FNCA2009 放射線安全・廃棄物管理(RS&RWM)ワークショップ 議事録
2009年8月3日 - 7日、ベトナム・ハノイ
FNCA2009放射線安全・廃棄物管理ワークショップは、2009年8月3日から7日にかけてベトナムのハノイにおいて開催された。このワークショップは、原子力安全研究協会の協力を得て、開催組織としてのベトナム原子力委員会(VAEC)の放射性及び希元素技術研究所(ITRRE)と文部科学省により開催されたものである。
オーストラリア、バングラデシュ、中国、インドネシア、日本、マレーシア、フィリピン、タイおよびベトナムのFNCAの9つの加盟国からの代表者が出席し、放射線安全・廃棄物管理の関連する政策、規制、運転および研究開発について議論を行った。
1日目は、セッション1として日本のPLである小佐古敏荘教授(東京大学)から、IAEAおよびICRPの最近の関連活動を含めた放射線防護に関する基礎的情報や考え方に関する説明が行われた。セッション2では、FNCA各国より放射線安全・廃棄物管理に関する現状報告としてのカントリーレポートが発表された。カントリーレポートは、2011年度末に完成を予定している統合化レポートのドラフトとして作成された。
セッション2の後には、FNCA各国の放射線安全・廃棄物管理に関する理解を深めるためポスターセッションが実施された。
2日目は、特別安全トピックス『個人線量計:校正、標準化および被ばく管理』をテーマに設定したセッション3が、オープンセミナーとして開催された。このセッションでは、標準化に関する包括的な理解を促進することに関連し、FNCA参加各国によりそれぞれの立場から様々な見解が紹介された。標準化に関連するベトナム人がこのオープンセミナーに参加者した。続いて放射性廃棄物管理を主題とするセッション4が開催された。テーマ(1)では、放射性廃棄物管理の分野における各国の様々な努力が紹介され、解決すべき課題などについて議論が行われた。テーマ(2)では、日本の放射性廃棄物管理プログラムの現状およびIAEAの放射性廃棄物管理分野における安全基準文書の最近の状況が紹介された。
3日目は、ハノイ市内にあるバックマイ病院およびVAECの原子力科学技術研究所を訪問し、被ばく管理や放射線源の扱いについて視察した。
4日目は、セッション5において「初の原子力発電所を導入する際の放射線安全および放射性廃棄物管理」をテーマにオープンセミナーが開催された。このセッションでは、ベトナムの規制担当者および操業担当者からベトナムにおける原子力開発の現状が紹介された。それらの説明に引き続き、日本の初期の原子力開発計画についてDVDによる紹介と原子力発電所の放射性廃棄物管理システムの紹介があった。テーマ(2)「加速器、研究炉、病院および産業など大規模施設における放射線安全」では、マレーシア、オーストラリアおよびフィリピンから発表があった。
セッション6では、円卓討議として、参加各国よりIAEA/ANSN and RCA/RAS9042など他の国際協力プログラムとのかかわりについて紹介があり、調整と協力についての議論が行われた。
FNCAの枠組みの中で、放射線安全・廃棄物管理プロジェクトに関する3年計画(2008-2010年)が確認され議論を行い、今後発展させていくことについて合意した。2010年の次のワークショップは、東京で開催することを予定する。2011年の開催候補は、バングラデシュ、フィリピンあるいはインドネシアである。このスケジュールは、2010年に東京で開催予定のFNCAコーディネーター会合で確認される予定である。
参加したすべてのFNCA放射線安全・廃棄物管理のPLは、このプロジェクトが提供する技術的議論と協力の機会を認識し、放射線安全と放射性廃棄物管理問題に関する意見交換と経験の共有を図る機会を提供するこのプロジェクトを高く評価した。また、PLたちは、放射線安全と放射性廃棄物管理に関する事項はアジア地域において継続的関心事であり、協力を継続することが重要であることから、今後ともこのプロジェクトの活動を支持していくことについて満場一致で賛成した。さらに、この会議の出席者は、今後ANSNと情報交換をしていくだろうことを確認した。
最後に、会議出席者は、主催者であるVAECのITRREと文部科学省および協力機関であるNSRAに感謝の意を表明した。この議事録は、2010年3月に開催される第11回コーディネーター会合に提出され確認されることとなっている。
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