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医療用PET・サイクロトロン

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プロジェクト・リーダーからのメッセージ

遠藤 啓吾
遠藤 啓吾
群馬大学大学院 医学系研究科
病態腫瘍制御学講座放射線診断核医学 教授
医学博士、放射線診断専門医、核医学専門医
「マレーシア主導のプロジェクトがスタート」

 画像診断は目覚ましく進歩しており、日本のみならず東南アジアにおいても、 画像診断は現代医療には不可欠なものとなっている。

 エックス線CTをはじめとして、多くの画像診断は放射線を利用しており、 最近注目されているPETでも微量の放射線を放出する放射性薬剤を患者に投与し、 体の中の分布状態を撮影する。癌の部位には放射線薬剤がより多く集まることから、 PETを用いると小さい早期癌を見つけることができる。 すでに各国でもPETの導入が進んでおり、マレーシアをホスト国としてこのプロジェクトが始まった。

 2006年8月14日(月)から18日(金)までマレーシアの首都クアラルンプール市において、3日間のFNCAワークショップと、 関連行事としてマレーシアの医師、医学物理士、薬剤師などを対象にしたPETに関する2日間の教育セミナーが開催された。

 このFNCAワークショップはすべてマレーシアによって企画され運営された。会議の準備、進行すべてマレーシアの方々、 すなわちFNCAコーディネーターであるマレーシア原子力庁MINT(開催当事、現ニュークリアマレーシア)のAdnan Haji Khalid氏、同庁医療技術部門マネージャーZulkifli Mohamed Hashim氏、そしてPenang病院核医学部門長Mohamed Ali Bin Abdul Khader氏達の手によって行われた。このワークショップの成功は彼らのよるところが大きい。

 今回のFNCAワークショップには日本からの7名の他、マレーシア、中国、韓国、ベトナム、フィリピン、インドネシア、タイの合計7カ国からの代表が出席。 それぞれの国の核医学、PETの現状、それぞれの国におけるこれからもPETの導入予定、進め方について報告された後、PET装置、 放射線安全とPET薬剤、臨床診断の3つのテーマ毎に3グループに分かれ、討論した。予測されていたように、日本、 中国、韓国のようにPETが一般診療となっている国と他の国とではPET施設数に大きな差があり、マレーシア、タイ、フィリピンでは1~3ヶ所の病院でPETの臨床応用が開始されており、 ベトナム、インドネシアはまもなくPETの1号機が導入される予定など、国により大きな違いが見られた。 このワークショップにおいてマレーシア、東南アジアのPETの現状がよく理解され、それぞれの国におけるPETに対する関心の高さを感じた。

 PET装置、放射線安全とPET薬剤、臨床診断の3つのテーマ別に少人数のグループに分かれて検討したが、 臨床診断グループに関しては、欧米では患者数の少ないアジア特有の病気を集めたPET症例集の出版あるいはそれらをCD-ROMとしてまとめる案が採用された。 他のグループでも各国でそれぞれ担当責任者を任命し、 各国でテーマ毎に専門委員会を立ち上げる等のナショナルワークプランを実施することが合意された。

 本プロジェクトの活動は3年で完了する予定である。プロジェクトにより良い成果が実るよう、 今後も日本側メンバーは活発に活動を行うと共に、主導国マレーシアへの側面からの支援を実施していく心積もりである。

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Forum for Nuclear Cooperation in Asia