2016年度FNCA放射線治療プロジェクトワークショップ 議事録
2016年11月8日−11日
インドネシアスラバヤ
(1)アジア原子力協力フォーラム(FNCA)第17回FNCAコーディネーター会議の合意に従って、2016年度FNCA放射線治療ワークショップが201年11月8日から11日にかけてインドネシアのスラバヤで開催された。会合はインドネシア原子力庁(BATAN)、Dr.ソトモ総合病院および文部科学省(MEXT)の共催で開催された。FNCAの11加盟国、すなわち、バングラデシュ、中国、インドネシア、日本、カザフスタン、韓国、マレーシア、モンゴル、フィリピン、タイおよびベトナムの代表者が本ワークショップに参加した。
開会セッション
(2)DyahErawati氏(Dr.ソトモ総合病院放射線治療科長)がセッションの司会進行を務め、ワークショップが正式に開会した。
まず和田智明氏(FNCA日本コーディネーター)の開会の挨拶を述べた。
続いてHendigWinarno氏(FNCAインドネシアコーディネーター)が歓迎の挨拶を述べた。
最後に加藤真吾氏(埼玉医科大学国際医療センター放射線腫瘍科教授/診療部長)が、新プロジェクトリーダーとして、開会の挨拶を行った。
(3)Joni Wahyuadi氏(Dr.ソトモ総合病院医療サービス・看護部門副部長)が「Dr.ソトモ総合病院における悪性腫瘍マネジメントの展望」と題した特別講演を行った。講演では、インドネシアおよびDr.ソトモ総合病院におけるがん治療の近況に焦点が当てられた。
(4)参加者が自己紹介を行った。
(5)アジェンダが採択され、議長と書記が選出された。
セッション1:局所進行子宮頸がんに対する拡大照射野を用いた放射線治療と同時併用化学療法の第II相試験(CERVIX-IV)
(6)小此木範之氏(国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構(QST)放射線医学総合研究所(NIRS)臨床研究クラスタ重粒子線治療研究部骨盤部腫瘍臨床研究チーム医師婦人科腫瘍科長)が、局所進行子宮頸がんに対する拡大照射野を用いた同時併用化学放射線療法の第II相試験(CERVIX-IV)のプロトコールを発表した。
各参加国の代表者より、(CERVIX-IV)の最新臨床データが発表され、以下の患者数が報告された。バングラデシュ(31名)、中国(8名)、インドネシア(9名)、日本(20名)、カザフスタン(1名)、韓国(7名)、マレーシア(5名)、モンゴル(8名)、フィリピン(4名)、タイ(4名)およびベトナム(8名)。総患者数は、(105名)であった。
続いて小此木氏は追跡調査データの概要を発表した。本日時点で計105名の症例が本試験に登録されおり、今年新たに2名(中国1名とカザフスタン1名)の症例が追加されたことが報告された。本試験に登録した105症例のうち12症例は、治療前に遠隔転移が見られた症例あるいは不完全治療がなされた症例のため、評価不適当であった。
評価可能な93症例のうち49名の病期はステージIIBであり、44名はIIIBであった。いずれの患者もCT(または超音波)で評価したところ骨盤内リンパ節転移陽性、傍大動脈リンパ節(PALN)陰性であった。グレード3の白血球減少は19名(21%)に発生した。全治療期間は平均57日であった。A点平均線量は83.6 Gyであった。化学療法を4サイクル以上実施したのは75名(81%)であった。治療後2年以上経過観察されていた症例は全体の88%であった。2年および5年局所制御率(LC)は、それぞれ96%および93%であった。2年および5年無増悪生存率(PFS)は、それぞれ75%および66%であった。2年および5年全生存率は、それぞれ91%および75%であった。
(7)CERVIX-IVの臨床データに関する討議が行われた。Cervix-IVの結果はCervix-IIIよりも良好であり、遠隔転移の患者は減少していた。遠隔転移の正確な評価のため、治療後の患者追跡調査の際にはCTを必要とすることが確認された。今年度時点の中途解析では、ステージIIBとステージIIIBの間で全生存期間(OS)には差がみられなかった。OSと晩発毒性の評価には長期追跡調査(5年)が必要であることが確認された。
セッション2:子宮頸がん(CERVIX-V)に対する新たなプロトコール
(8)子宮頸がんに対する3D画像誘導小線源治療(3D-IGBT)についての調査結果が、小此木範之氏より発表された。本調査は各国の治療施設における3D-IGBTの現状を知るためにFNCAメンバーの間で実施されたものであり、本結果は実臨床のデータに基づくものである。
CERVIX-Vの3D-IGBTプロトコールの実現可能性を評価するために、各国において日常的に実施される3D-IGBTに関する様々な項目が発表されて議論された(例えば、画像診断の要件、高リスク臨床標的体積[HR-CTV]の描写、3D-IGBTの線量と分割スケジュール、不要な直腸および膀胱線量を回避するための技術、体外照射における中心遮蔽の有無、ならびに化学療法のレジメン)。
(9)若月優氏(自治医科大学放射線科教授)が、“CERVIX-V”と名付けられた、3D-IGBTによる新たな子宮頸がんのプロトコールの概念を紹介した。本プロトコールの目的は、FNCA 参加国における子宮頸がんに対する3D-IGBTの有効性と安全性を評価することである。主要エンドポイントは2年間の全生存期間であり、二次エンドポイントは2年間の局所コントロールおよび有害事象発生率である。ヒストリカルコントロールは、CERVIX-IIIである。
(10)CERVIX-Vに関してさらに討議された。最終的なプロトコールを採択するにあたり、プロトコールの論理的根拠や実現可能性についていくつかの項目が討議され、具体的には適格基準、治療前と小線源治療時の画像診断要件、外照射療法を含むプロトコール、3D-IGBTによる線量分割スケジュール、直腸と膀胱の線量制約、化学療法のレジメン、ならびに腫瘍の反応と再発を確認するためのフォローアップに必要とされる画像撮影などが討議された。最終的なプロトコールは、原案作成後に参加者の間で回覧されることとなった。
セッション3:3D-IGBTの品質保証/品質管理(QA/QC)
(11)小線源治療に関するアンケートのまとめが水野秀之氏(QST,NIRS計測・線量評価部主任研究員)より報告された。本アンケートは2016年7月26日に配布され、それには小線源治療の照射法/モダリティ/人員配置/QA等に関連する22項目が含まれるとともに、外部放射線治療に関連する3項目が追加された。
本アンケートに対して10カ国の11施設から回答を得た。照射装置や使用機器、方法には参加国間でいくつかの違いが見られ、これらの結果をベースとして最適な訪問調査法の検討が行われる。臨床および物理両面からの調査が、CERVIX-V臨床試験の開始後に実施されるべきである。
(12)BambangHarisSuhartono氏(Dr.ソトモ総合病院放射線治療部門医学物理士)は、Dr.ソトモ総合病院、インドネシア全体の治療施設や患者数等について紹介した。またDr.ソトモ総合病院における3D-IGBTの現状について概説し、日毎や年毎のQA/QCプログラムについても詳しく述べた。同氏は、より正確で高精度な治療が実現できるように、FNCAが本治療施設に対しQA/QCの監査を実施することを推奨した。
また、総治療時間について各国間で共有された。
セッション4:上咽頭がんに対する同時併用化学放射線療法(CCRT)の第U相試験(NPC-III)
(13)牧島弘和氏(QST、NIRS臨床研究クラスタ重粒子線治療研究部骨盤部腫瘍臨床研究チーム医師)が、上咽頭がん(NPC)に対するCCRT第II相試験(NPC-III)を紹介した。各参加国の代表者より最近の臨床データが発表された。
各参加国の代表者より、NPC-IIIの最新臨床データが発表され、以下の患者数が報告された。バングラデシュ(1名)、中国(8名)、インドネシア(12名)、日本(0名)、カザフスタン(0名)、韓国(0名)、マレーシア(17名)、モンゴル(0名)、フィリピン(7名)、タイ(0名)およびベトナム(20名)。総患者数は、(65名)であった。今年新たに7例が追加された。
(14)続いて牧島氏は65名の患者についての追跡調査データの概要を発表した。
年齢の中央値は47歳であった。97%の患者が2-3サイクルのネオアジュバント化学療法を受けたのに対し、4サイクル以上の同時併用化学療法を受けた患者は75%であった。放射線治療の全治療期間の中央値は55日(範囲、44-232日)であった。全体の30%の患者において放射線治療が14日以上中断した。その原因は、主に機械の故障および有害事象によるものであった。ネオアジュバント化学療法施行期間において、グレード3/4の血液毒性が12%の患者で生じ、非血液学的毒性が8%の患者で生じた。同時併用の期間では、グレード3/4の血液学的毒性が24%の患者で生じ、非血液学的毒性が35%の患者で生じた。グレード3の晩期有害事象が、5人(8%)の患者で見られ、主に唾液分泌障害と粘膜障害であった。
有効性結果:2年生存率の結果:OSは79%であった。局所領域制御率(LRC)は83%であった。無遠隔転移率(DMF)は85%であった。PFSは76%であった。これらの結果をNPC-Iの臨床試験の結果と比較すると、DMF率とOS率は向上し、LRC率は低下した。しかし、これらの結果は、いずれも統計学的有意差は認められなかった。再発形式は、主に遠隔転移(17%)であったが、この値はNPC-I検査(28%)と比べるとより低い。目標登録数は120名であるが、今までのところまだ65名程度の症例集積状況である。
症例登録上の問題が議論された。一部の国において、化学療法プロトコールが異なること、倫理審査委員会がより厳格なこと、上咽頭がんの発生率が低いこと、リニアックが利用できないこと、本プロトコールが他の治験と競合することなどが話し合われた。しかし、これらの要因のいくつかは解決可能であると考えられ、来年には登録が良好になることが期待される。したがって、さらに1年登録を続けて再度検証することが決定した。
セッション5:乳がんに対する寡分割放射線療法の第U相試験/術後放射線療法(BREAST-I/PMRT
(15)唐澤久美子氏(東京女子医科大学放射線腫瘍学教授・講座主任)が、BREAST-Iプロトコールの紹介およびレビューを行った。各参加国の代表より術後放射線治療(PMRT)の第U相試験臨床データが発表され、以下の患者数が報告された。バングラデシュ(74名)、中国(11名)、インドネシア(2名)、日本(1名)、カザフスタン(14名)、韓国(0名)、マレーシア(0名)、モンゴル(19名)、フィリピン(10名)、タイ(0名)およびベトナム(0名)。総患者数は131名であった。
(16)唐澤氏は、乳がん症例(131名)のPMRT臨床データの概要を発表した。
44ヶ月の間にHF-PMRT群の患者全131人が登録された。全ての患者に対してプロトコールに基づく治療が完了した。年齢の中央値は48歳(範囲、24-74)であった。患者70人(55%)が右側乳がんであった。T病期はそれぞれ、T1が21名(16%)、T2が84名(64%)、T3が23名(18%)、T4が3名(2%)であった。N病期はそれぞれ、N0が47名(36%)、N1が66名(50%)、N2が17名(13%)、N3が1名(1%)であった。臨床病期はそれぞれ、2Aが50名(38%)、2Bが50名(38%)、3Aが27名(21%)、3Bが3名(2%)、3Cが1名(1%)であった。治療期間の中央値は、21日(範囲、19-49日)であった。治療中断は6名だけであった。グレード2以上の急性期皮膚炎が6名(5%)で認められ、グレード2の急性期皮下結合織炎が1名(1%)で認められた。グレード1の急性期心毒性は、15名(11%)で認められ、グレード1の晩期心毒性は6名(5%)で認められた。これらの患者の一部には右側乳がんであった。3名に局所再発が、7名に遠隔転移が認められ、3名で乳がんによる死亡が確認された。本プロトコールの結果は、2017年6月にウィーンで開催されるInternational Conference on Advances in Radiation Oncology: ICARO2で発表される予定である。
(17)臨床データに関する討論が続いた。
一部のデータに関して内容が不足しているか、登録シートに間違って記入されている可能性がある。一部の右乳がん患者に心臓毒性が生じたということは信頼できず、すべての共同研究者はデータ、特に晩発毒性について再確認する必要があることが確認された。放射線療法に関連する毒性を評価するための基準および方法について議論した。また、葉状腫瘍で断端陽性であった症例および肉腫と診断された症例を、解析から除外することに同意した。
セッション6:乳がんに対する寡分割放射線療法の第U相試験/温存術後乳房全照射(BREAST-I/WBI )
(18)唐澤氏が、WBI/BREAST-Iのプロトコールを紹介とレビューを行った。
各参加国の代表より乳房全照射(WBI)の第II相試験の臨床データが発表された。以下の患者数が報告された。バングラデシュ(26名)、中国(6名)、インドネシア(12名)、日本(107名)、カザフスタン(14名)、韓国(4名)、マレーシア(0名)、モンゴル(0名)、フィリピン(0名)、タイ(14名)およびベトナム(0名)。総患者数は183名であった。
(19)唐澤氏は、乳がん症例(183名の患者と184の乳病巣)のPMRT臨床データの概要を発表し、患者183名と乳病巣184のデータを要約した。44カ月の間にHF-WBI群の全乳病巣134が登録された。1名を除いて全ての患者がプロトコールに基づく治療を完了した。年齢の中央値は50歳(範囲、24-79歳)であった。患者97名(53%)は右乳がんであった。T病期はそれぞれ、Tisが21名(11%)、T1が113名(61%)、T2が50名(27%)であった。N病期はそれぞれ、N0が155名(84%)、N1が29名(16%)であった。臨床病期はそれぞれ、Stage 0が21名(11%)、1Aが100名(54%)、1Bが2名(1%)、2Aが42名(23%)、2Bが19名(10%)であった。患者125名が腫瘍床に対する追加放射線療法を受け、線量は122名が8.1 Gy、3名が10Gyであった。再発高リスク因子に関して、50歳未満の患者は78名、リンパ節陽性の患者は29名、脈管侵襲陽性の患者は8名、切除断端陽性の患者は11名であった。治療期間の中央値は、26日(範囲、18-54日)であった。治療中断は2名だけであった。グレード2以上の急性期皮膚炎が30名(17%)で認められ、グレード2の急性期皮下結合織炎が6名(3%)で認められた。晩期毒性に関しては、グレード2の肺毒性が2名、グレード2の皮膚障害が1名、グレード2の皮下結合織障害が1名、グレード1の肺毒性が5名、グレード2の心毒性が2名に見られた。1名に局所再発、2名で遠隔転移が認められ、1名に乳がんによる死亡が確認された。本プロトコールの結果は、2017年6月にウィーンで開催されるInternational Conference on Advances in Radiation Oncology: ICARO2で発表される予定である。
(20)続いて臨床データに関する討議が行われた。
一部のデータに関して内容が不足しているか、登録シートに間違って記入されている可能性がある。一部の右乳がん患者に心臓毒性が生じたということは信頼できず、すべての共同研究者はデータ、特に晩発毒性について再確認する必要があることが確認された。さらに、心臓毒性の割合が一部の国で高かった理由について議論した。心血管疾患の発生率に民族または地域による違いがあると考えられた。これらについては、分析の際に考慮されるであろう。また、整容性を評価する基準と方法が検討された。
さらに、1回線量についての討議がなされ、2.66 Gyから2.7 Gyまでのすべての分割数を含めることが同意された。また腫瘍床に対する追加放射線療法については、寡分割乳房放射線療法における標準的な追加線量分割スケジュールが存在しないため、10-16 Gy/5-8回での治療が許容されることが確認された。上記以外のプロトコール違反がある症例を除外することが同意された。このプロトコールは、当初4年間登録する予定で開始された。唐澤氏は、推定される各国の追加症例を確認し、2017年1月31日までに追加症例を登録することにすべての共同研究者が同意した。
セッション7:プロジェクト活動の見直しと今後の計画(3年間の評価を含む)
(21)FNCAの規定に従って、本プロジェクトは過去3年間の活動と成果(2014年度から2016年度まで)を見直し、将来計画(2017度年から2019年度まで)を策定した。
(22)放射線治療プロジェクトの活動から、以下の成果物と実績が得られた。
A. |
子宮頸がん(Cervix-IV)、上咽頭がん(NPC-III)および乳がん(Breast-I)に関する臨床試験を予定通り実施した。良好な治療成績が臨床試験から得られた。結果に基づいて、子宮頸がん(Cervix-III)と上咽頭がん(NPC-I)の治療プロトコールは、FNCAメンバー国(MS)の標準治療プロトコールの1つになった。局所進行子宮頸がん(Cervix-V)の3D IGBTに関する次の臨床試験の予備調査が実施された。 |
B. |
外部線照射のQA/QC調査では、FNCA メンバー国の複数施設においてガラス線量計を使用して実施した。FNCA QA/QCプログラムによってFNCA メンバー国における放射線治療の質が改善された。 |
C. |
FNCA放射線腫瘍学プロジェクトは放射線治療の分野でIAEA/RCAと協力した。すべての参加者が、本プロジェクトの継続を強く推奨した。プロジェクト活動の概要は、3年評価レポートの中で報告された。 |
(23)参加者はプロジェクトの今後の計画(2017年度から2019年度までの間)についても議論した。計画されたのは以下の活動である。
A.臨床試験
1)子宮頸がん
2)上咽頭がん
3)乳がん
B.QA/QC活動
C.ワークショップ
D.オープンセミナー
E.テクニカルビジット
F.FNCAとIAEA/RCAのコラボレーション
(24)次回のワークショップは、10月23日から27日まで、または10月30日から11月3日まで、フィリピンまたはマレーシアで開催予定である。
セッション8:Dr. ソトモ総合病院の放射線治療科へのテクニカルビジット
(25)参加者は、Dr. ソトモ総合病院の放射線治療科へのテクニカルビジットを実施し、リニアック、高線量率治療システム、治療計画システム(2D、3DおよびIMRT)、ならびに内科腫瘍部門を訪問した。
セッション9:オープンセミナー
(26)ワークショップの一環として、Dr. ソトモ総合病院にてオープンセミナーが開催された。Joni Wahyuadi氏(Dr.ソトモ総合病院医療サービス・看護部門副部長)が開会の挨拶を行い、著明な演者が、非常に興味深い革新的6つのトピックスを発表した。Nana Supriana氏とDyahErawati氏が本セッションの司会を行った。
(27)和田智明氏がFNCAについての講演を行った。FNCA内で現在活動が行われている10プロジェクトの活動概要と実績について紹介した。
(28)若月優氏がFNCA放射線治療プロジェクトおよび子宮頸がん治療における実績を紹介した。
(29)Soehartati G.氏(インドネシアがん放射線治療学会長・インドネシアがん予防・治療委員会委員長)が、インドネシアにおける放射線治療の現状および包括的がん治療について講演を行った。
(30)大野達也氏(群馬大学重粒子線医学推進機構重粒子線医学センター教授)が、CTを用いた子宮頸がん小線源治療の講演を行った。
(31)フィリピンのJaemelyn Marie O. Fernandez氏が、強度変調放射線治療(IMRT)および臨床面における品質保証(QA)について発表した。
(32)最終講演では、中野隆史氏(群馬大学大学院医学系研究科病態腫瘍制御学講座腫瘍放射線学重粒子線医学研究センターセンター長/教授)が炭素イオン線治療について発表した。
(33)加藤真吾氏の挨拶をもってオープンセミナーは閉会した。
セッション10:CERVIX-Vプロトコールの原案作成
(34)小此木範之氏の進行のもと、CERVIX-Vのプロトコール原案が作成された。処方線量と治療スケジュールが参加者間で確認された。本プロトコール(ドラフト)は2017年1月までに各治療施設に送付されることが合意され、同年4月までに放射線医学総合研究所内での倫理委員会に認可を得ることが見込まれている。また、2017年中に症例登録をスタートさせることを目標としている。
セッション11:ワークショップ議事録作成
(35)書記によって示された議事録の草稿について、協議の上、修正が行われた。議事録はワークショップ参加者によって満場一致で採択された。
セッション12:メンバー国からの提案
(36)バングラデシュのA.F.M Kamal Uddin氏が子宮頸がんの小線源治療の現場研修、またFNCA治療プロトコールの広報・宣伝を提案した。メンバー内における現場研修の需要は大きいものと見られる。本提案については、資金面、実行面の模索のために、日本、またメンバー国すべてのFNCAコーディネーターレベルでの話し合いを行うことが合意された。
セッション13:閉会セレモニー
(37)文部科学省の道川祐市氏および加藤真吾氏がそれぞれ閉会の挨拶を述べ、ワークショップは公式に閉会した。
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