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ワークショップ

FNCA 2005 バイオ肥料 キャリア放射線滅菌検討会

2005年度 FNCA バイオ肥料キャリア放射線滅菌検討会
日本 東京


2005年6月20〜22日


 2005年度FNCAバイオ肥料プロジェクトの一環として、キャリア放射線滅菌検討会が以下の通り開催された。

日    程 : 2005年6月20日〜22日
場    所 : 日本原子力産業会議 東京都港区芝大門
主    催 : 日本 文部科学省
協    賛 : 日本原子力産業会議
参 加 者 : インドネシア、フィリピン、タイ、ベトナム各1名、日本13名 合計17名

 日本のFNCAコーディネーター 町 末男 原子力委員、日本のプロジェクトリーダー 横山 正 東京農工大助教授および日本原子力産業会議 瀬口忠男 アジア協力センター長が開会の挨拶を行った。


セッション1、4

 日本より4件、タイより1件の合計5件の講演が行われた。


セッション2

 インドネシア、フィリピン、タイ、ベトナムの4カ国の発表が行われた。各国の代表より、各国におけるバイオ肥料の利用状況が発表された。各発表の要約は添付資料3の通り


セッション 3

 「バイオ肥料のキャリア放射線滅菌実施計画」が議論された。町コーディネーターがリードオフスピーチ(添付資料4)を行った。町コーディネーターのスピーチについて議論が行われ、概ね合意された。
  議論した点と合意された点は以下の通り。

<バイオ肥料のキャリア放射線滅菌実施計画>

 全てのFNCA参加国は、バイオ肥料のキャリアを滅菌するため、既存の放射線照射施設(ほとんどがCo-60照射施設)を使うことが推奨された。推奨線量を用いてすでに放射線照射を行っている国もある。十分な時間があれば、特定のキャリア(フィリピンは土壌と木炭、インドネシアはフィルター・マッド、タイとベトナムはピートが用いられる)に対する照射線量の測定が各国において行われる予定である。特に大量にバイオ肥料を生産する場合、放射線滅菌は熱滅菌より優れており、より経済的で実用的であることが強調された。より良い品質のバイオ肥料を得るという観点から、研究室レベルでのキャリアのガンマ線照射滅菌と熱滅菌との比較が推奨された。照射されたキャリアは、農家のバイオ肥料の利用を促進するための圃場実証試験において使われる予定である。放射線照射施設を使用するのが困難な国には、放射線照射を円滑に進めるため、日本の町コーディネーターから各国のコーディネーターに依頼状が送られる予定である。

セッション5

 「放射線滅菌キャリアを用いた圃場試験計画」および「バイオ肥料の利用拡大戦略」が議論された。町コーディネーターが、添付資料4に示すバイオ肥料の利用拡大のための主な問題点と解決策をまとめた。各国の代表者はその案に同意し、必要な時には対応策を講じることで合意した。
  町コーディネーターはまた、添付資料5に示すバイオ肥料の拡大戦略を提案した。各国の代表者はこの提案について議論を行い、以下の点を追加した。

<放射線滅菌キャリアを用いた圃場試験計画>

 この会合では、圃場試験と圃場実証の計画について以下の通り議論された。

1. 圃場試験(少なくとも3複製)
  場所、作物および圃場試験の規模の選定
処置
 
- 対照(無接種)
- バイオ肥料(接種)
- バイオ肥料(接種)+量を減らした化学肥料
- 推奨された比率の化学肥料
管理パラメータ
 
- 土質(生物学的および化学的)
- 成長パラメータ(例:丈高、重量など)
- 収穫高および収穫物の成分
- 品質パラメータ(作物による)(例:サイズ、栄養価など)

2. 圃場実証
  場所、作物および圃場試験の規模の選定
処置:対照とバイオ肥料利用
管理パラメータ:収穫物の成分および収穫高
費用対効果比率

<バイオ肥料の利用拡大戦略>

 議論および合意された点は、バイオ肥料の重要性を農家に示し教えるのに最も効果的な方法である。例えばタイなどの国では、農家はバイオ肥料の有用性について良く知ってはいるが、バイオ肥料の供給者へのアクセスが不十分である。また他の問題として、バイオ肥料を長期間保存しておけないことや、バイオ肥料の品質が低いことが挙げられる。これらの問題を解決するために、ガンマ線照射による滅菌が適用できると考えられる。

 バイオ肥料利用拡大のための活動は以下の通り
  - 有機農業普及の政府の政策およびバイオ肥料の利点の周知
- 拡大キャンペーンとして、農家へのバイオ肥料の無料配布および必要な訓練の提供(インド、インドネシア、タイなどは、農家に対してバイオ肥料の費用の補助を行った。)
- テレビとラジオ放送の活用
- 圃場試験・実証
- 出版物(マニュアル、パンフレット、小冊子)の作成
- 国家的農業記念日、農民集会記念日
- 農民団体・組合の活用
- バイオ肥料と化学肥料の最適な組み合わせの決定および開発

 第2日目に、参加者は日本原子力研究所(原研)高崎研究所を訪問し、Co-60照射施設、電子加速器、イオンビーム照射研究施設を見学した。参加者は原研の職員の尽力に感謝した。

 この議事録はすべての検討会参加者によって議論、合意された。これは2006年1月後半にフィリピンで開催される2005年度FNCAバイオ肥料ワークショップで報告される予定である。



添付資料:
  1. キャリア放射線滅菌検討会プログラム
2. キャリア放射線滅菌検討会参加者名簿
3. 各国発表の要約 44KB  
4. キャリア放射線滅菌の実施計画とバイオ肥料の拡大戦略 343KB 
5. バイオ肥料のさらなる拡大に対する問題 21KB 


2005年度 バイオ肥料 キャリア放射線滅菌検討会
プログラム



日   時: 2005年6月20日(月)〜22日(水)
場   所: 日本原子力産業会議 第1、2会議室
<施設見学>日本原子力研究所 高崎研究所
主   催: 文部科学省
協   力: (社)日本原子力産業会議



6月20日(月)
<開会セッション>
議長:大山先生
09:00-09:10 町コーディネーター挨拶
09:10-09:15 横山主査挨拶
09:15-09:20 瀬口アジア協力センター長挨拶

<セッション1:特別講演>
議長:横山先生

09:20-10:20 講演1「キャリア(培地)の放射線滅菌について」
久米民和 日本原子力研究所 高崎研究所 イオンビーム生物応用研究部長
10:20-10:40 質疑応答
10:40-11:10 講演2「タイにおけるバイオ肥料の利用状況と課題について」
Dr. Achara Nuntagij
農業省(DOA) 土壌科学部 土壌微生物学グループ 主任研究
11:10-11:20 質疑応答
11:20-11:50 講演3「圃場試験の実施方法について」
大山卓爾 新潟大学 農学部応用生物化学科 教授
11:50-12:00

質疑応答

12:00-13:00 昼食
<セッション2:各国発表>
共同議長:Ms. Gandanegara、大山先生
*各発表とも10分の質疑応答を含む。
13:00-13:40 インドネシア発表
Ms. Soertini Gandanegara
インドネシア原子力庁 (BATAN) アイソトープ・放射線技術研究センター 農業部 土壌・植物栄養グループ 上級研究員
13:40-14:20 フィリピン発表
Mr. Richard Balog
フィリピン原子力研究所 (PNRI) 原子力研究部 農業研究課 科学研究員
14:20-15:00 タイ発表
Dr. Achara Nuntagij 農業省 (DOA)
土壌科学部 土壌微生物学グループ 主任研究員
15:00-15:40 ベトナム発表
Dr. Pham Van Toan
ベトナム農業研究所 (VASI) 微生物研究部長
15:40-15:50 休憩
<セッション3:全体討議>
共同議長:鳴海先生、Mr. Balog
15:50-17:00 討議:バイオ肥料のキャリア放射線滅菌実施計画について
リードオフスピーチ:町コーディネーター
17:00-19:00 歓迎レセプション(原産 第2会議室)


6月21日(火)
高崎原研照射設備見学
10:30-12:00 展示館見学および瀬口センター長より説明
12:00-13:00 休憩
13:00-14:30 コバルト60照射施設、電子加速器、イオン照射研究施設見学


6月22日(水)
<セッション4:特別講演II>
議長:鳴海先生
09:00-09:15 講演4「世界におけるキャリア放射線滅菌に関する調査」
永崎隆雄 原産アジア協力センター 調査役
09:15-09:30 質疑応答
09:30-10:00 講演5「農産物を原料とする高性能保水材の開発について」
原敏夫 九州大学大学院 農学研究院 助教授
10:00-10:20 質疑応答
<セッション5:全体討議>
共同議長:横山先生, Dr. Toan
10:20-12:00 討議:放射線滅菌キャリアを用いた圃場試験計画について
12:00-13:00 昼食
13:00-14:30 討議:バイオ肥料の利用拡大戦略について
リードオフスピーチ:町コーディネーター
<セッション6:ミニッツ作成>
共同議長:横山先生、Dr. Toan
14:30-15:30 休憩/ミニッツドラフト作成
15:30-17:00 ミニッツ作成


2005年度 FNCA バイオ肥料キャリア放射線滅菌検討会
参加者名簿


2005年6月20日


運営グループ

主査 横山   正 東京農工大学 共生科学技術研究部 助教授
委員 大山 卓爾 新潟大学 農学部 応用生物化学科 教授
斎藤 雅典 (独)農業環境技術研究所 化学環境部 部長
鳴海 一成 日本原子力研究所 高崎研究所 イオンビーム生物応用研究部
バイオ技術研究グループ 主任研究員
FNCAコーディネーター 

 

町  末男 原子力委員
招待講演者

 

久米民和 日本原子力研究所 高崎研究所 イオンビーム生物応用研究部長
原 敏夫 九州大学大学院 農学研究院 助教授
各国プロジェクトリーダー
インドネシア ソルティニ・ガンダネガラ  インドネシア原子力庁(BATAN)アイソトープ・放射線技術研究センター 農業部 土壌・植物栄養グループ 上級研究員

フィリピン

リチャード M. バログ フィリピン原子力研究所(PNRI)原子力研究部 農業研究課 科学研究
タイ アチャラ・ヌンタギ 農業省(DOA) 土壌科学部 土壌微生物学グループ 主任研究員
ベトナム ファン・ヴァン・トアン ベトナム農業研究所(VASI)微生物研究部長
オブザーバー 清水 美和子 文部科学省 研究開発局 原子力計画課(国際協力担当)調査員
事務局(原産・アジア協力センター)
  瀬口 忠男  
センター長
高橋誠一郎  
マネージャー
永崎 隆雄  
調査役
花光 圭子  
第2グループ リーダー
和田 裕子  第2グループ 主任

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