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FNCA2017研究炉利用プロジェクトワークショップ

FNCA2017研究炉利用プロジェクトワークショップ
概要

2017年11月21〜23日
インドネシア、スルポン



2017年度の研究炉利用(RRU)プロジェクトのワークショップは、2017年11月21日より11月23日までの3日間、インドネシア原子力庁(BATAN)および日本の文部科学省(MEXT)の主催により、インドネシア・スルポンにおいて開催されました。

集合写真

オーストトラリア、バングラデシュ、中国、インドネシア、日本、カザフスタン、マレーシア、モンゴル、フィリピン、タイおよびベトナムの11カ国が参加し、参加人数は事務局を含め計26名でした。

[オープンセミナー]
初日(11月21日)に「原子力技術利用」FNCAオープンセミナーが開催されました。インドネシア原子力庁(BATAN)長官のProf. Dr. Djarot S Wisnubrotoからの開会挨拶およびFNCA日本コーディネーターの和田智明氏からの歓迎挨拶に続いて、Prof. Dr. Djarot S Wisnubroto(インドネシア)、大槻勤氏(日本)、Mr. Honesti Basyir(インドネシア)、春日章治氏(日本)、絹谷清剛氏(日本)、Mr. Philippe Correa(フランス)、Dr. John Bennett(オーストラリア)およびMrs. Diah Dwiana Lestiani(インドネシア)8名による基調講演がなされました。

発表者の写真
  公開セミナーの写真

[ワークショップ]
2日目(11月22日)前半の全体セッションでは、インドネシアFNCAコーディネーターのDr. Hendig Winarnoおよび日本FNCAアドバイザーの南波秀樹氏から開会の挨拶がありました。続いて、大槻勤氏と海老原氏充よりそれぞれRRUおよびNAAの活動概要と本ワークショップでの課題について報告がなされました。

ワークショップの写真1
  ワークショップの写真2

RRUの個別セッションでは、まず各国からアイソトープ(RI)製造と利用の現状について各国から発表がなされ、次に新しい研究炉の計画について参加国別に発表がなされました。
NAAの個別セッションでは、大気汚染、鉱物資源に関する活動について各国から発表がなされ、エンドユーザーとの連携等のトピックスについて議論がなされました。
3日目(11月23日)は、RRU、NAAの各グループでそれぞれ詳細内容をまとめました。

[テクニカルビジット]
ワークショップ終了後、インドネシア原子力庁(BATAN)の照射施設やRI/放射性医薬品施設、多目的研究炉、NAA研究室の施設を見学しました。

テクニカルビジットの写真1
  テクニカルビジットの写真2

 


FNCA2017研究炉利用プロジェクトワークショップ
会議報告

2017年11月21〜23日
インドネシア、スルポン



(仮訳)

序文
研究炉利用(RRU)プロジェクトワークショップは、インドネシア原子力庁(BATAN)とインドネシアBSD市Grand Zuri Hotelで3日間に渡り開催された。初日(11月21日)にオープンセミナーがBATANで開催された。2日目(11月22日)前半の全体セッションでは、個々のプロジェクトリーダー達が現行のRRUとNAAの概要および本ワークショップに関するいくつかの主要課題を挙げた。その後、RRUの個別セッションでは、まず各国からアイソトープ(RI)製造と利用の現状について各国から発表がなされ、次に新しい研究炉の計画について参加国別に発表がなされた。NAAの個別セッションでは、大気汚染、鉱物資源に関する活動について各国から発表がなされ、エンドユーザーとの連携等のトピックスについて議論がなされた。3日目(11月23日)はRRU、NAAの各グループでそれぞれ詳細内容をまとめた。ワークショップ終了後、BATANへのテクニカルビジットが実施された。

[個別セッション(RRU)]
RRU-1:医療/産業用アイソトープ(RI)製造の現状についてカントリーレポート
オーストラリア
オーストラリアの公共および民間の核医学センター(〜230ヵ所)に放射性医薬品と放射性化学物質を供給し、アジア太平洋地域の多くの国に輸出している。米国、アジア、ヨーロッパへの99Moの輸出については、現行の99Mo製造量は2,300 Ci/6日だが今後3,500 Ci/6日に増産予定である。オーストラリア原子力科学技術機構(ANSTO)では、177Lu(無担体)、131I、153Sm、51Cr、198Auおよび192Ir等の、他の多くの放射性同位体も製造している。

バングラデシュ
バングラデシュでは、2005年の核分裂性99Moの輸入から、99Mo/99mTcジェネレータの生産が開始され、現地生産で総需要を満たすまでに至った。一方、131I製造では、原子炉燃料が高コストかつ入手が困難であるため国内における研究炉を利用した生産が中止され、131I調剤の輸入で国内需要を満たしている。今後、研究炉TRIGAを使用して177Luの国内製造を予定している。

中国
中国の医療/産業用RIの需要は年々増加しているが、現状では60Co(工業用600万Ci/年)を除く主要なRIの供給は未だ輸入に依存している。
中国改良型研究炉(CARR)におけるRI(99Mo、125I、131I、89Sr、177Lu、14Cおよび192Ir)生産は、医療/産業用RIの国内需要を満たすべく計画されている。

インドネシア
インドネシアの医療機関における99Moの不足に対応するため、ポーランドのPOLATOMとANSTOからの99mTcジェネレータ輸入により99mTcを調達している。インドネシア原子力庁(BATAN)は、ジルコニウム系材料(ZBM)を基盤とした99Mo/99mTcジェネレータと、ジェネレータ母材としてのナノ材料の研究を行っている。BATANは小線源治療用に高線量率192Ir(10Ciまで)を開発している。131Iについては、国内生産ですべての需要を満たすことができる。

日本
RI製造/流通事業は、2000年に日本原子力研究開発機構(JAEA)から千代田テクノルへ移管された。現在JAEAの研究炉は稼働しておらず、これまで製造/供給されてきた192Ir、60Co、198Au等のRI製品は、RI製品の輸入に依存しなければならない。さらにRIの製造技術や取り扱いについて研究炉を用いた作業が停止しているため、それらに関わる人材育成にも影響を及ぼしている。そのため、JRR-3の早期再開と新しい研究炉の導入について検討されることが望まれる。

マレーシア
現在、マレーシアでは、1MWのTRIGA Mark II型プスパティ研究炉(RTP)を用いて、骨転移疼痛緩和のための153Sm-EDTMP(153サマリウム・エチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸)という新しいRIと産業用の82Brを開発している。99mTcと131Iの総需要はともに約20Ci/週である。マレーシア原子力庁は合弁企業で131Iカプセルを生産しており、現在、適正製造基準(GMP)認証のために積極的に稼働し製品検証を行っている。マレーシアでは192Irの総需要は年間約400件である。産業用192Irは、産業用合弁企業で組み立てられている。

モンゴル
すべてのRIは他国からの輸入で賄われており、病院での使用のために毎年約20Ci/年の99mTcジェネレータと10Ci/年の131Iと125Iを韓国から輸入している。RIの量は病院の予算に制限されるため、RIの実際の需要はさらに大きい可能性がある。医療用電子線直線加速器2台が建設中であり、また、PETスキャン施設の導入が検討されている。

フィリピン
フィリピン研究炉-1(PRR-1)は1984年以来稼動しおらず、30年以上にわたってRIは生産されていない。しかし依然としてRIの需要は高く、輸入依存のため一部のRI製品は高価なものとなっている。フィリピンには99mTcジェネレータの製造設備があるが、99Moの供給は輸入に依存している。フィージビリティスタディが実施され、多目的30MeVサイクロトロン施設の導入が適正であるとの提案がなされている。各RIの国内需要は、192Ir(7,000Ci/年)、131I(900Ci/年)、99Mo/99mTc(1,000Ci/年)である。

タイ
タイでは、研究炉燃料の不足と計装、制御系の更新のために研究炉が停止しており、医療/産業用RIの国内需要を満たすために全量を輸入に頼っている。タイ原子力技術研究所(TINT)は、国内用に18F、123I、67Ga、201Tlを生産するための新規の30MeVサイクロトロンの設置を完了し、2021年に操業を開始する予定である。

ベトナム
ダラト原子力研究所(DNRI)では、医療用(131I、99mTc、51Cr、32P)および産業用(192Ir、60Co)RIの定常的な製造を行っており、国内30施設の核医学機関にRIと放射性医薬品の供給を行っている。現在、DNRIは、国内市場の40〜50%にあたるRIの供給が可能であるが、99mTcは100%輸入に頼っている。177Lu、153Smなどの医療用および研究目的のRIについても小規模ながら市場への供給を予定している。

RRU-2:新しい研究炉についてカントリーレポート
オーストラリア
オーストラリアは、稼働後11年になる比較的新しい研究炉を有している。この研究炉は、RIの大量製造能力を含む多目的利用研究炉として建設された。この研究炉は毎年300日以上確実に稼働しており、オーストラリアは国内外で広範囲なパートナーシップを志向している。

バングラデシュ
バングラデシュでは、新規の20-30MW級の多目的研究炉を建設する予定である。本新規研究炉プロジェクトのフィージビリティスタディのために、炉の基本設計を行い政府に提案した。本プロジェクトの政府了承後、原子炉と関連設備の技術的設計の確認が行われる予定である。本プロジェクトの技術的知見は、バングラデシュにおける新規の高出力研究炉を実施する際の主要プロジェクトとして活用される予定である。FNCA参加国からの協力を期待している。

マレーシア
マレーシア原子力庁は、TRIGA Mark II型プスパティ研究炉(RTP)アナログ制御盤を新しいデジタル制御盤(REDICS)に更新した。マレーシア原子力庁は、高中性子束を適用し先端的な利用に必要な新しい研究炉を建設し、マレーシア初の原子力発電プロジェクトの技術支援機関(TSO)として能力向上および能力構築を支援する計画を立てている。

モンゴル
モンゴルでは、新しい研究炉プロジェクトが進行中であり、提案された研究炉はRI製造およびNAA利用に大いに期待されている。このプロジェクトは、IAEAマイルストーンによると初期段階にあるのみだが、プロジェクトチームが正式に設置され、このプロジェクト支援のために国家原子力基盤評価の準備をしている。

フィリピン
フィリピンは、フィリピン研究炉-1(PRR-1)のTRIGA燃料要素を使用して、「訓練、教育、研究のための未臨界炉集合体(SATER)」を計画しており、2019年に答申される予定である。また、最近のフィージビリティスタディより、10MWの多目的研究炉(NARRA)は2023年までに提案される見込みである。

タイ
TINTは新しい研究炉プロジェクトを設立する計画があり、本プロジェクトは2017年12月に承認を得るため内閣に提出される予定である。またスラナリー工科大学が担当する小さな研究炉(45kW)プロジェクトが開始されたが、このプロジェクトは規制機関と協議中である。タイはFNCA参加国間での継続的な協力および情報共有に感謝している。

RRU-3: RRUプロジェクト将来計画
RRUプロジェクトでは以下のトピックを検討する。

  • 中性子放射化分析(NAA)
  • 新しい放射性同位元素を含む放射性同位元素製造
  • 中性子散乱
  • 原子力核科学
  • ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)、中性子ラジオグラフィ(NR)
  • 材料研究
  • 新しい研究炉
  • 人材育成

翌年のワークショップは日本(大阪)で開催することとし、そのテーマとしてBNCTと材料研究などが選択された。

【個別セッション(NAA)】
NAA-1: 大気汚染および鉱物資源に係る活動の進捗
2015年に開始された新たなフェーズ(第5フェーズ)では、大気汚染プロジェクトおよび鉱物資源プロジェクトとよばれる2つのサブプロジェクトが設けられた。大気汚染プロジェクトでは、各参加国から浮遊粒子状物質(SPM)試料、特にいわゆるPM2.5が採取されることとなっており、NAAやその他の手法によりこれらのSPM試料について分析され、各サイトの大気汚染レベルがモニタリングされた。鉱物資源プロジェクトでは、各種希土類元素(REEs)およびウラン(U)といった有用な元素を含む鉱物がNAAで分析されることとなっており、鉱物資源の質の評価におけるNAAの有効性と有用性が示された。カントリーレポート作成に際し、日本のプロジェクトリーダーは参加者に対し、プレゼンテーションに以下の事項を含めるように求めた。

  1. 直近12カ月間の進捗を当初の計画と比較しての評価
  2. 懸案事項およびそれを克服するために講じた措置
  3. プロジェクトの取組みに関する成果
  4. エンドユーザーとの連携強化およびエンドユーザーと立ち上げたプロジェクト

1) 大気汚染に係る活動の進捗
オーストラリア
分析用試料が提供されなかったため、この期間における進捗はなかった。その代わり、もう一方の鉱物資源サブプロジェクト活動に重点を置いた。

中国
2017年は、PM2.5とPM10を含むSPM試料が北京で週に2回採取された。3セットの試料が本プロジェクトで使われている。中国改良型研究炉(CARR)のNAA照射施設がまだ準備できていないため、NAAでの試料分析ができなかった。その代わり、蛍光X線分析(XRF)と粒子線励起X線分析(PIXE)で試料を分析した。PM2.5では石炭燃焼、土壌、建設工業材料業、廃棄物焼却、車両排気の5つの汚染源が見つかり、主な発生源は石炭燃焼と車両排気であった。

インドネシア
インドネシア15都市でSPM分析がなされている。試料採取は15の地方環境事務所と協力して行われた。PM2.5とPM10の画分を得るために、Gent stackエアサンプラーを使用して定期的にSPMを採取した。PM2.5画分の元素測定は、NAAとXRFを用いて行った。本ワークショップでは、2015〜2016年に得られたPM2.5とPM10のデータと比較検討した。また、硫黄(S)、ケイ素(Si)、鉄(Fe)、カリウム(K)、亜鉛(Zn)の5元素も提示され、比較した。

日本
2011年以来、NAAに用いる研究炉がいずれも運転されていないことから、SPMサブプロジェクトの進捗を示せなかった。SPM試料のNAAに関する経験では、JRR-3およびJRR-4を用いてk0-NAA法により、約5%の確度でSPM多元素分析ができることが確認されている。また、NAAとその他の分析手法間の分析データの合理的な一貫性と、試料採取プロトコルの信頼性を確認している。

マレーシア
セランゴール州バンギに位置するマレーシア原子力庁の建物の屋上のバンギ・ステーションでSPM研究に着手した。流速15リットル/分のGent stackエアサンプラーを用いて、細かい粒子(PM2.5)と粗い粒子(PM2.5-10)の2つの画分を採取した。2012年5月〜2017年10月の期間に465組の試料を採取した。全体的データは濃縮レベルが雨期(11〜3月)に低くなり、乾期(5〜9月)に高くなる。バンギ地区の大気環境に寄与する主な6つの要因は、バイオマス燃焼/煙、土壌粉塵、自動車、二次硫酸塩、海塩、道路建設由来の塵と判明している。

モンゴル
モンゴルでは、2004年からモンゴル国立大学原子力研究センターにおいて、SPM試料が採取され、ED-XRF(エネルギー分散型蛍光X線分析)で分析されてきた。2016年のSPM測定では、PM2.5の平均値が102.7μg /m3でモンゴルの大気質基準値の4倍であり、PM2.5-10の平均値は257.0μg /m3で基準値の5倍であった。毎月の値をプロットすると、細かい粒子と粗い粒子の変化は、ともに季節と相関することが示された。

フィリピン
フィリピンはメトロマニラの少なくとも2つのサイトでSPM採取を定期的に行っており、まもなく新しいプロジェクトのために西ビサヤ地方の2つのサイトも追加される。最近、新しいXRFシステムを獲得しフィリピン原子力研究所(PNRI)に設置されたが、エアフィルターをNAAで分析するには、他の参加国との共同作業が必要となる。環境管理局、地方自治体、学校、大学などのエンドユーザーとの強力な連携が確立されている。

ベトナム
2014年1月〜12月にホーチミン市で週1回、計96のSPM試料(PM2.5とPM10)が採取された。採取位置は北緯10°46’、東経106°41’である。SPM試料中の計29の元素をDalat研究炉によりk0-NAA法を用いて分析した。さらに20のSPM試料がハノイで採取され、15の元素が同様に測定された。本プロジェクトは2017年12月で終了予定である。

2) 鉱物資源に係る活動の進捗
オーストラリア
我々は引き続き鉱山会社と協力関係をもち、新たに2つの会社とNAAで金属鉱石を分析している。またNAAの特性を活用し、鉱業界が使用する標準物質の作成を支援している。参加研究室が取り組んでいる第1回目のREE研究室相互比較の報告が完了した。参加者のパフォーマンス向上を実証できるように、別のREE物質を用いて2回目の研究室相互比較を実施するよう勧告がなされている。

バングラデシュ
試料採取のリソースがないため鉱物資源サブプロジェクトの広範な活動に参加することはできなかったが、第1回目のREE研究室相互比較に参加した。過去12ヵ月では、他に2つのNAAを用いた相互比較演習に参加し、6つの国内河川から採取した堆積物をNAAで分析した。これらの堆積物試料では、多量元素、微量元素、REEを測定した。学術研究、国内外の共同研究、エンドユーザーとの連携の分野において研究室の関与を高めた。

中国
NAAは鉱石資源のREE分析のための重要なツールである。中国原子能科学研究院(CIAE)のNAA研究室は第1回目のREE研究室相互比較に参加し、干渉k0法によりウラン(U)核分裂生成物の干渉を補正した。

インドネシア
REEとUが豊富な鉱物の分析は期待通りにいかなかった。これまでREE分析における核分裂生成物の補正の適用については、いくつかの規制、安全性および実施上の困難さから実施できなかったが、それにはU比較標準試料の調達に係る問題や、ラビットシステムでのU照射の安全解析書(SAR)の必要性が含まれていた。このSARはインドネシア原子力規制庁(BAPETEN)による審査、及び承認を必要とする。

カザフスタン
従来からのパートナーらの協力により、引き続き、岩石試料、金(Au)や随伴元素のための鉱物資源生成物、REE含有物を分析した。さらにいくつかの潜在的なエンドユーザーがNAA手法に関心を示している。2018年から、核物理研究所でのNAA手法の開発に国からの財政援助を得られることとなった。

マレーシア
マレーシア原子力庁のNAA部門は、地球化学探査活動に直接関わるのではなく、内部研究者はじめ産業界、規制機関(マレーシア原子力許認可委員会(AELB))、大学の外部顧客の行う分析に対して、より支援的な役割を果たしている。NAA部門は現在トリウム(Th)探査の「マレーシア原子力庁フラッグシップ・プログラム」用の試料を分析している。NAA部門はまた、パハン州ゲベンにあるLynasのREE抽出プラント周辺サイトの試料の分析のために、放射線コンサルタント会社(アジアラボ)並びにAELBにサービスを提供している。

モンゴル
モンゴルの大きな鉱床から採取したREE、U、Au、銅(Cu)、ポリメタル、銀(Ag)の鉱石試料の元素含有量を、XRF、誘導結合プラズマ質量分析(ICP-MS)、NAAなどを用いて測定した。鉱業会社が関心を示したのは、地質学的鉱床試料の元素分析、産業/鉱業精製活動からの汚染影響評価、職場モニタリングおよび職場健康調査であった。

タイ
過去12ヵ月で、研究炉TRR-1/M1は運転許可が承認されていないため完全に運転できなかった。その結果、RREサブプロジェクトにおける進捗はなかった。その間、酸溶解法を伴う誘導結合プラズマ発光分光分析法(ICP-OES)ならびに半定量及び定量波長分散型蛍光X線分析法(WD-XRF)を用いたREE、U、Th、多量元素の測定確度を、7つの認証地質標準物質を通して評価した。また、その結果をNAAおよびICP-MS(地質試料を鉱物資源局(DMR)実験室から得られた)によって得られた結果と比較した。

ベトナム
ベトナム国営鉱物鉱山公社、ベトナムレアアース株式会社と日本のレアアース開発会社との協力を通して、ベトナム北部、国内最大のレアアース鉱のひとつから6つのドンパオRRE鉱物試料が採取された。計19の元素をk0-NAAで測定した。

NAA-2: NAAに係る研究炉利用促進
エンドユーザーとの連携が概ね非常に良好で、ここ数年で大きな改善が見られたことが明らかとなった。国内の優先度に応じて、産業界のユーザーを中心にしている国もあれば、研究機関や政府機関のニーズにより合わせている国もある。すべてのNAA部門で人材の育成と開発の機会を提供している。FNCAの枠組みで実施された研究について多くの研究論文が掲載されており、本NAAグループの研究の質の指標となっている。これらの出版物は、NAAの能力をエンドユーザーに広める手段ともなっている。NAAはFNCA地域の研究炉の主な用途のひとつであり、社会経済開発において引き続き重要な役割を果たしていくことは明かである。

NAA-3: 総合討論
1)大気汚染(SPM)サブプロジェクト
全般的に首尾よく進行したが、いくつか改善できうる点があるとされた。エアサンプリングステーションの設置と運用に関する包括的プロトコルについて議論され、参加者に配布された。SPM試料フィルターのルーティーン測定に、他の分析技術に加えNAA施設を関与させる調整プログラムが確立しつつあり、その結果は次回のワークショップで報告される予定である。これらの結果に関する論文を発表し、NAAプロジェクトの以前のフェーズで収集されたデータと比較する予定である。10年以上前に同じ場所で収集された結果と比較することで、その地域の大気汚染の動向が示される可能性がある。

2)鉱物資源−希土類元素(REE)サブプロジェクト
1つの研究室相互比較が完了し、結果が示された。第1回目で使用された試料により、全参加者に課題が提示されたことは明らかで、その結果を解釈することでパフォーマンス向上の機会となった。今年は第2回目が予定されている。ひとつのオプションとして、各研究室への配布用にREEを含む標準物質を購入し、参加者間のコミュニケーションを通じて測定プロトコルへの共通のアプローチに同意することがあげられる。第2回目では全研究室でパフォーマンスが向上することが期待される。今後の成果発表は、参加者が潜在的なエンドユーザーへNAAを促進することに役立つと思われる。

3)NAAの促進
議論を通じて、参加者がNAAの能力を広め潜在的なエンドユーザーと関わるために多種多様なチャンネルを用いていることが明らかとなった。それには、国内セミナーや国際会議、大学や研究所での講義、ウェブサイト、国際熟練度試験への参加、トレーニングコースの提供、論文発表、規制当局との連携などが挙げられる。すべてのNAA部門に共通の問題があり、財源と人材の不足に関するものである。多くの場所でNAAチームは危うい状況で、経験者の退職や昇進で重要な知識を失うリスクがある。

NAA-4: 結論

  1. 各参加国の貢献により、NAAグループは今年大幅な進歩を遂げ、計画目標の達成に向けて軌道に乗っていると思われる。
  2. エンドユーザーとの生産的な連携を維持しさらに強めていく必要性が認識されており、この点での継続的な改善が十分に実証された。
  3. 現行フェーズの2つのサブプロジェクト(大気汚染および鉱物資源)への各国の参加状況を以下に示す。

大気汚染(SPM)

鉱物資源−希土類元素(REE)

オーストラリア

x

x

バングラデシュ

x

x

中国

x

x

インドネシア

x

x

日本

x

x

カザフスタン

 

x

韓国

x

 

マレーシア

x

 

モンゴル

x

 

フィリピン

x

(x)

タイ

 

x

ベトナム

x

(x)

 x   – 参加の意向
(x)– 国内認可を経てから参加

 


FNCA2017研究炉利用プロジェクトワークショップ
プログラム

2017年11月21〜23日
インドネシア、スルポン



共 催: インドネシア原子力庁(BATAN)
文部科学省(MEXT)
実施機関: 公益財団法人原子力安全研究協会
開催日程: 2017年11月21 - 23日
開催地: インドネシア・スルポン、グランド・ズリ・ホテル

1日目:11月21日(火)
[「原子力技術利用」FNCAオープンセミナー]
08:30-08:35 安全に関する案内
08:35-08:45 委員長挨拶
08:45-08:55 開会挨拶:Prof. Dr. Djarot S Wisnubroto(BATAN長官)
08:55-09:10 歓迎挨拶:和田智明氏(FNCA日本コーディネーター)
09:10-09:20 MoU協力署名式
09:20-09:30 集合写真
09:30-09:35 休憩
09:35-10:05 キーノートスピーチ 1: Prof. Dr. Djarot S Wisnubroto(BATAN長官、インドネシア)
10:05-10:35 キーノートスピーチ 2: 大槻勤氏(京大炉、日本)
10:35-11:05 キーノートスピーチ 3: Mr. HonestiBasyir(PT Kimia FarmaTbk社長、インドネシア)
11:05-11:35 質疑応答、議論
11:35-12:00 科学展示ポスター見学
12:00-13:00 プレス発表、昼食
13:00-13:15 キーノートスピーチ 4: 春日章治氏(文科省、日本)
13:15-13:45 キーノートスピーチ 5: 絹谷清剛氏(金沢大学、日本)
13:45-14:15 キーノートスピーチ 6: Mr. Philippe Correa(フランス原子力庁(CEA)原子力科学技術研究所(INSTN)、フランス)
14:15-14:30 休憩
14:30-15:00 キーノートスピーチ7: Dr. John Bennett(ANSTO、オーストラリア)
15:00-15:30 キーノートスピーチ8: Mrs. DiahDwianaLestiani(BATAN、インドネシア)
15:30-16:00 質疑応答、議論
 
2日目:11月22日(水)
[ワークショップ:共同セッション]
09:00-09:15 開会セッション
 - 歓迎挨拶: Dr. HendigWinarno(インドネシアFNCAコーディネーター)
 - 開会挨拶: 南波秀樹氏(FNCA日本アドバイザー)
 - 自己紹介
 - 写真撮影
FNCAプロジェクトの概要およびワークショップの課題
09:15-09:45  - RRUプロジェクト: 大槻勤氏(京大炉、日本)
09:45-10:15  - NAAプロジェクト: 海老原充氏(首都大、日本)
 
[ワークショップ:個別セッション(RRU)]
  RRU-1: 医療/産業用アイソトープ(RI)製造の現状についてカントリーレポート
レポートには以下の項目を含む:
 - 技術開発
 - 最近の国内需要
 - 国内的に満たされる需要の割合、それ以外はどこからか
 - 需要や供給を増やす計画があるか、商業的な意図か
 - 新アイソトープ等
10:20-12:00 1. カントリーレポート及び議論
 議長:ベトナム
 オーストラリア、バングラデシュ、中国、インドネシア、日本
12:00-13:00 昼食
13:00-14:30

2. カントリーレポート及び議論
 議長:オーストラリア
 マレーシア、モンゴル、フィリピン、タイ、ベトナム
RRU-2: 新しい研究炉についてカントリーレポート
レポートには以下の項目を含む:
 - 新規研究炉または既存炉アップグレードの計画
 - FNCA参加国間における協力

15:00-16:30 カントリーレポート及び議論
  議長:タイ
 オーストラリア、バングラデシュ、中国、マレーシア、モンゴル、フィリピン、タイ
 
[ワークショップ:個別セッション(NAA)]
  NAA-1 : 大気汚染、鉱物資源に関する活動
レポートには以下の項目を含む:
1) 過去12ヵ月間の進捗状況、当初計画と達成度を比較
2) 何らかの困難さ、またどのようにその困難を克服したか
3) プロジェクトのための優れた結果
4) エンドユーザーとの連携、プロジェクトはエンドユーザーで発展したか?
10:20-12:00 2. カントリーレポート及び議論
 議長:タイ
 オーストラリア、バングラデシュ、中国、インドネシア
12:00-13:00 昼食
13:00-14:30

2. カントリーレポート及び議論
 議長:バングラデシュ
 日本、カザフスタン、マレーシア、モンゴル

14:30-15:00 休憩
15:00-16:30 3. カントリーレポート及び議論
 議長:中国
 フィリピン、タイ、ベトナム
 
3日目:11月23日(木)
[ワークショップ:個別セッション(RRU)]
09:00-10:30 RRU-3 : RRUプロジェクト将来計画
議長: マレーシア
 1. リードスピーチ: 大槻勤氏
 2. 議論
10:30-11:00 休憩
11:00-12:00 RRU-4 : 議事録草稿
議長: フィリピン
[ワークショップ:個別セッション(NAA)]
09:00-10:30 NAA-2: NAAに係る研究炉利用の促進
議長: オーストラリア
10:30-11:00 休憩
11:00-12:00 NAA-3 : 議事録草稿
議長: オーストラリア
[テクニカルビジット]
13:30-16:00 インドネシア原子力庁(BATAN)


FNCA2017研究炉利用プロジェクトワークショップ
参加者リスト

2017年11月21〜23日
インドネシアスルポン



オーストラリア

RRU Mr. Moshiul Alam
オーストラリア原子力科学技術機構(ANSTO)
RI製品スペシャリスト/上級技術責任者
NAA Dr. John Bennett
オーストラリア原子力科学技術機構(ANSTO)
研究基盤リーダー

バングラデシュ

RRU Ms. Fatema Tuj Jahura
バングラデシュ原子力委員会(BAEC)
原子力研究所(シャバール)(AERE)
原子力科学技術研究所(INST)
RI製造部門研究員
NAA Dr. Kamrun Naher
バングラデシュ原子力委員会(BAEC)
原子力研究所(シャバール)(AERE)
原子力科学技術研究所(INST)
原子炉・中性子物理学部門上席研究員

中国

RRU Dr. Liu Xingmin
中国原子能科学研究院(CIAE)
原子炉工学技術部
炉心設計課
NAA Dr. Xiao Caijin
中国原子能科学研究院(CIAE)
核物理部研究員

インドネシア

RRU Mr. Heru Umbara
インドネシア原子力庁(BATAN)
多目的炉センター長
NAA Mr. Sutisna
インドネシア原子力庁(BATAN)
先端物質科学技術センター研究員

日本

 

Mr.和田智明
FNCA日本コーディネーター
Dr. 南波秀樹
FNCA日本アドバイザー
Mr. 春日章治
文部科学省

RRU Prof. 大槻勤
京都大学原子炉実験所教授
RRU Dr. 松江秀明
日本原子力研究開発機構(JAEA)
原子力科学研究部門原子力科学研究所
研究炉加速器管理部計画調整課課長
NAA Prof. 海老原充
首都大学東京大学院教授
Ms. 猪越千明
公益財団法人原子力安全研究協会
国際研究部

カザフスタン

NAA Dr. Igor Silachyov
核物理研究所
主任研究員

マレーシア

RRU Dr. Azahari KASBOLLAH
マレーシア原子力庁(Nuclear Malaysia)
医療技術部上級研究員
NAA Mr. Muhammad Azfar bin Azman
マレーシア原子力庁(Nuclear Malaysia)
分析化学研究室研究員

モンゴル

RRU Dr. Munkhbat Byambajav
モンゴル国立大学
原子力研究センター准教授・研究員
NAA Mr. Damdinsuren Gantumur
モンゴル国立大学
工学応用科学科講師

フィリピン

RRU Mr. Neil Raymund Guillermo
フィリピン原子力研究所(PNRI)
総括研究官
NAA Mr. Joseph Michael D. RACHO
フィリピン原子力研究所(PNRI)
主任研究員

タイ

RRU Mr. Suthipong Boonmak
タイ原子力研究所(TINT)
原子炉管理課長
NAA Dr. Dussadee Rattanaphra
タイ原子力研究所(TINT)
核科学者

ベトナム

RRU Mr. DUONG Van Dong
ベトナム原子力研究所(VINATOM)
ダラト原子力研究所(NRI)RI研究/製造センター長
NAA Dr. Tran Tuan Anh
ベトナム原子力研究所(VINATOM)
ダラト原子力研究所(NRI)研究員

 
Forum for Nuclear Cooperation in Asia