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原子力安全文化 ワークショップ

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FNCA 2000 原子力安全文化 ワークショップ



■ 2000年度ワークショッップ

1) 開 催 日: 2000年9月10日〜14日
2) 場   所:  中国、上海市
3) 主   催: オーストラリア原子力科学技術機構(ANSTO)
中国国家原子能機構(CAEA)
4) 協   力: 日本原子力産業会議(JAIF)
5) 参加人数:
25名(内訳: オーストラリア3名、中国8名、インドネシア2名、日本7名、韓国1名、マレーシア1名、フィリピン1名、タイ1名、ベトナム1名)

■ 報告・討議内容

1) 主要議題
  a) 安全文化活動に係る六つの指標にもとづく国別報告
  b) IAEA安全報告書No .11にもとづく国別報告
  c) 原子力安全条約第7条〜第10条への対応に関する国別報告
  d) 安全文化衰退の兆候に係るグループ討議
  e) 安全文化に対する意識・姿勢の調査報告
  f) 中国と日本の原子力発電における安全文化活動の紹介
  g) 事例報告(東海村ウラン加工工場臨界事故およびタイ医療用コバルト60線源による被ばく事故)
  h) 秦山原子力発電所視察
  i) 今後の活動についての討議
   
2) ワークショップの主な成果
  a) 安全文化活動の実践や新しい取組みにおいて、前回のワークショップから進展が見られた。また、これらの進展状況を継続して報告していくことが効果的であること
がわかった。
  b) 安全文化活動の実践における進展状況は国によって多様であるため、実践状況の水準を評価するための11のベンチマーク(基準)を作成した。(以下参照)
  c) まだ、自国の代表的な研究炉について、指標にもとづく国別報告が実施されていない国に対し、報告を行なうよう促した。
  d) 多くの国で、放射性物質の使用者を規制するための資源やそれらの活動を規制する法律をつくるために必要な援助が不足し、問題を抱えていることがわかった。ワークショップでは、FNCAコーディネーターに対し、今後これらの問題に取組んでいくよう勧告した。
  e) すべてのFNCA諸国にとって、原子力安全条約の条項にもとづき研究炉を評価することは価値があることが認識された。また、次回ワークショップでは、これまで の第7条〜第10条に加えて、第14条(安全に関する評価および確認)と第16条(緊急事態のための準備)についても国別報告を行なうこととなった。
  f) 秦山原子力発電所と浜岡原子力発電所の安全文化への取組みに関する報告により、有益な意見交換がなわれた。
  g) 東海村ウラン加工工場臨界事故とタイの医療用コバルト60線源による被ばく事故の事例報告により、安全文化に対しては継続して注意を払っていくことが必要であること、また、活発で効果的な規制システムと放射性物質の使用者に対する徹底した訓練が必要であることが認識された。
  
3) 今後の活動に係る合意事項
  a) 次回ワークショップにおいて、安全文化の訓練コースについて情報交換を行なう。
  b) 日本とオーストラリアは、ウェブページによる情報交換と報告手法について調査、
検討を行なう。
  c)  次回ワークショップは、日本で開催し、安全文化活動を実践している原子力施設の視察を行なう。
 
安全文化の実践レベルを評価するための11のベンチマーク(基準)
  @ 安全文化への取組みと安全を最優先することを表明するトップレベルによる方針声明があり、それがすべての施設に対し適応されていること
  A 実際に活動している原子力安全検討委員会があり、検討結果は、組織全体に報告されてること
  B 最高経営会議(あるいはそれに相当する組織)の公式の会議において安全が議題として取げられていること
  C 実質的に独立し、活動している規制組織があり、基準や規則を作成していること
  D すべての活動に対して安全評価の手続きが取られ、許可が毎年、見直されていること
  E 組織の中に安全文化を促進させる仕組み(タスクグループ、委員会等)があること
  F 安全の向上を目的としたプログラムとともに、安全に係る実績と安全文化指標にもとづき定的に報告するシステムがあること
  G 原子力安全について従業員からフィードバックすることができるシステムがあること
  H 組織のあらゆる階層において、安全に対する責任の所在が委任状や職務説明書等によって明確に表明されていること
  I すべての原子力施設の従業員に対し、定期的に安全文化の訓練コースを設置していること
  J 運転グループが組織や人的要因の評価を含めた事故/事象調査を独立して実施していること

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