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放射線加工・高分子改質 ワークショップ

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ワークショップ

FNCA 2002 電子加速器利用ワークショップ

2002年度ワークショップ



一堂に会したワークショップの参加者
 2002年のFNCA電子加速器利用ワークショップは、2002年12月16日から20日にかけて、文部科学省の主催により、群馬県高崎市の日本原子力研究所高崎研究所で開催されました。
同ワークショップには、FNCA参加国から電子加速器利用の専門家、中国(1名)、インドネシア(3名)、韓国(1名)、マレーシア(1名)、フィリピン(2名)、タイ(2名)、ベトナム(2名)と15名の日本人が出席したほか、韓国からの排水電子線処理の専門家が招待講演を行いました。
FNCA低エネルギー電子加速器プロジェクトは、応用範囲が広く、安全性・経済性に優れた低エネルギー電子線照射システムを用いる新しい技術を開発し、その有用性を実証することを目的としており、2002年度ワークショップは、「液体試料照射システム」をテーマとし、液体試料の電子線照射システムの実証試験、展望、設計およびコスト分析などについて意見が交わされました。
円卓会議では、本プロジェクトの作業計画について議論され、排煙、ダイオキシンなどのガス処理および水の浄化(排水と飲料水)をこの協力計画に含めることが承認されました。
ワークショップで、FNCA参加国が低エネルギー電子加速器を導入できるように努力するとともに、電子加速器を保有しない国が他の加盟国の加速器を利用できるようにすべきであると勧告されましたが、中国、インドネシア、日本、韓国、マレーシアなどの低エネルギー加速器保有国は、自国の加速器をプロジェクトのために使用することに同意しました。(各国の低エネルギー電子線照射施設およびガンマ線照射施設)とくに、日本では、岩崎電気M、日新ハイボルテージ(株)、EB-Tech(株)などの企業も、本プロジェクトへの施設提供の可能性を表明しました。  
また、ワークショップでは、低エネルギー加速器を用いたキトサン溶液の放射線分解のデモンストレーションが行われ、低エネルギー加速器を用いた揮発性有機物質(VOC)の処理実験研究室を訪問しました。 さらに、排煙処理について荏原製作所(株)およびソフトエレクトロンを用いる穀物の殺菌処理について日新ハイボルテージMから、それぞれビデオテープによる紹介がありました。 
ワークショップでは、東洋インクMおよび岩崎電気Mの工場をテクニカルツアーとして訪問した。
なお、2004年度のワークショップは、ハイドロゲル、膜、包装用フィルムなどを含む「フィルム」をテーマとして、マレーシア原子力研究所(MINT)またはクアラルンプール市内で開催される予定です。

FNCA2002電子加速器利用ワークショップ
―液体試料照射システム―
議事録(仮訳)

高崎 2002年12月16-20日

2002年12月20日
 
 このワークショップは、文部科学省の主催により日本原子力研究所高崎研究所で開催された。ワークショップの主題は、アジア原子力協力(FNCA)プロジェクト参加各国の電子加速器利用の現状を分析し、具体的な協力のプログラムを改定することであった。
ワークショップには参加各国から電子加速器利用の専門家、中国(1名)、インドネシア(3名)、韓国(1名)、マレーシア(1名)、フィリピン(2名)、タイ(2名)、ベトナム(2名)と15名の日本人が出席した。また、韓国からの排水電子線処理の専門家が、招待講演を行った。付属書1は参加者名簿である。
今回は、FNCAプロジェクトの電子加速器利用第2回ワークショップである。
このプロジェクトの主要目的は、多様な応用範囲と安全性に優れた低エネルギー電子線照射システムを用いる新しい技術を開発し、その有用性を実証することである。2002年度ワークショップの主題は、液体試料照射システムであり、液体試料の電子線照射システムの実証試験、展望、設計およびコスト分析である。
電子加速器利用、特に液体試料照射システムについて、参加各国から合計18の論文が報告された。ワークショップのプログラムを付属書2に示した。会議では、放射線プロセスや液体試料の低エネルギー電子加速器の利用についての討議、情報および意見の交換が行われた。いくつかの参加国からは、ガス処理についての提案があった。
参加各国から低エネルギー電子加速器の利用についての協力の提案があった(付属書3)。
ワークショップ4日目の円卓会議では、FNCA協力計画の具体案について討議が行われ、改定された。2002年3月の第3回FNCAコーディネーター会議における2004年度までの3カ年計画立案の勧告に基づき、電子加速器利用プロジェクトのワークプランは付属書4のように改定、承認された。排煙、ダイオキシンなどのガス処理および水の浄化(排水と飲料水)をこの協力計画に含めることが承認された。この改定により、2004年度のワークショップは2つの選択肢を持つこととなった。ガス処理(ワークショップを中国で開催)、または水処理(ワークショップを韓国で開催)の2選択肢である。先に提案されていた粉体をテーマとするワークショップは延期されることとなった。全体の枠組みが最終決定される次回の(第4回)コーディネーター会議に先立って、参加各国は、2003年2月末日までにどちらを選択するか、日本のプロジェクトリーダーである久米氏に連絡することとなった。
FNCA参加各国が関心を持つ主要分野は、低エネルギー加速器の液体、フィルム、粉体及びガスへの応用であることが明らかとなった。 FNCAプロジェクトの協力の基本は、研究協力の形である。 中国、インドネシア、日本、韓国、マレーシアなどの低エネルギー加速器保有国は、自国の加速器をプロジェクトのために使用することに同意した。 岩崎電気M、日新ハイボルテージM、EB-TechMは、プロジェクトへの施設提供の可能性を表明した。 ワークショップは、FNCA参加各国が低エネルギー加速器を導入できるように努力するとともに、電子加速器を持たない国が他の加盟国の加速器を利用できるようにすべきであると勧告した。 
低エネルギー加速器を用いたキトサン溶液の放射線分解のデモンストレーションが行われ、低エネルギー加速器を用いた揮発性有機物質(VOC)の処理実験研究室を訪問した。 排煙処理について荏原製作所Mおよびソフトエレクトロンを用いる穀物の殺菌処理について日新ハイボルテージMから、それぞれビデオテープによる紹介があった。 
ワークショップ参加者は、東洋インクM及び岩崎電気Mの工場を訪問した。 超低エネルギー電子管や粒体のソフトエレクトロン照射装置などの様々な電子加速器や工業利用法が印象的であった。
ワークショップの議事録の討議が行われ、全参加者により採択された。 この議事録は、 2003年3月に東京又は沖縄で開催される第4回FNCAコーディネーター会議に報告される。
ハイドロゲル、膜、包装用フィルムなどを含むフィルムについての電子加速器利用の次回ワークショップは、マレーシア原子力研究所(MINT)またはクアラルンプール市内で2003年8月下旬か9月に開催される。
ワークショップ参加者は、主催者および開催研究所の会議の準備と運営ならびに受入れにたいしに感謝の意を表明した。
付属書1.1 FNCA2002年度電子加速器利用ワークショップ参加者名簿(英文)
付属書1.2 同ワークショップ日本人参加者名簿(和文)
付属書2.1 同ワークショッププログラム(和文)
付属書2.2 同ワークショッププログラム(英文)
付属書 3 FNCA参加国の提案(英文)
付属書4.1 電子加速器利用FNCAプロジェクト・ワークプラン(和文)
付属書4.2 同ワークプラン(英文)

FNCA 2002電子加速器利用ワークショップ
−液体試料照射システム−
プログラム


日 時 2002年12月16日(月)〜 20日(金)
場 所 日本原子力研究所高崎研究所
ベンチャー棟大会議室
 
●12月16日(月)
 
<セッション1 > 開会
09:30−12:00 挨拶
数土 幸夫(原研高崎研 所長)
プロジェクト概況説明 竹内 新也(文部科学省 企画官)
町 末男(FNCAコーディネーター)
久米 民和(原研)
招待講演: 廃水処理プラント Bumsoo HAN(EB-TECH Co., Ltd)
12:00-13:30 昼 食
<セッション2 > カントリーレポート(液体試料照射)
13:30-17:30 中国
インドネシア
韓国
フィリピン
タイ
マレーシア
ベトナム
日本
12:00-13:30 レセプション
 
●12月17日(火)
 
<セッション3> 電子加速器利用の新分野
09:00-12:00 放射線プロセス用新型電子加速器
須永 博美(原研)
電子線を用いた殺虫処理
林 徹 (国際農林水産業研究センター)
水中の内分泌かく乱物質の放射線処理
田口 光正(原研)
ビスコースレーヨン及びポリサッカライドの誘導体
工藤 久明(東京大学)
12:00-13:30 昼 食
<セッション4>電子線照射デモンストレーション
13:30-17:30 低エネルギー電子線照射システム
1. 液体試料の照射
2. 揮発性有機物ガス(VOC)の処理
3. 穀物の殺菌システム、ビデオ (日新電機M)
4. 排煙処理、ビデオ (荏原製作所M)
 
●12月18日(水)
 
施設見学
08:30-12:00 高分子材料の表面改質装置
(東洋インキM、板橋区十条)
12:00-13:30 昼 食
15:30-16:30 種子照射システム
(岩崎電気M 行田市)
 
●12月19日(木)
 
09:00-09:30 FNCAの活動現況報告
町 末男(FNCAコーディネーター)
</tr>
<セッション5> 経済性の検討
09:30-12:00 放射線加硫のコスト評価
幕内 恵三 (イービーシステム(株))
電子加速器照射システムのコスト評価
柏木 正之(日新ハイボルテージ(株))
フィルム照射システムのコスト分析
越智 雅文(岩崎電気(株))
12:00-13:30 昼 食
<セッション6 > 各国からの提案
13:30-16:00 中国
インドネシア
韓国
フィリピン
タイ
マレーシア
ベトナム
<セッション7 > 全体討議及びまとめ
16:00-17:30 全体討議
次年度計画
 
● 12月20日(金)
 
09:00-12:00 議事録草案の審議
議事録採択
閉会

Forum for Nuclear Cooperation in Asia