人材養成(Human Resources Development, HRD)はアジア諸国の原子力科学技術開発にとって国家的な課題であり、各分野のFNCAプロジェクトに共通する横断的なテーマです。HRDは本来、各国がそれぞれの国情や政策、HRD戦略にそって実施するものですが、多国間で協力することによって解決できる共通の課題やニーズも少なくありません。
FNCAのHRDプロジェクトは、アジア地域の原子力科学技術分野のHRDにおけるニーズの把握、情報交換や調査、協力のあり方の検討、教材の共同作成など、協力活動や相互支援を通じて、同地域のHRD交流の促進と原子力技術基盤の強化に役立てることを目的としています。
本プロジェクトは、比較的新しいFNCAプロジェクトとして1999年度にスタートしました。これまでに原子力科学技術のニーズ抽出をはじめ、トレーニング支援、HRD基礎データ調査などさまざまな成果を達成しています。これらは、相互支援活動の改善や、既存の交流プログラムへのフィードバックに役立てられます。
中でも、各国のHRD戦略作りのために独自に調査した「基礎データ調査」(2002年〜2003年)は、原子力分野の行政、研究機関、教育機関、学協会や学会の人材数、トレーニングコースや資格の数を網羅しています。 2003年度・2004年度のワークショップでは、基礎データ調査を基に各国のHRD戦略に関する発表と議論が行われました。
2006年からは、アジア各国の人材養成計画をより効果的に進めるため、各国で必要とされる人材養成のニーズと提供可能なプログラムをネットワーク化する“アジア原子力教育訓練プログラム(ANTEP)”の確立に向けた検討を開始し、ニーズとプログラムの最新のマッチング状況を示す、ANTEPウェブサイトを2007年10月に新設し、2008年12月にはウェブサイトを大幅に改訂しました。
https://www.fnca.mext.go.jp/english/hrd/antep/index.html

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