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放射線治療

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医学利用に関連した用語の説明


  放射線療法
がんはウイルスや化学物質などの原因でDNA(遺伝子情報) で複製エラーが生じ、細胞が急激に増殖して正常組織の機能を阻害する病気だが、細胞レベルでみると、がん細胞と正常組織では放射線によるダメージからの回復能力が少しだけ異なる(がん細胞のほうが正常組織よりダメージを受けやすい)。たとえば、その回復の差を10%(がん細胞が100個回復すると正常細胞は110個回復する)とすれば、照射を50回繰り返すことで回復の差は100倍以上にもなる(がん細胞が100個回復する間に正常細胞は1万個以上も回復する)。放射線療法は、こうした放射線の生理学的作用を利用したがん治療法である。
クオリティ・オブ・ライフ
(QOL)
 全く健康である状態を最高、死亡を最低として、治療中または治療後の健康状態がその患者にとってどれだけ快適であるかを示す指標。「生命の質」と訳され、医療関係者の間では頭文字を取って QOLと呼ばれている。 放射線療法は、化学療法と比べて治療時の副作用も少なく、外科療法と比べて機能温存(乳がん治療での乳房温存など)がはかれるなど、QOLが高いがん治療法である。
子宮頸がん
子宮頸がんは子宮の腟に近い子宮頸部にできるがんで、アジア地域で女性の死亡原因の上位を占める。
「子宮頚がんの治療手順書」
一般に子宮頸がんの治療は、ライナック(エックス線)やコバルト60(ガンマ線)による外部照射と、密封小線源(セシウム137、コバルト60、イリジウム192線源)による遠隔照射(RALS)を併用して行われるが、その組み合わせ方はアジア各国の治療施設によって違いがあり、投与線量も統一されたものはなかった。
FNCA医学利用プロジェクトで作成された「子宮頚がんの治療手順書」は、アジア地域における共通の標準的治療法の確立を目的としたもので、これを使った臨床試験を実施したところ、評価可能患者数が210例で、5年生存率53.7%、局所制御率81.5%と大変良好な成績が得られた。
加速多分割照射療法  多分割加速照射法とは、照射期間を短縮化することで、正常細胞に与える放射線の影響をできるだけ抑え、がん細胞へのダメージをできるだけ大きくするように時間的線量配分を改善した照射のやり方。子宮頸がんでは、通常6週間かかる照射期間を5週間以内に短縮し、局所制御率の向上をはかる。
放射化学療法
局所療法である放射線治療と全身療法である化学療法(抗がん剤)を組み合わせたがんの治療法。放射線治療の対象なったがんでも、進行すると局所にとどまらず転移することがあるが、ごく小さいがん細胞ならば抗がん剤でその転移を抑制できるケースが多い。また、抗がん剤は局所療法である放射線治療の効果を増強することも明らかになっている。
上咽頭がん
上咽頭がんは、解剖学的に鼻腔のつきあたりで、口を開けた時に見える口蓋垂、および扁桃腺の上後方の部位に発生する悪性腫瘍。上咽頭がんは、日本では年間発生数が約500例と少ないが、台湾、中国南部、東南アジアなどの地域に多く発生している。男女比は3:1 で男性に多く、年齢的には40〜70歳代に多発している。


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