16日
タイ バンコク


オーストラリア

Mr. Michael Druce
オーストラリア原子力科学技術機構 (ANSTO)
主任技術者

バングラデシュ

Dr. Md Mustafizur Rahman
バングラデシュ原子力委員会 (BAEC)
原子力研究所 (シャバール)(AERE)
原子力科学技術研究所 (INST)
上席研究員

インドネシア

Mr. Yusi Eko YULIANTO
インドネシア原子力庁 (BATAN)
多目的炉センター
炉運転部マネージャー

日本

Dr. 町 末男
FNCA日本コーディネーター

Dr. 神永 雅紀
(独)日本原子力研究開発機構(JAEA)
大洗研究開発センター 照射試験炉センター 副センター長

Dr. 山下 孝
(公財)日本アイソトープ協会 
常務理事

Mr. 椎名 孝行
(株)千代田テクノル
大洗研究所 研究開発課 主務

Ms. 猪越 千明
(公財) 原子力安全研究協会
国際研究部

カザフスタン

Ms. Yelena Chakrova
カザフスタン国立原子力センター(NNC)
核物理研究所 放射化学/アイソトープ製造センター長

韓国

Mr. LEE Kye Hong
韓国原子力研究所 (KAERI)
キジャン研究炉設計・建設局 幹事

マレーシア

Mr. Azahari KASBOLLAH
マレーシア原子力庁(Nuclear Malaysia)
医療技術部 研究員

モンゴル

Dr. Byambajav MUNKHBAT
モンゴル国立大学
原子力研究センター 研究員

フィリピン

Ms. Adelina DM. BULOS
フィリピン原子力研究所 (PNRI)
アイソトープ技術課 課長

タイ

Mr. Chanatip TIPPAYAKUL
タイ原子力技術研究所(TINT)
原子力技術/炉運転部 原子力エンジニア

Mr. Suthipong BOONMAK
タイ原子力技術研究所(TINT)
研究炉センター

Ms. Suvimol RATTANODOM
タイ原子力技術研究所(TINT)
研究炉センター

Mr. Anantachai PECHRAK
タイ原子力技術研究所(TINT)
研究炉センター

Ms. Kainapa RATTANARUJIKORN
タイ原子力技術研究所(TINT)
RIセンター

 

Ms. Angkanan ANGURARAT
タイ原子力技術研究所(TINT)
RIセンター

Ms. Moleephan DANGPRASERT
タイ原子力技術研究所(TINT)
RIセンター

Mr. Thanete DOUNGTA
タイ原子力技術研究所(TINT)
RIセンター

Mr. Sumrit CHINGJIT
タイ原子力技術研究所(TINT)
RIセンター

Ms. Pranom KHONGPETCH
タイ原子力技術研究所(TINT)
RIセンター

Mr. Charudaj WARDWILAI
タイ原子力技術研究所(TINT)
RIセンター

ベトナム

Mr. Duong Van Dong
ベトナム原子力研究所(VAEI)
ダラト原子力研究所(NRI) RI研究/製造センター長

IAEA

Dr. Joao OSSO
国際原子力機関 (IAEA)
アイソトープ製品・放射線技術課 課長



 

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