FNCA


FNCA FNCA Meeting

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大臣級会合

第24回
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第23回
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第22回
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第21回
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第20回
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第19回
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第18回
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第17回
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第16回
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第15回
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第13回
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第12回
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第11回
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第10回
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第9回
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第8回
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第7回
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第6回
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第5回
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第4回
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報告
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第3回
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第2回
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第1回
概要
共同コミュ二ケ


(添付資料1)

第4回 大臣級会合


2003年FNCA活動に関するプログレスレポート

FNCA日本コーディネーター 町 末男

1.

第4回FNCAコーディネーター会合(2004年3月5〜7日、於:沖縄県那覇市)

(1) FNCAプロジェクト8分野の進捗状況と将来展望についてレビューを行い、その中期作業計画が承認された。会合で提案のあったFNCA枠組下の2003年度ワークショップおよびプロジェクトリーダー会合の開催地について合意された。

(2) 第3回FNCA会合に対するフォローアップとして、次の3つのプロジェクトが提案された。「アジアにおける持続的発展と原子力」、「原子力および原子力関連分析技術とFNCAデータベースを用いた海洋環境汚染の調査とモニタリング」、「核医学機器のメンテナンスネットワーク」。

 a. 会合では財源確保を条件に「アジアにおける持続的発展と原子力」プロジェクトの実施が承認された。
 b. 「原子力および原子力関連分析技術とFNCAデータベースを用いた海洋環境汚染の調査とモニタリング」の提案については、既に進行している「中性子放射化分析」プロジェクトの中で実施されるべきという前提で支持が表明された。
 c. 「核医学機器のメンテナンスネットワーク」 は、事前にガンマカメラの使用・メンテナンス状況を調査してからプロジェクトの作業計画を策定し、FNCAでこの提案を承認する必要があるとの提言がなされた。

(3) 「人材養成戦略」についても討論し、他の国際機関の同様な構想と協力する必要性があるとの認識に達した。

(4) 社会経済的な発展を達成するためには、エンドユーザーと連携強化を図ることの重要性が認識された。プロジェクトリーダーによるエンドユーザーとの協力を進める努力に対し、FNCAコーディネーターはこれを支援するよう提言がなされた。

(5) FNCA活動を進める上でのパートナーシップの強化と各国において財源確保等の政府支援強化およびFNCA活動を国家プログラムとして認定することの重要性を確認した。

(6) FNCAコーディネーターとプロジェクトリーダーとの間で国家レベルの提携をすべきとの提言があった。

2. FNCAプロジェクト活動の概要

(1) Tc-99mジェネレーター製造

 ( n、γ)反応によって生産される Mo-99を使用して ポリジルコニウム化合物 (PZC)を 吸着剤とする 「Tc-99m ジェネレーター製造」のための新規プロジェクトについて、日本とインドネシアで、その製造装置の設計に大きな進展がみられた。マニュアル生産によるデモンストレーションは、BATANでの2003年度ワークショップで行われた。Mo-99を吸着したPZCを装てんする自動装置は、2003年12月にインドネシアのBATANに設置される予定である。その稼動デモンストレーションは2004年1月の次回ワークショップ開催中に行われる予定である。PZCベースの Tc-99mジェネレーターとMo-99装てん装置に関する(株) 化研とBATANとの共同特許については、既に日本(2002年10月31日)とインドネシア(2003年2月24日)でそれぞれ申請されている。

<将来計画>

 1)インドネシアでのMo-PZC装てんカラムの品質保証試験。
 2)2004年と2005年における日本の技術協力によるFNCA参加国での充てん装置の設置。

(2) 大気中粉塵モニタリングのための中性子放射化分析(NAA)

 日本から提供された共通のフィルターを使用して、都市と地方において大気中粉塵のサンプル収集が各国で行われ、 NAAによる分析が行われた 。モニタリング作業は継続中で、報告書にまとめて 2004年の第一四半期に提出される予定である。「Ko法」は、膨大な環境サンプルの計測を効率的に行うことができるため、中国、ベトナム、日本の専門家が共同で開発中である。

<将来計画>

 1) FNCA参加国の都市および地方における大気中粉塵汚染のモニタリングデータは2004年にとりまとめられる予定。
 2) 2004年に、NAAのKo-法をIAEAと共同で確立する。
 3) 大気中粉塵のNAA測定結果はFNCA参加国の環境モニタリング計画に利用すべきである。この点で、環境行政担当省庁との連絡調整を強化すべきである。
 4) 海洋沿岸汚染モニタリングに対するベトナムの提案は2004年以降に実施する予定で、NAAを利用して沿岸部海底の沈殿物・生物中の有害物を計測する。

(3) 中性子散乱

 「中性子散乱」プロジェクトは、 FNCA参加国で生産される天然ポリマーの構造を研究するための小角中性子散乱(SANS)の利用に焦点を絞る。2003年に、タイの研究者1名、フィリピンの研究者1名が来日して改質天然ゴムとカラギーナンの構造を研究している。日本でもそれぞれについて東京大学、京都大学と原研が共同で研究している。

<将来計画>

 1) プロジェクトの専門家会議は2004年インドネシアで開催され、FNCA参加国の共通の関心とニーズに合致したSANSの適用について議論する。
 2) 天然および工業用ポリマー構造の研究は2004年も継続予定。

(4) 放射線育種

 「放射線育種」プロジェクトは 2002年に、中国、インドネシア、フィリピン、ベトナムの参加を得て、耐乾性ソルガムおよび大豆の新品種開発、さらに2003年にはインドネシア、マレーシアとタイの参加を得て耐虫性ランの開発という新たな具体的活動を開始した。大豆、ソルガム、ランの実験材料が参加国間で交換され、インドネシアでは、ソルガムのより優れた突然変異種が開発されている。マレーシアとインドネシアは2003年に大豆の耐乾性プロジェクト活動に参加の意思を表明している。

< 将来計画 >

 1) ソルガム、 大豆 およびランのより優れた品種選抜を継続し、中間結果報告を 2004年に行う。
 2) 2004年には、インドネシア、マレーシア、フィリピン、ベトナムによる耐病性バナナの品種改良プロジェクトを開始する予定。
 3) 突然変異種数増加を図るため、FNCA参加国の個別要求に応じて、原研のイオンビーム加速器の利用をFNCA日本コーディネーターが橋渡しする。

(5) バイオ肥料

 「バイオ肥料」プロジェクトの第 1回ワークショップは、バイオ肥料の効果を示すための、ほ場実験を含む2002年と2003年の作業計画を策定した。ベトナムでの第2回ワークショップは、IAEAと国際半乾燥熱帯地域作物研究センター(ICRISAT)の専門家の参加を得て、日本学術振興会(JSPS)のバイオ肥料研究プロジェクトと共同で開催された。ベトナムのピーナッツのバイオ肥料(根粒菌)ほ場実験は順調に進んでいる。バイオ肥料を実際に農家に拡めるための戦略は各国で策定された。

< 将来計画 >

 1) 2004年、2005年には肥よくでない土壌でバイオ肥料を施肥したフィールドデモンストレーションを行う。
 2) 2004年、2005年には、キャリアを放射線滅菌したバイオ肥料のパイロット生産を行う。
 3) N-15を利用した窒素固定能測定についてのIAEAへの支援要請。

(6) 放射線によるがん治療

 子宮頚がんの放射線治療プロジェクトでは著しい進展が見られた。すなわち、 FNCA参加国における標準プロトコル CERVIX-Iを用いた放射線治療の臨床研究である。この治療法は優れた結果をもたらした。ステージVBの患者に対する5年生存率と局所制御率は、それぞれ52.5%と81.5%であった。これらの結果は、欧米の一連の研究に匹敵ないし、より優れたものであった。CERVIX-I治療プロトコルのガイドブックは2002年に放射線しゅよう研究者に発行された。2003年には東京でFNCAワークショップに連動して、「放射線治療」と題する公開講座が行われ150人の聴衆を集めた。
  進行子宮頚がんに対する化学放射線療法の臨床研究は 2003年から行われている。

<将来計画>

  1) 進行子宮頚がんに対する化学放射線療法の臨床試験は2004年さらに継続して実施される予定。
  2) 上咽頭がんに対する化学放射線療法の臨床研究も2004年予備試験が行われる予定。
  3) 放射線治療の 品質保証・品質管理( QA/QC)活動は2004年も継続実施。

(7) 原子力広報(PI)

 FNCA各国の高校生の放射線に関する知識・関心等についての合同アンケート調査が行われ、1,100人の高校生男女が回答者として参加した。調査結果は、各国の今後の広報戦略の改善に役立つものと期待される。  FNCA地域スピーカーズ・ビューロー活動として、スピーカー3名が2002年のマレーシアでの「国際原子力会議」(ICN'02)に、1名がタイでの「NuTech'03」(1年おきに数百名規模で行われる原子力の衣料、農業、工業利用に関する会議)に派遣された。
  2003年ベトナムで、プロジェクトリーダー会合と連動して公開セミナーが、「原子力開発のための原子力広報戦略」と題してハノイで、「産業における放射線技術利用」と題してホーチミンで開催された。地元専門家等200人以上がこれら2つのセミナーに参加した。

< 将来計画 >

  1) マスコミとの意思疎通強化を図るため、2004年各国でセミナーを企画し、FNCAは、必要な専門家の提供を行う。
  2) 2004年は原子力コミュニケーター育成の可能性を検討する。
  3) 2004年に、FNCAのウェッブサイト更新を、双方向の情報交流を増加させることで、全FNCA参加国の積極的参画を得て行うという提案がなされている。
  4) 次回のプロジェクトリーダー会合は2004年にタイで、公開セミナー「科学と産業への研究炉利用」と組み合せて開催することが提案されている。

(8) 放射性廃棄物管理 (RWM)

 「使用済放射線源管理( SRSM)」サブプロジェクトのタスクグループは、2002年にはインドネシアと韓国で関連施設を訪問して有意義な討議を行った。このSRSM タスクグループの2年間の活動報告書は2003年3月に発行された。RWMの統合報告書は2003年2月に完成、有益な最新情報が盛り込まれた。TENORMに関するサブプロジェクトがSRSMにとって代わることが合意された。2003年8月に日本の専門家グループがマレーシアとベトナムをそれぞれ訪問し、TENORM管理の安全性について討議・調査を行った。

<将来計画>

 1) 2004年にTENORM管理の安全性評価のためにタイと中国へ専門家派遣。
 2)I AEA/BSS(基本安全基準)に照らした各国の放射線安全基準の状況確認。
 3) FNCA参加各国の廃棄物の特定(Characterization)と分類(Classification)。

(9) 原子力安全文化(NSC)

 安全文化と安全管理強化の一環として、さらに改善の余地がある分野を特定するために各国研究炉に対する自己評価が行われた。現場訪問して行う研究炉安全文化の最初のピアレビューが、 2003年1月ベトナムのダラトにある原子力研究所の研究炉に対して行われ、成功裏に終わった。いくつかの有益なコメントと情報がベトナム原子力委員会に提供され、安全文化向上への助言として取り入れられた。

< 将来計画 >

 1) 2004年にハナロ炉(韓国原子力研究所の高フラックス中性子応用炉)における安全文化のピアレビュー。
 2) IAEA研究炉‘Code of Conducts'に照らした各国の安全文化についての自己評価。
 3) プロジェクト成果のレビュー。

(9) 人材養成(HRD)

 放射線防護分野での共通教材の開発と e-ラーニングシステムの導入が進行中である。各国のHRD戦略策定と、FNCAのHRDプロジェクト戦略構築に資する目的で、各国が現在活用可能な原子力関係人材と各国が今後原子力開発に必要な人材等に関して、基礎データ調査が実施されている。
  また、研究や高度な教育訓練のための地域ネットワークについて今年のワークショップと第3回FNCA会合で取り上げられた。

<将来計画>

 1) HRDデータベース調査結果に基づき、各国は、自国のHRD戦略案を作成し、2004年の
   HRD ワークショップ で討議する。
 2) HRD 戦略形成のためのモデルとなる手法の検討(2004年)。
 3) アジア原子力技術高等教育ネットワーク(ANENT)へのFNCAのアプローチを検討すべき。

(10 )加速器利用

  第2回 ワークショップの作業計画に従い、液体システムのデモンストレーションは2002年12月に原研により行われた。
  第3回 電子加速器利用ワークショップはマレーシアのクアラルンプールで開催された。参加国の薄膜への電子加速器利用の状況について討議され、今後のプロジェクト計画が策定された。薄膜への照射デモは2003年マレーシア原子力庁で行われた。低エネルギー電子線処理工程の費用分析は進行中である。

< 将来計画 >

 1) 2004年に中国で排煙処理デモンストレーションを行う。
 2) 低エネルギー電子加速器による液体、固体、気体の照射プロセシングの評価。

   



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