FNCA2007放射性廃棄物管理(RWM)ワークショップ
議事録(仮訳)
11月19−23日、タイ・バンコク
2007年度のFNCA放射性廃棄物管理ワークショップは、2007年11月19日から23日にタイのバンコクにおいて開催された。このワークショップは、地元主催組織としてのタイ原子力技術研究所(TINT)および日本の文部科学省(MEXT)の主催と原子力安全研究協会(NSRA)の協力により開催された。
このワークショップには、FNCA参加10か国、すなわちオーストラリア、バングラデシュ、中国、インドネシア、日本、韓国、マレーシア、フィリピン、タイおよびベトナムから放射性廃棄物管理に関連する政策決定、規制、操業および研究開発に携わる代表者が参加した。なお、オブザーバーとしてIAEAからの参加があった。
1日目は、セッション1として、放射性廃棄物管理の現状と進捗状況について、FNCA各国からカントリーレポートが発表された。セッション1の後、FNCA参加国のさらなる理解促進のためにポスターセッションが行われた。
2日目には、セッション2,3、および4として「医療放射性廃棄物の管理」、「処分施設のサイティング」および「処分施設の安全評価と概念設計」と題するサブミーティングが行われ、FNCA参加国の様々な観点から議論があり、包括的な理解が促進された。また、追加として、放射性廃棄物管理とデコミ&解体に関するIAEAの最近の動きが紹介された。
3日目は、ラヨーン県にあるGENCOによって操業されるタイの有害廃棄物施設の視察が行われた。
4日目は、「放射性廃棄物に関する課題と傾向:IAEAの見解」と題するIAEAの講演があり、引き続きセッション5として"デコミッショニングとクリアランスに関するタスクグループ活動の中間報告"と題する円卓会合が行われ、タイとベトナムで実施された議論と調査の結果が確認された。ここでは、現場において技術データを収集することおよび現実の状況を評価することの重要性が強調された。また、FNCA参加諸国における一般公衆や産業に過大な負担を負わせることのないように、科学的かつ合理的な規制が実施されるよう、共通のアプローチを調査検討すべきであることが確認された。
セッション6の円卓会議では、「FNCA放射性廃棄物管理の活動と将来について」と題する検討が行われた。放射性廃棄物管理プロジェクトは成功裏に実施され、放射性廃棄物の理解、特に技術的側面に関する理解の促進に繋がり、またアジア諸国における情報交換を促進してきた。
FNCAの枠組みにおける2005年から2007年度の3年計画について議論し良好な結果であったと結論した。
将来の方向性について、次の点について議論をした。
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過去13年間にわたるFNCA放射性廃棄物管理分野の活動の要約 |
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2006年9月にスタートしたIAEA-ANSN (アジア原子力安全ネットワーク)の放射性廃棄物タスクグループの現状 |
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ICRP-Publ.103(2007)の新勧告および放射線源のセキュリティ問題を含めた放射線安全の最近の国際的な動きについて |
将来の方向性について、次の点について議論をした。議論の結果、出席者はFNCAの放射性廃棄物管理グループの活動に高い評価を与え、活動を拡大すべきであるとした。将来的な活動として、IAEAによるANSNの技術支援や RCAの活動あるいは AOARP(アジア環太平洋放射線防護会議)などが考えられ、また、これらに関連する協力活動などが期待される。新たなニーズを考慮して、次のような安全問題:研究炉や発電炉の労働者と一般公衆に関する安全、研究所や医療施設でのラジオアイソトープの使用および放射性廃棄物処分に関連する環境問題、を含む新放射線安全プロジェクトの提案もあった。これらの議論は、将来の方向性の判断をするために、上のクラスでの検討、すなわちコーディネーター会合等に挙げられることとなった。
参加者は、このワークショップを開催した組織、すなわちTINTとMEXTおよび協力者であるNSRAに感謝の意を表した。
この議事については、2008年3月10、11日に開催が予定されている第9回コーディネーター会合に提出される予定である。
付属書
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