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FNCA 2005 放射線育種ワークショップ


2005年度の放射線育種ワークショップは、12月にマレーシアで行なわれました。


日   時:

2005年12月5日(月)〜12月9日(金)

場   所: マレーシア クアラルンプール市 レジェンドホテル


  12月5日から9日まで、マレーシアのクアラルンプール市で、文部科学省( MEXT )およびマレーシア原子力庁( MINT )主催の FNCA 放射線育種ワークショップが開催された。中国、インドネシア、日本、韓国、マレーシア、フィリピン、タイ、ベトナムの8カ国から合計29名、さらにオブザーバーとしてマレーシアより7名が参加した。

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image  初日の開会セッションでは、 MINT の Dr. Mohd Nazir Basiran が歓迎の挨拶を述べ、次いで MEXT の 清水美和子氏が挨拶を行った。続いて、 MINT 長官の Dr. Daud Mohamad が開会演説を行った。また、日本のプロジェクトリーダーの 中川仁氏が、「故田野先生追悼スピ ーチ」および「 FNCA 放射線育種プロジェクト全体のこれまでの研究概要」について発表を行った。

 引き続き、セッション1ではサブプロジェクト「ソルガム・ダイズの耐旱性」について報告、議論が行われた。
 ソルガムについては、中国、インドネシア、日本から研究進捗状況が発表され、本 プロジェクトimageを通じてインドネシアと中国の間で交換された種子を用いて、合計 11 (インドネシア 10 、中国 1 )の耐旱性突然変異系統を育成したと報告された。
  ダイズについては、日本の高木 胖 氏が基調講演を行い、続いてインドネシア、マレーシア、フィリピン、ベトナムから研究進捗状況の報告が行われた。本プロジェクトを通じて参加国間で交換した品種を育成した結果、各国で 有望な突然変異系統が選抜されたとの報告があった。

 2日目のセッション2では、日本、韓国およびマレーシアから計4件の特別講演が行われた。韓国の Dr. Si-Yong Kang から「韓国における放射線育種の研究成果と現在の状況」、日本の西村実氏から「消化の良い低蛋白米の新品種について」と題した講演が行われた。マレーシアからは、 Assoc. Prof. Dr. Mohamad Osman が「マレーシアにおけるロゼルの突然変異育種」、 Dr. Rusli Ibrahim が「マレーシアにおけるパパイヤとパイナップルの改良のための突然変異の誘発」についての講演を行った。

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image 続いて セッション3では、サブプロジェクト「ランの耐虫性」について報告、議論が行われた。 2005年9 月5−8日にタイのバンコク市で開催されたラン耐虫性専門家会合について、タイの Prof. Siranut Lamseejan から報告が行われ、 中間報告と今後の計画について承認を得た。

 セッション4の総合討論では、 放射線育種データベース (MBDB) および放射線育種マニュアル (MBM) について報告が行われ、 放射線育種マニュアル の冊子を配布した。マニュアルについては、 ISBN (国際標準図書番号)コードを取得することが提案されたが、そのためには引用した図表等について原著者からの了承が必要となることから、今後検討することになった。 image
  また、各国で報告された突然変異育種のレポートや文献をデータベース化する試みとして「放射線育種論文データベース( MUTATION BREEDING PUBLICATION DATABASE )」が新た に提案された。2006年4月末までに、各国から FNCA 事務局にこれまでに発表した英文の論文全文またはアブストラクトを提出してもらうことが合意された。また、これまでに事務局に送付された報告書等についてもデータベースに掲載することが了承された。

 3日目のセッション5では、サブプロジェクト「バナナの耐病性」について報告、議論が行われたimage。まず、 日本の夏秋啓子氏が基調講演を行い、続いてインドネシア、マレーシア、フィリピン、ベトナムより研究 進捗状況の報告が行われた。その後の議論において、病害に対する 抵抗性検定にあたっては、病原菌の人工接種試験による検定は重要であり、病原菌汚染地帯での直接選抜と平行して人工接種試験を行うことが勧められた。また、単一の対象病害 だけでなく、他の病害に対する 抵抗性も同時に検定することが勧められた。分子マーカーを用いた選抜技術も提案されたが、日本や中国から時期尚早であるとの意見が出され、今後の課題となった。

 その後、 MINT の ガンマグリーンハウスの建設現場を訪れた。2005年9月ごろ完成の予定であったが、資金の問題で建設が遅れており、後 2 年程かかる見通しとのことである。
 続いて、マレーシア国民大学( UKM )を訪問した。セッション2で報告のあった健康増進型の新果樹であるロゼル試験圃場を訪れ、ロゼルの突然変異体の選抜と評価を視察し、生産物の試飲も行った。

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 4日目のフィールドビジットでは、 ジョホール県のオイルパームプランテーションに併設したバナナ栽培を行う クリム・モンテル・ファームを訪れた。育苗過程から生産物の洗浄と梱包までのプロセスを含むバナナ農園の運営について説明を受け、洗浄作業や梱包作業などを視察した。
 その後、マレーシア農業研究開発庁( MARDI )ポンティアン支場 を訪れた。劣悪土壌で栽培可能なパイナップルやパパイヤの品種改良の重要性などの概要、 ポンティアン支場の研究活動や MARDI のパパイヤ育種プロジェクトと突然変異技術の適用などについて説明を受け、その後、パイナップルとパパイヤの試験圃場で、パイナップルの人工交配や雌雄同花パパイヤの選抜と選抜個体の接ぎ木技術による増殖の実演を視察した。

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 5日目のセッション6では、 放射線育種プロジェクトの今後の計画について議論を行った。プロジェクトの方向性としては、情報交換だけでなく、問題解決型プロジェクトに重点を置くことが確認された。また、予算の効率的な運用を図るため、各国のプロジェクトリーダーは少なくとも一つのプロジェクト課題を担当することが好ましいことが事務局から提起され、確認された。
image 韓国より4つの新規候補プロジェクトが提案され、「成分改変または品質改良育種(仮題)」プ ロジェクトが選ばれた。 対象作物として主にイネ、ダイズ、小麦、ソルガムなどが提案さ れ、 全ての国がこのプロジェクトに参加することに合意した。今後事務局より新規プロジェクト立ち上げのためのフォーマットを各国に送付し、次回のワークショップまでに議論を深めることとなった。

 次回のワークショップは、2006 年8 月後半から9月前半頃に日本で開催されることとなり、2007年度ワークショップは韓国で開催されることが決定された。また、今年度開催された ラン耐虫性専門家会合は非常に有益であったことが各国から表明されたことから、バナナ耐病性プロジェクトについて、来年度はワークショップとは別に2006年7月頃にフィリピンで専門家会合を開催することが合意された。


2005年度FNCA放射線育種ワークショップ議事録

マレーシア クアラルンプール市

2005年12月5日 〜 9日

2005 年 3 月 31 日、 4 月 1 日に東京で開催された第 6 回アジア原子力協力フォーラム( FNCA )コーディネーター会合の合意に基づき、 2005 年度 FNCA 放射線育種ワークショップが次の通り開催された。

日 程 : 2005年12月5日(月)−9日(金)
場 所 :

マレーシア
クアラルンプール市 レジェンドホテル
バンギ市 マレーシア原子力庁 ( MINT )

主 催 :
  日本 文部科学省( MEXT )  
  マレーシア原子力庁( MINT )
協 力 : (社)日本原子力産業会議(JAIF)
参加者 : 中国、インドネシア、日本、韓国、マレーシア、フィリピン、タイ、ベトナムの 8 カ国から合計 29 名が参加。さらにオブザーバーとしてマレーシアより 7 名が参加。


開会セッション:


 まず、 MINT を代表して Dr. Mohd Nazir Basiran が歓迎の挨拶を述べ、次いで MEXT を代表して清水美和子氏が挨拶を行った。続いて、マレーシア科学技術大臣の YB Dato' Sri Dr. Jamaludin bin Mohd Jarjis に代わって、 MINT の長官である Dr. Daud Mohamad が開会挨拶を行った。
  開会式の後、日本のプロジェクトリーダーである中川仁氏が、「故田野先生追悼スピーチ」および「 FNCA 放射線育種プロジェクト全体のこれまでの研究概要」について発表を行った。

セッション1: サブプロジェクト「ソルガム・ダイズの耐旱性」

 中国、インドネシア、日本から、「ソルガムの耐旱性」に関する進捗状況報告が行われた。
 日本の高木胖氏がダイズに関する基調講演を行い、続いてインドネシア、マレーシア、フィリピン、ベトナムから、「ダイズの耐旱性」に関する進捗状況報告が行われた。
 付属文書Vにある通り、「ソルガム・ダイズの耐旱性サブプロジェクトの現在の状況と今後の計画」について議論が行われ、以下の点について合意された。

ソルガム

 参加国(インドネシア、中国)は、望ましい農業形質、高品質、および耐旱性を備えた、合計 11 (インドネシア 10 、中国 1 )の突然変異系統を育成した。これらの育種素材は、この育種プログラムのためにインドネシアと中国の間で交換されたものである。中国では、公開済みのスイートソルガム突然変異品種( Yuantian 1 )について普及に向けた圃場での実証展示が行われた。インドネシアでは、複数場所での系統適応性検定試験に供試するために、カウンターパートの企業の LIPPO によって、耐旱性突然変異系統の種子増殖が行われた。イオンビーム照射による誘発育種材料が現在インドネシア、中国、日本で研究されている。この研究では、インドネシアと日本では同一の材料を用いている。一方、ソルガムを基にした食料や家畜の飼料、製品等に係わる産業が各参加国で育成されてきた。このことにより、農家は顕著な影響を受け、経済成長が促進されるであろう。

ダイズ

  フィリピンでは、 6 つの突然変異系統、すなわち自国で育成した 3 系統 (PSB-Sy5, BPI-Sy4 および PSB-Sy4) およびベトナムで育成した 3 系統( DT-95, AKO-6 および DT-84 )が有望系統として選抜された。マレーシアでは、フィリピンから導入された品種である PSB-Sy4 が、早生性で耐旱性を備えていることから可能性のある候補として選抜された。インドネシアでの調査において、対照品種の収量が 2.22 トン / ヘクタールあり、これは収量試験を行った供試系統の中で最も高かった。その調査で、 M220 は、収量が 2.14 トン / ヘクタールあり、他の誘発系統より収量が高く、有望な突然変異系統の一つである。今後、 M220 は、耐旱性および多収性の調査の後に公開する予定である。ベトナムでは、これまでに農業遺伝学研究所 (IAG) において 10 の突然変異品種および交配による品種が育成され、ダイズの収量増加に貢献してきた。最近では、耐旱性ダイズ育成の研究のためにダイズ 3 品種 (DT96, DT2001 および D.158) を供試して ガンマ線照射を行っており、さらに耐旱性のある突然変異系統が選抜されている。

セッション 2 :特別講演

 日本、韓国およびマレーシアから 4 件の特別講演が行われた。講演の概要は以下の通りである。

  1. 韓国では、新しく開発した植物品種の登録は、農林省の下にある国立種子管理局( National Seed Management Office )を通過する必要がある。育種に少なくとも 10 年、新品種の登録に 2 年の期間が必要であり、公表された品種は保護される。韓国では、(塩害地帯において)米の平均収量が 5 トン / ヘクタールとなる、耐塩性イネ品種の育種目標を掲げている。
  2. 日本では、グルテリン含量が低くプロラミン含量が高い新品種である LGC1 が突然変異育種によって育成された。プロラミンが難消化性蛋白質であることから、 LGC1 は実用的に低蛋白質米として利用することが可能で、腎臓病患者のように蛋白質の摂取制限を必要とする人々にも利用可能である。この低グルテリン含量を発現する突然変異遺伝子 Lgc1 ( Low glutelin content 1) の機能は分子遺伝学的に解明され、 報告された。また、 LGC1 と 26-kDa グロブリン欠失突然変異系統との交配によって、 2 つの新たな品種が開発され、日本の農林水産省に農林登録品種として登録された。これら 2 品種は、通常の品種と比べ易消化性蛋白質の含量が半分近く減少している。
  3. ロゼルジュースは、マレーシアの国民に広く受け入れられている。ロゼルは、高アントシアニン、高ビタミン C のように健康に良い多くの成分を多量に含み、さらにダイエット商品として利用できる可能性のある HCA (ハイドロキシクエン酸)を含んでいる可能性がある。
  4. マレーシアでは、パパイヤの接ぎ木は雌雄同体株の繁殖に用いられる一般的な方法である。雌雄同体株の果実は、雄株あるいは雌株の果実に比べて、消費者に好まれている。
  5. パイナップルの培養器内増殖においては、 1.0 リットルの一時的浸漬式バイオリアクターと 5.0 リットルの空気揚水バイオリアクターが使われる。

セッション 3 :サブプロジェクト「ランの耐虫性」

 2005 年 9 月 5-8 日にタイのバンコク市で開催されたラン耐虫性専門家会合について、タイの Prof. Siranut Lamseejan から報告が行われた。発表の後、ランプロジェクトの中間報告と今後の計画について議論が行われ承認された。

セッション 4 :総合討論

 放射線育種データベース (MBDB) および放射線育種マニュアル (MBM) について日本より報告が行われ、以下の点について提案および合意された。

  1. 提案された新たな「放射線育種論文データベース( MUTATION BREEDING PUBLICATION DATABASE )」のため、 2006 年 4 月末までに FNCA 事務局にこれまでに発表した英文の論文全文またはアブストラクトを提出する。
  2. FNCA は、これまでに各国から送られたカントリーレポートを「放射線育種論文データベース」に入れることを提案し、合意された。
  3. 放射線育種データベースは、特定の情報の機密性を保持する必要があるため、現在のところ FNCA ネットワーク以外と共有される状態にない。
  4. 放射線育種マニュアルの印刷物が各参加者に配られ、 FNCA はインターネットを通じて放射線育種マニュアルにアクセスする方法を説明し実演を行った。
  5. インドネシアは、放射線育種マニュアルを ISBN (国際標準図書番号)に登録することを提案した。 ISBN コードがあれば、公式な発行物となり、 FNCA 参加国以外にも広く知られるようになる。しかしながら、そのためには、 FNCA が外部資料からの素材や参照の使用について原著の許諾を得る必要性が伴うことが指摘された。

セッション 5 :サブプロジェクト「バナナの耐病性」

 日本の夏秋啓子氏がバナナのウイルス病に関する基調講演を行い、続いてインドネシア、マレーシア、フィリピン、ベトナム から、「バナナの耐病性」に関する 進捗状況報告が行われた。
 付属文書 V にある通り、 「バナナ の耐病性サブプロジェクトの現在の状況と今後の計画」について議論が行われ、以下の点について合意された。

 フィリピンでは、 BBTV ( バナナ萎縮病ウイルス)の選抜が有望突然変異系統の第 1 および第 2 世代について行われ、 2 系統が線虫( nematodes ) に対する抵抗性で評価された。圃場条件下において、 43 の BBTV 推定耐性系統の中から、 13 系統に BBTV に対する耐性が認められた。各々の世代で 1 つの一次選抜で耐性があると推定された系統が、線虫 2 種( R. similis M. incognita )に耐性を示した。インドネシア、マレーシア、ベトナムでは、温室内と病原菌汚染地帯において、耐性と推定された有望系統のフザリウムに対する耐性の二次評価が行われた。ベトナムでは、温室内(での接種試験)において、フザリウムへの耐性について 17 の有望突然変異系統が識別された。マレーシアでは、温室内において、ダブル・トレー技術を用いてフザリウムへの耐性の選抜が行われた。同時に、民間企業( United Plantations Bhd. ) と共同で、 3000 の照射した植物について病原菌汚染地帯においてスクリーニングを行った。しかし、これら二つの技術では、フザリウム病に対する真の耐性植物を選抜することができなかった。そのため、抵抗性突然変異系統を同定するために温室内での(接種試験を用いた)適切な評価を行う必要性が提案された。

セッション 6 :円卓討論

 今後の計画について、以下の通り提案され参加者によって合意された。

  1. フェイズ IV では、問題解決型プロジェクトに重点を置くこととする。 FNCA は、各サブプロジェクトの経済的・社会的効果の評価の必要性を強調した。
  2. 2006 年度 FNCA 放射線育種ワークショップは、 8 月後半から 9 月前半頃に日本で開催されることとなった。 2007 年度ワークショップは韓国で開催される予定である。
  3. バンコクで行われたラン耐虫性専門家会合は非常に有益であったため、次回のバナナ耐病性専門家会合は別途 2006 年 7 月にフィリピンで開催することとする。この専門家会合には、プロジェクトに特有の問題について助言を行うことが可能な専門家や企業 (user) などを含めるべきである。
  4. FNCA より、プロジェクトリーダーは、少なくとも一つは参加しているサブプロジェクトの専門家を兼ねるべきであるという提案がなされた。
  5. 韓国は、 2007 年度から実施する 4 つの候補プロジェクトを提案した。 4 つの中で、主にイネ、ダイズ、小麦、ソルガムなどにおける「成分改変または品質改良育種(仮題)」プロジェクトが選ばれた。当初は、全ての国(中国、インドネシア、日本、韓国、マレーシア、フィリピン、タイ、ベトナム)がこのプロジェクトに参加することに合意した。新規プロジェクト立ち上げのためのフォーマットは FNCA 事務局から送られる予定であり、プロジェクトの詳細は次回のワークショップまでにさらに議論される予定である。

テクニカルビジット(現地視察)

 MINT のガンマグリーンハウス建設現場を訪れ、 Dr. Rusli Ibrahim よりガンマグリーンハウスおよび現在進行中の建設作業について説明を受けた。また、 Dr. Mohamad Osman による「マレーシアにおけるロゼル(果樹)の突然変異育種について」と題した招待講演に関連して、マレーシア国民大学( UKM )のロゼル試験圃場を訪れ、ロゼルの突然変異体の選抜と評価を視察し、ロゼルジュースなどの製品を試食した。
 その後、ジョホール県の クリム・モンテル・ファームと マレーシア農業研究開発庁( MARDI )ポンティアン支場 を訪れた。クリム・モンテル・ファームでは、マネージャーの Mr. Roslan Osman より梱包までのプロセスを含むバナナ農園の運営について説明を受け、梱包作業などを視察した。 MARDI では、研究員の Ms. Kogee より MARDI ポンティアン支場の研究活動について説明を受け、続いて Dr. Chan Ying Kwok が MARDI のパパイヤ育種プロジェクトと突然変異技術の適用などに関して発表を行った。その後、パイナップル博物館 The Pineapple Museum) を視察した後に、パイナップルとパパイヤの試験圃場を訪れ、 Dr. Chan がパイナップルの交配やパパイヤの接ぎ木技術を実演しながら紹介した。

 この議事録はすべてのワークショップ参加者によって議論、合意された。これは 2006 年 3 月に東京で開催される第 7 回 FNCA コーディネーター会合で報告される予定である。

付属書類:
1. 2005 年度 FNCA 放射線育種ワークショッププログラム
2. 2005 年度 FNCA 放射線育種ワークショップ参加者リスト
3. 2005 年度 FNCA 放射線育種サブプロジェクト活動の概要
4. FNCA 放射線育種プロジェクト三ヵ年計画



2005年度 FNCA放射線育種ワークショッププログラム


日   時: 2005年12月5日(月)〜9日(金)
場   所:

マレーシア
クアラルンプール市 レジェンドホテル
バンギ市 マレーシア原子力庁 ( MINT )

主   催:

日本 文部科学省( MEXT )
マレーシア原子力庁( MINT )

協   力: (社)日本原子力産業会議(JAIF)
使用言語: 英語



12月5日(月)

08:30-09:00 登録
09:00-09:30 歓迎挨拶(マレーシア原子力庁)
挨拶(日本文部科学省)
9:30-9:45 開会挨拶(マレーシア科学技術大臣)
9:45 -10:10 休憩・記念写真撮影
10:10-10:15 故田野先生追悼スピーチ(中川仁 氏)
10:15-10:30

FNCA 放射線育種プロジェクトの概観(中川仁 氏)

セッション 1 : サブプロジェクト「ソルガム・ダイズの耐旱性(ソルガム)」
議長 : インドネシア

10:30-11:00 中国:進捗状況報告 ( Prof. Liu Luxiang )
11:00-11:30 インドネシア:進捗状況報告 ( Dr. Soeranto Human )
11:30-12:00 日本:ソルガムに関する発表(中川仁 氏)
12:00-13:00 ソルガムについての討論
13:00-14:00 昼食

引き続きセッション 1 : サブプロジェクト「ソルガム・ダイズの耐旱性(ダイズ)」
議長 : ベトナム

14:00-14:45 日本:ダイズに関する基調講演(高木 胖 氏 )
14:45-15:15 インドネシア:進捗状況報告( Dr. Masrizal )
15:15-15:30 休憩
15:30-16:00 マレーシア:進捗状況報告( Assoc. Prof. Dr. Mohamad Osman )
16:00-16:30 フィリピン:進捗状況報告( Ms. Avelina Gutierrez Lapade )
16:30-17:00 ベトナム:進捗状況報告( D r. Mai Quang Vinh )
17:00-18:00 ダイズについての討論
20:00 MINT ・ JAIF 共催レセプション


12月6日(火)

引き続きセッション 1 : サブプロジェクト「ソルガム・ダイズの耐旱性」
議長 : 日本

09:00-10:30 討論:ソルガム・ダイズの耐旱性サブプロジェクトの現在の状況と今後の計画
10:30-10:50 休憩
セッション 2 : 特別講演
議長 : 中国
11:00-11:30 講演:「韓国における放射線育種の研究成果と現在の状況」( Dr. Si-Yong Kang )
11:30-12:00 講演:「消化の良い低蛋白米の新品種について」(西村実 氏)
12:00-12:30 招待講演 1 :「マレーシアにおけるロゼルの突然変異育種について」( Assoc. Prof. Dr. Mohamad Osman )
12:30-13:00 招待講演 2 :「マレーシアにおけるパパイヤとパイナップルの改良のための突然変異の誘発について」( Dr. Rusli Ibrahim
13:00-14:00 昼食
セッション3 : サブプロジェクト「ランの耐虫性」
議長 : タイ
14:00-14:30 ランの耐虫性専門家会合および中間評価についての報告( Prof. Dr. Siranut Lamseejan )
14:30-15:30 ランについての討論
15:30-15:50 休憩
セッション 4 : 総合討論
議長 : 日本
15:50-16:10 放射線育種データベース (MBDB) および放射線育種マニュアル (MBM) の報告(中川仁 氏)
16:10-17:00 MBDB および MBM についての討論


12月7日(水)
セッション 5 : サブプロジェクト「バナナの耐病性」
議長 : 韓国
09:00-09:40 日本:バナナのウイルス病に関する基調講演 (夏秋啓子 氏)
09:40-10:10 インドネシア:進捗状況報告 ( Dr. Ishak )
10:10-10:40 マレーシア:進捗状況報告( Dr. Rusli Ibrahim ) )
10:40-11:00 休憩
引き続きセッション 5 : サブプロジェクト「バナナの耐病性」
議長 : フィリピン
11:00-11:30 フィリピン:進捗状況報告( Dr. Teodora Ocampo Dizon )
11:30-12:00 ベトナム::進捗状況報告( Dr. Dang Trong Luong )
12:00-13:00 討論:バナナの耐病性サブプロジェクトの現在の状況と今後の計画
13:00-14:00 昼食
14:00-17:00

テクニカルビジット:
MINT ガンマグリーンハウス
マレーシア国民大学( UKM )ロゼル試験場



12月8日(木)

テクニカルビジット:
クリム・モンテル・ファーム
マレーシア農業研究開発庁( MARDI )パイナップル・パパイヤ試験場



12月9日(金)
セッション6 : 円卓討議
議長 : 日本、マレーシア
09:00-10:00 討論:放射線育種プロジェクトの今後の計画と展望
10:00-10:15 休憩
10:15-12:15 議事録原案起草
12:15-14:30 昼食
14:30-15:30 議事録作成・採択
15:30-16:00 閉会

PARTICIPANTS LIST
OF FNCA 2005 WORKSHOP ON MUTATION BREEDING
December 5 〜 9, 2005
Kuala Lumpur, MALAYSIA



Country

Name

Address

China

1. Dr. Lu Daguang

Program officer
China-IAEA/RCA Coordination Office
Dept. of International Cooperation
Chinese Academy of Agricultural Sciences (CAAS)

2. Prof. Liu Luxiang

Director
Dept. of Plant Mutation Breeding & Genetics
Institute of Crop Science
Chinese Academy of Agricultural Sciences (CAAS)

Indonesia

3. Dr. Masrizal

Assistant Deputy for Development of National Science and Technology SystemState Ministry for Research and Technology

4. Dr. Soeranto Human

Plant Breeder
National Nuclear Energy Agency (BATAN)

5. Dr. Ishak

Evaluation of Fusarium Resistant banana mutant
R&D Center for Isotopes and Radiation Technology (CRDIRT)
National Nuclear Energy Agency (BATAN)

Japan

6. Dr. Hitoshi Nakagawa

Director
Institute of Radiation Breeding (IRB)
National Institute of Agrobiological Sciences (NIAS)

7. Dr. Keiko Natsuaki

Professor
Faculty of International Agriculture and Food Studies
Tokyo University of Agriculture

8. Dr. Minoru Nishimura

Head
Mutation Genetics Laboratory
Institute of Radiation Breeding (IRB)
National Institute of Agrobiological Sciences (NIAS)

9. Prof. Yutaka Takagi

Professor emeritus
Saga University

10. Ms. Miwako Shimizu

Special Staff
Atomic Energy Division
Research and Development Bureau
Ministry of Education, Culture, Sports, Science and Technology (MEXT)

11. Mr. Takao Nagasaki

Project Manager
Asia Cooperation Center (ACC)
Japan Atomic Industrial Forum (JAIF)

12. Ms. Yuko Wada

Senior Staff
Asia Cooperation Center (ACC)
Japan Atomic Industrial Forum (JAIF)

Korea

13. Dr. Si-Yong Kang

Principal Researcher, Project Leader
Advanced Radiation Technology Institute (ARTI)
Korea Atomic Energy Research Institute (KAERI)

Malaysia

14. Dr. Mohd Nazir Basiran

Manager
Ornamental Group
Agrotechnology and Biosciences Division
Malaysian Institute for Nuclear Technology Research (MINT)

15. Assoc. Prof. Dr. Mohamad Osman

Associate Professor
Malaysia
School of Environmental and Natural Resource Sciences
Faculty of Science and Technology
Universiti Kebangsaan Malaysia (UKM)

16. Dr. Rusli Ibrahim

Manager
Industrial Crop Group
Agrotechnology and Biosciences Division
Malaysian Institute for Nuclear Technology Research (MINT)

17. Dr. Zaiton Ahmad

Research Officer
Ornamental Group
Agrotechnology and Biosciences Division
Malaysian Institute for Nuclear Technology Research (MINT)

18. Ms. Shakinah Salleh

Research Officer
Ornamental Group
Agrotechnology and Biosciences Division
Malaysian Institute for Nuclear Technology Research (MINT)

19. Ms. Sakinah Ariffin

Research Officer
Ornamental Group
Agrotechnology and Biosciences Division
Malaysian Institute for Nuclear Technology Research (MINT)

20. Ms. Affrida Abu Hassan

Research Officer
Ornamental Group
Agrotechnology and Biosciences Division
Malaysian Institute for Nuclear Technology Research (MINT)

21. Ms. Alvina Lindsay Mijen

Research Officer
Industrial Crop Group
Agrotechnology and Biosciences Division
Malaysian Institute for Nuclear Technology Research (MINT)

22. Ms. Ros Anita Ahmad Ramli

Research Officer
Bioindustry Group
Agrotechnology and Biosciences Division
Malaysian Institute for Nuclear Technology Research (MINT)

23. Ms. Ros Anita Ahmad Ramli

Research Officer
Industrial Crop Group
Agrotechnology and Biosciences Division
Malaysian Institute for Nuclear Technology Research (MINT)

The Philippines

24. Ms. Avelina Gutierrez Lapade

Supervising Science Research Specialist and Head
Agricultural Research Section / Atomic Research Division
Philippine Nuclear Research Institute (PNRI)

25. Dr. Teodora Ocampo Dizon

Research Associate Professor
Plant Pathology Laboratory
Institute of Plant Breeding (IPB),
niversity of the Philippines at Los Ba?os (UPLB)

Thailand

26. Assoc. Prof. Arunee Wongpiyasatid

Lecturer & Senior Researcher
Department Of Radiation and Isotopes
Faculty of Science
Kasetsart University (KU)

27. Prof. Dr. Siranut Lamseejan

Professor and Consultant
Gamma Irradiation Service and Nuclear Technology Research Center
Kasetsart University (KU)

Vietnam

28. Mr. Mai Quang Vinh

Head
Legume Research Division
Agricultural Genetics Institute
Ministry of Agricultural and Rural Dev.

29. Dr. Dang Trong Luong

Head
Genetics and Upland Crop Breeding Dept.
Agricultural Genetic Institute
Ministry of Agricultural and Rural Dev.




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