研究炉を効率的に利用するための基盤強化
「研究炉基盤技術」プロジェクトは、研究炉の安全かつ安定的な運転を行い研究炉の効率的な利用のため、炉心管理に関する核計算技術や炉の安全運転のための安全解析技術をアジアの国々で共有化することを目的としています。
研究炉は、物質構造を究明する中性子ビーム実験、医療照射、極微量の物質も定量できる放射化分析、シリコン半導体の製造、 ラジオアイソトープの製造等に広く利用され、直接的または間接的に人々の生活水準の向上に役立ってきました。これらの分野での利用には研究炉の中性子の強さ(中性子束)及び中性子のエネルギー(スペクトル)を核計算技術を用いて正確に評価する必要があります。 そのために、本プロジェクトの2005年度からの3年間の活動では、熱中性子炉解析用標準コード (SRAC) と連続エネルギーモンテカルロ計算コード (MVP) の参加国間での共有化を行いました。
2008年度からは、研究炉利用の高度化を推進するため、更なる研究炉の安全かつ安定な運転の実現を図るべく、「研究炉の安全運転のための安全解析技術の共有化」活動を遂行しています。この活動では、定常炉心熱水力解析コードである COOLOD-N2 と核熱水力結合動特性解析コードである EUREKA2/RR について、解析技術の共有化を進めています。
本プロジェクトは、研究炉を効率的に利用できる基盤が強化されるよう、今後も活動を進めていきます。
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