2023年度FNCA放射線治療プロジェクトワークショップ 議事録
2023年10月25日〜28日
日本、千葉・埼玉
(1) 第23回アジア原子力協力フォーラム(FNCA)コーディネーター会合の合意に従って、2023年度FNCA放射線治療ワークショップが2023年10月25日〜28日に日本の千葉及び埼玉において開催された。本ワークショップは、量子科学技術研究開発機構(QST)、埼玉医科大学(SMU)及び日本の文部科学省(MEXT)により共催されたものである。FNCA参加国である11ヵ国、すなわちバングラデシュ、中国、インドネシア、日本、カザフスタン、韓国、マレーシア、モンゴル、フィリピン、タイ及びベトナムの代表者が本ワークショップに参加した。
開会式
(2) 量子科学技術研究開発機構(QST)量子生命・医学部門QST病院治療診断部長である若月優氏が開会セッションの進行役を務めた。
文部科学省(MEXT)研究開発局研究開発戦略官(核融合・原子力国際協力担当)付の小畠亨司氏が挨拶し、参加者を歓迎した。
QST理事長の小安重夫氏が参加者に対し歓迎の挨拶を行った。
FNCA日本コーディネーターの玉田正男氏が開会の挨拶を行った。
FNCA日本アドバイザーの和田智明氏が開会の挨拶を行った。
放射線治療プロジェクトのプロジェクトリーダーである加藤眞吾氏が挨拶を行った。
(3) QST病院副病院長の石川仁氏が日本における粒子線治療の現状について特別講演を行った。
(4) 続いて個々の参加者が紹介された。
(5) アジェンダが採択され、セッション議長と書記が選出された。
セッション1:局所進行子宮頸がんに対する3次元画像誘導小線源治療(3D-IGBT)の前向き観察研究(CERVIX-V)
(6) 量子科学技術研究開発機構(QST)量子生命・医学部門QST病院治療診断部治療課医長である村田和俊氏がCervix-Vのプロトコールを紹介した。続いて、臨床データについて国別発表が行われた。
(7) 新たに登録された患者は15名であった。
目標患者登録数は100名である。2017年5月から2023年10年までの間に104名の患者がCervix-Vに登録された。このうち96名が適格であった。FNCA参加国からの患者登録数は、バングラデシュ2名、中国12名、インドネシア9名、日本13名、カザフスタン8名、韓国0名、モンゴル4名、マレーシア11名、フィリピン8名、タイ32名、ベトナム5名である。
Cervix-Vの予備解析として、追跡期間中央値27.7ヵ月となる患者82名についての解析が行われた。すべての患者が3D-IGBTの治療を受けた。うち31名では組織内照射を用いた治療が行われた。基準線量との比較では93%の患者がその線量を満たした。
毒性に関しては、グレード3の急性期血液毒性が21名(25%)の患者、グレード3の急性期非血液毒性が2名(2%)の患者に見られた。グレード4又は重度の急性期毒性は見られなかった。グレード3又は重度の晩期毒性はこれまでのところ見られなかった。
追跡期間中央値27.7ヵ月である患者の2年局所領域制御(LC)率、無増悪生存(PFS)率、全生存(OS)率は、それぞれ92%、73%、88%であった。局所領域再発が15名に生じ、うち8名は所属リンパ節での再発で7名は局所再発であった。
(8) 続いてCERVIX-Vについての議論が行われた。
-局所再発に関する討論が行われ、加藤眞吾氏と、バングラデシュ国立耳鼻咽喉研究所(ENT)放射線腫瘍科准教授(CC)であるA F M Kamal UDDIN氏が、局所再発を原発部位での再発と骨盤領域リンパ節での再発として層別化することが可能だとコメントした。群馬大学大学院医学系研究科腫瘍放射線学教授の大野達也氏が、大きな病変を対象とする組織内小線源治療の重要性についてコメントした。
-加藤眞吾氏が、Cervix-Vの目標患者数が達成されたので登録を終了することを発表した。全生存率データのために最低2年の追跡期間を設けることが推奨された。参加国による綿密な追跡調査が奨励された。
セッション2:3D-IGBTのための品質保証/品質管理(QA/QC)
(9) 量子科学技術研究開発機構(QST)量子生命・医学部門QST病院放射線品質管理室上席研究員である水野秀之氏が、2022年及び2023年におけるオンサイトの線量調査の結果を報告した。
報告の要約は以下の通りである。
-2ヵ国における3ヵ所の施設で画像誘導小線源治療(IGBT)のための線量調査が行われた。
-病院A及びBでは、ポイントA、膀胱、及び直腸の線量測定値が放射線治療計画装置(TPS)の計算値と許容範囲内で一致していた。
-それらの施設でアプリケータ・オフセット値が測定された。2ヵ所の施設で測定値と規定値の差が許容範囲を逸脱していた。オンサイト調査後に、病院スタッフがその値の再測定を行い、調査結果との整合性を確認し、値を修正した。
-すべての施設で線源強度測定値とTPSでの登録値が許容範囲内で一致していた。
-外部線量調査は参加国の放射線治療の品質改善に資する。
(10) 韓国原子力医学院(KIRAMS)放射線腫瘍科の主任医学物理士、そして主席研究員であるKIM Kum Bae氏が、その結果についてコメントした。
(11) 続いて議論が行われた。
セッション3:上咽頭がんに対する導入化学療法と同時併用化学放射線療法(CCRT)の第II相試験(NPC-III)
(12) 筑波大学医学医療系放射線腫瘍学講座講師である牧島弘和氏がNPC-IIIの臨床データ解析の要約を発表した。
本プロトコールには120名の患者が登録されている。国別の患者登録数はバングラデシュ1名、中国9名、インドネシア12名、日本0名、カザフスタン0名、韓国0名、マレーシア31名、モンゴル0名、フィリピン7名、タイ0名、ベトナム60名である。
本臨床試験の主要エンドポイントは3年全生存(OS)率と設定されている。患者登録は2019年に完了した。NPC-IIIの患者登録総数は120名である。登録されたすべての患者がすでに主要エンドポイント評価期間に達している。NPC-IIIをNPC-Iと比較すると、局所制御率は劣っていたが、全生存(OS)率は同等であった。最終解析にあたって欠落しているデータがいくつかある。
続いてNPC-IIIの臨床データに関する公開討論が行われた。
-大野達也氏が、NPC-Iの臨床試験に比べて局所再発率が高く、無増悪生存率が低くなっている理由を尋ねた。理由の1つに、NPC-Iの臨床試験では局所再発率が過小評価されていたということが考えられる。
-順天堂大学医学部放射線医学教室・放射線治療学講座先任准教授である小此木範之氏が、14日間にわたる放射線治療中断の原因の一部である「ヒューマンエラー」に関する説明を求めた。牧島弘和氏は、通信障害であったと説明した。
セッション4:乳がんに対する寡分割放射線療法の第II相試験(術後放射線療法(PMRT)及び全乳房照射(WBI)/BREAST-I)
(13) 東京女子医科大学放射線腫瘍学講座助教である河野佐和氏が、PMRT/BREAST-Iの臨床データ解析の要約を発表した。要約は以下の通りである。
2013年2月から2019年10月までの間に222名の患者が登録された。各国の患者登録数は、バングラデシュ84名、中国13名、インドネシア0名、日本15名、カザフスタン20名、韓国0名、マレーシア0名、モンゴル26名、フィリピン18名、タイ0名、ベトナム46名であった。1名を除く全員がプロトコールの治療を完了し、解析の対象となった。急性期有害事象は、皮膚のグレード1が62%、グレード2が10%、グレード3が5%、皮下組織のグレード1が16%、グレード2が2%、肺のグレード1が6%、心臓のグレード1が9%の患者に発生した。追跡期間は1〜119ヵ月で、その中央値は55ヵ月である。晩期有害事象は、皮膚のグレード1が42%、グレード2が1%、皮下組織のグレード1が16%、グレード2が2%、乳房のグレード1が5%、肺のグレード1が6%、心臓のグレード1が2%の患者に発生した。グレード3以上の晩期毒性は認められなかった。局所領域再発が7件、遠隔転移が33件、乳がんによる死亡が23件、併発性の死亡が9件あった。5年局所領域制御(LC)率、無増悪生存(PFS)率、全生存(OS)率は、それぞれ97.1%、81.7%、89.7%である。
(14) 河野佐和氏は次に、WBI/BREAST-Iの臨床データ解析の要約を発表した。要約は以下の通りである。
2013年2月から2018年10月までの間に227名の患者が登録された。各国の登録数は、バングラデシュ31名、中国6名、インドネシア16名、日本134名、カザフスタン14名、韓国9名、マレーシア0名、モンゴル3名、フィリピン0名、タイ14名、ベトナム0名であった。すべての患者(腫瘍228箇所)がプロトコールの治療を完了し、解析の対象となった。急性期有害事象は、皮膚のグレード1が80%、グレード2が11%、グレード3が2%、皮下組織のグレード1が11%、肺のグレード1が1%の患者に発生した。追跡期間は6〜125ヵ月で、その中央値は69ヵ月である。晩期有害事象は、皮膚のグレード1が21%、グレード2が1%、皮下組織のグレード1が10%、乳房のグレード1が9%、肺のグレード1が2%の患者に発生した。追跡期間が3年を超える患者の整容性は、優が148名、良が74名、可が3名、不可が3名であった。
局所領域再発が2件、遠隔転移が6件、乳がんによる死亡が3件、併発性の死亡が9件認められた。グレード3以上の晩期毒性は認められなかった。5年局所制御率(LC)率、無憎悪生存(PFS)率、全生存(OS)率は、それぞれ99.6%、95.6%、96.1%である。
続いてBREAST-Iの臨床データに関する議論が行われた。
河野佐和氏が、Breast-Iの患者のための上腕浮腫の測定指示案を発表した。
今年、本研究がClinical Oncology誌において発表されたことを受け、モンゴル国立がんセンター(NCCM)放射線腫瘍科放射線腫瘍医であるErdenetuya Yadamsuren氏が臨床研究チームを祝福した。
-東京女子医科大学医学部放射線医学講座放射線腫瘍学分野教授で基幹分野長である唐澤久美子氏が、メンバーに対し患者の追跡調査の継続を奨励した。
セッション5:緩和的放射線治療(BONE-I及びBRAIN-I)
-骨転移に対する緩和的放射線治療の研究
(15) 牧島弘和氏が、新規に開始された骨転移に対する緩和的放射線治療に関する調査研究(BONE-I)について概説した。
同氏は、本ワークショップに先立ち実施された1回目のアンケート調査の結果も発表した。結果の要約は以下の通りである。
-平均余命が短い症例では比較的短期の分割照射が好まれていたが、その差は有意でなかった。加重骨やmass effect(腫瘍に伴う脊髄圧迫等)を伴う症例では、比較的長期の分割照射が好まれていた。骨破壊が差し迫っているか存在している場合には、5回の分割照射が最も好まれる選択肢であった。
-入院中の症例では比較的長期の分割照射が好まれていた。
-全身状態(PS)が良好な場合を除き、ほとんどの症例において、病院の診療報酬が分割照射の選択に影響を及ぼすことはなかった。
-患者が自宅から遠く離れている場合には高額の選択肢を好む傾向がある。
同氏は、2回目の調査のために、参加国に対し、自国の施設内の現在の治療の慣行に関するデータを提供するよう奨励した。
(16) 続いて議論が行われた。
-脳転移に対する緩和的放射線治療の臨床試験
(17) マヒドール大学医学部シリラート病院放射線科放射線腫瘍学分野の准教授であるKullathorn Thephamongkhol氏が、BRAIN-Iのプロトコール(非小細胞肺がんにおける緩和的全脳照射による延命効果:予測モデルの外部実証)を紹介した。その予後予測多変量モデリング研究の研究デザイン及び概略的計画が発表された。
(18) Kullathorn Thephamongkhol氏は、本研究のための行動計画案を発表した。
治験審査委員会(IRB)への申請手続きの期間が2024年6月まで、予備データ収集の期間が2024年10月まで、完全なデータ収集の期間が2025年10月までである。全脳照射の有無を問わず、非小細胞肺がん(NSCLC)で脳転移があった2020年1月から2023年10月までの患者の後ろ向きデータ収集を行うコホート研究であるため、2025年10月から2026年10月までがデータ解析期間となる。
セッション6:新規臨床試験と新規研究
(19) CERVIX-VとNPC-IIIの終了に伴い、本プロジェクトでは次の臨床試験について検討すべきである。
大野達也氏より、局所進行子宮頸がんに対して全骨盤の強度変調放射線治療(IMRT)及び3D-IGBTを用いる同時併用化学放射線療法の臨床試験(CERVIX-VI)が提案された。臨床試験のプロトコールについては2024年に話し合われる。
マレーシア国立がん研究所の臨床腫瘍医であるRosdiana binti Abd Rahim氏より、局所進行直腸がんに対する術前短期放射線治療の臨床試験が提案された。臨床試験の概念と実行可能性については2024年に話し合われる。
唐澤久美子氏より、体幹部定位放射線療法(SBRT)の臨床試験が提案された。臨床試験の概念と対象疾患については2024年に話し合われる。
セッション7:プロジェクト活動の概説と今後の計画
(20) 加藤眞吾氏が、過去3年間のプロジェクト活動を振り返って説明した。その要約は「プロジェクト最終報告書」に記載されている。
簡潔に述べると以下の通りである。
子宮頸がん
3次元画像誘導小線源治療(3D-IGBT)を伴う同時併用化学放射線療法(CCRT)についての前向き観察研究である“Cervix-V”が現在進行中である(2018年〜)。これはアジアで初めてのCCRT + 3D-IGBTの国際的多施設共同臨床試験である。2023年10月現在、総数104名の患者が Cervix-Vに登録されており、うち96名が適格であった。暫定的な評価では、FNCA Cervix-Vの治療成果は良好で、2年局所制御率及び全生存率がそれぞれ92%、88%であった。最終結果を評価するためには、さらに2年間の患者の追跡が必要である。
上咽頭がん
導入化学療法とその後の同時併用化学放射線療法の組み合わせの安全性及び有効性を評価するために、第II相試験である“NPC-III”が実施された。この試験には総数120名の患者が登録された。NPC-IIIの治療成果は良好であり、3年全生存率が72%で、毒性発現率が許容可能な範囲であった。試験は2023年に完了した。
乳がん
2種類の第II相臨床試験(Breast-I)が現在進行中である(2013年〜)。それは、1) 乳房温存手術後の早期乳がんに対する術後寡分割放射線療法(乳房温存療法、BCT)と、2) 全乳房切除術後の進行期乳がんに対する術後寡分割放射線療法(術後放射線療法、PMRT)である。治療成果は良好であった。BCT及びPMRTによって治療された患者の5年局所領域制御率は、それぞれ98.9%、96.3%であった。2023年に早期の結果が国際的な学術誌において発表された(Clinical Oncology 2023; 35: 463-471)。我々は、上肢の浮腫についての評価も実施すべきであることを確認した。最終結果を評価するためには、さらに2年間の患者の追跡が必要である。
緩和的放射線治療:骨転移(Bone-I)と脳転移(Brain-I)
Bone-I
アジア諸国における骨転移に対する緩和的放射線治療の現在の慣行について調査し、その慣行に関連する要因を理解するために、FNCAメンバー施設において、Bone-Iという名称のアンケート式調査が実施された(2023年〜)。
Brain-I
脳転移の予測モデルは、治療についての臨床的意思決定を助ける上で重要である。タイの研究者たち(FNCAにおける活発なメンバー)が、前述の患者群での全脳放射線治療(WBRT)の追加による延命効果に関する新たな予測モデルを開発した。その予測モデルを実証し、更新し、既存の予測モデルとの比較を行うために、Brain-Iという名称の後ろ向き観察コホート研究がFNCA参加国において開始された(2023年〜)。
本プロトコールが確認、承認され、患者の登録は来年中に開始される予定である。
3D-IGBTに関するハンズオントレーニング
子宮頸がんに対する3D-IGBTの実行にあたっては、医療関係者のトレーニングが非常に重要である。本プロジェクトは3D-IGBTに関するハンズオントレーニングをバングラデシュで実施し(2018年度ワークショップ)、続いて中国(2019年度ワークショップ)及びモンゴル(2022年度ワークショップ)でも実施した。
放射線治療のための物理的QA/QC
信頼性のある放射線治療のためには3D-IGBTのQA/QCが不可欠である。FNCAの医学物理士チームは、2019年以降、FNCA参加国の施設において小線源治療(3D-IGBT)に関するオンサイト調査を実施してきた。それらの監査には、線源強度/線源オフセットポジションの点検、End to Endテスト、電離箱による即時の線量測定が含まれる。日本、韓国、中国、フィリピン、インドネシア、マレーシアの施設において調査が無事完了した。
(21) 加藤氏は、今後3年間(2024年4月〜2027年3月)の活動も提案した。それは以下の通りである。
アジア地域における放射線技術によるがん治療を強化するという参加国が確立した方針に基づき、参加国においてFNCA放射線治療プロジェクトを各プロジェクトリーダーのもとで促進する。放射線治療に関連する革新的技術を開発し、普及させるために、関連の国際機関とも協力して、その取り組みを継続し、強化する。
今後3年間の本プロジェクトの目標は以下の通りである。
- FNCA参加国において特に多いがんに対する放射線療法と化学療法の最適治療プロトコールを確立する。
- FNCA参加国における放射線治療の質を改善する。
- FNCA参加国において特に多いがんの治療成果を改善する。
これらの目標を達成するために、具体的なプロジェクト活動が確認された。
A. 臨床試験:
- 子宮頸がん
局所進行子宮頸がんに対する3D-IGBTの前向き観察研究(Cervix-V)。
- 乳がん
2-1) 乳房温存手術後の早期乳がんに対する術後寡分割放射線治療の第II相臨床試験(Breast-I, BCT)。
2-2) 全乳房切除術後の局所進行乳がんに対する術後寡分割放射線治療の第II相臨床試験(Breast-I, PMRT)。
- 緩和的放射線治療
3-1) アジア諸国における有痛性骨転移に対する緩和的放射線治療の現在の慣行に関する調査(BONE-I)。
3-2)非小細胞肺がんにおける緩和的全脳照射による延命効果:予測モデルの外部実証(BRAIN-I)。
- 新規臨床試験
2023年度ワークショップでは新たな臨床試験が提案された。その臨床試験のプロトコールについては、2024年に話し合われ、最終決定される。それには以下のものが含まれる。
4-1) 局所進行子宮頸がんに対する全骨盤IMRT及び3D-IGBTを用いた同時併用化学放射線療法の臨床試験が2023年度ワークショップで提案された。臨床試験のプロトコールについては2024年に話し合われる。
4-2) 局所進行直腸がんに対する短期導入放射線療法の臨床試験が提案された。その臨床試験の概念については2024年に話し合われる。
4-3) 体幹部定位放射線治療(SBRT)の臨床試験が提案された。その臨床試験の概念については2024年に話し合われる。
B. 放射線治療のための物理的QA/QC
- 3D-IGBTのオンサイト調査
C. ワークショップ
D. 3D-IGBTに関するハンズオントレーニング
E. 公開講座
F. テクニカルビジット
G. FNCAとIAEAの協力
本プロジェクトの成功のために以下の点も確認された。
様々な腫瘍部位の臨床試験を十分に代表し、放射線腫瘍医と医学物理士の両方を代表するという必要性を満たすために、各国より最低2名の代表がワークショップに参加すべきである。
(22) 次回のワークショップは、タイにおいて、暫定的日程として2024年11月11日〜16日又は25日〜30日に開催する。2025年のワークショップはカザフスタンで開催する。
セッション8:ワークショップ議事録のドラフト作成
(23) ワークショップ参加者がワークショップの討論を振り返った。
議事録のドラフトが初期より提出され、議論が行われ、修正が加えられた。議事録のドラフトはワークショップ終了後に回覧され、最終決定される。
(24) 加藤眞吾氏が最初の2日間のワークショップを振り返ってまとめ、参加者全員に対して謝意を述べた。
セッション9:QSTへのテクニカルビジット
(25) ワークショップ参加者が2グループに分かれて、それぞれが重粒子線治療のイオン源室と緊急被ばく医療施設を訪問した。
セッション10:埼玉医科大学(SMU)国際医療センターへのテクニカルビジット
(26) ワークショップの3日目には、参加者が埼玉医科大学(SMU)国際医療センターを訪問した。
SMU国際医療センターの病院長である佐伯俊昭氏が参加者を歓迎し、その病院について紹介した。
(27) 加藤眞吾氏、野田真永氏、阿部孝典氏の案内により、ワークショップ参加者が放射線腫瘍科の施設を見学して回った。
(28) 野田氏と阿部氏が、サイバーナイフとMRリニアックについてのプレゼンテーションを行った。
セッション11:公開講座
(29) ワークショップ最終日に埼玉医科大学(SMU)の毛呂山キャンパスにおいて公開講座が開催された。
(30) 加藤眞吾氏が本セッションの進行役を務め、SMU学長の竹内勤氏の挨拶により公開講座が開始した。
SMU副学長の煖エ健夫氏が聴衆に対して歓迎の挨拶を行った。
文部科学省(MEXT)の小畠亨司氏が挨拶を行った。
(31) 玉田正男氏がFNCAについてのプレゼンテーションを行った。同氏はその概要を紹介し、進行中の8つのプロジェクトの活動と成果について語った。
(32) 聖ルーク医療センター放射線腫瘍科のコンサルタントであるMiriam Joy Calaguas氏が「フィリピンにおける放射線腫瘍学 –医療制度の分析」という講演を行った。
(33) Kullathorn Thephamongkhol氏が「医学生のための国際的展望:タイのがんデータを用いた一例」について語った。
(34) バングラデシュ国立耳鼻咽喉研究所(ENT)放射線腫瘍科の准教授(CC)であるA F M Kamal Uddin氏が「バングラデシュにおける放射線治療:過去、現在、未来」というタイトルの講演を行った。
(35) 加藤眞吾氏が「日本における放射線腫瘍学とアジア諸国間の国際協力」という講演を行った。
(36) 加藤眞吾氏の挨拶により、この公開講座は終了した。
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