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炭素循環研究のための土壌採取、処理、炭素同位体分析の実践ガイド

ワークショップ

2019年度 FNCA 気候変動科学プロジェクトワークショップ

FNCA2019気候変動科学ワークショップ
概要

2019年10月7日-10日
京都・敦賀、日本


グループ写真1

【ワークショップ】

2019年度FNCA気候変動科学ワークショップは、2019年10月7日から10日にかけて開催された。

ワークショップの前半である10月7日から9日までのセッションは京都において開催され、和田智明コーディネーター及び永井晴康プロジェクトリーダーによって開会された。

ワークショップではすべての参加国に対し、自国のプロジェクト計画に照らした研究進捗状況を発表する機会が与えられた。ビザの問題により、中国は今回のワークショップには参加できなかった。カザフスタンとモンゴルは、自国の概要を示し、さらに詳細なプロジェクト計画を発表した。

各国による国別報告の後、それぞれの国における全体的な進捗状況、機器への依存度、分析、及び施設に関する議論が行われた。今後の進展のために必要とされる支援の種類とそのレベルについて、各国は要約した。計画、支援レベル、及び情報共有について合意が形成された。また、新しい環境変化、食品の産地調査・食品安全に関するプロジェクトの可能性についても議論を行った。各国は現在の国内活動の概要またはこの話題に関する関心を発表することを求められた。この計画は2019年中にさらに煮詰め、2020年初頭のFNCAコーディネーター会合に提示される予定である。

年縞博物館の写真

続くセッションのためにグループは10月9日、敦賀に移動した。10月10日に、若狭湾エネルギー研究センターにおいて、「FNCA気候変動科学公開セミナー」が開催された。日本、インドネシア、フィリピン、オーストラリアの代表が、気候変動研究に対する、原子力技術の応用に関する概要を発表した。その後、水月湖畔の福井県年縞博物館に移動した。立命館大学の中川毅教授によるガイドツアーの下、ワークショップ参加者は博物館を見学した。

グループ写真2

【議論】

カザフスタンとモンゴルにおける気候プロジェクトの開始に関して、議論が行われた。各国間の長い議論と交渉後、両国は土壌有機炭素に関する小規模なパイロット研究を立ち上げることが合意された。両国は、日本から実地調査及び試料採取についてのプロトコルを受け取るとともに、安定同位体と放射性炭素の試料分析及び技術支援を受ける。両国家プロジェクトはパイロット研究であり、(当初は)多数の分析対象試料を含まない。次回ワークショップでの報告に間に合うように、出来るだけ早く現地サイトを特定し、試料を日本に送付することが合意された。

各国間における、情報共有に関して、良好な議論が行われた。下記の話題は、PDF、プロトコル、手順、またはリストの形式でグループと共有される。

  • 試料採取に関するガイドライン:土壌試料、及び気候変動アーカイブの試料抽出(日本とオーストラリアは2019年末までに提供)。
  • 試料前処理及び準備:日本は放射性炭素、安定同位体及び炭素分析、オーストラリアは微化石スライド調製、XRF試料調整を担当する。(日本とオーストラリアは2019年末までに提供)
  • オープンアクセス:自由なアクセスが可能なソフトウェア、衛星画像、及び画像解析ソフトウェアなどの一覧リスト。2020年初頭には共有出来るように、すべての加盟国は2019年末までに提出する。
  • データ解釈:2020年のフィリピンにおけるワークショップの一部は、データの解釈に特化される。適切な主任研究者によって、データ収集からデータ解釈、更には最終結論に至る科学的手法を、段階的に実演することが、求められる(2020年初頭に発表予定)。

【計画】

2020年以降の検討のために、FNCAに提出すべき新しいプロジェクト計画案の策定が進行中である。新しいプロジェクトには、環境変化、影響、及び食品安全が含まれる。

 


FNCA2019気候変動科学ワークショップ
プログラム

2019年10月7日-10日
京都・敦賀、日本


1日目(10月7日(月))

会場:京都私学会館

10:00

開会

  1. 歓迎挨拶−和田智明氏
  2. 歓迎挨拶−永井晴康氏
  3. 主導国代表挨拶:Prof. Hendrik Heijnis
  4. 記念撮影
10:30-11:00 休憩
11:00-11:30

ワークショップに関する説明

  1. 参加者自己紹介
  2. 事務局による説明
11:30-12:30 原子力・同位体技術による研究のハイライト等、プロジェクト計画の進捗状況に関する国別報告
12:30-13:30 昼食
13:30-15:00 原子力・同位体技術による研究のハイライト等、プロジェクト計画の進捗状況に関する国別報告(続き)
15:00-15:30 休憩
15:30-17:00 原子力・同位体技術による研究のハイライト等、プロジェクト計画の進捗状況に関する国別報告(続き)

2日目(10月8日(火))

会場:京都私学会館

9:30-10:00 原子力・同位体技術による研究のハイライト等、プロジェクト計画の進捗状況に関する国別報告(続き)
10:00-10:30 休憩
10:30-11:00 原子力・同位体技術による研究のハイライト等、プロジェクト計画の進捗状況に関する国別報告(続き)
11:00-11:30 「加速器質量分析装置による自然アーカイブの放射性核種分析−人新世の地球科学−」:東京大学松崎浩之教授
11:30-12:00 国別報告と国際協力及び将来の方向性に関する議論:ワークプラン及び2020年以降の協力体制の構築について
12:00-13:00 昼食
13:00-14:00 国別報告と国際協力及び将来の方向性に関する議論(続き)
14:00-14:30 休憩

3日目(10月9日(水))

会場:京都私学会館

9:00-10:00 議事録作成、今後期待される成果とスケジュール、来年度ワークショップ開催地に関する決定
10:00-10:30 休憩
10:30-11:30 議事録作成、今後期待される成果とスケジュール、来年度ワークショップ開催地に関する決定(続き)
11:30- 昼食、敦賀へ移動

4日目(10月10日(木))

会場:若狭湾エネルギー研究センター、福井県年縞博物館

10:00-11:10

FNCA気候変動科学オープンセミナー

  1. 文部科学省及び福井県による開会挨拶
  2. 南極海における気候変動研究:オーストラリア
  3. マングローブ林における炭素貯蔵の解明:インドネシア
  4. サンゴの分析による海洋環境の変動の復元:フィリピン
  5. 土壌の炭素貯蔵と気候変動への応答の解明
12:00-13:00 昼食
13:00-14:00 福井県年縞博物館へ移動
14:00-15:00 福井県年縞博物館訪問
 

FNCA2019気候変動科学ワークショップ
参加者リスト

2019年10月7日-10日
京都・敦賀、日本


オーストラリア

Prof. Henk HEIJNIS
Leader Environment, ANSTO Environment
Australian Nuclear Science and Technology Organisation (ANSTO)

バングラデシュ

Dr. Mohammad Amirul ISLAM
Principal Scientific Officer, Reactor and Neutron Physics Division, INST, AERE, Savar
Bangladesh Atomic Energy Commission (BAEC)

インドネシア

Dr. Ali Arman LUBIS
Center for Isotopes and Radiation Application (CIRA)
National Nuclear Energy Agency (BATAN)

カザフスタン

Ms. Oxana LYAKHOVA
Head of Department for Development of Environmental Monitoring System
National Nuclear Center (NNC) of Kazakhstan

マレーシア

Prof. Fatimah Binti Md YUSOFF
Department of Agriculture, Faculty of Agriculture
University Putra Malaysia

モンゴル

Ms. Sarantuya GANJUUR
Director of Information and Research Institute of Meteorology, Hydrology and Environment
Ministry of Environment and Tourism

フィリピン

Dr. Angel T. BAUTISTA VII
Science Research Specialist
Nuclear Analytical Techniques Application Section
Philippine Nuclear Research Institute (PNRI)

タイ

Dr. Sasiphan KHAWEERAT
Nuclear Scientist
Nuclear Research and Development Division
Thailand Institute of Nuclear Technology, Thailand (TINT)

ベトナム

Mr. BUI Dac Dung
Vietnam Atomic Energy Institute (VINATOM)

日本

Dr. NAGAI Haruyasu
Division Head, Environmental and Radiation Sciences Division
Nuclear Science and Engineering Center
Japan Atomic Energy Agency (JAEA)"

Dr. MATSUZAKI Hiroyuki
Head, Professor
Micro Analysis Laboratory, Tandem accelerator (MALT)
The University Museum
The University of Tokyo

Dr. LIANG Naishen
Header of Global Carbon Cycle Research Section
Center for Global Environmental Research (CGER)
National Institute for Environmental Studies (NIES)

Mr. WADA Tomoaki
FNCA Coordinator of Japan

Dr. NAMBA Hideki
FNCA Advisor of Japan

Dr. IDE Taro
Ministry of Education, Culture, Sports, Science and Technology (MEXT)

Mr. TANNO Yusuke
Ministry of Education, Culture, Sports, Science and Technology (MEXT)

Ms. TANAKA Fumiyo
Ministry of Education, Culture, Sports, Science and Technology (MEXT)



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