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研究炉ネットワーク ワークショップ

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ワークショップ

FNCA 2015 研究炉ネットワークワークショップ

2015年度 FNCA 研究炉ネットワークプロジェクトワークショップ
概要

2015年10月27日〜10月29日
マレーシア・カジャン



2015年度の研究炉ネットワーク(RRN)ワークショップは、2015年10月27日より10月29日までの3日間、マレーシア原子力庁および日本の文部科学省(MEXT)の主催により、マレーシア・カジャンにおいて開催されました。

集合写真

バングラデシュ、中国、インドネシア、日本、カザフスタン、韓国、マレーシア、モンゴル、フィリピン、タイおよびベトナムの11カ国が参加し、参加人数は事務局を含め計14名でした。

本プロジェクトは2011年度から始まったプロジェクトで、今年度は第2フェーズの2年目にあたります。主に各国の研究/試験炉およびRI製造の現状についての発表がなされ、参加国間における多目的研究炉の協力について討議がなされました。

ワークショップの様子1
  ワークショップの様子2

[ワークショップ]
マレーシア原子力庁長官Dato’ Dr. Muhamad bin Lebai JuriおよびFNCA日本コーディネーター和田智明氏から開会の挨拶がありました。続いて、神永氏より前回のワークショップに触れつつ、本プロジェクトの活動概要および課題について報告がなされました。
セッション1では、研究/試験炉の現状及びその利用について、セッション2では医療/産業用アイソトープ(RI)製造の現状について、各国から発表がなされ、議論しました。またサイト内で開催されていた展示「技術プレビュー&ショーケース2015」も見学しました。セッション3では参加国間における多目的研究炉の協力について、インドネシア、日本、韓国、マレーシアからリードスピーチがなされ、議論しました。セッション4でワークショップ全体のまとめを行い、最後に和田氏より閉会の挨拶があり、ワークショップを成功裏に終了しました。

展示見学
  オープンセミナー

[オープンセミナー]
10月29日、オープンセミナー「参加国間における多目的研究炉の協力」が開催されました。マレーシア原子力庁前副長官(研究技術部門)Dr. Muhd Noor MUHD YUNUS からの開会挨拶のあと、ワークショップ参加者の和田智明氏(日本)、Mr. Yusi Eko YULIANTO(インドネシア)、Dr. LIU Xingmin(中国)、神永雅紀氏(日本)、およびマレーシアからのMr. Mohammad Suhaimi bin Kassimによって講演がなされました。

[テクニカルビジット]
10月29日、オープンセミナー終了後マレーシア原子力庁のTRIGA研究炉(Puspati)や放射性同位体製造施設等を見学しました。

テクニカルビジット


2015年度 FNCA 研究炉ネットワークプロジェクトワークショップ
会議報告

2015年10月27日〜10月29日
マレーシア・カジャン



2015RRNワークショップ 結論および提案事項

研究/試験炉の現状及びその利用(セッション1)

1. バングラデシュ原子力委員会(BAEC)は、RI製造だけでなく原子力研究開発分野における自国の将来需要を満たすため、新規中型(20-30MW)多目的研究炉の設立計画がある。
2. 中国原子能科学研究院(CIAE)は、2016年1月から通常スケジュール(10-20 days/cycle、12 cycles/年)でCARRの稼働計画がある。
3. 日本原子力研究開発機構(JAEA)と京都大学は、2013年12月18日に施行された新規制基準の適合性確認のため、日本の原子力規制委員会に申請書を提出した。
4. 韓国原子力研究所(KAERI)は、核分裂法によるMo-99を含むRI製造および半導体製造シリコンドーピングに焦点をあわせた15MWtの研究炉を建設中である。最初のMo-99製造は2019年11月の見込みである。
5. カザフスタンの核物理研究所(INP)は、2015年にWWR-K炉のHEU(高濃縮ウラン)からLEU(低濃縮ウラン)への燃料転換が終わる。
6. ベトナム原子力研究所(VINATOM)は、ロシアの支援により2025年までに稼働する15MWtの多目的研究炉建設計画がある。
7. マレーシア原子力庁は、TRIGA Mark II型プスパティ研究炉(RTP)を利用し、高品質Mo-98を出発物質として用いるMo-99製造の予算申請書を提出した。
8. フィリピン原子力研究所(PNRI)は、TRIGA燃料を再利用するために、“フィリピンの原子力科学知見の再建をめざしたフィリピン研究炉-1(PRR-1)TRIGA未臨界燃料集合体の活用能力の強化”と題したプロジェクトがある。このプロジェクトは2016年に実施される。
9. 新規研究炉の計画/設計について情報交換を継続することとした。タイ、ベトナム、モンゴル、バングラデシュに新規炉という共通タスクがある一方、オーストラリア、中国、日本、韓国には共有できる研究/試験炉の設計・建設についての広い知見があることから、これはメンバー国にとって有益である。

Mo-99製造の安定供給、その他のRI製造の現状(セッション2)

1. KAERIは、放射性廃棄物管理を含む核分裂Mo-99製造用のLEUターゲットを開発した。Mo-99製造能力は2,300 6dayCi/週 となる予定である。
2. INPは2015年にオリジナル設計のポータブルゲルジェネレーターを開発した。
3. BAECは、新しいジェネレーター製造施設を設置した。また、放射性医薬品キット準備用にISO14644を取得したクリーンルームを設置した。
4. PNRIは、放射性医薬品キット研究室のクリーンルームを設置し、クリーンルームのテストが行われている。
5. TINTは、RI製造のために承認されたばかりの新サイクロトロンプロジェクトがあり、技術仕様が検討されている。
6. いくつかの主要な製造施設停止の際も、ここ数年は顕著なまたは長期的な不足は起こらなかったとのOECE/NEA 情報が、山下氏より報告された。
7. RRNプロジェクトはメンバー国のMo-99や他のRIの製造計画および需要について情報交換する活動を継続することとした。メンバー国、AIPES(Association of Imaging Producers and Equipment Suppliers)やOECD/NEAとの供給調整は、安定供給の保証につながる。
8. FNCAメンバー国の人々のためになる原子力平和利用開発への継続的な支援に対して、FNCAオーガナイザーとしての日本の貢献に感謝する。また、本活動がメンバー国で持続可能となるよう、n-γ法によるMo-99技術について若手/中堅レベル向け人材育成活動をさらに支援してほしい。

n-γ反応を用いたMo-99製造技術(セッション2)

1.

n-γ技術は国内のローカルな需要のための小規模なMo-99製造に適したクリーンな技術であり、核分裂技術は、国際市場のための大規模な製造に適している。

2. 中国のMo-99需要は、2014年はおよそ8,400 Ci/年である。
3. インドネシア原子力庁(BATAN)は、日本のn-γ法によるMo-99製造支援のために、n-γ反応によるMo-99製造用MoO3ターゲット照射の準備ができている。
4. 千代田テクノル(CTC)と協力し2019年の商業製造開始に向けて、JAEAは、250 6dayCi/週の規模で製造するため、溶媒抽出法(MEK)およびカラム法によるMo-99製造技術を開発している。
5. VINATOMは、n-γ法により製造したMo-99ベースのゲルジェネレーターシステムを開発し、1984年以降使っている。製造能力は10 6dayCi/週である。
6. マレーシア原子力庁は、RTPを用い、国内製造の最終的なゴールとしてn-γ法によるMo-99製造計画がある。
7. 核医学の国内需要を満たすため、技術の商業利用を強化すべく、n-γ反応を用いたMo-99製造についての経験・情報の共有を継続することとした。将来起こりうる核分裂法によるMo-99製造危機の際に、この知見はメンバー国における問題解決にあたり大変有益である。

メンバー国間における多目的研究炉の協力(セッション3)

1.

メンバー国間で多目的研究炉を利用するために、多目的研究炉の詳細カタログ(ビーム施設、照射施設(照射後試験施設を含む)など)をそれぞれの施設の連絡責任者とともに準備することとした。研究炉を持つメンバー国は次のワークショップ前までにカタログを提出する。なお、カタログの標準フォームは2016年3月までに関係国に配布される。

 


2015年度 FNCA 研究炉ネットワークプロジェクトワークショップ
プログラム

2015年10月27日〜10月29日
マレーシア・カジャン



共 催: マレーシア原子力庁
文部科学省(MEXT)
実施機関: 公益財団法人 原子力安全研究協会
開催日程: 2015年10月27日 - 29日
開催地: マレーシア・カジャン、マレーシア原子力庁

1日目:10月14日(火)
【ワークショップ】
09:30-10:20 < 開会セッション >
議長:マレーシア
開会挨拶
Dato’ Dr. Muhamad bin Lebai Juri(マレーシア原子力庁長官)
和田智明氏(FNCA日本コーディネーター)
アジェンダ確認、自己紹介、写真撮影
研究炉ネットワークプロジェクトの概要および課題2014−2015
神永雅紀氏(RRN日本プロジェクトリーダー)
10:20-10:40 休憩
10:40-12:00 < セッション1 > 研究/試験炉及びその利用についてカントリーレポート
ポイント
1) 運転・管理
2) 照射技術
3) 新規研究炉または既存炉アップデートの計画
議長:ベトナム
バングラデシュ、中国、インドネシア、日本
12:00-13:00 昼食
13:00-15:00 < セッション1 > (続き)
議長:バングラデシュ
カザフスタン、韓国、マレーシア、タイ、ベトナム、モンゴル、フィリピン
15:00-15:30 休憩
15:30-16:00 < セッション1 > (続き)
議長:バングラデシュ
議論およびセッションまとめ
16:00-17:00 < セッション2 > 医療/産業用アイソトープ(RI)製造の現状についてカントリーレポート
ポイント
1) Mo-99製造技術の開発
2) 戦略および課題
3) 需要・供給
議長:インドネシア
中国、インドネシア、日本
 
2日目:10月28日(水)
09:00-10:20 < セッション2 > (続き)
議長:タイ
カザフスタン、韓国、ベトナム、バングラデシュ、マレーシア
10:20-10:50 休憩
10:50-12:00 < セッション2 > (続き)
議長:中国
モンゴル、フィリピン、タイ、日本(JRIA)
12:00-13:00 昼食
13:00-14:30 < セッション3 > 参加国間における多目的研究炉の協力
ポイント
多目的研究炉の利用手続きの紹介
議長:フィリピン
インドネシア、日本、韓国、マレーシア
議論およびセッションまとめ
14:30-15:00 休憩
15:00-16:50 < セッション4 > 結論
議長:マレーシア
リードスピーチ:町コーディネーター
16:50-17:00 < セッション6 > 閉会セッション
閉会挨拶
和田智明氏(FNCA日本コーディネーター)
 
3日目:10月29日(木)
【オープンセミナー】「参加国間における多目的研究炉の協力」
09:00-09:30 受付
09:30-09:35 開会挨拶
:Dr. Mohd Ashhar bin Haji Khalid(マレーシア原子力庁副長官(技術部門))
09:35-09:50 FNCAの概要および進捗状況
:和田智明氏(FNCA日本コーディネーター)
09:50-10:20 :Mr. Mohammad Suhaimi bin Kassim(マレーシア)
10:20-10:40 :Mr. Yusi Eko YULIANTO(インドネシア)
10:40-11:00 休憩
11:00-11:30 :Dr. LIU Xingmin(中国)
11:30-12:00 :神永雅紀氏(日本)
12:00-13:00 昼食
 
【テクニカルビジット】
13:00-16:30 マレーシア原子力庁


2015年度 FNCA 研究炉ネットワークプロジェクトワークショップ
参加者リスト

2015年10月27日〜10月29日
マレーシア・カジャン



バングラデシュ

Dr. M. Azizul HAQUE
バングラデシュ原子力委員会 (BAEC)
原子力研究所(シャバール)(AERE)
原子力科学技術研究所(INST)
主任研究員

中国

Dr. LIU Xingmin
中国原子能科学研究院(CIAE)
炉エンジニアリング研究開発部(DRERD) 炉理論設計課長

インドネシア

Mr. Yusi Eko YULIANTO
インドネシア原子力庁(BATAN)
多目的炉センター
運転部長

日本

Mr.和田 智明
FNCA日本コーディネーター

Dr. 神永 雅紀
国立研究開発法人日本原子力研究開発機構(JAEA)
大洗研究開発センター 照射試験炉センター 副センター長

Dr. 山下 孝
公益財団法人日本アイソトープ協会
常務理事

Ms. 猪越 千明
公益財団法人 原子力安全研究協会
国際研究部

カザフスタン

Ms. Yelena Chakrova
カザフスタン国立原子力センター(NNC)
核物理研究所(INP)放射化学/アイソトープ製造センター長

韓国

Mr. Ul Jae PARK
韓国原子力研究所(KAERI)
ラジオアイソトープ研究部主任研究員

マレーシア

Mr. Azahari KASBOLLAH
マレーシア原子力庁(Nuclear Malaysia)
医療技術部 研究員

モンゴル

Dr. Byambajav MUNKHBAT
モンゴル国立大学
原子力研究センター 研究員

フィリピン

Ms. Maria Teresa BORRAS
フィリピン原子力研究所 (PNRI)
主任研究員

タイ

Mr. Chanatip TIPPAYAKUL
タイ原子力技術研究所(TINT)
原子力技術/炉運転部 原子力エンジニア

ベトナム

Mr. Duong Van Dong
ベトナム原子力研究所(VINATOM)
ダラト原子力研究所(NRI) RI研究/製造センター長




 

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