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放射性廃棄物管理 workshop

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TENORM
廃止措置とクリアランス

ワークショップ


FNCA 2004 放射性廃棄物管理 ワークショップ


概  要


1. 全般

FNCA 2004放射性廃棄物管理ワークショップは、2004年9月27日〜10月1日にクアラルンプール(マレーシア)にて開催されました。 同ワークショップはマレーシア原子力庁(MINT)、原子力許認可委員会 (AELB)と日本の文部科学省(MEXT)が日本原子力産業会議(JAIF)の協力により主催したもので、オーストラリア、中国、インドネシア、日本、韓国、マレーシア、フィリピン、タイ、およびベトナムの9カ国から放射性廃棄物管理における政策決定、規制、および研究開発に係わる各国代表が参加しました。


2. 趣旨及び目的

アジア原子力協力フォーラム(FNCA)放射性廃棄物管理プロジェクトは、アジア地域における放射性廃棄物管理を向上させることを目的としています。 今回のワークショップでは、NORM/TENORMの規制(除外、免除、クリアランスを含む。)、放射性廃棄物の処理と廃棄物特性化、低・中レベル廃棄物処分の立地活動と安全評価、今後の活動についての議論を行いました。また、マレーシア原子力庁(MINT)や原子力許認可委員会(AELB)、Universal Minerals Trading SDN.社工場を訪問し、放射性廃棄物管理に関する意見交換を行っています。


3. ワークショップ結果の概要

1)  ワークショップにおける主な議題は、「プロジェクト評価」、「自然起源放射性物質(NORM)/人工的に放射能濃度が高められた自然起源放射性物質(TENORM)に関する除外(Exclusion)、免除(Exemption)、クリアランス(Clearance)などの規制情勢」、「廃棄物処理(Treatment)と廃棄物特性化(Characterization)」、「低・中レベル廃棄物処分場の立地活動と安全評価」、「低・中レベル廃棄物の処分と受け入れ基準」、「TEMORM管理タスクグループ中間報告」、「FNCA 放射性廃棄物管理2005〜2007年度における3ケ年計画策定」でした。
2) 「プロジェクト評価」については、プロジェクト評価の日程について合意されました。 この放射性廃棄物管理プロジェクトは、特にワークショップ開催国における活動内容を参加者が実地に確認する様々な機会を与えてくれること、技術的に専門的な事項についての情報交換が行われること、また放射性廃棄物に関する各国の最新の政策と管理の状況についての知識を得られ、大変に役立っているとの意見が多数の国から出されました。
3) 「自然起源放射性物質(NORM)/人工的に放射能濃度が高められた自然起源放射性物質(TENORM)に関する除外(Exclusion)、免除(Exemption)、クリアランス(Clearance)などの規制情勢」、「廃棄物処理(Treatment)と廃棄物特性化(Characterization)」、「低・中レベル廃棄物処分場の立地活動と安全評価」、「低・中レベル廃棄物の処分と受け入れ基準」については、各国から発表が行われ、FNCA各国の異なる視点のもと包括的な理解増進に寄与しています。
4)  「TENORM管理タスクグループ中間報告」については、2003年と2004年に5ケ国(オーストラリア、マレーシア、ベトナム、中国、タイ)で実施した討議・調査会合により得られた技術的な事実確認事項と成果についての確認を行い、不必要な負担を公衆や産業界に与えないように、科学的かつ合理的な法規制を設けるためには、FNCA各国で共通の取組みが必要であることがワークショップ参加者に認識されました。
 また、TENORM管理に関する各国の状況についての情報交換も行われ、 TENORM管理タスクグループの報告書の構成と作成日程(2003年度と2004年度の活動結果を2005年3月末までにまとめ、発行する)が合意されました。 さらに、報告書の要約は2005年2月末までに日本保健物理学会誌に寄稿することとなりました。
5)  「FNCA 放射性廃棄物管理3ケ年計画(2005年度〜2007年度)」に関して討議の結果、ワークショップ参加者により2005年度以降の計画が以下の通り合意されました。
2005年度の放射性廃棄物管理ワークショップを日本で開催。
・  2004年3月のFNCAコーディネーター会合の決定に基づいてTENORM管理タスクグループを延長実施する場合は、2004年度ないし2005年度にインドネシアとフィリピンを訪問。
新タスクグループ「原子力施設廃止措置(Decommissioning)とクリアランス(Clearance)についてのタスクグループ」を設置し、2005年はインドネシアとフィリピンを訪問調査する。また2006年はオーストラリアとマレーシアを訪問することを暫定的に予定する。
次回ワークショップにおけるサブミーティングテーマは「処分場の安全性評価」と「処分場の立地調査と立地手順」とする。
6)  以上の議題のほか、クアラルンプール近郊のデンキルにある鉱石精製会社であるUniversal Minerals Trading SDN.社の鉱石精製工場を視察しました。 また、マレーシア原子力庁と原子力許認可委員会を訪れ放射性廃棄物管理施設の視察も実施しています。
7)  本ワークショップで合意された内容については、2005年3月に行われる第6回FNCAコーディネーター会合に報告され、承認を受けることとなります。

4. 放射性廃棄物管理ワークショップの成果

1)  本プロジェクトは、FNCA全参加国(9カ国)の情報・経験の相互交換を目的としたものであり、各国の放射性廃棄物管理における活動成果とこれらの活動の進め方を各国の代表者間で討議し、上記の各議題について十分な情報・経験の相互交換ができていることが確認できました。
2)  1995年に開始され10年にわたってきたプロジェクトであるが、プロジェクトリーダーを中心とする各国代表者間で着実に人間関係が構築され、会議の出席に留まらず、各国の施策に反映されてきており、各国の放射性廃棄物管理を始めとする放射線安全に貢献していることが改めて確認できました。
3)  放射性廃棄物の諸問題は、原子力発電を行なっている国はもとより、研究用の原子炉、放射性物質の産業利用、医療利用を行なっている国々も避けて通れない問題です。初期の受身的な段階を脱却し、現在は、各国とも自国の深刻な問題であるとの認識に至っていると言えます。
 2003年度に開始されたTENORM (人工的に放射能濃度が高められた自然起源の放射性物質:Technologically Enhanced Naturally Occurring Radioactive Materials) についても、当初は、特定の国、つまりマレーシアのみの関心事項でしたが、フィリピンとインドネシアのFNCAコーディネーターより「タスクが延長できるのであれば、2005年度のボランティア国として専門家の訪問を受け入れたい」との意思表示もあり、いまやFNCA参加国全体の関心事項となり、大いに議論が行なわれ、統一的な見解をまとめうるレベルにまで至って来ています。
 また、TENORMの問題については、オーストラリア、マレーシア、ベトナム、中国、タイの協力を得て、スズの鉱床、石油のスラッジ、モナザイトサンドの採取現場などの現状調査とオンサイトでの議論を行ない、日本の放射線審議会での議論にも役立てられています。
4)  上記各議題について議論した内容は、日本におけるNORMの問題等今後の放射性廃棄物処理の問題を検討していく上で大変貴重な情報として期待されます。






議事録(仮訳)


 FNCA2004放射性廃棄物管理ワークショップは、2004年9月27日〜10月1日にクアラルンプール(マレーシア)にて開催された。同ワークショップはマレーシア側からはマレーシア原子力庁(MINT)ならびに原子力許認可委員会(AELB)が、また日本側は文部科学省(MEXT)が日本原子力産業会議(JAIF)の協力により主催した。放射性廃棄物管理における政策決定、規制、および研究開発に係わるFNCA参加の各国代表者、すなわち、オーストラリア、中国、インドネシア、日本、韓国、マレーシア、フィリピン、タイ、およびベトナムの9カ国からの参加者が出席した。

 初日のセッション−1では、各国の国別報告として放射性廃棄物管理活動の現状と進捗を報告した。 セッションの要約は議事録添付資料−1として示す。
  セッション−2では、2004年3月3日~5日に東京で行われた第5回FNCAコーディネーター会合によって推奨された「プロジェクト評価」についての円卓討議を行った。
 討議の結果、プロジェクト評価の日程について参加者が合意した。 この放射性廃棄物管理プロジェクトは、とくにワークショップ開催国における活動内容を参加者が実地に確認する様々な機会を与えてくれること、技術的に専門的な事項についての情報交換が行われること、また放射性廃棄物に係わる各国の最新の政策と管理状況についての知識を得られることで、大変に役立っているとの意見が多数の国から出された。

 第2日にはサブミーティングとして4つのテーマ、すなわち「自然起源放射性物質(NORM)/人工的に放射能濃度が高められた自然起源放射性物質(TENORM)に関する除外(Exclusion)、免除(Exemption)、クリアランス(Clearance)などの規制情勢」「廃棄物処理(Treatment)と廃棄物特性化(Characterization)」「低・中レベル廃棄物処分場の立地活動と安全評価」「低・中レベル廃棄物の処分と受け入れ基準」について、それぞれセッション−3、−4、−5、および−6として発表が行われ、FNCA各国の異なる視点のもと包括的な理解増進に寄与した。また、ポスタープレゼンテーション/ミニ展示会が成功裡に行われ、FNCA各国における放射性廃棄物管理活動について更なる理解を深めることができた。

 第3日にはクアラルンプール近郊のデンキルにある鉱石精製会社であるUniversal Minerals Trading SDN社工場を視察した。 また、マレーシア原子力庁と原子力許認可委員会を訪れ放射性廃棄物管理施設の視察を実施した。

 第4日にはセッション−7として「TEMORM管理タスクグループ中間報告」の円卓討議を行ない、5カ国(オーストラリア、マレーシア、ベトナム、中国、タイ)で実施した討議・調査会合により得られた技術的な事実確認事項と成果についての確認を行った。不必要な負担を公衆や産業界に与えないように、科学的かつ合理的な法規制を設けるためには、FNCA各国で共通の取組みが必要であることがワークショップ参加者に認識された。
 TENORM: Technologically Enhanced Naturally Occurring Radioactive Materials
  TENORM管理に関する各国の状況についての情報交換も行われた。 TENORM管理タスクグループの報告書の構成と作成日程について合意され、 2003年度と2004年度の活動結果を2005年3月末までにまとめ、発行することになった。 また、報告書の要約は2005年2月末までに日本保健物理学会誌に寄稿することとなった。

 最終のセッション−8では、FNCA 放射性廃棄物管理2005年度~2007年度における3カ年計画について討議した。 ワークショップ参加者により合意された2005年度以降の活動内容は以下の通りである。
− 2005年度の放射性廃棄物管理ワークショップは日本で開催する。
− 2004年3月のFNCAコーディネーター会合の決定に基づいてTENORM管理タスクグループ活動を延長実施する場合は、2004年度ないし2005年度にインドネシアとフィリピンを訪問する。
− 原子力施設廃止措置(Decommissioning)とクリアランス(Clearance)についての新タスクグループを設置し、2005年はインドネシアとフィリピンを訪問調査する。また2006年はオーストラリアとマレーシアを訪問することを暫定的に定めた。
− 次回ワークショップのサブミーティングのテーマについては「処分場の安全性評価」と「処分場の立地調査と立地手順」とする。

 ワークショップ参加者は、このワークショップを主催したMINT、AELB、文部科学省および日本原子力産業会議の協力に対して謝意を表明した。

 この議事録は2005年3月上旬に行われる第6回FNCAコーディネーター会合に承認用として提出する予定である。



参加者リスト

オーストラリア

Mr. Lubi Dimitrovski
Head, Waste Operations & Technology Development
Safety and Radiation Science
Australian Nuclear Science & Technology Organisation (ANSTO)

中国

Dr. Zhang Jintao
Deputy Director General
Department of Safety, Protection and Quality
China National Nuclear Corporation (CNNC)

Mr. Wang Xudong
Chief of D&D Laboratory
China Institute for Radiation Protection (CIRP)

インドネシア

Dr. Asmedi Suripto
Director
Radioactive Waste Management Development Center
National Nuclear Energy Agency (BATAN)

Dr. Djarot Sulistio Wisnubroto
Head for Radwaste Treatment Technology Division
Radioactive Waste Management Development Center
BATAN

日本

小佐古 敏荘
東京大学 原子力研究総合センター 助教授

原田 芳幸
文部科学省 原子力安全課 放射線規制室 課長補佐

上田 真三
三菱マテリアル(株) 放射性廃棄物管理部 部長

大越 実
日本原子力研究所 バックエンド技術部 放射性廃棄物管理第1課 課長

北田 哲夫
(財)原子力研究バックエンド推進センター 立地推進部長

北山 一美
原子力環境整備機構 技術部長

時澤 孝之
核燃料サイクル開発機構 人形峠環境技術センター環境計画課 課長

中居 邦浩
日揮(株)放射性廃棄物管理プロジェクトマネージャー

鍋本 豊信
石川島播磨重工業(株)原燃プロジェクト部 課長代理

米原 英典
(独)放射線医学総合研究所 放射線安全研究センター
ラドン研究グループ チームリーダー

小寺 充俊
(社)日本原子力産業会議 アジア協力センター 第3グループリーダー

韓国

Dr. Myung-Jae Song
Director General
Nuclear Environment Technology Institute (NETEC)
Korea Hydro & Nuclear Power Co., Ltd. (KHNP)

Dr. Hak-Soo Kim
Senior Member of Technical Staff
NETEC, KHNP

フィリピン

Ms. Editha A. Marcelo
Senior Science Research Specialist
Philippine Nuclear Research Institute (PNRI)

Mr. Teofilo Y. Garcia
Senior Science Research Specialist
PNRI

タイ

Mr. Sutat Thiangtrongjit
Head
Radioactive Waste Management Program
Office of Atoms for Peace (OAP)

Mr. Sombuun Jerachanchai
Radiation Physicist (Regulator)
OAP

ベトナム

Dr. Nguyen Ba Tien
Director of Purification Technology Center
Institute for Technology of Radioactive and Rare Elements (ITRRE, VAEC)

Dr. Cao Dinh Thanh
Director of
Center for Radioactive Waste Management and Environment
ITRRE, VAEC

マレーシア

Dr. Syed Abdul Malik Syed Zain
Manager
Radioactive Waste Management Centre
Technical Services Division
Malaysian Institute for Nuclear Technology Research (MINT)

Mr. Hasmadi Hassan
Head
Investigation and Prosecution Section
Enforcement Division
Atomic Energy Licensing Board (AELB)
Ministry of Science, Technology & Innovation

オブザーバー (マレーシア)

Mr. Nik Marzukee Nik Ibrahim
Radioactive Waste Management Centre
Technical Services Division
MINT

Mr. Wilfred Paulus
Radioactive Waste Management Centre
Technical Services Division
MINT

Dr. Syed Hakimi Sakuma Syed Ahmad
Special Project Division
MINT

Mr. Khairuddin Mohd Kontol
Special Project Division
MINT

Ms. Nuriati Nurdin
Licensing Division
Atomic Energy Licensing Board (AELB)

Ms. Azizah Umam
Technical Support Division
AELB


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