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原子力安全文化 ワークショップ

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FNCA 2002 原子力安全文化 ワークショップ


概 要


■ ワークショップ概要
1) 開 催 日: 2003年1月14日〜17日
2) 場   所:  ベトナム、ダラト市
3) 主   催: オーストラリア原子力科学技術機構(ANSTO)
ベトナム原子力委員会(VAEC)
4) 協   力: 日本原子力産業会議(JAIF)s
5) 参加人数:
22名(内訳: オーストラリア2名、インドネシア1名、日本7名、 韓国1名、マレーシア1名、フィリピン1名、タイ1名、 ベトナム8名、中国は不参加)

■ 報告・討議内容

1)主要議題
   a) 安全文化活動に係る六つの指標および11のベンチマークにもとづく国別報告
  b) 原子力安全条約第7条〜第10条、第14条、第16条への対応に関する国別報告
  c) 研究炉自己評価報告書にもとづくグループ討議
  d) 事例報告(浜岡原子力発電所1号機余熱除去系配管破断事故、東京電力自主点検記録の不正等の問題)
  e) シャイン文化モデル
  f) ベトナムの伝統的文化の影響
  g) ダラト原子力研究所研究炉視察
  h) 自己評価報告書にもとづくダラト研究炉のピアレビュー
  i)  今後の活動についての討議

2)研究炉自己評価報告書にもとづくグループ討議
  ワークショップに参加したすべての国は、今回、初めて自国の代表的な研究炉についての自己評価報告書を提出した。ワークショップでは、2つのグループに分かれ、各々4ヶ国の報告書について検討を行ない、評価すべき点と改善の余地がある点についてまとめた。その後、全体会議で相互の検討結果を報告し合った。

◆ 評価すべき点(一部)
 a)規制者の独立性については、すべての国が目標を達成、あるいは大きな進展を遂げてい
   る。
 b)現在、多くの国において研究炉の安全解析書の改正作業が行なわれている。
 c)多くの国において、実際に活動している安全委員会が存在する。

◆ 改善の余地がある点(一部)
 a)いくつかの国で、運転および規制の分野での人材が不足している。
 b)いくつかの国で、システム、構造物、機器類の高経年化管理を改善する必要がある。
   ただし、2ヶ国において研究炉の耐用年数の研究を実施また計画している。
 c)ほとんどの国において、訓練や安全文化活動による効果の調査、評価について改善する
   必要がある。

3)自己評価報告書にもとづくダラト研究炉のピアレビュー
 本ワークショップでは、自己評価報告書にもとづく研究炉のピアレビューをワークショップの開催国であるベトナムのダラト原子力研究所(NRI)の研究炉において初めて実施した。ピアレビューは、現場視察、NRI職員との面談および自己評価報告書の検討により行なわれたが、FNCAの主旨に沿って協力的な精神で進められ、安全文化を醸成し、強化していくための有効な手段になるものと評価された。初めての試みにもかかわらず、ダラト研究炉の安全管理と安全文化を改善するための重要かつ現実的な改善策が提案された。

◆ 改善策の提案(一部)
 a)安全について異なる見方をとり入れるために、安全委員会に外部からの委員の参加を検討
   すること。
 b)職員に対し安全への責任を再認識させるために、安全方針声明の文書化を検討すること。
 c)ヒューマンエラーを削減するために運転制御室のマン・マシーン・インターフェースを改善
   すること。

 
ダラト研究炉(DNRR)外観   ピアレビュー実施状況(DNRR運転制御室)

4)その他の成果
   a) 原子力安全条約の条項よりもIAEAが新たに策定した「研究炉の行動規範」の方が報告の基準として適切であるとの意見が出され、討議を行なった。本件については次回ワークショップで検討することとなった。
  b) 国別報告書および研究炉自己評価報告書によると、規制者の独立性の確立、安全委員会の存在、安全解析書の改正等、各国とも安全文化の向上に著しい進展が見られた。
  c) ベトナムによる「伝統的文化の影響」の報告では、原子力・放射線の安全とは別の規律が建設的な役割を果たしていることが示され、ベトナムの国と地方の文化を理解するうえで有益であった。 
  d) 2002年12月にリオ・デ・ジャネイロで開催された原子力施設の安全文化に関するIAEA会議の報告による情報は有益であった。
  e)  シャイン文化モデルは、特定のサブ・カルチャーがどのように発生するか、について説明するうえで有益であった。
  f) 浜岡原子力発電所1号機の配管破断事例は、海外等他のプラントの運転経験を適切に取り入れること、設備の変更にかかる安全評価を十分に行なうこと、企業において得た知見や経験を後世の代に活かすことの重要性を明らかにした貴重な教訓であった。
  g) 東京電力の事例は、安全性に関するデータの隠蔽するに到った環境や文化の存在に着目し、安全文化の研究に示唆を与えるものであった。

5)今後の活動に係る合意事項
  a)  韓国は、次回ワークショップまでに、現行の国別報告書とIAEAの研究炉の行動規範をもとに、ワークショップで報告すべき項目(指標、ベンチマーク等)のリストの検討、作成を行なう。
  b) フィリピンは、次回ワークショップまでに、放射線の安全文化の指標案を作成する。
もし、次回ワークショップで合意されれば、その指標を国別報告書のもう一つの項目とし、自己評価とピアレビューの検討項目とする。また、上記a)の報告すべき項目のリストに含めることとする。
  c)  次回ワークショップで合意されれば、上記a)のリストで整理された項目を今後の国別報告書の基準とする。 
  d) 各国は、国別報告書における改善点について検討し、可能な範囲で取り組んで行く。
  e) 今後も研究炉の自己評価とピアレビューを継続していく。
  f) 各国は、次回ワークショップの3ヶ月前までに自己評価報告書を更新する。
  g) 研究炉を2基以上保有している国は、今回とは別の研究炉の自己評価報告書を作成することが有益である。
  h) 次回のピアレビューは、ワークショップ開催国の研究炉で実施する。
  i) 次回のワークショップは、韓国政府の同意が得られれば、韓国で開催する。代替案は、フィリピンとオーストラリアとする。


2002年度ワークショップ参加者





プログラム


● 2003年1月14日(火)

08:45 - 09:00    出席者登録
09:00 - 09:30    開会式
             歓迎挨拶
             開会挨拶
             原子力安全文化プロジェクトの概括
                       (石川迪夫:原子力発電技術機構(NUPEC))
09:30 - 09:40    記念撮影
09:40 - 09:50    休憩
<セッション1> IAEAの活動状況の紹介
09:50 - 10:30     原子力施設の安全文化に関するIAEA会議(オーストラリア)
10:30 - 10:40     第2回原子力安全条約締結国会議(石川迪夫:NUPEC)
<セッション2> 国別報告(共同議長:オーストラリア、ベトナム)
10:40 - 11:20     オーストラリア
11:20 - 11:50     インドネシア
11:50 - 12:15     日本(久保 稔:核燃料サイクル開発機構)
12:15 - 13:30    昼食
            国別報告(共同議長:インドネシア、韓国)
13:30 - 13:50     日本(質疑応答)
13:50 - 14:25     韓国
14:25 - 14:40     マレーシア
14:40 - 15:05     フィリピン
15:05 - 15:15    休憩
15:15 - 15:40     タイ
<セッション3> 安全文化に関する考察
15:40 - 16:20     シャイン文化モデル(オーストラリア)
16:20 - 16:50     ベトナムの伝統的文化の影響(ベトナム)
16:50 - 17:10    研究炉自己評価報告書レビューのグループ編成
19:00         オーストラリア原子力科学技術機構/ベトナム原子力委員会共催歓迎
            レセプション


● 2003年1月15日(水)

            国別報告(共同議長:フィリピン、タイ)
08:30 - 09:00     ベトナム
09:00 - 09:20    休憩
<セッション4> 日本における最近の話題(共同議長:フィリピン、タイ)
09:20 - 10:10     浜岡原子力発電所1号機余熱除去系配管破断事故
                                       (平井啓詞:日本原子力発電)
10:10 - 11:00     東京電力自主点検記録の不正等の問題(石川迪夫:NUPEC)
11:00 - 11:15    休憩
<セッション5> 各国の研究炉自己評価報告書レビュー
11:15 - 12:00     グループ別討議
12:00 - 13:30    昼食
13:30 - 14:15     グループ別討議(続き)
<セッション6> レビュー結果報告(共同議長:日本、ベトナム)
14:15 - 14:35     第2グループ(平野雅司:日本原子力研究所)
14:35 - 14:50     第1グループ
14:50 - 15:10    休憩
15:10 - 15:45    ダラト研究炉ピアレビューの進め方(平野雅司:日本原子力研究所)
16:00 - 18:30    ダラト周辺の文化施設訪問


● 2003年1月16日(木) (ダラト研究炉ピアレビュー)

08:45 - 09:15    ダラト研究炉概要説明(ベトナム)
09:15 - 10:00    グループ別スケジュール確認および質疑応答
10:00 - 11:30    現場視察およびダラト研究炉職員との現場での面談(グループ毎に実施)
11:30 - 12:20    グループ別討議
12:20         ダラト原子力研究所出発
12:30 - 14:00    昼食
14:00 - 15:00    両グループからのピアレビュー結果報告
15:00 - 16:00    追加の質疑応答および討議
16:00 - 17:00    ピアレビュー報告書ドラフト作成
19:00         ダラト原子力研究所主催送別会


● 2003年1月17日(金)

<最終セッション>(共同議長:オーストラリア、日本)
08:30 - 10:00    国別報告の書式、3ヶ年計画、次回ワークショップ開催国
10:00 - 10:15    休憩
10:15 - 12:00    今後の活動についての討議、決定事項の確認
            閉会挨拶


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