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放射線加工・高分子改質 ワークショップ

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(PDF)
オリゴキトサンのイネと唐辛子への利用に関するガイドライン(PDF)

ワークショップ

FNCA 2013 電子加速器利用ワークショップ

FNCA2013 電子加速器利用プロジェクトワークショップ
-天然高分子の放射線加工-
概要

2013年10月29日〜11月1日
マレーシア、カジャン


 2013年度の電子加速器利用ワークショップは、2013年10月29日〜11月1日の4日間、マレーシアのカジャン市において開催されました。本ワークショップへは、FNCA9ヵ国からの参加者に加え、国際原子力機関/原子力科学技術に関する研究、開発及び訓練のための地域協力協定(IAEA/RCA) 加盟国の、ミャンマーとパキスタンからも1名ずつ参加があり、発表及び討議が行われました。
 初日に、持続可能な開発のための放射線加工の利用に関するオープンセミナーが開催され、研究機関、農業および産業界から約40名がセミナーに参加しました。文部科学省研究開発局研究開発戦略官(核融合・原子力国際協力担当)付調査員の青木萌氏とFNCA日本コーディネーターの町末男氏の開会挨拶の後、マレーシア原子力庁副長官の Muhd Noor Muhd Yunus氏から歓迎の挨拶がありました。その後、6名の参加者が発表を行いました。また、展示会も同時に開催され、ハイドロゲル創傷被覆材や植物生長促進剤等、各国において商業化された製品が陳列されました。

 2日目に各国は放射線加工による植物生長促進剤(PGP)・エリシターの作製とフィールド試験に関するカントリーレポ−トを発表しました。参加国は、質量増加、植物への耐病性、養殖業における感染症の予防の観点から、キトサンやカラギーナン由来のPGPの結果について情報を共有しました。PGPは収量の増加に効果をもたらしたことが確認され、とりわけ発病抑制というエリシター効果は商業化への大きな利点となることが強調されました。PGP性能フィールド試験結果に関するセッションでは、参加国のこれまで経験から、キトサンの溶液への照射による分解工程は、個体の場合と比較して効率的であることが確認されました。イネと唐辛子を含むさまざまな作物へのPGPの利用に関するガイドラインの作成に関するセッションでは、土壌の条件や作物の種類、成長段階、キトサンの分子量、キトサンの濃度、散布の頻度等多くのパラメーターがPGPの試験結果に重要な影響を与えることが認識されました。

 3日目のPGPの商業化利用へ向けた戦略と2013年〜2015年の計画に関するセッションでは、 関心が高い特定の植物について、成長促進剤やエリシター効果の観点からオリゴキトサンの分子量を調査すること等が提案されました。その後、FNCA参加9ヵ国およびIAEA/RCAの2ヵ国が、SWAの研究活動に関するカントリーレポートについて報告を行いました。SWAは植物の発芽や成長を促進するのに効果的であると結論付けられ、PGPの徐放機能や、化学肥料、バイオ肥料、栄養分等を併せ持つ付加価値のあるSWAを開発することにより、商業化への可能性を高めることができることが強調されました。続くSWAのフィールド試験結果と、商業利用へ向けた戦略、および2013年〜2015年のワークプランのセッションでは、乾燥地帯における農業研究機関や農家のコミュニティのような他の機関等と連携を図ることが推奨されました。

 4日目に、参加者は放射線加工に関するFNCAプロジェクトとIAEA/RCAプロジェクトの連携について討議を行いました。FNCAとIAEA/RCAを担当する研究グループは1つのチームから構成され、両者の知見を共有することは有益であることから、今後も協力を継続することが合意されました。その後、ワークショップ議事録案について検討され、討議の後に承認されました。ワークショップ終了後、マレーシア原子力庁へのテクニカルビジットが行われ、参加者は香辛料やココア等の産業利用に使用されているSIN AGAMA(ガンマ線照射)、フェースマスクのためのハイドロゲル生産やタイヤの照射等に利用されているAlutron (電子線照射)、大規模なオリゴキトサンの照射に使用されているRaymintex (液体用ガンマ線照射) 等マレーシア原子力庁が保有する放射線関連施設等を視察しました。



Forum for Nuclear Cooperation in Asia