FNCA

放射線育種 ワークショップ

MENU
photo
プロジェクト紹介
 
プロジェクトリーダー
- メッセージ
- 紹介
 
放射線育種論文
データベース

 
放射線育種マニュアル
ソルガム・ダイズ成果書
ラン耐虫性育種成果書
バナナ耐病性育種成果書
イネ品質改良育種成果書
持続可能な農業のためのイネ育種成果書
 
活動成果に関連した論文
リスト

ワークショップ

FNCA 2018 放射線育種ワークショップ

FNCA 2018 放射線育種プロジェクトワークショップ
概要

2018年10月29日 – 11月1日
ベトナム、ハノイ市


集合写真

 本ワークショップは、平成30年10月29日〜11月1日までの4日間、ベトナム・ハノイのベトナム原子力研究所(VINATOM)において開催されました。

開会セッション
 はじめに、VINATOM副所長のTran Ngoc Toan氏、および農業遺伝学研究所(AGI)学術会議議長のLe Huy Ham氏より歓迎挨拶がありました。続いて、FNCA日本アドバイザーの南波秀樹氏より開会挨拶が述べられました。

基調講演
 南波氏より、2017年〜2018年のFNCA活動の概要および主な成果が紹介されました。続いてFNCA放射線育種プロジェクト日本プロジェクトリーダー(PL)の中井弘和氏より、FNCA放射線育種プロジェクトの目的とサブプロジェクトの歴史、および本ワークショップの主な議題について説明があり、また各国の主要な活動成果が紹介されました。

ソルガム・ダイズサブプロジェクトのフォローアップ
 インドネシアのArwin氏より、ソルガム・ダイズの突然変異育種について発表がありました。ダイズでは、耐旱性および酸性土壌耐性を有する2つの早生変異系統について地域適応性試験を行っており、今後様々な試験を経て新品種として登録する予定であることが紹介されました。また、イネとの輪作に適するダイズとして、早生、多収、黒色、親品種より大粒といった特性を示す2つの変異体をM3世代から選抜したことが報告されました。またソルガムについては、2つの変異系統を選抜しており、今後評価を進める予定であることが紹介されました。

会合の様子の写真
Dr Toanの写真

公開セミナー
 10月29日午後には、「持続可能な開発のための放射線技術・放射線育種の応用」と題した公開セミナーが開催され、35名が参加しました。持続可能な農業のための突然変異育種研究について、日本、ベトナム、中国およびタイから発表があり、各発表の後、質疑応答と議論が行われました。

気候変動下における低投入の持続可能型農業に向けた主要作物の突然変異育種プロジェクトに関する各国発表
 9ヵ国より、気候変動下における低投入の持続可能型農業に向けた主要作物の突然変異育種プロジェクトに関する進捗状況及び活動計画が発表されました。

気候変動下における低投入の持続可能型農業に向けた主要作物の突然変異育種プロジェクトの5年計画
 中井氏よりリードスピーチがあり、新たなフェーズにおいては低投入条件への適応力が主なターゲットとなることが強調されました。また、中井氏から挙げられた論点に沿って議論が行われました。

IAEA/RCAとの協力
 南波氏より、RCAとFNCAの現在の協力状況について発表があり、FNCAとRCAの相互関係に関する情報、および協力プロジェクトにおける非FNCA-RCA加盟国の参加に関する計画が紹介されました。また、Liu Luxiang氏の代理として、マレーシア原子力庁のSobri Bin Hussein氏より、RCA突然変異育種プロジェクトRAS5077の進捗状況について発表があり、議論が行われました。

議事録および閉会セッション
 議事録が議論され、全ての参加者により採択されました。また、Hussein氏より、来年度のワークショップについてはマレーシアが開催国となり、9月にクアラルンプールにおいて開催予定であることが紹介されました。最後に、Tran氏および南波氏より閉会の挨拶があり、全ての参加者の尽力と貢献に対し謝辞が述べられました。

テクニカルビジット
 参加者は、10月31日にAGIを訪問しました。研究所の概要に関する発表の後、関連する研究室および研究施設を視察し、またベトナムにおける持続可能な農業の発展に資する突然変異品種コレクションルームを訪問しました。

視察時の集合写真
研究室の写真1
テクニカルビジットの写真 1
研究室の写真2



FNCA 2018 放射線育種プロジェクトワークショップ
議事録

2018年10月29日 – 11月1日
ベトナム、ハノイ市


1) ワークショップの開催概要

ⅰ) 期 日 平成30年10月29日(月)〜11月1日(木)
ⅱ) 場 所 ベトナム・ハノイ(ベトナム原子力研究所)
ⅲ) 主 催 文部科学省(MEXT)
ベトナム原子力研究所(VINATOM)
農業遺伝学研究所(AGI)
ⅳ) 参加者

バングラデシュ、中国、インドネシア、マレーシア、モンゴル、フィリピンより各1名、タイ、ベトナムより各3名、日本より4名、合計16名(添付資料2参照)

ⅴ) 日 程 添付資料1参照

 本ワークショップは、平成30年10月29日〜11月1日までの4日間、ベトナム・ハノイのベトナム原子力研究所(VINATOM)において開催された。

開会セッション
 VINATOM副所長のTran Ngoc Toan氏、および農業遺伝学研究所(AGI)学術会議議長のLe Huy Ham氏より歓迎挨拶があった。続いて、FNCA日本アドバイザーの南波秀樹氏より開会挨拶が述べられた。

基調講演
 南波氏より、2017年〜2018年のFNCA活動の概要および主な成果が紹介された。続いてFNCA放射線育種プロジェクト日本プロジェクトリーダー(PL)の中井弘和氏より、FNCA放射線育種プロジェクトの目的とサブプロジェクトの歴史、および本ワークショップの主な議題について説明があり、また各国の主要な活動成果が紹介された。

セッション 1 ソルガム・ダイズサブプロジェクトのフォローアップ
 インドネシアのArwin氏より、ソルガム・ダイズの突然変異育種について発表があった。ダイズでは、耐旱性および酸性土壌耐性を有する2つの早生変異系統について地域適応性試験が行われており、今後様々な試験を経て新品種として登録される予定である。また、イネとの輪作に適するダイズとして、早生、多収、黒色、親品種より大粒といった特性を示す2つの変異体がM3世代から選抜された。また、ソルガムについては2つの変異系統が選抜されており、今後評価が進められる。発表概要は添付資料3の通りである。

公開セミナー
 10月29日午後には、「持続可能な開発のための放射線技術・放射線育種の応用」と題した公開セミナーが開催され、35名が参加した。はじめに中井氏より、持続可能な農業のための突然変異育種の展望について、自然農法に適応するイネの突然変異育種に関する試験が紹介された。次にLe氏より、ベトナムにおける突然変異育種の経済効果について発表があった。続いてAGIのLe Duc Thao氏からは、突然変異育種を利用したダイズの品種改良について言及された。AGIのNguyen Anh Vu氏からは、キャッサバの品種改良におけるイオンビームの応用について報告があった。量子科学技術研究開発機構(QST)の長谷純宏氏からは、シロイヌナズナにおける炭素イオンビーム誘発突然変異のゲノムワイド解析が紹介された。浙江大学のShu Qingyao氏からは、ゲノム編集時代における突然変異育種と題して発表があった。最後にタイ米作局のKanchana Klakhaeng氏より、タイにおける持続可能な農業のための突然変異育種について報告があった。
各発表の後、質疑応答と議論が行われた。GWASやゲノム編集などの分子技術と突然変異育種の併用は、持続可能な農業に向けた新品種の育成に大きな可能性をもたらすと考えられた。

セッション 2 気候変動下における低投入の持続可能型農業に向けた主要作物の突然変異育種プロジェクトに関する各国発表
 9ヵ国より、気候変動下における低投入の持続可能型農業に向けた主要作物の突然変異育種プロジェクトに関する進捗状況及び活動計画が発表された。各国の発表概要は添付資料3の通りである。

セッション 3 気候変動下における低投入の持続可能型農業に向けた主要作物の突然変異育種プロジェクトの5年計画
 中井氏よりリードスピーチがあり、新たなフェーズにおいては低投入条件への適応力が主なターゲットとなることが強調された。中井氏から挙げられた論点に沿って議論が行われた後、参加者は以下の事項を確認した。

  1. 全ての参加国は気候変動による有害な影響に直面している。
  2. 在来品種は、気候変動下における非生物的ストレス耐性、および安定的な収量に関する遺伝子の有望な供与者である。しかしながら、より優れた品種を育成するためには付与された表現型の原因遺伝子の同定が必要である。
  3. 低投入条件に適応する変異体を選抜するために、収量は最も重要な目標である。加えて、持続可能な農業実現に向けて、適正な肥料投入量の評価のために、特に窒素といった栄養素を測定・管理すべきである。

セッション 4 IAEA/RCAとの協力
 南波氏より、RCAとFNCAの現在の協力状況について発表があり、FNCAとRCAの相互関係に関する情報、および協力プロジェクトにおける非FNCA-RCA加盟国の参加に関する計画が紹介された。また、FNCAとRCAの放射線育種プロジェクトにおける現在の協力関係については満足していることが述べられ、FNCAとRCAにおける全体的な協力の推進方法について洞察が示された。
Liu Luxiang氏の代理として、マレーシア原子力庁のSobri Bin Hussein氏より、RCA突然変異育種プロジェクトRAS5077の進捗状況について発表があった。アジア・太平洋地域の多くの国々において、気候変動下での食糧・栄養保障は常に関心事項であり、突然変異育種技術を利用して環境に優しい作物生産を増進するためには、関連するバイオテクノロジーを併用してグリーンクロップ品種を開発すべきであり、RCA加盟国におけるこの能力は強化されるべきである。現在日本では、新たな突然変異品種の開発を目的としてFNCA参加国にイオンビーム照射サービスを提供している。

議事録および閉会セッション
 議事録が議論され、全ての参加者により採択された。本議事録は2019年3月に日本で開催される第20回コーディネーター会合において報告される。Hussein氏より、来年度のワークショップについてはマレーシアが開催国となり、9月2日〜5日を日程案としてクアラルンプールにおいて開催される予定であることが紹介された。最後に、Tran氏および南波氏より閉会の挨拶があり、全ての参加者の尽力と貢献に対し謝辞が述べられた。

2)テクニカルビジット
 参加者は、10月31日にAGIを訪問した。研究所の概要に関する発表の後、関連する研究室および研究施設を視察し、またベトナムにおける持続可能な農業の発展に資する突然変異品種コレクションルームを訪問した。

3)添付資料
i) プログラム
ii) 参加者リスト
ii) セッションサマリー



FNCA 2018 放射線育種プロジェクトワークショップ
プログラム

2018年10月29日 – 11月1日
ベトナム、ハノイ市


2018年10月29日(1日目)

09:00-10:30 開会セッション
議長:LE Huy Ham氏、ベトナム
1. 歓迎挨拶
 1) TRAN Ngoc Toan氏、ベトナム原子力研究所副所長
 2) LE Huy Ham氏、農業遺伝学研究所学術会議議長
 3) 南波秀樹氏、FNCA日本アドバイザー
2. 基調講演
 1) FNCA活動の概要および2017年〜2018年の進捗状況
    南波秀樹氏、FNCA日本アドバイザー
 2) FNCA放射線育種プロジェクト活動の概要およびワークショップの目的
    中井弘和氏、FNCA放射線育種プロジェクト日本プロジェクトリーダー
3. 参加者紹介
4. アジェンダ採択
10:30-10:45 記念撮影および休憩
10:45-11:30 Sセッション1 ソルガム・ダイズサブプロジェクトのフォローアップ
議長:A N K MAMUN氏、バングラデシュ
 1. ソルガム・ダイズ耐旱性育種サブプロジェクト
    Arwin氏、インドネシア
 2. まとめ
11:30-14:00 昼食
公開セミナー
持続可能な開発のための放射線技術・放射線育種の応用
議長:ベトナム
14:00-14:10 1. 開会挨拶
 1) TRAN Ngoc Toan氏、ベトナム原子力研究所副所長
 2) LE Huy Ham氏、農業遺伝学研究所学術会議議長
14:10-14:35 2. 持続可能な農業のための突然変異育種の展望
 -自然農法に適応するイネの突然変異育種に関する試験-
  中井弘和氏、静岡大学
14:35-15:00 3. ベトナムにおける突然変異育種の経済効果
 LE Huy Ham氏、農業遺伝学研究所
15:00-15:25 4. 突然変異育種を利用したダイズの品種改良
 LE Duc Thao氏、農業遺伝学研究所
15:25-15:50 5. キャッサバの品種改良におけるイオンビームの応用
 NGUYEN Anh Vu氏、農業遺伝学研究所
15:50-16:00 休憩
16:00-16:25 6. シロイヌナズナにおける炭素イオンビーム誘発突然変異のゲノムワイド解析
 長谷純宏氏、量子科学技術研究開発機構
16:25-16:50 7. ゲノム編集時代における突然変異育種
 SHU Qingyao氏、浙江大学
16:50-17:15 8. タイにおける持続可能な農業のための突然変異育種
 Kanchana KLAKHAENG氏、タイ米作局
17:15-17:30 9. 閉会挨拶
 LE Huy Ham氏、農業遺伝学研究所学術会議議長

2018年10月30日(2日目)

09:00-10:45 セッション2 各国報告
議長:Ana Maria VELUZ氏、フィリピン
1. バングラデシュ
2. 中国
3. インドネシア
10:45-11:00 休憩
11:00-12:10 セッション2 続き
議長:Dolgor TSOGNAMJIL氏、モンゴル
4. 日本
5. マレーシア
12:10-14:00 昼食
14:00-15:10 セッション2 続き
議長:Kanchana Klakhaeng氏、タイ
6. モンゴル
7. フィリピン
15:10-15:25 休憩
15:25-16:35 セッション2 続き
議長:Arwin氏、インドネシア
8. タイ
9. ベトナム

2018年10月31日(3日目)

テクニカルビジット(農業遺伝学研究所)

2018年11月1日(4日目)

9:00-10:30 セッション3 気候変動下における低投入の持続可能型農業に向けた主要作物の突然変異育種プロジェクトの5年計画
議長:長谷純宏氏、日本
  1. リードスピーチ
  中井弘和氏、日本
2. 議論
3. まとめ
10:30-10:45 休憩
10:45-12:00 セッション4 IAEA/RCAとの協力
議長:ANK MAMUN氏、バングラデシュ
  1. FNCAとIAEA/RCAの協力概要
  南波秀樹氏、FNCA日本アドバイザー
2. IAEA/RCAプロジェクト『グリーンクロップ品種の開発に向けた突然変異育種技術および関連バイオテクノロジーの促進』
  Sobri Bin Hussein氏(LIU Luxiang氏代理)
3. 議論
12:00-14:00 昼食
14:00-16:00 セッション5 議事録
議長:SHU Qingyao氏、中国
  1. 議事録草案
2. 議事録採択
16:00-16:30 閉会セッション
議長:LE Huy Ham氏、ベトナム
  1. 閉会挨拶
1) TRAN Ngoc Toan氏、FNCAベトナムコーディネーター
2) 南波秀樹氏、FNCA日本アドバイザー

 


FNCA 2018 放射線育種プロジェクトワークショップ
参加者リスト

2018年10月29日 – 11月1日
ベトナム、ハノイ市


バングラデシュ
Dr. ANK MAMUN (PL)
Chief Scientific Officer and Head
Bangladesh Atomic Energy Commission (BAEC)

中国
Prof. SHU Qingyao (PL)
Professor, Deputy Executive Director
Institute of Crop Science
Zhejiang University

インドネシア
Mr. Arwin
Soybean Researcher
Center for Application of Isotopes and Radiation
National Nuclear Energy Agency, Indonesia (BATAN)

日本
Dr. Hideki NAMBA
FNCA Advisor of Japan,
QST Associate
National Institutes for Quantum and Radiological Science and Technology (QST)

Prof. Hirokazu NAKAI (PL)
Professor Emeritus, Former Vice President
Shizuoka University

Dr. Yoshihiro HASE
Senior Principal Researcher
Department of Radiation-Applied Biology Research
Takasaki Advanced Radiation Research Institute
Quantum Beam Science Research Directorate
National Institutes for Quantum and Radiological Science and Technology (QST)

Ms. Aki KOIKE
International Affairs and Research Department
Nuclear Safety Research Association (NSRA)

マレーシア
Dr. Sobri Bin HUSSEIN (PL)
Senior Research Officer
Malaysian Nuclear Agency (Nuclear Malaysia)

モンゴル
Dr. Dolgor TSOGNAMJIL
Researcher
Institute of Plant and Agricultural Science (IPAS)

フィリピン
Ms. Ana Maria S. VELUZ
Senior Science Research Specialist
Philippine Nuclear Research Institute (PNRI)

タイ
Dr. Kanchana KLAKHAENG (PL)
Agricultural Research Officer
Senior Professional Level
Rice Department

Mr. Somjai SALEETO
Agricultural Research Officer
Senior Professional Level
Nong Khai Rice Research Center
Rice Department

Mr. Anuchart KOTCHASATIT
Agricultural Research Officer
Senior Professional Level
Ubon Ratchathani Rice Research Center
Rice Department

ベトナム
Prof. Dr. LE Huy Ham (PL)
Chairman of Science Council of Agricultural Genetics Institute (AGI)

Dr. LE Duc Thao
Head of the Mutation and Heterosis Breeding Department
Agricultural Genetics Institute (AGI)

Ms. NGUYEN Thi Hong
Mutation and Heterosis Breeding Department
Agricultural Genetics Institute (AGI)



Forum for Nuclear Cooperation in Asia