FNCA2025研究炉利用プロジェクトワークショップ 会議報告
2025年9月9〜12日
ベトナム、ダラト
(仮訳)
序文
研究炉利用(RRU)プロジェクトワークショップは、ベトナムのダラトにおいて3日間半にわたり開催された。初日(9月9日)前半の全体セッションでは、日本の各プロジェクトリーダーが、中性子放射化分析(NAA)グループと非NAAグループの現在のプロジェクトの概要を本ワークショップの主要な論点に触れながら説明した。初日後半から3日目(9月11日)にかけては個別セッションが開かれた。NAA個別セッションでは、環境試料に関連する活動の進捗状況が発表され、続いて共同分析の結果について議論が行われた。非NAA個別セッションでは、主に新しい放射性同位元素(RI)を含むRI製造や新規研究炉に関する活動状況が各国から発表された。NAA、非NAAの各グループでそれぞれ議論の詳細内容をまとめ、総括セッションでそれぞれのまとめを共有し、その後、午後にはダラト原子力研究所(DNRI)の研究炉やNAAラボなどへのテクニカルビジットが行われた。4日目(9月12日)は、午前中にDNRIにてオープンセミナーが開催された。
[個別セッション]
1)中性子放射化分析(NAA)
NAA-1: NAAを含む複数の測定技術を用いた環境モニタリングに関する進捗
バングラデシュ
バングラデシュのNNA研究では、ダッカ及びクルナの都市道路の粉塵中に含まれる潜在的有害元素(Cr、Mn、Fe、Co、Zn、As、Sb)、シュンドルボン(注:マングローブの群生地帯)の土壌及び薬用植物の中の自然放射能、並びにルプール原子力発電所付近のパドマ川堆積物が評価された。8つの管区の都市自治体における家庭用エアコンの粉塵、河川堆積物、及びさまざまな地域の農地土壌や野菜について分析する追加研究も行われた。報告期間中に査読誌で11本の関連論文が発表された。
中国
PM2.5及びPM10の試料が北京で週2回収集された。これらの試料はNAA及びその他の核科学的分析法によって分析される予定である。中国改良型研究炉(CARR)における中性子深さ方向分析(NDP)は今年アップグレードされ、2025年にNDPによって多くのリチウムイオンバッテリー(LIB)試料が分析された。
インドネシア
NAAが食品と栄養、環境試料、及び文化遺産物質(化石など)に適用された。活動内容には、国際原子力機関(IAEA)相互比較プログラムへの参加、熱外中性子放射化分析(ENAA)施設の開発の継続、博士課程・修士課程課題のための共同研究、顧客のための分析的サービスも含まれており、それらにより原子炉利用における国家能力と地域連携が強化された。
日本
中性子即発γ線分析(PGA)、機器中性子放射化分析(INAA)及び放射化学的中性子放射化分析(RNAA)が、それぞれ日本原子力研究開発機構と京都大学複合原子力科学研究所で実施された。隕石における元素存在度がPGA及びINAAにより決定され、化学的特性評価に使用された。RNAAはマントル由来物質の3つのハロゲン元素(Cl、Br、I)の決定に用いられた。米試料の元素存在度(As、Cd、Pbといった有害元素を含む)を決定するために誘導結合プラズマ発光分光分析法(ICP-AES)と誘導結合プラズマ質量分析法(ICP-MS)を用いる分析手法の開発が開始された。
カザフスタン
2025年、INAA法を用いて放射化有害元素を特定するために、原子力発電所原子炉の生物学的防護ためのコンクリートの等級を研究するプロジェクトが継続されている。また、カザフ原子力発電所の溶融物局在化装置及びコンクリート構造物の材料としてのフライアッシュの適用性に関する研究のプロジェクトも計画されている。
マレーシア
マレーシアは、2025年にヌグリ・スンビラン州ニライ工業地域の土壌試料中の選択された希土類元素(REE)に関する研究を実施した。この研究は、選択されたREEの分布を決定し、濃縮係数(EF)とジオアキュムレーション指数(Igeo)を用いて汚染度を定量化することを目的としていた。NAAによって総数11のREE(Ce、Dy、Eu、La、Lu、Nd、Sm、Tb、Th、U、Yb)が定量化された。その工業地域のREE汚染の可能性について評価するために、汚染度が計算された。
モンゴル
モンゴルにはまだ放射化分析用の中性子発生装置が存在しないが、モンゴル国立大学原子力研究センターには低放射能(4.76 × 106 n/s)のPu-Be中性子源がある。その中性子源は適切な条件のもとで移転されており、現在、研究のために調査されている。2025年、分析可能な元素としてMnが最も適切な元素として特定され、栄養補助食品や茶の試料中のその含有量が分析された。我々は複数の分析技術を用いてウランバートルの環境のモニタリングも続けている。
タイ
2025年、誘導結合プラズマ(ICP)を用いた分析法、蛍光X線分析(XRF)法及びINAA法による地質試料と植物試料の元素分析が実施された。ICPベースの分析やXRFのような従来型の手法は定量において一定の限界を示すことが多いが、INAAは、植物試料の分析で、特にNa、K 、Ca、Mg、Mnに関してより高速でより信頼性の高い代替手段を提供する。しかし我々のINAA法については、依然としてさらなる改善が必要とされる。
ベトナム
メコンデルタの農地土壌中の重金属が人間の健康に及ぼす影響に関する研究では、依然としてNAAが使用されている。それに加えて、重金属に汚染された土壌の、観賞植物、特にコリウスやペチュニアによるファイトレメディエーション(植物による環境修復)についても予備研究による評価が行われた。事前に、ベンフォードの法則の理論モデルを用いて熱中性子捕獲断面積が計算された。その計算は元素決定に関するNAAの精度を高める上で極めて重要である。
NAA-2:共同分析
(i) 発表
NAA-2セッションは共同分析をテーマとした。NAAグループは昨年のワークショップで、3種類の試料についての共同分析を実施することで合意した。共同分析セッションでは、3種類の堆積岩と4種類の火山岩に関する結果についての議論が行われた。9月10日(2日目)の午前と午後前半のセッションでは、各国が実施した共同分析の結果が国別報告の形で発表された。その概要は以下のとおりである。
バングラデシュ
7つの試料がNAA法によって分析された。試料1(JSd-1)、試料3(JSd-3)、試料11(Jb-1b)、試料12(JA-1a)では、正規化された値から、Ti、Dy、Yb、その他少数の元素を除くすべての測定対象の元素の元素存在度が、認証値と±10%の範囲で一致していることが明らかになった。試料2(JSd-2)及び試料14(JSO-1)については、一定の元素を除き、元素存在度が認証値と±15%の範囲で一致していた。一方、試料13(JSd-4)ではより幅広い変動が見られ、やはりいくつかの元素を除き、認証値との一致が±20%の範囲に維持された。
インドネシア
バンドンとスルポンの研究所が7つの地質試料に関するFNCA技能試験に参加した。米国国立標準技術研究所(NIST)の標準参照物質(SRM)2711a「モンタナの土壌」と2704「バッファロー川の堆積物」を用いて分析法の認証が実施された。分析結果は概ね文献/認証値と一致していた。ただし、いくつかの元素については、さらなる評価と改善が必要とされる。
日本
JSd-1、JSd-2、JSd-3、JB-1b、JA-1a、JSd-4、及びJSO-1について決定された元素の数は、それぞれ33、36、37、33、33、37及び 37であった。Se-75、Sb-122、Au-198のピークは、それぞれTa-182、As-76、Eu-152のスペクトル干渉の影響を受けていた。それらの補正が行われた。JSd-4におけるTa、W、Auについては不均一性が観察された。JSd-4を標準試料として使用する際には注意が必要である。
カザフスタン
2025年、FNCA研究炉利用共同プロジェクトの一環として提供された組成未知の堆積物試料が、INAA法による元素分析のためにIVG.1M研究炉において照射された。この研究の主要目的は、日本が提供した堆積物盲検試料の元素組成をINAA法によって決定することにあった。得られた分析結果はFNCA参加国における研究所間の比較に使用される。
マレーシア
マレーシアのNAA研究室は、共同分析のために7つの試料(試料1、試料2、試料3、試料11、試料12及び試料13)におけるNa、Mg、Al、Cl、K、Ca、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Zn、As、Br、Rb、Sb、Cs、Ba、La、Ce、Nd、Sm、Eu、Tb、Dy、Yb、Lu、Hf、Ta、Th、Uについて分析した。すべての試料中のそれらの元素の濃度をNISTのSRM「サンホアキン土壌」2709aと比較した。すべての試料中のすべての元素について計数統計が決定された。
モンゴル
モンゴルのグループはこの共同分析で、提供された試料中のMg、Al、K、Ca、Ti、V、Cr、Fe、Co、Ni、As、Rb、Y、Sr、Pbなどの元素についてXRF法によって決定し、Mnについては、モンゴル国立大学原子力研究センターに設置された低放射能中性子源Pu-Beを用いたNAA法によって決定した。
タイ
これらの試料の元素組成を分析するために使用された技術はINAAとポータブル蛍光X線分析計(pXRF)である。地質試料については、Ti、Na、Al、K、Caなどの一定の元素をINAAにより分析することが可能である。しかし、地質試料にはさまざまなマトリックスがあるので、適切な標準物質を選択することが必要であり、INAA技術では、適切な条件のさらなる最適化が依然として必要とされる。将来の研究では、誘導結合プラズマ(ICP)及び波長分散型蛍光X線分析装置(WD-XRF)の技術がこの研究に適用される予定である。
ベトナム
ベトナムは、土壌及び火成岩に関するFNCAのNAA技能試験に参加した。7つの試料が準備され、ダラト研究炉のチャンネル7-1及び回転式ラックにおいて中性子照射が行われた。短寿命核種及び長寿命核種の熱中性子フラックスはそれぞれ4.2x1012n.cm2.s-1及び3.8x1012 n.cm2.s-1であった。k0-NAA法によって約23〜28の元素が決定された。得られた結果が比較された。その結果は以前の研究のデータとよく一致している。
(ii) 討論
9月10日の午後後半から翌日9月11日の午前まで、共同分析の結果に関する包括的議論が行われた。2024年のワークショップでは、2025年の6月までに共同分析の結果が各参加国より提出されることが合意された。収集したデータについての多面的なレビューが報告され、その後、協力的分析の結果を学術論文にまとめるという目的のもとで自由討論が行われた。共同分析のもう1つの目的である分析技術の改善に関しては、誤った分析値のいくつかの原因が特定され、解決策が確認された。そのことは将来の分析値の信頼性改善に寄与するものと期待される。
2)非NAAグループ
RI-1: 国別報告:新規放射性同位元素(RI)を含むRI製造及び新規施設
バングラデシュ
バングラデシュにおけるRIの需要及び供給能力が示された。主要な製品は1) Mo-99/Tc-99m、2) I-131ヨウ化ナトリウム経口液剤、及び3) I-131カプセルである。Tc-99mは診断用に使用されている。核医学診断手技の80%以上がTc-99mに依存しているからである。RI生産部門(RIPD)におけるTc-99mジェネレータの生産率は週当たり30台である。他方、I-131は診断と治療の両方に使用されている。RIPDによる I-131の生産率は週当たり3 Ci(経口液剤)である。RIPDは、上記のRIに対する現地の需要を満たすことで、輸入を完全に現地の製品で代替することが可能である。
中国
医療用RIは疾病の診断に不可欠なものであるが、現在の原子炉が供給しているのは国内需要の20%未満である。安定供給を確保するため、政府の2021〜2035年の計画では、1〜2基のRI専用原子炉を建設し、新規RI(例えばTb-161、 Ho-166、Y-90)を開発し、定期安全レビュー(PSR)を通じて原子炉寿命を延長することが求められている。2035年までに、RI及び放射性医薬品の供給が健康上のニーズを満たすことが期待されている。この計画はオープンな共有も促進しており、それによって国際的な照射プラットフォームが生み出され、原子力研究及び高度技術における協力が促進される。
インドネシア
インドネシアの多目的研究炉G.A. Siwabessy(RSG GAS)の中性子散乱研究室は、3台の中性子分光器、3台の中性子回折装置、及び1台の中性子ラジオグラフィ装置からなっている。2025年は、原子炉燃料を効率的に使用するために運転頻度を少なくし、主に出力5 MWでの運転を行っている。ユーザーには国内及び国際的な協力者が含まれる。RIに関しては研究目的の製品がいくつかあり、I-131、Mo-99、Tc-99m、Sm-153、Lu-177、Ho-166、S-35、Au-198、Sc-46が含まれる。
日本
日本では、2022年より「医療用等ラジオアイソトープ製造・利用推進アクションプラン」(原子力委員会)を継続しており、中性子捕捉法によるMo-99の製造に取り組んでいる。また、2024年よりLu-177の製造にも取り組んでいる。さらに、高い冷中性子フラックスを得るための冷中性子源装置(CNS)容器の開発及び交換にかかる検討に取り組んでいる。
カザフスタン
2025年、カザフスタンの核物理研究所では、Lu-177(直接反応と間接反応)及びSm-153という2種類の放射性医薬品の製造に向けた研究開発が続けられた。Mo-99/Tc-99m及びI-131の放射性医薬品は連続生産が続けられ、その後に国内市場に出荷された。必要なRIはWWR-K研究炉で製造されている。
マレーシア
PUSPATI TRIGA原子炉は、中性子科学研究、元素・材料分析、及び教育・トレーニング活動を支援するように設計されたさまざまな照射設備を備えている。それに加えて、同原子炉は医療及び産業の用途に限定した範囲でRIを製造する能力も備えている。
モンゴル
モンゴルでは、国際機関、特にIAEAの支援のもとで核医学が徐々に進歩してきた。診断と治療の両方を目的とするいくつかの重要RIが使用されてきた。Tc-99mは、心臓CTスキャンや骨スキャンのような画像診断で最もよく使用されるRIである。I-131は甲状腺疾患の診断と治療に適用されており、Re-188は肝臓がんや関節障害の治療に使用されている。Co-60は以前から放射線治療に使用されてきた。
タイ
タイは、主にTRR-1/M1研究炉(例えばSm-153)や陽電子放出断層撮影(PET)用RI(F-18、C-11、Ga-68)ための大学、病院及び新規国立施設における複数のサイクロトロンを通じて、医療用RIを製造している。照射、加工、及び販売を管理するタイ原子力技術研究所(TINT)は現在、オンガラック原子力研究センター(ONRC)多目的研究炉を開発中である。TRR-1/M1の老朽化で製造能力が限定される中、RIの長期供給を確保するためには新規研究炉・新規サイクロトロンのプロジェクトが不可欠であり、FNCAは研修、技術共有及び協力的研究開発を通じて地域的支援を行っている。
ベトナム
公称容量500 kWのダラト原子炉はベトナムで唯一の原子炉である。1984年3月から現在に至るまで運転・利用されている。2025年8月末現在、同原子炉の総運転時間は約64,200時間で、年間平均1,500時間の安全かつ効率的な運転が行われている。原子炉の運転時間の90%以上はRIの研究及び製造に利用されてきた。運転中、同原子炉は医療向けのさまざまなRI及び放射性医薬品の研究・製造に利用されてきた。ダラト原子炉は、I-131液剤、I-131カプセル、P-32、Tc-99mジェネレータ及び標識試薬(MDP、DTPA)などの医療に使用されるRIを約21,300 Ci供給し、ベトナムにおける核医学の発展に寄与した。
RI-2:新規研究炉
バングラデシュ
この報告は、各研究施設についてのフィージビリティスタディ報告書(FSR)、戦略的計画報告書(SPR)、サイト評価報告書(SER)、技術仕様書の作成の完了を通じて、新規高出力研究炉に必要な施設・研究室の技術設計仕様について説明している。提案されている研究炉は、ルプール原子力発電所の運転及び保守を担当する熟練した人員を生み出すことに大きく寄与するだろう。またそれは国内の原子力技術の基礎研究と適用においても重要な役割を果たしている。
中国
中国は、高温ガス炉や溶融塩炉のような次世代技術を通じて小型モジュール炉(SMR)の開発を進展させており、その一方で、地域熱供給、脱塩、水素製造のような電気に関係しない用途についても調査している。世界初の多目的SMRである玲龍1号(Linglong-1)プロジェクトは、2024年から2025年の間に重要マイルストーンを達成した。それに加えて、新規研究炉で医療用RI製造を支援することも承認された。
インドネシア
インドネシアの多目的研究炉G.A. Siwabessy(RSG GAS)とそれを支援する研究施設の再生プログラムが発表された。そのプログラムの主要目的は、原子炉ベースのRI及び放射性医薬品(RIRP)の生産量を引き上げることにある。そのプログラムは、除染及び放射性廃棄物管理、RSG GASの再生、燃料成形加工の再生、RIPRの製造、RI製造・加工施設の設計と再生、及び高温ガス炉(HTGR)PeLUt-40 の設計開発からなる。
日本
日本原子力研究開発機構、京都大学及び福井大学は、現在、「もんじゅ」のサイトに熱出力10 MWを上限とした新試験研究炉の設置に協力して取り組んでいる。ここでは、同新試験研究炉プロジェクト計画の現状について紹介した。
カザフスタン
核物理研究所も、新規多目的研究炉の開発及び建設の必要性に関する予備フィージビリティスタディを開始した。新規研究プロジェクトの必要性についての理論的根拠がまとめられる過程にあり、ステークホルダーとの会談が実施されている。すべての活動がマイルストーンアプローチ(IAEAの提案)によって実施されている。
マレーシア
継続的改善に対する強力なコミットメントに支えられてTRIGA PUSPATI原子炉(RTP)に効果的な運転・保守慣行が実装されたことにより、老朽化関連の課題の軽減が成功した。より多くの多様で高度な用途での原子炉ベースのサービスの需要が高まっていることを考えると、新規研究炉プログラムの確立は将来、戦略的優先事項となるものと予想される。
タイ
タイは、TRR-1/M1に代わってRI製造を行い、中性子科学と産業の用途を進化させるための出力10〜20 MWの多目的研究炉を開発中である。このプロジェクトはIAEAのマイルストーン1から2へと進捗しつつあり、フィージビリティスタディと人材育成計画が完了した。一方、調達、廃棄物管理、統合マネジメントシステムのコンプライアンスの作業は継続されている。課題には、長期燃料・放射性廃棄物戦略、ベンダーの認定、熟練した労働力の保持、及び持続的な資金調達がある。FNCAは、技術教育、設計情報の交換、人材育成、地域協力を通じて支援を行っている。
ベトナム
ベトナムは、出力10 MWの多目的研究炉を主要設備とする原子力科学技術センターの建設を計画した。その原子炉は出力15 MWまでアップグレードすることが可能である。同センターの主要目的は、保健、農業、工業、環境保護の分野におけるベトナムの社会経済的発展に役立つとともに、ベトナムの原子力開発プログラムにも寄与するように、研究炉の研究及び適用の能力を強化することにある。
総括セッション
1. 本フェーズ(2024〜2026年)におけるRRUプロジェクトでは、次のトピックについて考察する。
a. 中性子放射化分析(NAA)
b. 新規放射性同位元素を含む放射性同位元素製造及び新規施設
c. 新規研究炉
d. 研究炉利用
- 中性子散乱
- 材料研究
- ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)
- 中性子ラジオグラフィ(NR)
- 戦略的計画と協力
- 使用済み燃料管理
e. 人材育成
f. 研究炉の老朽化問題
2. 現フェーズ2年目のワークショップとして活発な議論が行われた。NAAグループは、引き続き広義の環境試料の分析を行い、得られた結果について報告した。それに加えて、同じ試料についての協同分析の結果が持ち寄られ、得られたデータに基づく論文執筆に向けた討論が行われた。非NAAグループでは、参加している数ヵ国が、老朽化しつつある設備の交換、RI製造の促進及び原子核科学の推進のために、研究炉の建設計画又はアップグレードを進めていることが確認された。日本、ベトナム、中国、インドネシアでは大規模なプロジェクトが進行中である。また、参加国は、原子炉の建設又はアップグレードと協力の強化によって、高まるRI需要を満たすことを目指している。RI製造を最適化するために原子炉と加速器を結び付けることが推奨されている。
3. 2026年度のワークショップはインドネシアで開催されることで合意した。
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