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ワークショップ


FNCA 2010 研究炉利用ワークショップ
概要  会議報告  RRT  NAA   プログラム   参加者リスト

2010年FNCA研究炉利用ワークショップ
概要

2010年9月13日〜9月16日
中国 北京


 2010年度の研究炉利用ワークショップは、2010年9月13日より9月16日までの4日間、中国国家原子能機構(CAEA)、中国原子能科学研究院(CIAE)および日本の文部科学省(MEXT)の主催により、中国・北京において開催されました。今回のワークショップは研究炉利用分野における2つのプロジェクト、「研究炉基盤技術」(RRT)と「中性子放射化分析」(NAA)のワークショップのワークショップで構成されました。両プロジェクトとも2008年度からの3年間活動の最終年度に当たります。また、研究炉利用に係わり、ワークショップの後(9月17日)にアイソトープ製造/供給と研究炉利用のFNCA参加国間連携に係る会合が開催されました。今回のワークショップのトピックは以下の通りです。

「研究炉基盤技術プロジェクトワークショップ」

 研究炉基盤技術ワークショップ(RRT)プロジェクトワークショップには、バングラデシュ、中国、インドネシア、日本、韓国、マレーシア、タイ及びベトナムの8カ国が参加し、参加人数は事務局を含め計14名でした。

 

 本プロジェクトは、研究炉の効率的利用を促進するため、参加国内で安全で安全した研究炉運転を確保する安全解析技術を向上させ、また、均等化することを目的としており、研究炉のRIA(反応度事故)安全解析およびLOFA(流量喪失事故)安全解析技術の共有化を進めています。
 今回のワークショップでは、各国が核熱水力結合動特性計算コードEUREKA-2/RRを用いた自国の研究炉の熱水力計算結果を報告し、議論しました。多くの場合、結果は他の計算コードあるいは実験データとよく一致したことが報告されました。また、3年間活動の最終年度として、各国からプロジェクト活動評価が発表され、3年間の活動を通して参加国間での安全解析技術のレベルが改善され、ほとんど同じレベルになり、プロジェクト活動は成功を収めました。

「中性子放射化分析プロジェクトワークショップ」

 中性子放射化分析(NAA)ワークショップには、オーストラリア、バングラデシュ、中国、インドネシア、日本、韓国、マレーシア、タイ及びベトナムの10カ国が参加し、参加人数は事務局を含め計18名でした。

 

 本プロジェクトの2008年度からの3年間の活動では、研究炉を用いて分析対象物(試科)を破壊せずに内部に存在する複数の元素を一度に高感度分析する中性子放射化分析(NAA)技術の導入により社会経済的に大きな貢献が期待できる「地球化学図作成と鉱物探査」、「食品汚染モニタリング」、「海洋環境のモニタリング」の3つのテーマに対し、NAA技術の利用促進活動を行ってきました。今回のワークショップでは、各国のNAA利用の現状が報告され、また、3年間活動の最終年度として、各国の参加者から2008-2010年度のプロジェクト活動評価が発表されました。

「研究炉利用・アイソトープ製造/供給地域ネットワーク検討会合」

 研究炉利用に係わり、研究炉基盤技術(RRT)、中性子放射化分析(NAA)のワークショップの後、9月17日に研究炉利用・アイソトープ製造/供給地域ネットワークに係るFNCA参加国間の検討会合が開催されました。オーストラリア、バングラデシュ、中国、インドネシア、日本、韓国、マレーシア及びタイの8ヶ国が参加し、参加人数は事務局を含め計16名でした。
 本会合では、各国のRI生産と供給についての政策と計画、我が国の材料試験炉(JMTR)の改修の状況などが報告され、今後の先進的なRI製造手法等が討議されました。また、世界的な観点からのRIの製造および供給に係る情報を各国で共有することの重要性や、それとともに、Mo-99およびTc-99mの先進的な製造技術について各国で情報交換を行っていくことの重要性が指摘されました。

 

「施設訪問」

 各々のワークショップ参加者は、9月16日に中国原子能科学研究院(CIAE)の中国先進研究炉(CARR)および中国高速実験炉(CEFR)等の施設を見学しました。

 


2010年FNCA研究炉利用ワークショップ
研究炉基盤技術(RRT)プロジェクト
会議報告

2010年9月13日〜9月16日
中国 北京



1). ワークショップの開催概要

i) 期日: 平成22年9月13日(月)〜9月16日(木)
ii) 場所: 中国、北京
iii) 主催: 中国:中国国家原子能機構(CAEA)、中国原子能科学研究院(CIAE)
日本:文部科学省(MEXT)
iv) 参加国: バングラデシュ、中国、インドネシア、日本、韓国、マレーシア、タイ、ベトナム (参加者リストは添付資料3参照)
v) プログラム: 添付資料2参照

2). 開会セッション
 (研究炉基盤技術プロジェクト、中性子放射化分析プロジェクト合同開催)

 中国国家原子能機構(CAEA)国際協力部プロジェクトマネージャーのWang Yibo氏及び中国原子能科学研究院(CIAE)副所長のLiu Weiping氏から歓迎挨拶があり、続いてFNCA日本コーディネーターの町末男氏および文部科学省(MEXT)研究開発局原子力課国際原子力協力担当調査員の石坂武志氏が開会の辞を述べた。
 次に町氏が2009年のFNCA各プロジェクト活動、第10回大臣級会合、原子力発電のための基盤整備に向けた取組に関する検討パネルおよび第11回コーディネーター会合のハイライトを報告し、2010年の新しいイニシアティブについて説明した。
 その後、研究炉基盤技術(RRT)プロジェクトの日本プロジェクトリーダー代理として佐川尚司氏および中性子放射化分析(NAA)プロジェクトの日本プロジェクトリーダーである海老原充氏が今回のワークショップの目的と範囲をそれぞれ発表した。
 参加者による自己紹介の後、RRT参加者は会場を移動し、RRTとNAAのグループに分かれてそれぞれワークショップを開始した。
 
3). ワークショップ会議報告

1. 紹介
 RRTプロジェクトの活動対象は「研究炉の反応度事故(RIA)*1および流量喪失事故(LOFA)*2の安全解析」であり、研究炉の効果的利用のために安全で安定した運転を確実にするため、本プロジェクトに参加する国々で、安全解析の技量を改善しレベルを揃えることが目的である。このため、本プロジェクトでは次の計算コードが安全解析の共通コードとして選択された。

 (1) COOLOD-N2 : 定常熱水力解析コード
 (2) EUREKA2/RR : 核熱水力結合動特性解析コード

 本プロジェクトの第1回ワークショップは2008年10月にベトナムのダラトで開催され、成功裡に終了した。テーマは、各国の安全解析の現状に関する情報交換、COOLOD-N2をいかにしてインストールし実行するか、およびサンプル問題の説明の提示であった。第2回ワークショップは2009年9月に青森で開催され、これも成功裡に終了した。テーマはCOOLOD-N2による自国の研究炉の安全解析結果に関する情報交換、およびEUREKA2/RRをいかにしてインストールし実行するか、およびサンプル問題の説明の提示であった。

 *1

RIA(反応度事故):原子炉の炉心に、過度の反応度が投入され、出力が以上に増加する事象
 *2 LOFA(流量喪失事故):給水系の故障等により、適切な冷却流量が得られない事象
 *3 熱水力(ねっすいりき):流体の動きとそれによる熱伝達等の特性

2. テーマ
 第3回ワークショップのテーマは、EUREKA2/RRによる各国の研究炉の安全解析結果に関する情報交換、およびプロジェクトの最終年であることから、現状評価と最終報告に関する議論である。

3. 開会
 日本のRRTプロジェクトリーダー代理である佐川尚司氏がプロジェクトの概要と2008年および2009年の活動成果を提示した。また、佐川氏は添付資料1の3年間のスケジュールのほかに、今回のワークショップの範囲とスケジュール(表1)を報告した。

表1 第3回ワークショップのスケジュール
2010年第3回ワークショップ
開催前の準備作業
2010年第3回ワークショップ
日本 - 計算に関する助言
- 最終報告書の構成提示
- EUREKA2/RRによる計算結果の提示
- 最終報告書に関する議論
- 本プロジェクトの評価
参加国 - EUREKA2/RRを用い自国の研究炉の反応度事故および流量喪失事故の解析計算の実施
- 最終報告書の準備

4. 参加国
 ワークショップにはバングラデシュ、中国、インドネシア、日本、韓国、マレーシア、タイ、ベトナムが参加した。参加者リストを添付資料3に示す。

5. 各国発表
 EUREKA2/RRによる自国の研究炉の安全解析結果が報告され議論が行われた。

(1)  バングラデシュ
 「バングラデシュのTRIGA研究炉の安全解析のためのEUREKA-2/RRの利用」
Dr. Mafizur Rahman
 バングラデシュのTRIGA MARK-II研究炉の過渡的挙動の研究にEUREKA-2/RRを用いた。検討された事項は、種々の原子炉出力レベルにおいて反応度挿入量の変化により燃料・被覆管・冷却材の温度および原子炉出力の変化である。本研究の主な目的は、原子炉は過渡期間中に安全な状態に留まるかどうかを調べることである。解析において関心のある点を以下に示す。

‐ 反応度起因の過渡現象で、炉停止時間の反応度投入速度および出力への依存性
‐ ドップラー効果が反応度を減少させ、原子炉出力が減少するという重要な効果
‐ 過渡期間中に燃料・被覆管・冷却材の温度が設計限界を超えないことの確認

 TRIGA MARK-II研究炉のLOFA解析を行うためEUREKA-2/RRを用いた。流量喪失による原子炉出力変化パターンが原子炉の初期運転出力とほとんど同じであることが分かった。最高温度燃料棒の温度および最高温度チャンネルの出口冷却材温度は、過渡期間中に設計限界以下に留まった。また、解析から得られた最小DNBRと最高温度チャンネルの流量は妥当であることが分かった。最終的に、TRIGA MARK-II研究炉の過渡解析にEUREKA-2/RRを、自信を持って使用できることが確認された。
 
(2)  中国
 「中国先進型研究炉(CARR: China Advanced Research Reactor)炉心のEUREKA-2/RRによる RIA 解析」
Dr. Zou Yao
 EUREKA-2/RRは、研究炉の反応度事故解析の計算コードである。そして、2010年5月に臨界に達したCARRはインバース中性子照射孔を持つ多目的高性能の研究炉である。
 フル出力のCARR炉心での典型的な想定された制御棒引き抜き事故を模擬するために、計算コードEUREKA-2/RRが首尾よく使用された。原子炉炉心配列と半径方向ピーキング係数分布に従って計算チャンネルが4つに分けられた。すなわち燃料ホット・チャンネル(No.1チャンネル)、燃料平均チャンネル(No.2チャンネル)、燃料フォロアー・ホット・チャンネル(No.3チャンネル)、および燃料フォロアー・平均チャンネル(No.4)である。
 解析モデルでは、照射エレメント、ベリリウム反射体およびその他のバイパス・チャンネルは考慮していない。入力データの諸元は、主としてCARRのFSARから入手した。制御棒引き抜き事故によって投入される反応度は、おおよそ0.0251%冖/k/sである。スクラム設定は、公称熱出力の120%(出力高原子炉保護停止信号)で負の挿入反応度はおおよそ-0.0253147冖/kである。
 ノード・ジャンクション法の明確な解析モデルのみならずコード・マニュアルとサンプル計算を参照し、事故シナリオの模擬は円滑に進められた。CARRに対し他の安全解析コードによってEUREKA-2/RRの検証が現時点ではできないが、解析結果は、出力・反応度・温度・DNBRの時間変化等は、フル出力時でのスクラム・シーケンス伴う想定RIAに一致し、そしてキー・パラメータである最高燃料体温度、MDNBRは、安全設計限界以内であった。CARRの炉心に対して、LOFAのような他の安全解析もEUREKA-2/RRを用いて実施すべきであり、またEUREKA-2/RRと他のコード(例えばRELAP5)の結果との比較も、今後実施される予定である。
 
(3)  インドネシア
 「EUREKA-2/RRを用いた多目的研究炉RSG-G.A.SIWABESSY 2.96 g/cc U SILICIDE COREのRIAおよびLOFA安全解析」
Mr. Muhammad Darwis Isnaini
 多目的研究炉(MPR RSG-GAS)は、2.96g/cc密度の酸化ウラニウム燃料から2.96g/cc密度のシリサイド燃料に転換されている。シリサイド燃料要素と制御棒要素の形状はRSG-GAS酸化燃料と同じである。この炉心転換で、安全解析への大きな変更は想定されない。COOLOD2-N2で計算された25MW公称出力でのホット・チャンネル定常状態の熱水力学的パラメータは次のとおりである。ホット・チャンネルの平均流速の計算値は3.71 m/sである。ホット・チャンネルの全圧力損失の計算値は0.618 kg/cm2である。軸方向ピーキング(Fz=1.77)は、燃料体トップから下方約45cmに在る。最高燃料表面温度と最高燃料体温度は、それぞれ133.28℃と137.56℃である。ONBに対する温度余裕は軸方向出力ピーク点で最小になる。129.42℃のONB温度で燃料板表面温度133.63℃時のONBに対する最小温度余裕は、-3.86℃である。ホット・チャンネルを通過しての温度上昇は26.63℃である。MDNBRの計算値は、1.55で、S(=η/ηc)の安全余裕の計算値は5.28である。EUREKA-2/RRを用いて、MPR RSG-GASシリサイド炉心の反応度事故および流量喪失事故時の熱水力学的挙動に関する安全解析を行った。1.0W初期出力のRIA解析では、過渡状態開始後24.7秒、出力8.73MWに達し反応度挿入が停止したが、しかし0.5秒のスクラム遅れ時間により、原子炉出力は連続的に上昇し11.6MW達するという結果になった。その後、原子炉出力は、制御棒挿入によって抑えられた。最高燃料温度と最高燃料表面温度の計算値は、それぞれ92.4℃と90.57℃であった。ホット・チャンネル出口の最高冷却材温度の計算値は56.14℃であった。過渡期間中の最小DNBRの計算値は3.47であった。初期出力25.0MWのRIA解析では、過渡状態開始後3.0秒で反応度挿入が停止し、出力は28.52MWに達したが、しかし0.5秒のスクラム時間遅れで、原子炉出力は連続的に上昇し29.29MWに達するという結果であった。その後、制御棒の挿入で原子炉出力は抑えられた。最高燃料温度と燃料板表面温度の計算値は、それぞれ145.16℃と140.36℃であった。ホット・チャンネルの出口最高冷却材温度の計算値は、76.30℃であった。過渡期間中の最小DMBRの計算値は、1.31であった。LOFA安全解析では、3.05秒に85%流量以下で信号が発信され、原子炉がスクラムした。最高燃料体温度は143.94℃、最高被覆管温度は139.85℃、出口冷却材温度は77.75℃であった。ポンプ・トリップ後のフロー・コーストダウンが余熱を除去した。ホット・チャンネル温度は、出力低下により、敏速に低下した。一方、最高燃料体温度、被覆管および冷却材温度は、71秒のポンプ・トリップ後で、それぞれ131.36℃、131.07℃、78.23℃であった。最小DNBRの計算値は、スクラム時で、1.26であった。
 
(4)  日本
 「EUREKA-2/RRを用いたJRR-4(Japan Research Reactor-4)の安全解析」
平根伸彦氏
 JRR-4は軽水減速・冷却スイミング・プール型研究炉である。最高熱出力は3.5MWである。炉心構成は、20体の燃料要素、5本の制御棒(4本のシム棒、1本の調整棒)および36体のグラファイト反射体である。JRR-4の燃料体は、アルミニウム被覆で低濃縮シリサイド(U3Si2-Al)燃料で構成される板状タイプである。1つの燃料体は、15のプレートで14チャンネルを構成する。JRR-4には2つの冷却モード、すなわち自然循環モードと強制循環モードがある。高出力運転(>200kW)では、冷却モードは強制循環であり、その流量は8m3/minの下向き流れである。
 JRR-4はいくつかの安全基準、すなわち燃料温度、冷却材温度、DNBR等を満足するよう設計されている。
 JRR-4の安全解析として、EUREKA-2/RRによって反応度過渡および流量喪失事故の解析を行った。
 EUREKA-2/RRでの炉心の半径方向のモデル化では、炉心を半径方向ピーキング係数(FR)に従って5チャンネルに分割した。これらのピーキング係数は、核計算によって求めた。ホット・チャンネルは燃料セルNo E5に位置し、1つの燃料版と1つの冷却材チャンネルから成る。他の燃料要素は、半径方向ピーキング係数に従い、4チャンネルに分割し、これらをNo2、No3、 No4、 No5チャンネルと命名した。
 一方、軸方向のモデルに関しては、炉心部を上部および下部プレナム、流れチャンネル燃料板(ヒート・スラブ)に分割した。さらに、流れチャンネルと燃料プレートは軸方向に10セグメントに分割した。
 計算は4ケース行われた。すなわち、
 ‐照射体引き抜きによるステップ反応度(0.002%dk/k)投入事象
 ‐抑制なしの制御棒引き抜きによるランプ反応度(0.2%dk/k)投入事象
 ‐主ポンプ一台の故障による流量喪失(公称流量の100%から80%)事故
 ‐誤操作によりひとつの主調整バルブ閉止による流量喪失(公称流量100%から50%)事故
 これらの計算結果から、すべての安全基準を満足していることが確認された。
 
(5)  韓国
 「EUREKA-2/RRを用いた平板タイプ燃料の研究炉の事故解析」
Dr. Jonghark Park
 FNCA研究炉利用ワークショップにおいて、EUREKA-2/RRが参加各国の研究炉の事故解析のための解析コードとして採用された。韓国はHANAROの事故解析にEUREKA-2/RRの適用を試みたが、HANARO燃料のユニークな形状、フィン付きの棒状タイプでは計算が困難であった。EUREKA-2/RRを用いた事故解析として、韓国は5MW出力のオープン・プール・タイプで板状燃料の仮想研究炉を対象にすることにした。
 この原子炉について、2つの事故解析を行うこととし、1つは何らかの理由により全ての制御棒が引き抜かれる反応度事故(RIA)、もう1つは流量喪失事故(LOFA)である。これらの計算結果の全ては、RELAPコードの結果と比較された。
 EUREKA-2/RRを用いた計算の解析モデルは、50ボリューム、52ヒート・スラブ、56ノードである。ボリュームは軸方向均一に10セグメントに分割した。全てのヒート・スラブも、同じ間隔で分割された。動特性パラメータは核計算によって求め、主な入力データのあるものは、われわれの経験に基づき合理的に仮定した。初期出力は、保守性を考慮して出力測定の5%不確実さを加味して5.25 MWに設定した。
 計算結果によれば、制御棒引き抜きによる反応度投入事故が起こると、平均チャンネルでは、温度が飽和温度以下に抑えられた。ホット・チャンネルの最高温度は約128℃に達した。LOFAの場合では、燃料温度上昇は130℃を超えたが、安全限界から大幅に低いものであった。RELAPとの比較では、物理モデルの違いにより、両者とも幾分似ていない結果を示した。EUREKA-2/RRで採用しているDNBの相関式は板状燃料に適合するので、EUREKA-2/RRで得られたDNBRの値は他の計算で得られたものに対して良い参照値になるだろう。EUREKA-2/RRは使用が容易なので、事故解析を習得しようとする初心者に向いていると言える。
 
(6)  マレーシア
 「EUREKA-2/RRを用いて研究炉:PUSPATI TRIGA MARK-IIの安全解析」
Mr. Mohd Fairus Abdul Farid
 EUREKA-2/RRコードをTRIGA MARK-II研究炉の反応度誘起過渡解析を研究するために使用した。解析は、3つの燃料フォロアーを含む112の燃料要素から成るRTP炉心構成No.14に対して実施した。EUREKA-2/RRの入力データを適宜作成するため、各燃料要素に対する核計算結果(出力ピーキング係数)を求めた。全てこれらの作業は、JAEAの専門家、神永雅紀氏の監督下で遂行された。
 反応度事故(RIA)および流量喪失事故(LOFA)解析のための入力デッキが準備された。RIAについては、3種の解析、すなわち(1)起動時の制御棒引き抜き、出力0.3W(0.0643dk/k)、(2)750kW出力時の制御棒引き抜き、(3)出力750kW時にトランジエント棒の引き抜き($2.61007/1.827%dk/k)を行った。各解析に対して、スクラム設定出力は、RTP安全解析レポート(SAR)で述べているように、1.1 MWとし、スクラム遅れ時間は0.1秒とした。ケース(1)と(2)は、トランジエント制御棒によるステップ反応度投入、ケース(3)は非常に短時間でのトランジエント棒によるランプ反応度の挿入である。LOFAについては、スクラム設定信号は公称流量の85%で、スクラム遅れ時間は0.5秒である。
 DNBR、燃料・冷却材温度のような重要なパラメータが計算された。結果は、全てのパラメータが安全限界以下に留まっていることを示した。結論として、EUREKA-2/RRは、1MW RTPに対する反応度事故および流量喪失事故の解析のために使用することができる。
 
(7)  タイ
 「EUREKA-2/RRを用いたTRR-1/M1の安全解析」
Mr. Chanatip Tippayakul
 2010年FNCA研究炉基盤技術プロジェクトでは、EUREKA-2/RRを用いてTRR-1/M1の安全解析を実施した。今期の主な活動は、EUREKK-2/RRモデルの開発とTRR-1/M1に関する計算に焦点を絞った。炉心装荷TRR-1/M1のNo.18(2010年8月時点の炉心)が典型的なTRR-1/M1の炉心構成を代表するものとして計算に使用された。炉心は107燃料要素(4体の燃料フォロアーを含む)から構成されている。SRAC/COREBNコードは、炉心の3次元出力分布を得るために使用された。EUREKA-2/RRモデルを作成するために、出力分布の結果が50のヒート・スラブに分割された。さらに、EUREKA-2/RRモデルでは、58ジャンクション・54チャンネル・ノードで、炉心上部と下部のプール水を含め、上部プレナムと下部プレナムおよび炉心の流れチャンネルを表している。計算で用いられた入力パラメータ(燃料温度効果による反応度印加、冷却材温度効果による反応度印加、あるいは動特性パラメータなど)は、GAテクニカル報告書とTRIGA Mark-III安全解析報告書から引用された。TRR-1/M1の想定事故としての反応度投入事故は、EUREKA-2/RRを用いて模擬された。反応度投入事故の想定される最悪のシナリオは、炉心に大量の反応が急速に投入されるトランジエント制御棒飛び出し事故である。この事故の模擬では、0.1秒以内に3.0$のランプ反応度が投入されると仮定した。計算結果では、最大出力逸脱は8,400 MWに達し極めて短時間(ミリ秒の範囲)で低出力に落ちていることが示された。また、燃料温度は急速に約680℃まで上昇したことが示された。それにもかかわらず、全過渡期間中で、燃料温度は設計限界の930℃を超えなかった。また、全過渡期間中で、チャンネル出口の冷却材温度は沸騰点より十分に低かった。燃料温度および冷却材温度の両者の計算結果は、トランジエント棒飛び出し事故でも十分な余裕を持って安全限界以内であることを示した。さらに、原子炉実験の記録データを用いて、EUREKA-2/RRモデルの検証を行うことが計画されている。残念ながら、現在のTRR-1/M1の現在のI&Cは、アナログ・タイプであり、実時間記録が不可能である。したがって、検証のためのデータ収集システムが、このプロジェクトの一部として、開発されている。データ収集システムの完成後、TRR-1/M1のEUREKA-2/RRモデルの妥当性の評価を行う予定である。今回のFNCAプロジェクトで開発されたTRR-1/M1のEUREKA-2/RRモデルは、安全解析報告書の更新やI&Cシステム改修プロジェクトのよう今後の多くの応用で有用なものである。
 
(8)  ベトナム
 「EUREKA-2/RRを用いた92LEU燃料装荷パターンのダラト研究炉の安全解析」
Mr. Nguyen Minh Tuan
 500kWプールタイプ、軽水冷却・減速のダラト研究炉(DNRR)は、米国製の250kW TRIGAタイプから改造された。この改造炉は、1983年11月1日に初臨界に到達した。その後、1984年3月以来、アイソトープ製造、中性子放射化分析、基礎・応用研究および訓練の目的で運転されてきた。起動以来、運転時の炉心構成、すなわち、1984年に89HEU燃料集合体が 、1994年に100HEU燃料集合体が、2002年に104HEU燃料集合体が、2006年に106HEU燃料集合体が変更された。2007年9月12日に、HEUからLEU燃料に部分炉心変換が、すなわち、炉心に現存の98HEU 燃料集合体とともに、6 体のLEU(19.75%濃縮)燃料集合体への変換が遂行された。
 ダラト研究炉では、2010年末にLEU燃料(19.75%濃縮度)への変換が完了する予定である。92LEU燃料装荷パターンの解析のために核および熱水力学計算コードが使用された。この炉心構成での出力ピーキング係数、動特性パラメータ、反応度温度係数のような核的パラメータの計算には、MCNP5およびREBUS/WIMS-ANLコードを使用した。RELAP5とEUREKA-2/RRの熱水力計算コードは、この炉心装荷パターンでの熱水力安全性を解析するために使用された。出力ピーキング係数を基に、原子炉は50ボリューム・59ジャンクションでモデル化され、各燃料集合体は10ヒート・スラブに分割された。解析結果では、一本のシム制御棒が3.4mm/sの速度で400mmの位置から200mm位置へ抑制されずに引き抜かれたことで起こる(0.010428冖/kの全投入反応度)RIA過渡状態、および一次系ポンプ停止によって引き起こされるLOFA過渡状態について、EUREKA-2/RRコードの燃料表面温度の予測は、RELAP5を用いた予測と測定値と比較して10℃の超過が示された。しかしながら、保守性の観点からも、これらの計算結果によって、ダラト炉の全ての模擬された過渡状態が安全限界内にあることが確認された。EUREKA-2/RRを使用した計算の大きめの予測は、VVR-M2タイプ燃料集合体のEUREKA-2/RRモデルが良好でないか、あるいはEUREKA-2/RRの熱伝達相関式がダラト炉のケースに適合しないことから説明できる。したがって、これらの問題についてさらなる調査を継続すべきであり、計算コードの改良が必要であろう。
 
6. プロジェクト活動評価
 各国は、現在のプロジェクト評価を提示した。3年間の活動を通して、参加国間で安全解析技法のレベルが改善され、ほとんど同じレベルになっている。COOLOD-N2とEUREKA-2/RRは習得し使用するのにCOBRAやRELAP5のような他のコードより複雑でなく、これらのコードは研究炉の過渡現象を理解するのに極めて分かり易い。さらに、各国は他の国とネットワークを組み、それを強化して行けるだろう。
 全て参加国はRRTプロジェクトを継続すべきことを望んでおり、いくつかの参加国は、プロジェクトの焦点を研究炉のみに絞らず発電炉(NPP)にも焦点を当てることを望んでいる。なぜなら、多くのアジア各国はNPPの導入を計画しているからである。今後に実施するプロジェクト活動として、研究炉の照射施設の設計や経年変化問題がリストアップされた。NPPに係っては情報交換や人材育成もリストアップされた。
 佐川尚司氏は、出席者に各プロジェクトリーダー/コーディネーターと評価について再度議論を深め、活動評価報告書の最終版をできるだけ早急にFNCAの事務局へ送付するよう依頼した。全ての出席者はそれに同意した。
 
7. 最終報告書
 最終報告書に関して、佐川氏がドラフトの目次および章・節を説明し、また出席者に2010年末までに佐川氏と平根氏に原稿を送付するよう依頼した。全ての出席者はそれに同意した。
 
8. 結論
1. ワークショップは、バングラデシュ、中国、インドネシア、日本、韓国、マレーシア、タイ、ベトナムの出席を得て成功裡に開催された。
2. 各国は、EUREKA-2/RRを用いた自国の研究炉の熱水力計算結果を報告した。多くの場合、結果は他のコードあるいは実験データと良く一致したことが報告された。
3. 各国は、現在のプロジェクトの評価を提示した。参加国間での安全解析技法のレベルが改善され、ほとんど同じレベルになっていることが判明した。プロジェクトは、成功を収めた。
4. 全ての出席者は、RTT-プロジェクトは継続すべきであると確信しており、いくつかの参加国は、プロジェクトの焦点を研究炉のみならず発電炉へも向けることを望んでいる。なぜなら、アジア各国の多くは原子力発電プラント建設を計画しているからである。
5. 最終報告書の議論が為された。全ての出席者は報告書の内容に同意した。彼らは、また、原稿を日本の相手役へ2010年末までに送付することに同意した。

4). アイソトープ製造/供給と研究炉利用に係る連携会合
 この1、2年続いたMo-99供給危機に端を発して、アジア各国で情報を共有するネットワークを構築することは意義があるとされ、研究炉利用に係わり、研究炉利用グループ(研究炉基盤技術プロジェクト、中性子放射化分析プロジェクト)のワークショップの後、9/17に「アイソトープ製造/供給と研究炉利用に係る連携会合」が開催された。オーストラリア、バングラデシュ、中国、インドネシア、日本、韓国、マレーシア及びタイの8カ国、計13名が参加した(*)
 会合では、各国のRI生産と供給についての政策と計画、我が国の研究炉(JMTR)の改修の状況などが報告され、今後の先進的なRI製造手法等が討議された。

 (*)

オーストラリアは中性子放射化分析プロジェクトワークショップ参加者
マレーシアは研究炉基盤技術プロジェクトワークショップ参加者

5). 包括セッション、閉会
 (研究炉基盤技術プロジェクト、中性子放射化分析プロジェクト合同開催)

 並行して行われたワークショップ終了の後、それぞれの参加者が参集して合同の包括セッションを行った。町コーディネーターが議長を務めた。研究炉基盤技術プロジェクトは佐川氏が、中性子放射化分析プロジェクトは海老原氏が各々のワークショップ報告を行った。続いて町コーディネーターが閉会の辞を述べ、2010年度研究炉利用ワークショップが正式に閉会した。
 
6). テクニカルビジット
 ワークショップ参加者は北京の中国原子能科学研究院(CIAE)へのテクニカルビジットを行い、2010年5月に初臨界を迎えた中国先進研究炉(CARR)および中国高速実験炉(CEFR)を見学した。
 
7). 添付資料
1. RRTプロジェクトの3年計画(2008-2010)
2. プログラム
3. 参加者リスト
4. RI会合議事録

2010年FNCA研究炉利用ワークショップ
中性子放射化分析(NAA)プロジェクト
会議報告

2010年9月13日〜9月16日
中国 北京



参加者:
1. ジョン・W・ベネット氏 オーストラリア代表
2. シエド・モハメド・ホサイン氏 バングラデシュ代表
3. ニ・バンファ氏 中国代表
4. セトヨ・プルワント氏 インドネシア代表
5. 海老原 充氏 日本 (プロジェクト・リーダー)
6. 松尾 基之氏 日本
7. 田中 剛氏 日本
8. 松江 秀明氏 日本
9. 関本 俊氏 日本 (オブザーバー参加)
10. ムン・ジョンファ氏 韓国代表
11. ウィー・ブーン・シオン氏 マレーシア代表
12. プレシオサ・コラゾン・パブロア氏 フィリピン代表
13. アルポーン・ブサモンコン氏 タイ代表
14. ブ・ドン・カオ氏 ベトナム代表
15. 町 末男氏 FNCA日本コーディネーター

 平成22年度FNCA NAAプロジェクトのワークショップは、研究炉基盤技術(RRT)プロジェクトと合同で開催された。開会セッションでは、日本プロジェクト・リーダーである海老原充氏が「中性子放射化分析プロジェクトの平成22年度ワークショップの目的」の演題で講演した。開会セッションは、参加者自己紹介の後、終了した。
 本ワークショップは下記のセッションから成り立つ。

I. 個々のサブプロジェクトの進捗報告
a) 地球化学図作成および鉱物探査のための地球化学試料のNAA
b) 汚染モニタリングのための食品試料のNAA
c) 環境モニタリングのための海洋堆積物試料のNAA
それぞれのサブプロジェクトについて、参加国の発表を行ってから全体的討議を行った。
II. 3ヵ年プロジェクト第3フェーズの評価
III. 次期計画について討議

I. 参加国による個々のサブプロジェクトの進捗報告
 このセッションでは、サブプロジェクトごとに全参加国より進捗報告がなされた。これらの報告を聞いた後、それぞれのサブプロジェクトのリーダーを議長として、網羅的な討議(以下の報告で全体的討議として記述されている)がなされた。これらの討議では、目的、目標、協力の可能性、作業分担、ロードマップ作成について考察した。それぞれのケースで、潜在的エンドユーザーに焦点をあてた。

I-1 地球化学的モニタリングと鉱物探査

オーストラリア:ジョン・W・ベネット氏 (サブプロジェクトリーダー)
 サブプロジェクトリーダーは研究室相互比較測定の全参加者に感謝することから始めた。測定は日本から2つ、ベトナムから1つを含む7カ国8研究室から回答を得た。名古屋大学の田中剛氏により、3つの河川堆積物が参加研究室に分配された。研究室は、それぞれの滞積物試料から4つのサブ試料を取り、NAAおよび元素組成を決定する他の分析方法を使用するよう要求された。プロジェクトリーダーはすべてのデータを照合し、オーストラリアの国立測定研究所(National Measurement Institute)の支援で、それぞれの研究室の性能の定量比較を示し配布した。科学雑誌で結果を発表するために、さらなる作業の解釈が行われる。

バングラデシュ:シエド・モハメド・ホサイン氏
 サブプロジェクト(地球化学的分析)を実行するために、バングラデシュは以下の作業をした。3つの河川堆積物の分析の相互比較練習に参加した。また、鉱物探査のためコックスバーザールの21kmの海岸(ラボニビーチからイナニビーチまで)において、1km間隔で21ポイントから3つの深さについて63の堆積物試料を採取し、この分析が現在進行中である。

中国:ニ・バンファ氏
 河川堆積物試料を研究室で開発されたk0-NAAハイブリットバージョンと比較NAAで分析した。2つのアプローチから得た結果はよく一致した。黄河デルタ沿岸湿地表土の希土類元素(REE)分配は、NAAを用いて決定された。表土濃度と、異なる植物で見られた濃度とで比較された。

インドネシア:セトヨ・プルワント氏
 バンテン州パンジャン島の地球化学図作成のため、k0-INAA(機器中性子放射化分析)が実施された。試料はGPSで決定された正確な位置でパンジャン島から採取された。凍結乾燥法によって照射試料の準備を行った。試料は 乾燥重量をもとに準備された。いくつかの元素の分布図がNAA技術で求められたが、データの分析は進行中である。トリウム濃度は1-8.5mg/kgで異なった。Ce(セリウム)は2-105mg/kgの濃度であった。 鉄(Fe)は富んでいて、3パーセント以上の濃度であった。

日本:田中 剛氏
 地球化学図サブプロジェクトにおいて以下の様な進展があった:
  1)  試料採取は、苦鉄質岩が露出している研究領域の東へ拡大し、苦鉄質岩に関連した地球化学的データを得た。
  2)  この結果を2010年地質調査総合センター発行「海と陸の地球化学図」と比較した。彼らはICP-MS(誘導結合プラズマ質量分析装置)とICP-AES(誘導結合プラズマ発光分光)を使用しているが、その地図におけるHf (ハフニウム)と Yb(イッテルビウム)とLu (ルテチウム)などの重REEの存在度は、INAAによる私たちの値の1/3〜1/5の値を示している。おそらくその低い値は不完全な酸分解法のためである。
  3)  地球化学図作成の公開講座が日本地球化学会会合で開催され、多くの参加があった。研究室相互比較のための3つの河川堆積物試料は、名古屋大学の田中氏と首都大学東京の海老原氏の研究室で分析された。

マレーシア:ウィー・ブーン・シオン氏
 マレーシア原子力庁と鉱物・地球科学局で連携が確立し、NAA、他の解析サービス、研究、NAAや他の分析方法のトレーニング、コンサルタントの提供に関して可能な共同作業について意見交換を行った。このアプローチは、鉱物・地球科学局への訪問、地球化学研究に関するNAA利用ワークショップの開催および業務契約確立を含む。

全体的討議
 サブプロジェクトの活動で大きな利益が達成されたことが明らかになった。河川堆積物分析の相互比較は、多くの研究室における測定の質の向上につながった。 データ共有により、参加者は割り当てられた値との食い違いや変動の原因について調査が可能となった。
 具体的な成果としていくつかの論文の公表が挙げられる。これによって、研究コミュニティにFNCAを知らしめ、参加研究室の熟達についてのデモとなり、また専門家の知見に貢献するなどの多くの利益をもたらす。
 そのほかの成果として、参加者により3つの河川堆積物試料が非常によく特徴づけられたので、私たちの研究室間で参考材料として用いることができることである。追加材料は日本地質調査所から購入できる。
 インドネシアのサブプロジェクト参加は、土地の利用を変える前に様々な元素のベースライン値を確立するため、島の地球化学図作成を開始した。成功すれば、国内の他のエリアへのアプローチ拡大につながるだろう。
 マレーシアは、国の鉱物・地球科学局とのコミュニケーション確立につながっていったかという点について説明した。これにより、国内でNAAを知らしめ、NAAが地球化学分析で示すことができる利点について主要な意思決定者に知らせることができるであろう。マレーシアのエンドユーザーとの連携確立経験は、他の国におけるイニシアチブのテンプレートとして機能するかもしれないと考えられる。ただし資金利用ができるかどうかにより、このモデルはプロジェクトの拡大または縮小が決まる。
 オーストラリアでは、プロジェクトへの参加が国立測定研究所との非常に生産的な関係につながった。地球化学分析に関連するプロジェクトが2大学と1採掘会社との間で立ち上がった。
 日本では、地球化学図作成サブプロジェクトは教育分野で主要な取り組みにつながった。 何年間もにわたり多くの学生が試料収集と分析に参加し、NAAの利用と利益を直接体験する専門家集団を生み出した。大学環境でそのようなプロジェクトを行う利益は、それほど外部資金に依存していないこと点にある。かなりの研究室資金が相互比較測定に参加するのに必要でも、ポジティブな成果がえられれば投資したことは正当化されるとの意見が他の国から出された。
 地球化学図作成サブプロジェクトは、エンドユーザーと関わり、NAAの潜在的利用と利益についてエンドユーザーに知らせ、適切な共同プロジェクトを特定するために共同で働くNAA専門家のニーズを補強するという明確な意識があった。これらの連携が多くの参加国で形成されているという非常に明るい兆候が既にある。このアプローチはエンドユーザーの需要を本当に満たす需要主導のプロジェクトにつながるだろう。

I-2 食品汚染モニタリング

中国:ニ・バンファ氏
 市場の中国茶葉15ブランドから34の微量元素(Ag、Al、As、Au、Ba、Br、Ca、Ce、Cl、Co、Cr、Cs、Cu、Eu、Fe、Hf、K、La、Lu、Mg、Mn、Na、Rb、Sb、Sc、Sm、Sr、Ta、Tb、Th、V、W、Yb、およびZn)がNAA技術で測定された。3種類の発酵温度の異なる煎じた茶葉から濾過した微量元素が測定された。結果は、以下のとおり。i) 茶葉は微量元素を豊富に含む。濃度は起源と採取時期で異なる、ii)溶解率は元素による、 iii)お茶は他の植物に比べMnが豊かである、iv)お茶を飲むことはいくつかの必須微量元素を補足するが、人体が必要とする総量よりはるかに少ない。

インドネシア:セトヨ・プルワント氏
 NAA法で茶葉中の毒性および必須元素を測定する汚染モニタリングを行った。5種類のお茶製品(緑茶、紅茶、rossella茶、vanila茶、ジャスミン茶)をバンテン州の市場から集めた。試料分析により、主要栄養素としてK(10-25mg/kg)、Ca(7-21mg/kg)、Mg(2-4mg/kg)、微量栄養素がMn(0.2-0.8mg/kg)、Fe(0.17-0.7mg/kg)の値が乾燥茶試料で得られた。乾燥茶試料でCrは約1.8-3μg/kg見つかった。浸出茶試料の元素濃度のすべてが減少していた。

韓国:ムン・ジョンファ氏
 緑茶、紅茶、麦茶と3種類の茶試料を市場で購入し、NAAのための準備がなされた。加えて、煎じた茶試料も茶試料内の元素の抽出レベルを評価するために準備された。緑茶と麦茶の試料から15元素と、紅茶の試料から22元素が、それぞれINAAによって測定された。Kは測定された元素の中で最も高い含有量を示し、Clが90%という最も高い抽出率を示した。As、Cd、Hgのような有害金属は、分析された試料からは検出されなかった。

日本:海老原 充氏
 6種類の国産緑茶葉試料を市場で購入して収集し、ムン氏提案のプロトコルに従って処理された。そのままのもの、煎じたもの、両方の試料を即発ガンマ線分析(PGA)で分析した。B、Cl、K、Mnは、確実に両方の試料から測定できた。4つの元素の含有量は、生産地域、処理法、値段に関係なく、2倍の開き以内にあることがわかった。ClとKのおよそ90、75%がそれぞれ6分煎じた後に浸出した。

マレーシア:ウィー・ブーン・シオン氏
 キャメロンハイランドとサバの地元の茶葉会社による10の茶試料を分析した。 NAAを用い19元素を測定し、標準参照物質を使用して検証確認した。Kを除いて茶葉中の微量元素は煎じる前後で有意な差は見られなかった。 マレーシア茶葉はアフリカとアジアからのものと同程度の濃度範囲を示した。Ba、Ca、Cs、Mgはマレーシア茶においてアジアやアフリカのものと比べてその濃度がやや高い。将来、他の地元の茶試料を収集し、その微量元素の内容を比較し続ける予定である。

タイ:アルポーン・ブサモンコン氏
 タイで市販されている10種類のお茶(バンコクのスーパーマーケットから、リプトン茶、サフラワー茶、マルベリー茶、緑茶、ジンゴ茶、ウーロン茶、キク入りサフラワー緑茶、紅花・ガシナ入りマルベリー緑茶、ジャスミン入りマルベリー緑茶、タイ茶)を購入した。乾燥および浸出の茶についてAl、Ba、Br、Ca、Ce、Cl、Cr、Fe、K、La、Mg、Mn、Na、Rb、Sb、Sc、Znの無機物分析がINAAで行われた。結果は、最も良い平均抽出率がCl(87%)で、Kの抽出率はすべての浸出茶において79%以上であった。

ベトナム:ブ・ドン・カオ氏
 ラムドンの3大茶葉産地(カウダット、ディリン、バオロック)で収集された54茶葉試料中、栄養元素(Ca、Fe、Mg、Mn、Se、Zn)と有毒重金属元素 (As、Hg、Cd、Pb(鉛)) の含有量がダラト研究所でAAS(原子吸光分析法)、RNAA(放射化学的中性子放射化分析)、INAAによって分析された。結果は、これらの濃度の大部分が公表データの範囲にあった。有毒重金属の量は、Pb以外、制限基準値より低かった。

全体的討議
 本サブプロジェクトに参加している7ヶ国(中国、インドネシア、韓国、日本、マレーシア、タイ、ベトナム)の代表は、食品試料の解析結果を発表した。韓国のムン氏提案のプロトコルに従って、大部分の参加国が部分はそのままのもの、煎じた後の茶試料を準備した。 まず、共通目標材料として選定された茶試料のAs 、Cd、Cr、Hgなどの有毒物質の濃度レベルについて議論した。さらに、各元素の抽出率を評価し、KとClが他のものより高い抽出率であることが明らかにされた。第二に、私たちの茶試料の解析結果をまとめて、科学雑誌に発表することについて意見交換した。2011年米国で開催されるMTAA13で、私たちの仕事について発表することが同意された。そのため、変更追加を施した最終データをムン氏に送る締切を11月末とした。ムン氏は全データを収集し、科学雑誌JRNCに発表するフルペーパーを作成する。

I-3. 環境モニタリングのための海洋堆積物試料

バングラデシュ:シエド・モハメド・ホサイン氏
 NAA技術を用いてチッタゴン、シタクンダの20kmにわたる沿岸地帯で船舶解体活動による環境汚染の評価を実行した。 5つの船舶解体ヤードから採取された15個の土壌試料の分析から、調査された船舶解体ヤードがAs、Sb、Crで非常に汚染されていることが明らかとなった。まだ予備段階の観測であり、最終的結論を得るには、系統立てた集中的な研究が必要である。

インドネシア:セトヨ・プルワント氏
 バンテン州スリャラヤ工業地域とラブアン電力蒸気プラントの汚染図作成がなされた。バンテン州PLTU スリャラヤおよびラブアンの領域から試料(土壌、水、植物)を得た。それぞれ5km〜20kmの距離をおいてリング1〜リング4について16採取地点から試料を収集した。全部で、土壌サンプルは32 、植物試料は16であった。凍結乾燥法が使用された。試料は乾燥重量を用いて準備された。 NAA技術による分析の後、スリャラヤ電力蒸気地域からSbのような毒性元素が0.5-0.8mg/kg の濃度で得られた。ラブアン沿岸では、Crが9.3-56.5mg/kgの濃度で得られた。

日本:松尾 基之氏
 環境試料の特徴がまとめられ、これら試料へのNAA法の有用性が強調された。 一般的な採取法として推薦されたコア・サンプリング法が、過去の環境の変化をはっきりさせるために採用された。このセッションでは以下の遂行された研究作業について発表がなされた: i) 低酸素下での堆積物を用いて沿岸海底の環境の復元、 ii) 多重即発ガンマ線分析(MPGA)を使用して環境試料への応用。

フィリピン:プレシオサ・コラゾン・パブロア氏
 2ヶ所の採取地点(マニラ湾とソルソゴン湾)から海洋堆積物コア試料を収集した。これら2つの水域で微量元素、毒性元素流入を測定し、210Pb年代測定法により、これらの流入と時間を関連させる。これらの採取地点の研究は、主に湾への汚染物質流入の歴史について測定し、生態系(一部、有害な富栄養化との関係)でのその影響を評価するために行われてきた。収集されたすべての試料はペレット化されており、波長分散蛍光X線分析(EDXRF)による分析のために準備した。しかし、校正曲線の分析条件/設定の最適化はまだ継続している。 いくつかのサンプルは以前のプロトコルで分析されたが、計算は終わっていない。210Pb年代測定との関連で得られた元素データを用いて、相関プロットと起源物質の帰属に関する研究を試みる予定である。

マレーシア:ウィー・ブーン・シオン氏
 海洋環境における毒性元素汚染レベルの理解には、海洋堆積物を使用する環境モニタリングは不可欠である。2003年以来、マレーシア沿岸で海洋堆積物試料を収集し、このプロジェクトは政府によって支援されている。今年は、タラン・サタン国立公園とバコ国立公園から収集した海洋堆積物の結果を報告する。この研究目的は、濃縮係数 (EF値) *と環境累積インデックス(Igeo)を使用してこれら国立公園の堆積物の汚染レベルを評価することである。 結果は、バコ国立公園のAsのEF値とIgeo がタラン・サタン国立公園のものより高いことを示した。 高いAsは、おそらく本土から川への排出による人為的発生源によるものであろう。CrとSbに関しては、両方の国立公園で、それらのEFとIgeoによって示されるように、重要な汚染は見られなかった。

ベトナム:ブ・ドン・カオ氏
 ベトナムの西南部で最も大きい港であるディンハンで収集された堆積物試料の元素濃度を分析するためにINAA法が適用された。 結果は、ナトラン、ビントフアン、ヴンタウで収集された試料と比べて、 Fe 、Co、Cr、Feの含有量が1.5〜10倍高いことを示している。これは、このエリアにおける輸送活動からの汚染による可能性がある。

全体的討議
 各参加国の達成状況について検討し、以下の点が意見交換を通じて出された。
  i)  効果的な結論を引き出すにはさらに継続する必要があるが、本サブプロジェクトの遂行にあたり各国は大きな貢献をしている。
  ii)  汚染の歴史的情報を与えるコア採取の可能性と必要性について討議された。海洋環境がひどく汚染されていない国もあるが、その場合はコア採取分析をする必要はない。その場合、表層堆積物の分析を行う事によって大規模なエリアでの試料採取がカバーできる。
  iii)  本サブプロジェクトが延長される場合、バングラデシュ、インドネシア、日本、マレーシア、フィリピン、ベトナムの6ヶ国が継続の意向を示した。この中でバングラデシュ、日本、マレーシア、フィリピン、ベトナムは海洋堆積物に関心を表明し、一方、インドネシアは国内事情により河川堆積物と表層土壌への関心を表明した。

II. 3ヵ年プロジェクト第3フェーズの評価
 各国がワークショップ開催前に評価シートを提出した。ワークショップでは、各国が評価シートの内容を説明した。概して、3つのサブプロジェクトは十分に行われている。2010年度が半年残ってはいるが、中性子放射化分析プロジェクトの成果が目に見える形で履行されたとまとめることができる。

III. 次期計画について討議
 基本的に、第3フェーズとして採用した3つのサブプロジェクトを2011-2013年の3年間も継続することで合意した。以下に、第4フェーズの個々のプロジェクトについての議論をまとめる。

III-1. 地球化学図作成および鉱物探査のための地球化学試料のNAA
 本サブプロジェクトの第4フェーズは、第3フェーズで達成された成功の第一段階の成果を得るために必要であるとされた。最も重要なのは、エンドユーザーとの対話の勢いを加速することである。これらのネットワークを通じて、NAAの強みを最大限に活用するプロジェクトが策定、実行される予定である。
 本サブプロジェクトのスコープは、環境などの分野において地球化学図作成手法の利用を含めて拡大することであるとの合意を得た。海洋システムは他のサブプロジェクトへ残し、陸上システムのみを含むこととする。タイトルは「地球科学図作成」と短縮することも考慮する。
 新フェーズの重要な目的の一つは、広範なエンドユーザーにサブプロジェクトの成功を伝えることである。FNCA の下で、パンフレット作成により個々の研究室を宣伝しNAAの強みを分析化学者に知らしめ、またケーススタディの小冊子作成し、印刷媒体で記者による「グッドニュース」ストーリーが書かれる機会を模索する。
 すべての既参加6ヶ国(オーストラリア、バングラデシュ、中国、インドネシア、日本、マレーシア)は地球化学図作成サブプロジェクトの新フェーズに参加する意向を表明し、フィリピンも参加を検討している。
 オーストラリア代表は、次フェーズが承認されたらサブプロジェクトリーダーの役割を継続することに合意した。

III-2. 汚染モニタリングのための食品試料のNAA
 第4フェーズでサブプロジェクトとして食品分析を継続することについて討議された。中性子放射化分析による食品分析は重要な課題であり、このサブプロジェクトは続ける必要があると合意された。続いて、意義ある研究対象であると同時に、公衆の関心に対してインパクトある共通のターゲット試料を選ぶこととした。食品サブプロジェクト参加国の多くの代表は、第3フェーズで実施されている茶葉または米の分析を延長することを望んでいる。しかし、議論の時間的な制限や態度を慎重にしたことで最終決定には達しなかったので、ターゲット試料の最終決定は電子メールによる意見交換を介して行われることとした。NAAプロジェクトの継続が公式に決定される本年度末のコーディネーター会合において、ターゲット材料についてなんらかの意見、提案が聞けることが期待される。

III-3. 環境モニタリングのための海洋堆積物試料のNAA
 最初のセクションにおける本サブプロジェクトの一般的議論で説明したように、本サブプロジェクト参加国は継続が承認されたら次の3年間も本サブプロジェクト活動を継続することに合意した。本サブプロジェクト継続の主な理由は、2008-2010年は、海洋堆積物へのNAA応用の現状評価と環境汚染レベルモニタリングの有効な実験手順についての討議が主な目的であった。参加国全会一致で、プロジェクトで実を挙げるためには本サブプロジェクトを少なくともあと3年間は実行する必要があると合意した。特にコア採取は海洋環境汚染レベルの時系列変化情報を取得するのに非常に効果的であるため実施されるべきである。海洋環境汚染が現在のところ深刻でない国は、代わりにかなり大規模な表層エリアでの採取を実行することができる。現時点で、延長される場合、バングラデシュ、インドネシア、日本、マレーシア、フィリピン、ベトナム6ヶ国が本サブプロジェクトに関心を示している。本サブプロジェクトがこの先少なくとも3年間継続するなら、日本代表はサブプロジェクトリーダーを喜んで引き受ける。


2010年FNCA研究炉利用ワークショップ
プログラム

2010年9月13日〜9月17日
中国 北京



主催 中国 中国国家原子能機構(CAEA)、中国原子能科学研究院(CIAE)
日本 文部科学省(MEXT)
実施機関 (財)原子力安全研究協会
日程 2010年9月13日〜17日
開催会場 中国・北京、紫玉飯店

 FNCA 研究炉利用ワークショップ(中国・北京)
 < 研究炉基盤技術(RRT)及び中性子放射化分析(NAA)プロジェクト合同イベント >

09:00-09:15





09:15-09:35

09:35-09:50

09:50-10:05

10:05-10:20

10:20-10:50
9月13日(月)
開会セッション
開会挨拶
 ・中国国家原子能機構(CAEA)
 ・中国原子能科学研究院(CIAE)
 ・文部科学省(MEXT)
基礎報告
 ・第10回大臣級会合及び第11回コーディネーター会合報告
  (FNCA日本コーディネーター)
 ・今回の研究炉基盤技術(RRT)プロジェクト・ワークショップの目的について
  (RRT日本PL代理:佐川 尚司)
 ・今回の中性子放射化分析(NAA)プロジェクト・ワークショップの目的について
  (NAA日本PL:海老原 充)
参加者自己紹介
集合写真撮影
休憩
(以降2グループに別れ、会合)

 < 研究炉基盤技術(RRT)プロジェクト >



10:50-12:10
12:10-13:30

13:30-15:30
15:30-15:50
15:50-17:50
9月13日(月)
RRT-1 : EUREKA2/RRを用いて実施した自国研究炉の安全解析
について各国報告

 バングラデシュ / 中国
昼食
RRT-1 (続き)
 インドネシア / 日本 / 韓国
休憩
 マレーシア / タイ / ベトナム


09:00-10:40
10:40-11:00

11:00-12:00
12:00-13:00

13:00-14:30
14:30-14:50
14:50-17:00
9月14日(火)
RRT-1 (続き)
各国報告について議論
休憩
RRT-2 : 3カ年プロジェクトのまとめと今後
 バングラデシュ / 中国
昼食
RRT-2 (続き)
 インドネシア / 日本 / 韓国
休憩
 マレーシア / タイ / ベトナム
各国報告について議論


09:00-10:00
10:00-10:30
10:30-12:30
12:30-13:30
13:30-15:00
15:00-15:30
15:30-17:00
9月15日(水)
RRT-3 : プロジェクト最終報告の討議
議論
休憩
議論(続き)
昼食
RRT-4 : 議事録草稿
休憩
RRT-4(続き)

09:00-10:45
10:45-11:15
9月16日(木)
RRT-4 (続き)
休憩
(合同イベント総括セッション会場に移動)

 < 中性子放射化分析(NAA)プロジェクト >


10:50-12:10
12:10-13:30

13:30-14:30
14:30-15:30
15:30-15:50

15:50-16:50
9月13日(月)
NAA-1 : 分布図の作成と鉱物探査に用いる地球化学的試料のNAA
 オーストラリア / バングラデシュ / 中国 / インドネシア
昼食
NAA-1 : (続き)
 日本 / マレーシア / ベトナム
 まとめ、議論: オーストラリア、日本
休憩
NAA-1(a) : 土壌試料のNAA
議論:オーストラリア


09:00-10:20
10:20-11:00
11:00-12:00
12:00-13:00
13:00-14:00

14:00-15:20
15:20-15:40
15:40-16:20
16:20-17:20
9月14日(火)
NAA-2 : 汚染モニタリングに用いる食品(茶)試料のNAA
 中国 / インドネシア / 日本 / 韓国
休憩
 マレーシア / タイ / ベトナム
昼食
 まとめ、議論: 韓国、タイ
NAA-3 : 環境モニタリングに用いる海洋堆積物のNAA
 バングラデシュ / インドネシア / 日本 / フィリピン
休憩
 マレーシア / ベトナム
 まとめ、議論: 日本、バングラデシュ


09:00-10:20
10:20-10:40

10:40-12:00
12:00-13:00

13:00-14:00
14:00-14:30
14:30-14:50

14:50-15:40



15:40-17:00
9月15日(水)
NAA-4: 3ヵ年プロジェクト第3フェーズの評価
 オーストラリア / バングラデシュ / 中国 / インドネシア
休憩
NAA-4 : (続き)
 韓国 / 日本 / マレーシア / フィリピン
昼食
NAA-4 : (続き)
 タイ / ベトナム / 日本
 第3フェーズ評価について議論
休憩
NAA-5 : 第3フェーズ完了後の次期計画について討議
 具体的な成果とその影響
 課題
 結果のエンドユーザーとのリンケージ
 需要主導の計画
NAA-6 : 2010ワークショップの議論とまとめ

09:00-11:00
11:00-11:15
9月16日(木)
NAA-7 : 議事録草稿
休憩
(合同イベント総括セッション会場に移動)

 < 研究炉基盤技術(RRT)及び中性子放射化分析(NAA)プロジェクト合同イベント >

11:15-12:15



12:15-13:15
13:15-17:00
9月16日(木)
総括セッション
RRTグループの議事録の報告と議論
NAAグループの議事録の報告と議論
閉会挨拶
昼食
施設訪問 (中国原子能科学研究院(CIAE))
・中国先進研究炉(CARR)
・中国高速実験炉(CEFR)

 < アイソトープ製造/供給と研究炉利用に係る連携会合 >




09:00-09:30





09:30-11:00

11:00-11:15

11:15-12:30
12:30-13:30
13:30-14:45


14:45-15:00


15:00-15:30

15:30-16:10


16:10-17:10




17:10-17:30
17:30-17:35
9月17日(金)
テーマ :
 研究炉利用とアイソトープ製造・供給の地域ネットワークの開発


開会挨拶
 ・中国国家原子能機構(CAEA)
 ・文部科学省(MEXT)
 ・FNCA 日本コーディネーター
自己紹介
セッション1 : 研究炉の利用現状と課題について各国報告
 オーストラリア / バングラデシュ / 中国 / インドネシア /
 日本 / 韓国 / マレーシア/ タイ / ベトナム
休憩
セッション2 : 新研究炉計画と利用計画
 日本 (JMTR改修) / マレーシア / タイ / ベトナム / 韓国
昼食
セッション3 : 医学利用、産業利用のためのRI製造・供給の政策
及び計画

 オーストラリア / 中国 / インドネシア / 日本(RI協会) / 韓国
休憩
セッション4 : n-ガンマによるMo-99とPZCによるTc-99生産の
技術開発及び計画

 JAEA(日本) / BATAN(インドネシア)
セッション5 : 核分裂反応によるMo-99とTc-99生産の技術及び計画
 ANSTO(オーストラリア) / BATAN(インドネシア)
セッション6 : 円卓議論 "アイソトープの安定製造・供給に関するFNCA参加国間ネットワークのニーズ及び実現可能性"
 ・日本と韓国のMo-99供給不足
 ・MDS、NordionによるMo-99の予測不可能な供給への懸念
 ・オーストラリア、中国、インドネシアのようなMo-99供給者候補
 ・地域の供給ネットワークの構築への課題
 ・地域の供給ネットワークの設立に向けて必要なアクション
セッション7 : まとめ、結論
閉会

2010年FNCA研究炉利用ワークショップ
参加者リスト

2010年9月13日〜9月16日
中国 北京



  中性子放射化分析プロジェクトワークショップ(9月13日〜16日)

オーストラリア

Dr. John William Bennett
オーストラリア原子力科学技術機構(ANSTO)
原子炉運転部中性子放射化グループリーダー

バングラデシュ

Dr. Syed Mohammod Hosain
バングラデシュ原子力委員会(BAEC)
原子力研究所(シャバール)(AERE)
原子力科学技術研究所(INST)
原子炉・中性子物理学部上席研究員

中国

Dr. Ni Bangfa
中国原子能科学研究院(CIAE)
核物理部教授

インドネシア

Dr. Setyo Purwanto
インドネシア原子力庁(BATAN)
材料原子力産業中央研究所部長

日本

Dr. 町 末男
FNCA日本コーディネーター

Mr. 石坂 武志
文部科学省(MEXT) 研究開発局原子力課
国際原子力協力担当調査員

Dr. 海老原 充
首都大学東京(TMU) 大学院理工学研究科
教授

Prof. 松尾 基之
東京大学大学院総合文化研究科
教授

Dr. 松江 秀明
(独)日本原子力研究開発機構(JAEA) 研究炉加速器管理部
研究炉利用課利用促進係技術副主幹/利用促進係長

Dr. 関本 俊
京都大学原子炉実験所
助教授

Prof. 田中 剛
名古屋大学年代測定総合研究センター
招聘教員

Ms. 猪越 千明
(財)原子力安全研究協会(NSRA) 国際研究部

Ms. 小池 亜紀
(財)原子力安全研究協会(NSRA) 国際研究部

韓国

Mr. Jong-Hwa Moon
韓国原子力研究所(KAERI) HANAROセンター
HANARO利用技術開発部
上級研究員

マレーシア

Dr. Wee Boon Siong
マレーシア原子力庁(Nuclear Malaysia)
研究員

フィリピン

Ms. Preciosa Corazon B. Pabroa
フィリピン原子力研究所(PNRI) 分析測定研究課
次席研究員

タイ

Ms. Arporn Busamongkol
タイ原子力技術研究所(TINT)
上級研究員

ベトナム

Mr. Cao Dong Vu
ベトナム原子力研究所(VAEI)
ダラト原子力研究所(NRI) 分析技術センター副センター長

  研究炉基盤技術プロジェクトワークショップ(9月13日〜16日)

バングラデシュ

Dr. Mafizur Rahman
バングラデシュ原子力委員会(BAEC)
原子力研究所(シャバール)(AERE)
原子力科学技術研究所(INST) 訓練課課長、上級科学官

中国

Mr. LIU Xingmin
中国原子能科学研究院(CIAE)
原子炉技術開発・設計部
CARRプロジェクト主任研究員

Mr. ZOU Yao
中国原子能科学研究院(CIAE)
原子炉技術開発・設計部アシスタント研究員

インドネシア

Mr. Muhammad Darwis Isnaini
インドネシア原子力庁(BATAN)
原子炉技術・原子力安全センター原子炉技術・物理部門
原子炉システム・熱水力グループリーダー

日本

Dr. 町 末男
FNCA日本コーディネーター

Mr. 石坂 武志
文部科学省(MEXT) 研究開発局原子力課
国際原子力協力担当調査員

Mr. 秋元 正幸
(財)原子力安全研究協会(NSRA) 研究参与

Mr. 佐川 尚司
(独)日本原子力研究開発機構(JAEA) 東海研究開発センター
研究炉加速器管理部研究炉技術課長

Mr. 平根 伸彦
(独)日本原子力研究開発機構(JAEA) 東海研究開発センター
原子力科学研究所研究炉加速器管理部JRR-4管理課

Ms. 高野 敦子
(財)原子力安全研究協会(NSRA) 国際研究部

韓国

Dr. Jonghark Park
韓国原子力研究所(KAERI)
研究炉設計・技術部門上級研究員

マレーシア

Mr. Mohd Fairus Abdul Farid
マレーシア原子力庁(Nuclear Malaysia)
原子炉技術評価・エンジニアリング・安全部門研究員

タイ

Mr. Chanatip Tippayakul
タイ原子力技術研究所(TINT)
原子力技術・研究炉運転部原子力技師

ベトナム

Mr. NGUYEN Minh Tuan
ベトナム原子力研究所(VAEI)
ダラト原子力研究所(NRI)原子炉センター
原子炉物理・エンジニアリング部副部長

  アイソトープ供給と研究炉利用に係る連携会合参加者リスト(9月17日)

オーストラリア

Dr. John William Bennett
オーストラリア原子力科学技術機構(ANSTO)
原子炉運転部中性子放射化グループリーダー

バングラデシュ

Dr. M. Azizul Haque
バングラデシュ原子力委員会(BAEC)
原子力研究所(シャバール)(AERE)
原子力科学技術研究所(INST) ラジオアイソトープ製造課
主任科学官

中国

Prof. LIU Yishu
成都中核高通同位素有限公司
副総経理

インドネシア

Mr. Saiful Sujalmo
PT Batan Teknologi(Persero) 社社長

日本

Dr. 町 末男
FNCA日本コーディネーター

Mr. 阿部 陽一
文部科学省(MEXT)研究振興局基礎基盤研究課
量子放射線研究推進室室長補佐

Mr. 石坂 武志
文部科学省(MEXT) 研究開発局原子力課
国際原子力協力担当調査員

Ph.D. 井戸 達雄
(社)日本アイソトープ協会常務理事

Dr. 石原 正博
(独)日本原子力研究開発機構大洗研究開発センター
照射試験炉センター副センター長

Mr. 佐川 尚司
(独)日本原子力研究開発機構(JAEA) 東海研究開発センター
研究炉加速器管理部研究炉技術課長

Ms. 高野 敦子
(財)原子力安全研究協会(NSRA) 国際研究部

Ms. 猪越 千明
(財)原子力安全研究協会(NSRA) 国際研究部

Ms. 小池 亜紀
(財)原子力安全研究協会(NSRA) 国際研究部

韓国

Dr. SunJu Choi
韓国原子力研究所(KAERI) 研究利用開発センター
ラジオアイソトープ研究部部長

マレーシア

Mr. Mohd Fairus Abdul Farid
マレーシア原子力庁(Nuclear Malaysia)
原子炉技術評価・エンジニアリング・安全部門研究員

タイ

Mr. Jatupol Sangsuriyan
タイ原子力技術研究所(TINT) ラジオアイソトープセンター
上級研究員



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Forum for Nuclear Cooperation in Asia