FNCA 2006 放射線育種ワークショップ
三ヵ年計画 添付書類III 添付書類IV 添付書類V 添付書類VI 添付書類VII 添付書類VIII

Three Year Plan of the FNCA Project on Mutation Breeding

  FY 2005 FY 2006 FY 2007 FY 2008
Overall Schedule

The 6th FNCA Meeting
(Nov. 30 - Dec. 1, 2005, Japan)
The 7th CM
(Mar. 1 - 3 2006, Japan)

The 7th FNCA Meeting
(Autumn 2006, Malaysia)
The 8th CM
(February 2007, Japan)

The 8th FNCA Meeting
(Autumn 2007, Japan)
The 9th CM
(March 2008, Japan)

The 9th FNCA Meeting
(Autumn 2006)
The 10th CM
(March 2009, Japan)

Workshop Dec. 5-9
Malaysia
Sept. 11-15
Japan
Nov.
Korea

Sub-Project 1
"Drought Tolerance in Sorghum and Soybean"

Further selections of the tolerant lines and establishment of pure lines

Evaluation of the promising mutant lines for drought tolerance
*Final Report
 

Sub-Project 2
"Insect Resistance in Orchid"
[Sub-project Meeting in Thailand]
  • Irradiation of PLBs
  • Development of selection techniques(in vitro)(continue)
  • Multiplication of irradiated PLBs (three subcultures)
  • Transfer plantlets to the greenhouse for selection
    *Mid-term Review
  • Mite
  • Development of selection techniques(in vitro) (completed)
  • Development of selectiontechniques (in vivo)(continue)
  • Transfer plantlets to the greenhouse for selections of flower color mutant(s)(continue)
  • In vitro selection for insect tolerant clones (continue)

    Thrips
  • Development of selectiontechniques (in vivo completed for seedling stage)
  • Development of selection techniques (in vitro) (continue)
  • Transfer plantlets to the greenhouse for selections of flower color mutant(s)(continue)
  • In vitro selection for insect tolerant clones (continue)
  • Orchid Meeting in Malaysia
  • In vivo selection for insect tolerant clones
  • Meristem cloning of flower color mutant(s)
  • Meristem cloning of tolerant mutant(s)
    *Final Report
  • Sub-Project 3
    "Disease Resistance in Banana"
  • Induction of embryogenic callus from male inflorescence or other explants etc.
  • Irradiation of materials etc.
  • [Sub-project Meeting in the Philippines]
    <BBTV>
  • Field evaluation of material (Generation 1&2)

     <Fusarium>
  • Field Screening in hot spot (Q4-2006)
    *Mid-term Review
  • FY2007
    <BBTV(other diseases)>
    Greenhouse and field screening (Generation 3) (Q4-2007)

     <Fusarium>
    Greenhouse and Field screening in hot spot  (Q3-2007)
    FY2008
    <BBTV>
    Multi location trials and performance evaluation

     <Fusarium>
    Performance evaluation
    * Final Report
    Sub-Project 4
    "Composition or Quality Crop Breeding  (tentative)"
        FY2007
    - Exchange of breeding material and information
    - Optimization of irradiation method and mutation Induction and
    - Standardization and selection method for amylose contents
    FY2008
    - Establishment and characterization of potential mutant lines (M1-M2)
    Mutation Breeding Database (MBDB)   FY2006
    Distribute FY2004 version on FNCA web site by semi- closed system
    FY2007
    Distribute FY2004 version on FNCA web site by semi- closed system
    FY2008
    Update and distribute FY2008 version on FNCA web site by semi- closed system
    Mutation Breeding Publication Database (MBPD) (draft)   Submission of publications (Continue) Submission of publications
    Build MBPD on FNCA web site
    Distribute and update MBPD on FNCA web site

    添付書類III

    ソルガムの耐旱性サブプロジェクト最終報告

    2006年9月15日

    参加国: 中国、インドネシア
    項目 結果

    1.原品種(素材)の選択

    −原品種の選択が適切であったかどうか

    ソルガムは中国とインドネシアでは重要な作物である。このプロジェクトにおいて、中国とインドネシアの2国間で育種素材が交換された。中国では 2002 年に育種素材の「 Sart 」と「 Zhenzhu 」 に対してガンマ線照射 、「 Y030 」と「 Yuan8002 」に陽子照射、 2003 年に「 Wusawu 」、 Jinwu 」、「 Aisi 」および「 Yuan2B 」に電子線が照射された。「 Sart 」は育種に適した素材であったが期待する突然変異体が得られなかった。「 Yuan 2B 」もまた育種を開始するためのよい素材であった。なぜならば、この品種はグレインソルガム(実取り用)としてあるいはスイートソルガムの細胞質雄性不稔系統 (CMS) の改良として二つの有望な特性を備えていたからである。このプロジェクトにおいて、 5 breeding materials , 「 ME/30/9 」、「 ET/20/477 」、「 DU/20/3E 」、「 JA/30/58 」 および cv. 「 Durra 」の 5 品種系統が育種素材としてインドネシアから中国に導入された。インドネシアでは「 Zhenzhu 」、「 Yuan 002 」、「 Yuantianza 」、「 Yuanyu 8002 」および「 SP4 8002 」の 5 品種系統が育種素材として中国から導入された。これらの素材のうち「 Zhenzhu 」が育種プログラムに利用する価値が高いことが明らかになった。さらに、インドネシアの地方品種や公的品種、 ICRISAT からの導入系統、突然変異育種で作出された突然変異系統などの遺伝資源導入が行われた。

    2.原品種への放射線照射

    −適正線量の確定など

    中国とインドネシア両国で、ガンマ線照射による突然変異誘発が行われた。両国において効果的なガンマ線照射線量の研究が行われた中国では、適正線量は 200 - 250 Gy であることが明らかとなった 。一方、インドネシアでは 300-500 Gy であることが明らかとなった 。この差は、照射した材料の違いによると考えられる。中国では陽子、電子線、宇宙育種(ロケットに種子を乗せて大気圏外に打ち出して突然変異を起こす手法)も行われた。陽子照射の適正線量は 300Gy ( 5 MeV ) であり、電子線は白色種子タイプに対して 30-50Gy ( 5MeV ) であり、赤色種子タイプに対しては 100-150 Gy (5MeV) であった。インドネシアでは、 2005 年より炭素イオンビーム (220 and 320 MeV) を利用した突然変異育種が開始した。この種子照射は日本の協力により、原子力研究開発機構(高崎)および理研(和光)で行われたものである。

    3.耐旱性変異体の選抜および単離

    −耐旱性変異体の選抜法の確立
    −突然変異体の特性評価

    中国とインドネシアで行われたスクリーニング法は以下の通りである;

    1. 直接的選抜法 :
      1. 25 % のポリエチレングリコール (PEG) を用いる方法。この方法は幼苗期に行った。この溶液は自然の乾燥条件下と同様に水ポテンシャルを下げる効果があり、根の水分吸収に影響を与える。
      2. ヨウ化カリウム 30% 水 溶液を用いる方法。この方法は幼苗期に用い、自然の乾燥条件下と同様に葉の老化と離層形成を促進することができる (Singh and Chaudhary, 1998).
    2. 間接的選抜法 :
      旱魃常襲地帯における乾季に、植物を直接栽培する。播種時期は、通常、雨期終了時に合わせる。全乾物重と種子収量を選抜指標とする。

    4.有望系統の育成と育成された有望系統の系統適応試験

    ※適応試験または圃場試験のデータ、および系統能力評価など

    中国は 2 系統の稔性回復系統 ( 86002, SP84002 ) と耐旱性を備えたスイートソルガム品種 ( Yuantian No.1 ) を育成した。その後、これらの稔性回復系統を利用した F1 雑種が 2 系統育成された。異なる試験地における収量試験とストレス耐性の調査の結果、「 SP84002 」と「 Yuantian No.1 」が耐旱性を備え、多収であることが明らかになった。

    インドネシアは、耐旱性突然変異系統を 10 系統(「 B-68 」 , 「 B-69 」 , 「 B-72 」 , 「 B-75 」 , 「 B-83 」 , 「 B-90 」 , 「 B-92 」 , 「 B-94 」 , 「 B-95 」および「 B-100 」)育成した。これらの系統は他の対照品種と共にいくつかの試験地で系統適応性検定試験を行っているところである。耐旱性の指標には乾物収量と子実収量を用いている。乾季の栽培試験で、上記の突然変異系統の中で、「 B-100 」が原品種の「 Durra 」よりも 30% 多収となった。
    5.有望な系統を各国の共有財産とし、各国で親として利用する可能性。(交雑母本の確保)

    中国では、本プロジェクト実施中に育成された新規突然変異 2 系統を供与することが可能である。

    インドネシアでは、突然変異系統の「 B-95 」と「 B-100 」および原品種の「 Durra 」を今後の評価試験のために中国に送付した。
    6.成果の公表あるいは育成品種の登録

    ソルガム研究に関連する研究成果発表論文および品種登録等のリストを以下に示す。 :

    1. Soeranto, H. and Nakanishi, T.M. (2003) Obtaining induced mutations of drought tolerance in sorghum. Journal Radioisotopes , Vol. 52, No. 1, p15-21.
    2. Soeranto, H. and Nakanishi, T.M. (2003) Screening sorghum mutants for drought tolerance to support sustainable agriculture development. Proceedings of the 2nd Seminar of JSPS-DGHE Core University Program in Applied Biosciences. The University of Tokyo, Japan, 15-16 February. p 166-180.
    3. Li Guiying, Gu Weibin and Keith Chapman (2004) Sweet Sorghum . Beijing: China Agricultural Science and Technology Press .
    4. Li Guiying and Su Yimin (2005) Development of a new high quality sweet sorghum-Yuantian No. 1 and its cultivation . Crops, No. 5 , p 60 (in Chinese).
    中国では、スイートソルガム品種の「 Yuantian No.1 」が National Committee of Fodder Crop Examination and Appraisal によって品種登録後に公開された。生草重は 20% 、子実重は 18.2% 「 Rio 」よりも増加した。また、現在の栽培面積は 1,000ha である。
    7.その他の成果、波及効果等

    中国では、 IAEA/INT/5147 および IAEA/RCA/RAS5040 の研修員が本プロジェクトの実験圃場を視察することによって突然変異育種を学ぶ機会を持った。 IAEA の予算によって、フィリピンとイランの客員研究員が中国で突然変異育種技術を学んだ。

    インドネシアでは、ソルガム育種素材のいくつかを研究目的で大学生に利用し、いくつかの企業が食糧生産、飼料、およびエタノール生産のために利用した。ソルガム栽培は土壌保全、土質改善、および辺境地帯の有効利用を促進する結果になっている。言い換えると、持続可能な農業の発展を促進している。
    8.今後の研究計画

    中国では、今後もさらに世代を進めたソルガム突然変異系統を独自の育種プログラムの中で登録申請あるいは新たな親系統として利用する予定である。今後さらにいかなる国との間ででも遺伝子源交換をする用意がある。高発酵性で糖度の高い新突然変異系統を突然変異育種法で育成しているところである。

    インドネシアでは食糧としての品質改良、家畜飼料用、およびデンプンとエタノール産業のためのソルガム育種を継続する予定である。今後もさらに国内あるいは国際的な研究協力を強化する。

    ダイズの耐旱性サブプロジェクト最終報告

    2006年9月15日
    参加国: インドネシア、マレーシア、フィリピン、ベトナム
    項目 結果

    1.原品種(素材)の選択

    − 原品種の選択が適切であったかどうか

    インドネシアでは、 cv. 「 Guntur 」を変異拡大のための育種素材に用い、その後、得られた 2 変異選抜系統 ( 「 N o. 9 」と「 and 23 」 ) を交配した。また、 cv. 「 Muria 」 × 「 PI-48025 」の F1 雑種にガンマ線を照射し、いくつかの有望突然変異系統が得られた。

    マレーシアでは、フィリピンから導入した 3 突然変異系統 ( 「 PSB-Sy 4 」 , 「 PSB-Sy 5 」 , 「 BPI-Sy 4 」 ) を突然変異育種のための育種素材に用いた。

    フィリピンは、フィリピンの 4 品種 ( 「 PSB-Sy 4 」 , 「 PSB-Sy 5 」 , 「 BPI-Sy 4 」 , 「 NSIC-Sy 8 」 ) とベトナムから導入した4品種(「 AK- 0 6 」 , 「 DT-84 」 , 「 DT-95 」 and 「 DT-96 」 ) を突然変異誘発のための育種素材とした。ベトナムとフィリピン間の遺伝子源交換は 2002 年の公式会合での合意に基づいて行われた。これらの品種は増殖し、フィリピンにおいて評価を行った。育種素材は適切であったと考える。

    ベトナムではフィリピンから導入した 4 品種 ( 「 PSB - Sy 4 」 , 「 PSB - Sy 5 」 , 「 BPI - Sy 4 」 , 「 NSIC -Sy 8 」 ) を育種素材に用いた。しかしながら、低温耐性が低いことと夏季の栽培条件下での種子収量が低いため良い材料とは言えず、育種素材として気温と栽培条件に関して広域適応性を持つ品種が必要であった。そして 2004 - 2005 年にアメリカ合衆国 、アルゼンチン、中国他の国々から 28 点のダイズ遺伝資源を導入し、育種素材に適する系統を選抜した。さらに、ベトナムでは「 DT96 」 , 「 DT2001 」 , および「 D.158 」を耐旱性突然変異誘発のための育種素材に用いた。

    2.原品種への放射線照射

    − 適正線量の確定など

     

    インドネシアは育種素材の適正線量を 150 Gy (線量率: 750 Gy.h -1 )であることを明らかにした。

    フィリピンは照射方法を確立した。フィリピン独自の系統とベトナムからの導入系統の種子に対して 100-300Gy の異なるガンマ線照射を行った。その、適正線量は 200Gy および 250Gy であり、この照射線量は適切であることが明らかになった .

    ベトナムでも以下のように照射方法が確立された:乾燥 種子へのガンマ線照射線量 は品種によって異なり 150, 200, 250 Gy 各々 が適切であった。この M2 世代の突然変異率は 0 . 026 - 0.037% の間に分布した。このときの対照品種の変異率は 0.002 ? 0.003% であった。

    3.耐旱性変異体の選抜 および単離

    −耐旱性変異体の 選抜法の確立
    − 突然変異体の 特性評価

     

    インドネシアとベトナムでは交配とガンマ線照射を組み合わせて遺伝的変異を拡大する方法を確立した。

    フィリピンでは、突然変異誘発にガンマ線を用い、耐旱性個体の選抜には温室内あるいは圃場で灌水を止める方法を用いた。

    インドネシアとベトナムは、旱魃常襲地帯における自然条件下で突然変異系統の評価を行った。

    4.有望系統の育成と育成された有望系統の系統適応試験

    ※ 適応試験 または圃場試験のデータ、および系統能力評価 など

    インドネシアは M6 世代において、耐旱性突然変異の 8 系統を育成した。

    フィリピンは 200Gy と 250Gy のガンマ 線照射 を 行 った M3 から M6 の 世代 で 、早生 でかつ 多収 の 特性 を 備 えた 耐旱性突然変異有望系統 を 育成 した。ベトナムから導入した品種とフィリピン独自の品種に突然変異を誘発した M5-M6 世代についてさらに耐旱性の選抜を行った。

    ベトナムは 1992 年に育成した耐旱性で多収の「 DT96 」が 2004 年に公的品種として公式に登録された。また、 M3 世代で耐旱性 3 系統が選抜された。ハノイ農業試験場 ( Hanoi A g r icultural S tation ) における系統適応性検定試験の結果、系統「 01/245 ( ガンマ線 200 Gy 処理 ) 」は大きな種子を持ち、多収であること、「 58/012 (250 Gy 処理 ) 」は早生であること、「 l ine 96/26 (150 Gy 処理 ) 」は耐旱性を備えて多収であることが明らかになった。

    5.有望な系統を各国の共有財産とし、各国で親として利用する可能性。(交雑母本の確保)

    インドネシアは 2005 年にマレーシアとフィリピンに圃場試験のために 4 突然変異系統を送付した。

    マレーシアはフィリピンから突然変異 3 系統を受領した。

    フィリピンは耐旱性と思われる突然変異 3 系統を育成したが、参加国に配布する種子量がなかった。今後、この系統を今季に増殖し、その後、配布可能になる予定である。

    ベトナムは突然変異 2 系統を参加国間で共有し、新たな品種育成のための交雑母材とした。

    6.成果の公表あるいは育成品種の登録

     

    成果報告

    インドネシア :

    1. Masrizal, Hari Is Mulyana, Kumala Dewi, Arwin, Ina Idayanai Rahma, and Yuliasti (2004) Usulan Pelepasan Varietas galur GH-7. P3TIR ? BATAN.
    2. Masrizal, Hari Is Mulyana, Kumala Dewi, Arwin, Ina Idayanai Rahma, and Yuliasti (2006) Usulan Pelepasan Varietas galur M-220. P3TIR ? BATAN.

    フィリピン :

    1. Asencion, A.B., A.G. Lapade, A.O. Grafia , A.C. Barrida, A.M. Veluz and L.J. Marbella. 2004. Induced mutations for the improvement of Soybean ( Glycine max L.) in the Philippines . Philippine Nuclear Journal 14: 12-25.

    7.その他の成果、波及効果等

     

    インドネシア

    • Sriwijaya 大学と Bogor 農業大学 の 2 名の学生が突然変異体の圃場における特性調査に本突然変異系統を用いた。
    • 2006 年に農業省は突然変異品種「 Rajabasa 」の育種家種子 2.2t を種子生産のために生産者に配布した。

    フィリピン :

    • De La Salle Araneta University の修士と学士の学生が突然変異系統を用いて異なるガンマ線照射量と灌水間隔効果を調査し論文にした
    • PNRI-GIA によって、 Bulacan National State University (BNSU) との共同研究が行われた。

    ベトナム :

    • Hanoi 大学 の 3 名の学生が、本プロジェクトで行われている突然変異育種と圃場試験を学び、レポートにした。
    • 100t の「 DT96 」証明種子が、商業生産のために生産者に配布された。
    • 種子照射に関して Vietnam Atomic Energy Commission (VAEC) との共同研究が可能になった。

    8.今後の研究計画

    インドネシアでは、突然変異系統「 M-220 」、インドネシア種子評価委員会( National Seed Evaluation C ommittee )による評価を受け、さらなる 2 ヶ所での系統適応性検定試験による収量調査必要であるとの指摘を受けた。これにより、この突然変異系統の登録は 2007 年になる予定である。同様の系統適応性検定試験は他の有望系統についても行う予定である。

    フィリピンでは、さらに他の試験場で育成突然変異系統の収量試験を行う予定である。その後これらの有望系統は the National Seed Industry Council (NSIC) で登録審査が行われる予定である。

    ベトナムにおいても品種登録に向けて系統適応性検定試験に供するべき突然変異系統が育成されている。


    添付書類IV

    ソルガムの耐旱性サブプロジェクト評価レポート

    プロジェクト名: ソルガムにおける耐旱性突然変異育種
    記載者(国名): 中国、インドネシア
    記載年月日: 2006年9月12日
    プロジェクトの目的: 耐旱性ソルガムの育成
    1. 本プロジェクトの主な成果

      中国 :

      1. スイートソルガム突然変異品種「 Yuantian No. 1 」が National Committee of Fodder Crop Examination and Appraisal によって公式に登録された。この品種の生草収量は対照品種の「 Rio 」と比較して 20 %増加し、子実収量は 18.2 %増加した。現在の、この栽培面積は約 1,000 ha であった。
      2. 宇宙育種で誘発した 6 系統のうち「 Yuan 8002 」とガンマ線照射によって誘発した「 Yuan 2B 」が育成された。この「 SP8002 」は組み合わせ能力の高い、新たな突然変異稔性回復系統である。
      3. 「 ET/20/477 ( インドネシアから導入した耐旱性突然変異系統 ) 」とスイートソルガム品種「 Roma 」、「 Rio 」および「 Rio/BJK156-1-3-1 」との交雑による F2 世代からの選抜で、多数の発酵可能な糖含量が高く生産力も高い個体が選抜された。
      4. 陽子、電子線、宇宙育種のような他の新しい変異誘発源と同様に、ガンマ線照射のソルガム突然変異誘発の効果に関する研究が行われた。ガンマ線の適正線量は 200-250 Gy であることが明らかになった。陽子 (5 MeV) の適正線量は 300 Gy; 電子線 (5 MeV) の白色種子型に対する適正線量は 30-50 Gy 、赤色種子型に対しては 100-150 Gy であった。

      インドネシア :

      1. 「 Durra 」に対するガンマ線照射によって、耐旱性突然変異 10 系統が得られた。これらの系統は乾季の栽培条件下で乾物生産量(茎葉部)も子実生産量も育種素材として用いた「 Durra 」や公的標準品種の (UPCA および Higari) よりも有意に高かった。「 Zhenzhu 」への放射線照射によって、一つの有望な突然変異系統「 Zh-30 」が得られ、今後、高度に耐旱性を備えた白色種子のソルガムとして有望であることが明らかになった。
      2. ソルガム突然変異誘発のための適正線量は 300-350 Gy であることが明らかになった。また、間接法 ( ポリエチレングリコール法とヨウ化カリウム法 ) および圃場での直接法を用いて耐旱性の突然変異体選抜が行われた。
      3. いくつかの有用特性を持った突然変異系統、地方品種、公的品種、中国からの導入系統および ICRISAT からの導入系統を含むソルガム遺伝資源が構築できた。
      4. いくつかの国内と海外研究機関およびエンドユーザー(企業)との間で良好なソルガム共同研究体制が構築できた。
      5. 一企業 (LIPPO Enterprises) との共同で、食用、家畜飼料用、およびデンプンとエタノール加工用に有望ないくつかの突然変異系統が選抜された。

      発表論文:

      1. Soeranto, H. and Nakanishi, T.M. (2003). Obtaining induced mutations of drought tolerance in sorghum. Journal Radioisotopes, Vol. 52, No. 1, p15-21.
      2. Soeranto, H. and Nakanishi, T.M. (2004). Screening sorghum mutants for drought tolerance to support sustainable agriculture development. Proceedings of the 2nd Seminar of JSPS-DGHE Core University Program in Applied Biosciences. The University of Tokyo, Japan, 15-16 February. p166-180.
      3. Li Guiying, Gu Weibin and Keith Chapman. (2004). Sweet Sorghum. Beijing: China Agricultural Science and Technology Press.
      4. Li Guiying and Su Yimin (2005). Development of a new high quality sweet sorghum-Yuantian No. 1 and its cultivation. Crops, No. 5, p60 (in Chinese).
    2. 上記成果の評価指標

      社会的貢献(応用、目的達成度): 5 点
      科学的貢献(基礎技術進展、活動度): 4 点

    3. プロジェクトの今後

      □  継続 □  変更 ■  終了

      理由:
      耐旱性の新品種あるいはさらなる育種のための母材となる可能性の高い突然変異系統が育成され、当初のプロジェクトの目的を達成したため。

    4. 他分野への 波及効果やエンド・ユーザーへの利益

      中国 :

      1. IAEA/INT/5147 および IAEA/RCA/RAS5040 の研修員が本プロジェクトの実験圃場を視察することによって突然変異育種を学ぶ機会を持った。
      2. IAEA の予算によって、フィリピンとイランの客員研究員が中国で突然変異育種技術を学んだ。

      インドネシア :

      1. ソルガム育種素材のいくつかが研究のために大学生や他の研究機関の研究者に利用された。
      2. 企業 (LIPPO Enterprises and Great Giant Pineapple Co.) 現在も作出した突然変異系統に関して、食用、家畜飼料用、加工用(デンプンとエタノール生産)に利用するための研究を継続している。さらに、ソルガムは土壌保全用として Lampung Province のパイナップルプランテーションで利用する技術が構築された。
      3. いくつかの農家がソルガム突然変異体を用いて "Sogi" や "Ladu" のような伝統的料理に利用しようとした。
    5. プロジェクトへの意見(課題、解決策など)
      • 若手研究者のためのソルガム研究に関するトレーニングコースが必要である。
      • 政府からの研究グループに対する研究予算を増加する必要がある。
      • FNCA から、特にソルガム研究あるいはソルガム突然変異育種において放射線照射サービスなどの支援が必要である。
      • 参加国間でのソルガム遺伝資源の交換を今後も推進するべきである。
      • 中国とインドネシアの間での専門家の交流のために FNCA からの経済的援助が必要である。

    ダイズの耐旱性サブプロジェクト評価レポート

    プロジェクト名: ダイズにおける耐旱性突然変異育種
    記載者(国名): インドネシア、マレーシア、フィリピン、ベトナム
    記載年月日: 2006年9月12日
    プロジェクトの目的: 耐旱性ダイズの育成
    1. 本プロジェクトの主な成果:

      インドネシア

      純系選抜法によって M6 世代で耐旱性を備えた突然変異 8 系統が育成された。

      フィリピン

      照射線量 200-250Gy を行い、 M3 から M6 世代において耐旱性でかつ多収の有望突然変異 3 系統が得られた。ベトナムからの導入系統とフィリピンの系統に関してさらなる突然変異体選抜を M5 世代と M6 世代で行った。

      ベトナム

      耐旱性でかつ多収の新品種として 1992 年に育成された「 DT96 」が 2004 年に公的品種として品種登録された。 M3 世代で有望な耐旱性突然変異 3 系統が選抜された。 Hanoi Agricultural Station における系統適応性検定試験の結果、系統「 01/245 ( ガンマ線 200 Gy 処理 ) 」は種子が大きくて多収、系統「 58/012 (250 Gy 処理 ) 」は早生、系統「 96/26 (150 Gy 処理 ) 」は耐旱性でかつ多収であることが明らかになった。

      発表論文

      インドネシア :

      1. Masrizal, Hari Is Mulyana, Kumala Dewi, Arwin, Ina Idayanai Rahma, and Yuliasti (2004) Usulan Pelepasan Varietas galur GH-7. P3TIR ? BATAN (インドネシア語) .
      2. Masrizal, Hari Is Mulyana, Kumala Dewi, Arwin, Ina Idayanai Rahma, and Yuliasti (2006) Usulan Pelepasan Varietas galur M-220. P3TIR ? BATAN (インドネシア語) .

      マレーシア :

      1. Norliyana Ali. 2005. Penilaian prestasi tiga titisan baru kacang soya di UKM. BSc. Thesis University Kebangsaan Malaysia Bangi Malaysia (マレー語) .

      フィリピン :

      1. Asencion, A.B., A.G. Lapade, A.O. Grafia , A.C. Barrida, A.M. Veluz and L.J. Marbella. 2004. Induced mutations for the improvement of Soybean ( Glycine max L.) in the Philippines . Philippine Nuclear Journal 14: 12-25.

      ベトナム :

      1. Mai Quang Vinh et al. Drough-tolerant and high-quality soybean variety DT96 suitable for mountaineous areas of North Vietnam . Proceeding of workshop North Vietnam Moutaineous Provinces. YenBai city, 2/2004. Pp.196 ? 204 ( ベトナム語 , 英語要約 )

      突然変異体の品種登録 :

      • インドネシアで、品種「 Guntur 」から育成された一つの突然変異系統「 GH-7 」が 2004 年に品種名「 Rajabasa 」で品種登録された。
      • インドネシアで、突然変異系統「 M-220 」が National Seed Evaluation Committee で評価を受け、あと2ヶ所の系統適応性検定試験による収量調査が必要と判断された。その結果、この突然変異系統は 2007 年に品種登録がなされると推定される。
      • 2004 年にベトナムで、「 DT 96 」が公的品種として登録された。
    2. 上記成果の評価指標

      社会的貢献(応用、目的達成度): 5 点
      科学的貢献(基礎技術進展、活動度): 3 点

    3. プロジェクトの今後

      □  継続 □  変更 ■  終了

      理由:
      耐旱性の新品種あるいはさらなる育種のための母材となる可能性の高い突然変異系統が育成され、当初のプロジェクトの目的を達成したため。

    4. 他分野への 波及効果やエンド・ユーザーへの利益

      インドネシアにおいて、 2.2 t の「 Rajabasa 」種子が、政府に登録した生産者に配布され、農務省の管轄下で種子増殖が行われることになった。

      フィリピンでは、 PNRI-GIA を通じて Bulacan National State University (BNSU) との共同研究が行われた。この機関は育成した突然変異系統の大規模スクリーニングのための実験圃場を提供することになっている。

      ベトナムでは 100 t の「 DT96 」証明種子が商業栽培のために生産者に配布された。 2005 年時点での「 DT96 」栽培面積は約 3,000 ha である。

    5. プロジェクトへの意見(課題、解決策など)

      耐旱性突然変異体を完全にスクリーニングできる選抜技術の構築が必要である。
      FNCA から研究グループへの技術的援助がいくつかの国から提起された。


    添付書類V

    バナナ耐病性サブプロジェクト中間報告

    1. 育種母材の選定

    * 適切であったかどうか

    < フザリウム萎凋病抵抗性 >
    インドネシア : 品種名「 Berangan 」 ( ゲノム構成: AAA), フザリウム菌レース 4 感受性
    マレーシア : 品種名「 Berangan 」 ( 同上: AAA), フザリウム菌レース 4 感受性
    ベトナム : 品種名「 Tay 」 ( 同上: ABB), フザリウム菌レース 1 感受性

    < バナナバンチートップ病( BBTV ) 抵抗性 ( 補足的に線虫抵抗性と Sigatoka 病抵抗性 ) >
    フィリピン : 品種名「 Lakatan 」 ( 同上: AA/AAA) BBTV 、フザリウム菌、 Sigatoka 病感受性

    2. 培養技術の決定

    * クローンの組織培養、選抜された突然変異クローンの単離と増殖など

    - 外植片(培養に用いた器官)と培地
    インドネシア : 雄花蕾 分裂組織に対して MS 基本培地 +3 mg/l ベンジルアミノプリン( BAP ) +0.5 mg/l インドール酢酸( IAA )
    マレーシア : 茎頂
    懸濁細胞(単細胞にして培地中に浮遊させたもの)  MS 基本培地 + 5mg/l BAP
    ベトナム : 葉鞘片 / MS 基本培地 + 4mg/l BAP + 0.5 mg/l ナフタレン酢酸( NAA )
    フィリピン : 増殖中の培養シュート / MS 基本培地 + 5 mg/l BAP

    3. 放射線照射方法

    * 適正線量、放射線感受性など

    1. 放射線感受性調査試験 / 植物数 / 照射線量
      インドネシア : 0-80 Gy, 10 茎頂 /dose
      マレーシア : 0-100Gy, 100 分裂組織 , 5 反復
      ベトナム : 0, 10, 20, 30, 40, 50Gy; 10 茎頂 /dose
      フィリピン : 0, 5, 10, 20, 25, 30, 40, 60, 80, 100Gy; 50 細胞塊( clumps ) /dose
    2. 照射線量( Radiation dose )
      インドネシア : 50 %致死( LD 50 ): 40 Gy, 100 %致死( LD 100 ): 80 Gy
      最適照射線量( Optimum dose ): 10-20Gy
      マレーシア : LD 50 : 50 Gy, LD 100 : 80 Gy
      最適照射線量: 20, 30, 40 Gy
      ベトナム : LD 50 : 30 Gy, LD 100 : 60 Gy
      最適照射線量: 20 Gy
      フィリピン : LD 50 : 20-25 Gy, LD 100 : 80 Gy
      最適照射線量: 20 および 25 Gy
      線量率( Dose rate ):今後の検討

    4. 耐病性の突然変異クローンの選抜

    * スクリーニング方法の構築

    5. 選抜した突然変異体の圃場における試験と評価

    * 圃場試験でのデータや突然変異体の能力

    [ インドネシア ]
    温室内スクリーニング : ‘hot spot' で採取した土壌をプラスチックのポットに入れ、1ポット1個体で培地から取り出して 10 日後の植物をポットに移植し、3ヶ月間育てる。

    圃場スクリーニング : 温室内スクリーニングで生き残った植物を hot spot に移植;移植個体数: 489

    [ マレーシア ]
    スクリーニング :

    1. 浸漬法:病原菌胞子懸濁液 (10 6 胞子 /ml) 中に 1-2 時間浸漬。
    2. ダブルトレー法( Double tray method ):培地から取り出して4週間馴化した植物体を滅菌した砂培地に移植し、そのトレーを一回り大きなトレーに入れ大きなトレーにフザリウム菌胞子懸濁液を注ぎ込む。
    3. 4-8 週間、個体ごとにポリバックで馴化した植物をフザリウム菌を培養したコアダスト( coir dust :ココヤシの実の外皮繊維を粉砕したもの)のトレーで 2 週間栽培し、その 4-6 週間後に感染の有無を評価。

    圃場スクリーニング : 上記のスクリーニング法で生存した植物を hot spot に移植する。ここで抵抗性の植物はさらに増殖し、 3 世代にわたって、 hot spot に移植して評価を行う。

    [ ベトナム ]
    温室内スクリーニング :

    1. 水耕栽培(胞子懸濁液) ; 1 週間処理
    2. 浸漬法 : 胞子懸濁液 (10 5 胞子 /ml) 中で、 24 時間、根を浸漬する。

    処理植物数:1回に 500 個体を容器中で同時に処理する。

    hot spot での圃場スクリーニング :

    1. ‘hot spot' の状態 : 感受性の対照品種の個体が 50 % 以上感染する状態
    2. 人工接種でテストする植物の最大数は 5,000 個体
    3. 評価のパラメーター : 1) 葉の黄化( yellowing ) / 偽稈の褐変( browning of the pseudostem )
    4. ELISA 検定 : ELISA 検定によるウイルスの検出 (indexing) ;

    必須項目 : BBTV
    選択項目 : キュウリモザイクウイルス( CMV ) および バナナブラクトモザイクウイルス( BBrMV )

    [ フィリピン ]
    温室内スクリーニング :
    培養植物をプラスチックポットに入れ、ウイルスを保毒したバナナアブラムシを 10 匹/ 1 植物に接種吸汁させる。接種後 1-9 ヶ月間にわたって、適宜、発病の有無を評価する。 BBTV の病徴のない植物については ELISA 検定を行う。
    系統数 : 6,000 以上の植物体のスクリーニングを行い、 BBTV の病徴のない 114 個体を選抜した。

    圃場スクリーニング :
    ELISA 検定で陰性と断定された抵抗性個体は組織培養によって増殖し、より高い強度で発病する圃場において、抵抗性を調査する。 この圃場による評価は、試験圃場あるいは農家の畑において 3 世代にわたって行う予定。
    系統数 : 32 系統 (1 世代目 ) および 10 系統 (2 世代目 ).
    1 系統あたりの供試植物数: 30 個体。すべての突然変異系統は組織培養によって維持されている。

    6. 成果の報告(レポートなど)

    Internal report, seminar and conferences, publication in journals, public patent
    Indonesia :

    1. Ishak and Ita Dwimahyani (2005) Evaluation of banana mutant lines growth and tolerance to Fusarium f.sp cubense (FOC), Stigma Vol. XIII (1) pp:26-29
    2. Ishak, Sasanti, W. and Yulidar (2004) Cloning and propagation of banana mutant line for selection purposes (Technical report 2004, CAIRT)
    3. Ishak, Sasanti, W. Yulidar (2005) Cloning and propagation of banana mutant lines for selection purposes (Technical report 2005, CAIRT)

    7. プロジェクトのその他の成果や波及効果等

    組織培養上の新しい知見の発見
    培養から植物体作出までの期間の比較結果
    分裂細胞 ( 茎頂 ) を用いた組織培養 : 6 ヶ月
    細胞懸濁培養 : 12 ヶ月

    注:細胞の懸濁培養の方がキメラの出現が少ないという利点はある反面、植物体を作出するまでに約 2 倍の時間がかかることを明らかにできた。

    8. 本プロジェクトに関する意見(問題点、考え方、特記事項、要望等)

    効果的な hot spot を見つけることの難しさとそのための予算の捻出

    注:真の「 hot spot 」は常に約 50 %以上、目的とする病気が感受性品種に発病する試験圃場を意味する。この圃場を好ましい状態で維持するためには、常に、病原菌を圃場で増殖する措置が必要である。また、このような圃場は、必ず、他の圃場と隔離されていなければ、他の畑にまで病気が蔓延するという危険性をはらんでいる。そのためには、適切な措置と、圃場の隔離が必要不可欠であり、この管理のためには研究資金が必要である。
    研究費の不足 ( インドネシア、マレーシア、フィリピン、ベトナム )I
    バナナ研究の国家プロジェクトの終了 ( マレーシア )

    9. 他の研究機関との共同研究

    マレーシア : マレーシア大学( University of Malaya )、バナナ会社
    インドネシア : アンダラス大学( Andalas University )、バナナ会社
    ベトナム : 野菜果樹研究所( Vegetable and Fruit Research Institute )、バナナ会社
    フィリピン : PNRI, IAEA, PCARRD, バナナ農家

    10. エンドユーザー(育成品種が利用される対象農家あるいは企業)

    マレーシア : 一般農家 ( 圃場面積 1 ha 前後 ) および共同プランテーションやバナナ会社(圃場面積 40 ha 以上 )
    インドネシア : 伝統的農業を営む農家 ( 栽培面積 0.5 - 2 ha)
    ベトナム : 小規模農家 ( 栽培面積 1 ha 未満 )
    フィリピン : 小規模農家 ( 栽培面積 5 ha 未満 )


    添付書類VI

    サブプロジェクト「ランの耐虫性」

     このプロジェクトの主要な目的は耐虫性のランを育成することである。この研究で用いられた品種系統は、タイでは Dendrobium sonia cv. “No. 17 Red”, マレーシアでは D. mirbelliannum 、インドネシアでは D. jayakarta である。これらの品種系統のプロトコーム類似球体( Protocorm-like bodies (PLBs) )はプロジェクト初期に参加国間ですでに交換された。これらの品種の他に、タイでは D. sonia cv. “Earsakul” もこのプロジェクトに用いた。

    現在の状況 :

    インドネシア

    1. D. Jayakarta の 3 種類の外植体 (explant) に対して照射線量 0, 40, 80, 160, 320, 640, 1280 Gy のガンマ線照射を行い、 3-6 ヶ月後に、以下の通り各々の外植体の LD50 (半数致死線量)を明らかにした。

      1. PLBs への 3 ヶ月後の LD50 は 40 Gy であった。
      2. 幼植物 (young plant) への 3 ヶ月後の LD50 は 240 Gy であった。
      3. 幼茎頂 (young shoot) への 6 ヶ月後の LD50 は 60 Gy であった。
    2. D. Sonia cv. “No17 Red” の PLB のための最適培地は VW 培地 + ココナツ水 + 活性炭。

    マレーシア

    1. 耐虫性ランを得るために、イオンビームあるいはガンマ線照射による試験管内 ( in vitro ) 変異作出およびキチナーゼ遺伝子をアグロバクテリウム法で遺伝子組換えする方法を用い、これらの方法で作出した変異植物体を in vitro および in vivo でスクリーニングを行った。
    2. イオンビーム照射を行った D. mirbelliannum D. jayakarta の PBL からの植物体再分化に成功し、温室内で馴化を行った。 D. mirbelliannum の植物体に in vitro スクリーニング法でハダニを接種した。抵抗性候補植物が得られ、これらの植物は今後さらなるスクリーニングのために温室に移植した。
    3. ガンマ線照射を行ったデンドロビウム 3 種の外植体は再分化して幼植物体になった。 D. mirbelliannum D. jayakarta 幼植物体はハダニ耐性 in vivo スクリーニングを行うために温室に移植した。 D. sonia cv. “No 17 Red” の植物体は十分な植物体数を確保した後に温室に移す予定である。
    4. 遺伝子組み換えによって遺伝子組み換え植物と思われるものが得られ、これは抗生物質による選抜と GUS 解析および PCR ( polymerase chain reaction )によって確認された。これらの植物体は温室に移し、組み換え体用温室の利用が可能になった後に今後のスクリーニングを行う予定である 。
    5. 現在、殺虫剤や殺菌剤を施用しない温室内において再分化植物を育て、耐虫性の in vivo ( 温室内 ) 選抜を行ったところである。

    タイ

    1. D. sonia cv. “Earsakul” の LD 50 解析を 3 生育ステージ、すなわち PLB 、幼植物、 back bulb で行った。そして、各々の生育ステージに対するガンマ線照射適正線量を明らかにした。

    2. ガンマ線緩照射を行った D. sonia cv. “No. 17 Red” and D. sonia cv. “Earsakul” に対して、スリップスを自然条件下で蔓延させる試験を行った。処理を行ったいくつかの幼植物はスリップスによる食害が低かった。これらの植物は開花期に、さらなるスリップス抵抗性の解析を行う予定である。

    今後の計画 :
    本プロジェクトを完遂するために以下の研究が必要である。

    インドネシア

    1. 照射植物の耐虫性スクリーニングのためのスリップス大量増殖
    2. スリップスを接種するための照射植物体の大量増殖
    3. 耐虫性と花色変異のスクリーニングのための照射植物体の増殖と開花期までの維持

    マレーシア

    1. D. jayakarta D. sonia cv. “No 17 Red” の幼植物のハダニに対する in vitro (試験管内)スクリーニング
    2. 遺伝子組換え植物の in vitro スクリーニング
    3. ハダニ抵抗性と考えられる植物体の in vivo スクリーニング。隔離温室ができたときにハダニの挑戦的接種法を行う予定。それ以前では温室内の他の植物を汚染するおそれがあるから。
    4. 花色変異をスクリーニングするための温室内での開花期までの照射植物の増殖

    タイ

    1. 照射植物の開花期でのスリップス抵抗性選抜
    2. 耐虫性以外の特性、すなわち花の色、大きさおよび形態に関する選抜
    3. 選抜突然変異体の大規模増殖のためのメリステム(分裂組織)培養によるクローニングとスリップス抵抗性と他の特性の確認のための試験
    4. 2006 年 FNCA 突然変異育種ワークショップにおいて、ランプロジェクトリーダーによって推奨された耐虫性解析のための標準的プロトコルを用いて、最も抵抗性の高い系統を選抜するために、スリップス抵抗性突然変異体に対するスリップスの挑戦的接種法を行う予定である。

    参加国の合意:
    このプロジェクトに関する議論に従って、全参加者は以下の点に関して合意した。

    1. 照射されたランの耐虫性解析のための一つの標準的プロトコルがすべての参加国で行われる予定である。
    2. インドネシアはスリップスの増殖技術をタイに提供する予定である。

    添付書類VII

    Proposal for the new sub-project
    on “Composition or Quality Crop Breeding”

    参加国 : 中国 , インドネシア , 日本 , 韓国 , マレーシア , タイ、ベトナム ( フィリピン ) ( バングラデシュ )

    1. 対象作物
      イネ
    2. 目的とする成分/品質
      アミロース含量(その他 , 蛋白質 , 繊維成分 , ビタミン A, アントシアン , 難消化性デンプン、フィチン)
    3. 研究期間
      FY2007-2011
    4. 研究計画
      1. 研究プロジェクト :
        1. 育種利用のための主要イネ品種におけるアミロースライブラリー*の構築
        2. 種子あるいはそれ以外の材料(培養物など)への放射線照射による突然変異の誘発
        3. アミロース含量や他の品質関連形質のスクリーニング
        4. 有用特性を持つ突然変異体の評価
        5. 有望系統あるいは品種の育成
      2. 協力項目
        1. 種子の交換
        2. 培養体の交換
        3. 誘発突然変異体の交換
        4. 育成品種の交換
        5. 情報交換:
          - 照射技術・方法
          - 研究・実験方法
          - スクリーニング技術・方法
        6. 研修プログラム :
          - 科学的協力
          - ワークショップ研修プログラム
          - 専門家交流
        7. 照射サービス
          日本は TIARA でのイオンビーム照射とガンマーフィールドでのガンマ線緩照射サービスを提供する予定である。

          マレーシアはガンマーグリーンハウスでのガンマ線緩照射サービスを提供する予定である。

          韓国はガンマーファイトトロンでのガンマ線緩照射サービスを提供する予定である。

    1. 背景
      1. 低アミロース : 低アミロース含量はコメの食味を決定する一つの重要な因子である。低アミロース米は、 (1) 飯米の粘りが強く美味であり、冷えても硬くなりにくい、 (2) 米菓製造時の膨化性が高いという特性をもつ。これらの特性により低アミロース米は通常の飯米としての利用のほかに、一般の粳米との混米、ならびに調理・加工米飯等(おこわ、おにぎり、チルド寿司、膨化玄米等)の用途が期待されている。
         Wx 遺伝子はその遺伝子産物である Wx タンパク質の発現量の違いから、さらに Wx-a Wx-b に2分され、これらはそれぞれインディカおよびジャポニカ品種に主に分布する( Sano Teor. Appl. Genet. 1984, 68, 467-473 )。ミルキークイーンはコシヒカリの MNU 処理によって得られた低アミロース品種であるが、その突然変異遺伝子は wx 座の対立遺伝子 ( wx-mq ) であり、2つのミスセンス突然変異が生じていることが明らかにされている( Sato et al. Breed.Sci. 2002, 52,131-135 )。 wx 座と非対立の低アミロース遺伝子も多数報告されており、そのうちの du-1 du-2 Wx-b のスプライシングに影響を及ぼすトランス因子であることが明らかにされた( Isshiki et al. Plant J. , 2000, 23, 451-460 )。
          これまでに、中国、日本、韓国、マレーシアおよびベトナムにおいて、多くの低アミロース突然変異体の遺伝資源が保存されている。ここで今後行う研究として、1)低アミロース突然変異体のスクリーニングとその活用、2)低アミロース含量突然変異の分子遺伝学的メカニズムの解明、3) wx 座およびそれと非対立の遺伝子の利用、4)低アミロース遺伝子にそれ以外の品質関連有用遺伝子をピラミディング(集積)することによる特殊用途に用いられる高品質機能性イネ品種の育成等、があげられる。
          インドネシア地方品種「 Pandan Wangi 」、「 Rojolele 」、日本品種「コシヒカリ」、「ミルキークイーン」は、優れた調理品質や良食味形質を備えたユニークな品種であり、このプロジェクトの中でインドネシアではこれらユニークな遺伝資源を用いて多収でかつ良食味のエリート品種 (IR64, IR36 and Diah Suci) の改良を行う。
    2. 研究目的
      1. 低アミロース含量 : 低アミロース含量の有望品種を育成する
    3. 期待される成果
      1. 低アミロース含量
         中国では、放射線照射によって 3-5 系統の低アミロース突然変異体が得られて いる。これらの突然変異遺伝子の精密マッピングによって遺伝解析を行い、低アミロース含量の 2-3 品種を育成する。
         インドネシアでは、インドネシアエリート品種の穀粒品質を改良した品種を育成する。
          日本では、コシヒカリについて約 2% 刻みでアミロース含量の異なるアミロースライブラリーを構築し、低アミロース系統を 10 程度育成する。
          韓国では、低アミロースおよび高アミロース新品種を育成する。
          マレーシアでは、品種「 Pongsu seribu 」 を母材として、長粒でかつ低アミロース含量、特別なアロマ臭を残す等の農業上有用形質を備えた品種を 2 品種程度育成する。
         ベトナムでは、穀粒品質突然変異体や突然変異ライブラリーについてスクリーニング手法を確立するためのデータを蓄積し、アミロース含量が 24-25% から 18-21% であり、高タンパク質含量、外観が地方市場で受け入れられ、主要品種の cv. Khang Dan, cv. Q5, などに匹敵するエリート形質を備えた突然変異系統を 10 程度育成する。

    Attachment VIII

    MUTAION BREEDING PUBLICATION DATABASE

    List Number Country Year Crop Author Title Institution Source Note Key words 1
    1 Japan 1998 Japanese pear T. Masuda, T. Yoshioka, T. Sanada, K. Kotobuki, M. Nagata, M. Uchida, K. Inoue, K. Murata, K. Kitagawa, and A. Yoshida A new Japanese pear cultivar 'Osa Gold' Institute of Radiation Breeding (IRB), Japan; Tottori Holticulture Experiment Station Bull. Natl. Inst. Agrobiol. Resour. 12: 1-11 in Japanese with English summary and captions of Fig. and Tables  
    2 Japan 1988 Japanese pear T. Sanada Selection of resistant mutation to black spot disease of Japanese pear by using host-specific toxin IRB, Japan Japan. J. Breed. 38: 198-204 English  
    3 Japan 1988 Japanese pear T. Sanada, T. Nishida, and F. Ikeda Resistant to black spot disease of Japanese pear 'Nijisseiki' induced by gamma rays IRB, Japan J. Japan. Soc. Hort. Sci. 57(2): 159-166 English  
    4 Japan 1994 Japanese pear K. Murata, K. Kitagawa, Masuda, K. Inoue, K. Kotobuki, M. Uchida, M. Nagara, T. Yoshioka, H. Tabira, H. Watanabe, A. Yoshida Selection of mutant Japanese pear resistance to black spot disease by acute irradiation of Gamma-rays Tottori Horticulture Experiment Station; IRB, Japan J. Japan. Soc. Hort. Sci. 62(4): 701-706 in Japanese with English summary and captions of Fig. and Tables  
    5 Japan 1992 Japanese pear K. Kotobuki, T. Sanada, T. Nishida, H. Fujita, and F. Ikeda Gold Nijisseiki', a new Japanese pear mutant cultivar resistant to black spot disease induced by chronic irradiation of gamma-rays IRB, Japan Bull. Natl. Inst. Agrobiol. Resour. 7: 105-120 in Japanese with English summary and captions of Fig. and Tables  
    6 Japan 1994 Japanese pear T. Sanada, K. Sagisaka, J. Soejima, T. Moriguchi, S. Teramoto, and K. Kotobuki Inheritance of intermediate resistance to black spot disease in an induced Japanese pear mutant, 'Gold Nijisseiki' Furuit Tree Research Station, Japan J. Japan. Soc. Hort. Sci. 62(4): 689-693 English  
    7 Japan 1999 Japanese pear T. Masuda, T. Yoshioka, K. Kotobuki, and T. Sanada Selection of mutants highly resistant to black spot disease in Japanese pear 'Gold Nijisseiki' by irradiation of gamma-rays IRB, Japan Bull. Natl. Inst. Agrobiol. Resour. 13: 135-144 English  
    8 Japan 2006 soybean Y. Takagi and T. Anai Development of novel fatty acid composition in soybean oil by induced mutation Saga Univ. Oleo Science 6(4): 195-203 in Japanese with English summary and captions of Fig. and Tables fatty acid
    9 Japan 1969 soybean Y. Takagi The second type of gamma-ray sensitive gene RS2 in soybean Glycine max (L.) Merrill IRB Gamma Field Symposia 8: 83-94 Gamma Field Symposia  
    10 Japan 1998 soybean Y. Takagi, S. M. Rahman, and T. Anai Construction of novel fatty acid composition in soybean oil by induced mutation Saga Univ. Gamma Field Symposia 37: 17-28 Gamma Field Symposia fatty acid
    11 Japan 1999 soybean S. M. Rahman, T. Kinoshita, T. Anai, and Y Takagi Genetic relationships between loci for palmitate contents in soybean mutants Saga Univ. The Journal of Heredity 90(3): 423-428 copyright fatty acid
    12 Japan 1998 soybean S. M. Rahman, T. Kinoshita, T. Anai, S. Arima, and Y Takagi Genetic relationships of soybean mutants for different linoleic acid contents Saga Univ. Crop Sci. 38: 702-706 copyright fatty acid
    13 Japan 1998 soybean T. Kinoshita, S. M. Rahman, T. Anai, and Y. Takagi Inter-locus between genes controlling palmitic acid contents in soybean Saga Univ. Breeding Science 48: 377-381 English fatty acid
    14 Japan 1997 soybean S. M. Rahaman and T. Takagi Inheritance of reduced linolenic acid content in soybean seed oil Saga Univ. Theor. Appl. Genet. 94: 299-302 copyright fatty acid
    15 Japan 1997 soybean S. M. Rahman, Y. Takagi, ane T. Kinoshita Genetic control of high stearic acid content in seed oil of two soybean mutants Saga Univ. Theor. Appl. Genet. 95: 772-776 copyright fatty acid
    16 Japan 1996 soybean S. M. Rahman, Y. Takagi, ane T. Kumamaru Low linolenate sources at the FAN locus in soybean lines M-5 and IL-8 Saga Univ. Breeding Science 46: 155-158 English fatty acid
    17 Japan 1996 soybean Y. Takagi and S. M. Rahman Inheritance of high oleic acid content in the seed oil of soybean mutant M23 Saga Univ. Theor. Appl. Genet. 92: 179-182 copyright fatty acid
    18 Japan 1996 soybean S. M. Rahman, Y. Takagi, and T. Kinoshita Genetic analysis of palmitic acid contents using two soybean mutants, J3 and J10 Saga Univ. Breeding Science 46: 343-347 English fatty acid
    19 Japan 1996 soybean S. M. Rahman, Y. Takagi, and T. Kinoshita Genetic control of high oleic acid content in the seed oil of two soybean mutants Saga Univ. Crop Sci. 36: 1125-1128 copyright fatty acid
    20 Japan 1995 soybean Y. Takagi and S. M. Rahman Variation of different fatty acids in mutants in comparison with natural soybean varieties Saga Univ. Bull. Fac. Agr. Saga Univ. 79: 23-27 English fatty acid
    21 Japan 1995 soybean S. M. Rahman, Y. Takagi, K. Miyamoto, and T. Kinoshita High stearic acid soybean mutant induced by X-ray irradiation Saga Univ. Biosci. Biotech. Biochem. 59(5) 922-923 English fatty acid
    22 Japan 1994 soybean S. M. Rahman, Y. Takagi, K. Miyamoto, and T. Kawakita Inheritance of low linolenic acid content in soybean mutant line M-5 Saga Univ. Breeding Science 44: 379-382 English fatty acid
    23 Japan 1994 soybean S. M. Rahman, Y. Takagi, and S. Towata Inheritance of high linoleic acid content in the soybean mutant line B739 Saga Univ. Japan. J. Breed. 44: 267-271 English fatty acid
    24 Japan 1999 soybean Y. Takagi, S. M. Rahman, and T. Anai, S. K. Wasala, T. Kinoshita, and M. Khalekuzzaman Development of reduced linolenate soy mutant by re-irradiation and its genetic analysis Saga Univ. Breeding Science 49: 1-5 English fatty acid
    25 Japan 1989 soybean Y. Takagi, A. B. M. M. Hossain, T. Yanagita, and S. Kusaba High linolenic acid mutant in soybean induced by X-ray irradiation Saga Univ. Japan. J. Breed. 39: 403-409 English fatty acid
    26 Japan 1990 soybean Y. Takagi, A. B. M. M. Hossain, T. Yanagita, T. Matsueda, and A. Murayama Linolenic acid content in soybean improved by X-ray irradiation Saga Univ. Agric. Biol. Chem. 54(7): 1735-1738 English fatty acid
    27 Japan 2001 soybean S. M. Rahman, T. Kinoshita, T. Anai, and Y. Takagi Combining ability in loci for high oleic and low linolenic acids in soybean Saga Univ. Crop Sci. 41: 26-29 copyright  
    28 Japan 1993 rice S. Iida, T. Takano, Z. Ikezawa, and T. Nishio Evaluation of a rice mutant as a material of hypoallergenic rice IRB Japan. J. Breed. 43: 389-394 English hypoallergenic rice
    29 Japan 2005 rice M. Nishimura, M. Kusaba, K. Miyahara, T. Nishio, S. Iida, T. Imbe, and H. Sato New rice varieties with low levels of easy-to-digest protein, 'LGC-Katsu' and 'LGC-Jun' IRB Breeding Science 55(1):103-105 English low protein
    30 Japan 2006 rice Y. Sato, K. Shirasawa, Y. Takahashi, M. Nishimura, and T. Nishio Mutant selection from progeny of gamma-ray-irradiated rice by DNA heteroduplex cleavage using petiole extract. Tsukuba Univ. Breeding Science 56: 179-183 English TILLING
    31 Japan 2003 rice M. Kusaba, K. Miyahara, S. Iida, H. Fukuoka, T. Takano, H. Sassa, M. Nishimura, and T. Nishio Low glutelin content1: a dominant Mutation That suppresses the glutelin mutagene family via RNA silencing in Rice. IRB The Plant Cell 15: 1455-1467 copyright RNAi
    32 Japan 1993 rice S. Iida, E. Amano, and T. Nishio A rice (Oryza sativa L..) mutant having a low content of glutelin and a high content of prolamine IRB Theor. Appl. Genet. 87: 374-378 copyright low content of glutelin
    33 Japan 1993 rice T. Nishio and S. Iida Mutants having a low content of 16-kDa allergic protein in rice (Oryza sativa L.) IRB Theor. Appl. Genet. 87: 317-321 copyright low allergenic protein
    34 Japan 1997 rice S. Iida, M. Kusaba, and T. Nishio Mutants lacking glutelin subunits in rice: mapping and combination of mutated glutelin genes IRB Theor. Appl. Genet. 94: 177-183 copyright low content of glutelin

    三ヵ年計画 添付書類III 添付書類IV 添付書類V 添付書類VI 添付書類VII 添付書類VIII