2002年度のベトナム国ダラト市 で 行なったワークショップで、初めて研究炉の安全文化ピアレビューを実施したが、これに引続いて、研究炉の現場における第2回目のピアレビューをKAERIの多目的炉であるHANARO炉を対象として実施した。韓国のワークショップを一言で評価すると、「前年のベトナムワークショップにも増して過去最上の出来を示したすばらしい会議であった」といえる。その成功の理由には、次のようなことが考えられる。
- メンバーの多くがこれまでのワークショップに出席し、互いに顔なじみとなっていたため、各国から積極的な発言、参画があった。
- 前年の研究炉ピアレビューの当事国であったベトナムが、その後のフォローアップにたいへん、まじめに取組み、その成果についての中間発表があった。
- 初回のピアレビューは、「1日ピアレビュー」として実施したが、その経験を踏まえ、第2回のワークショップでは2日間をかけて実施し、より深い討議を行なうことができた。KAERIも周到な準備を行ない、ピアレビューに臨んだ。
- 日本の沸騰水型原子力発電所(BWR)における検査結果の捏造に端を発した規制の動きなど、わが国の最新の状況について紹介することにより、各国メンバーの日本に対する信頼を深めることができた。
- 第3回目のピアレビューはインドネシアのジョグジャカルタで開催された。
このようなワークショップが今後も続けば、本協力の目指す「アジアにおける原子力の安全文化の向上」は達成されるであろうと確信した。しかし、そのためには、
- リーダー国であるオーストラリアがより強い自覚をもって、安全文化でいう「よいお手本」を示していくこと
- 参加メンバーがワークショップの成果を自国に持ち帰って、広め得るシステムの構築を考えることなどが必要であろう。
|