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放射線治療 ワークショップ

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ワークショップ

FNCA 2000 放射線治療ワークショップ

2000年度ワークショップ



 2001年1月16日(火)〜1月19日(金)にインドネシア・ジャカルタおよびジョクジャカルタで2000年の子宮頚がんの放射線治療ワークショップが開催された。 共催機関は、インドネシア原子力庁(BATAN)と文部科学省(MEXT)、協力を日本原子力産業会議(JAIF)が行った。
中国、インドネシア、韓国、日本、マレーシア、フィリピン、タイ、ベトナムの8ヵ国が参加した。
 
 

韓国のCho Chul-Koo氏の発表

チプトマングンクスモ病院で公開講座
 
報告・討議内容
1) 本ワークショップの基調テーマ
 
  1. 「子宮頚がん治療の放射線治療標準プロトコルの最初の協同臨床研究の取りまとめ」
  2. 「加速多分割照射プロトコルの治療成績評価」であり、これらについて詳細な議論が行われた。また、中期活動計画が見直しされた。
  2) 標準プロトコル治療の追跡
   現行の登録患者データ210症例の統計的解析結果は、局部治癒率、生存率とも良好な結果を示している。各国から、放射線治療の現状および標準プロトコル治療の登録患者追跡状況の報告が行われた。次に局部制御率、生存率などについて参加各国のデータの解析結果がデータセンターより報告された。
  標準治療プロトコルにしたがって治療された症例の晩期副作用の発生頻度について、追跡期間中の粘膜・直腸・膀胱・小腸の各臓器に、3度(臨床的もしくは患者の社会生活上看過しにくい程度)以上の副作用が出現した頻度が報告された。臓器別では、粘膜で4%、直腸で2%、膀胱で4%、小腸で1%であり、いずれも大体の目安とされる5%を下回っていた。
  国情に相違がある複数国の症例を単純に集積した場合、細かい集計解析に意味を持たせることは困難であり、5年の追跡期間終了を前にして、何らかの不幸な事象(局所再発、遠隔転移出現、死亡、副作用発現)が発生した症例をまず個別に検討し、それをもとに最終報告をまとめてはどうかとの提案があった。そのため、次回ワークショップまでに、各国参加者がそれぞれの症例を詳細に検討し、本グループとしての最終報告書作成を開始することになった。
 
  3) アジア地域における子宮頚がん治療における治療標準ガイドブック」
 

子宮頚がん治療における
治療標準ガイドブック(草案)
 インドネシアで開催された第6回ワークショップで合意された「アジア地域における子宮頚がん治療における治療標準ガイドブック(案)」の目的、方法、協同臨床研究結果などの関連情報の審議がなされ、表題、目次構成等の一部改訂で基本的に合意された。追加コメントの提出期限は、2001年2月第1週中とし、刊行することとなった。 アジア地域における子宮頚がん治療の進歩に貢献することが期待される。
 
  4) 加速多分割照射法について
   2000年から始まった局所進行性子宮頚がんの多分割加速照射法治療実績について、具体的な討議が行われた。これまで中国2例、インドネシア7例、日本11例、韓国10例、フィリピン9例、タイ9例、合計48例の登録があった。新規登録期間は、2003年まで延長することになった。
 患者の治療内容と急性反応と初期腫瘍照射効果の発表があった。治療中に起こる下痢などの急性反応がやや強い印象であったが、概ね治療終了可能であった。
 次いで登録患者の腫瘍データと治療内容のデータの確認が行われた。
 治療期間を5週間以内としていたが、どのくらい治療期間が延長した症例も含めるかについて話し合われ、前回の合意に基づき、1週間の延長を許すこととなった。
 また、照射中に放射線反応が強くなって予定の治療が完結できなかった症例の扱いを議論した。その結果、本治療法の臨床応用可能性をみるためにもそのような症例を除外すべきでないことが了解された。そして治療成績を解析する場合に科学的見地から分析に採用するかどうか考慮することが了解された。
 腔内照射の分割回数の相違や腔内照射線量は韓国がやや高めの線量であることが議論された。放射線障害が多くないことから前のプロトコールでも同様の線量域で治療していたこともあり、腔内照射の線量の過多は余り厳しく規制しないことが確認された。
 
  5) 中期計画
  中期活動計画が円卓会議で討議された。
 
  6) 公開講座
 

公開講座
 チプトマングンスクモ総合病院においてワークショップ参加者がインドネシア大学医学部の医者、上級学生などを対象に4件の講義を行い、活発な質疑が行われた。
 最新情報の普及、放射線腫瘍学の最新実績の利用促進、悪性腫瘍に対する放射線治療への貢献が期待される。
 
  7) 病院施設訪問
   ワ―クショップ終了後、チプトマングンクスモ総合病院、ダルマイスがん病院への施設訪問が行われた。さらにジョクジャカルタに移動し、サルジト総合病院を訪問した。インドネシア首都のトップレベルの病院の放射線腫瘍学の現状を理解する機会を得た。この訪問は、参加者がアジア地域の放射線治療の現状について共通認識をもつことが、アジア協力の重要な基盤であることから非常に有意義であった。
 
  8) IAEAの代表より放射線腫瘍学に関連したIAEAのRCA活動(原子力科学技術に関する研究、開発及び訓練のための地域協力協定)活動の紹介があった
   IAEA-RCA活動とFNCAの放射線腫瘍学に関する活動とが重複することなくお互いに補完し合う活動となっていることが認識された。

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