FNCA

原子力広報 プロジェクトリーダーミーティング

MENU
img
プロジェクト紹介

PIニュースレター

プロジェクトリーダー
メッセージ
紹介

PI ウェブ
  トピックス ニュース

原子力PR館リスト
原子力に関する世論
  調査 PDF版(2,715KB)


「アジアの発展と原子力」
講演会
2008年度
 ・第1回
2007年度
 ・第3回
 ・第2回
 ・第1回
2006年度
 ・第3回
 ・第2回
 ・第1回
2005年度

プロジェクトリーダー会合

 2010年度
 2009年度
 2008年度
 2007年度
 2006年度
 2005年度
 2004年度
 2003年度
 2002年度
 2001年度
 2000年度



2005年 FNCA 原子力広報プロジェクト・リーダー会合


 「2005年 FNCA原子力広報プロジェクト・リーダー(PL)会合」は、日本の文部科学省(MEXT)の主催で、2005年9月12日(月)〜15日(木)(4日間)にかけて、東京(芝パークホテル)および八戸(八戸工業大学)で開催され、中国、インドネシア、日本、マレーシア、フィリピン、タイおよびベトナムの7カ国のPLおよび代表者、国内の運営グループ委員、FNCA日本コーディネーター、事務局が参加し開催しました(オーストラリアおよび韓国のPLは欠席)。

 PL会合の初日(9月12日)の開会セッションでは、田中靖政主査/PL(学習院大学名誉教授)が開会の挨拶と主要検討事項を述べ、佐野多紀子国際協力官(文部科学省 研究開発局 原子力計画課)が歓迎挨拶を行いました。開会挨拶に引き続き、町末男FNCA日本コーディネーター(原子力委員)から「2004年度のFNCA活動および原子力広報(PI)プロジェクトのレビュー・計画」について報告がありました。
参加者
一堂に会した2005年FNCA原子力広報
プロジェクト・リーダー会合の参加者

  開会セッションに続き、セッション1として、各国PLおよび代表者から、自国での「原子力分野の最近の話題」、「広報活動の現状」、「FNCA活動」、「原子力に関する情報を伝えるコミュニケーターの養成」、「マス・メディアとの効果的なコミュニケートの促進」および「アジア原子力協力ネットワーク」などの内容について報告がありました。

 また、セッション2では、「原子力広報の方策・手法の明確化」のテーマについて、田中主査からFNCA原子力広報の目標と情報公開のテクニックについて説明があり、討議しました。この結果、原子力広報では以下の3項目を行うべきであることが合意されました。
  @ 広報の対象はマス・メディアおよび一般市民の両方に対してコミュニケーションをとるべきである。
A 広報でのコミュニケーションでは、テレビ、ラジオ、新聞、ニュースレター、地域スピーカーズ・ビューロー(専門家の派遣システム)、電子メール、ウエッブサイトなど従来のツールを含め、新しいツールも活用すべきである。
B FNCAに関する宣伝は、政府機関、マス・メディアおよび一般市民に行うべきである。

PL会合での活発な討議の様子

 2日目(9月13日)のセッション3では、「各国でのラジオ・アイソトープ(RI)および放射線利用分野を共通の広報テーマとした活動の推進」、セッション4では「FNCAウエッブサイト、ニュースレターを用いた効果的な広報活動の検討」、さらにセッション5では「原子力情報を効果的に発信するコミュニケート方策の検討」の各テーマについて、対応や進捗状況などの報告を行い、今後の活動計画を討議しました。

 3日目(9月14日)の午前中には、2005年度以降の3ヵ年計画と議事録案について討議し、田中主査が閉会の挨拶を行いました。午後に東京から八戸へ移動しました。

 4日目(9月15日)は、PL会合の一環として八戸工業大学(青森県・八戸市)で開催された「2005年 原子力学会 秋の大会」において、「アジア原子力協力フォーラム(FNCA)と原子力コミュニケーション(一般公開)」をテーマとした総合講演・報告を行いました。各国からの参加者の7名は、自国での原子力利用と広報活動についての講演を行いました。 最初に、座長の田中主査から、FNCAの経緯と最近の活動についての説明がありました。中国の代表(チェン・ガン氏:Mr. CHEN Gang)から「中国の原子力発電の現状と将来計画」、インドネシアのPL(アディワルドヨ氏:Mr. Adiwardojo)から「インドネシアの原子力研究の経緯、放射線利用の現状、エネルギー政策としての将来の発電計画」、マレーシアのPL(モハマッド・ロスリ・ムダ氏:Mr. Mohd. Rosli bin Muda)から「マレーシアの原子力政策と放射線利用の現状、エネルギー政策として将来の原子力発電計画の検討」、フィリピンのPL(ロドラ・レオーニン氏:Ms. Rhodora R. Leonin)から「フィリピンの原子力利用の経緯と放射線利用の現状、原子力エネルギーに対する検討」、タイのPL(ビジャヤ・ラジャタティボディ氏:Mr. Vidhaya Rajatatibodee)から「放射線利用の現状と成果、原子力広報の現状」、ベトナムのPL(ダン・ティ・ホン氏:Ms. Dang Thi Hong)から「研究炉の利用、放射線利用、原子力広報の現状」および日本の代表である久保稔FNCA原子力広報専門家(独立行政法人 日本原子力研究開発機構 広報部長)から「アジア地域の原子力広報の活動状況、各国共通の課題、広報のありかたなど2004年度のFNCA活動とその効果」について、それぞれ講演がありました。

「アジア原子力協力フォーラム(FNCA)と原子力コミュニケーション」総合講演・報告
講演者の氏名と所属


<各国PLおよび代表者からの講演・報告>  各国からの講演の後、講演者全員が壇上に並び、田中主査の司会で、聴衆からの質問に答えるパネル討論を実施しました。時間の関係上、以下の 3つの質問についての応答が行われました。
  @ 「放射線利用、研究炉利用の成果など各国の状況について」
A 「中国の高温ガス炉の進捗状況について」
B 「日本では J-PARK加速器の研究が開始されるが、各国の中性子散乱の研究状況と研究者数について」
 今回の総合講演・報告は、日本原子力学会の 2005年秋の大会(9月13日〜15日の3日間の開催)最終日に実施しました。原子力学会の会員をはじめ、一般の聴衆、報告者、事務局関係者など総勢、約80名が参加しました。学会関係者からは、「学会としても新しい試みであったが、よい内容であり、有意義な報告とパネルセッションであった」との評価をいただきました。

座長を務めた田中主査
原子力学会 秋の大会の会場の様子
講演を行う久保委員
会場からの質問に答える各国PL

 午後には財団法人環境科学技術研究所および六ヶ所原燃PRセンターへのテクニカルツアーを実施し、八戸から東京に移動しました。
テクニカルツアー(環境化学技術研究所)(写真)






2005年FNCA原子力広報プロジェクト・リーダー会合
議事録(仮訳)

2005年9月12〜15日、東京および八戸市・日本


 2005年FNCA原子力広報プロジェクト・リーダー会合は、2005年9月12〜15日に日本の東京および八戸市で開催された。

 日本の文部科学省(MEXT)がこの会合を主催し、(社)日本原子力産業会議(JAIF)が会合開催に協力した。

 2005年9月12日、開会セッションは東京の芝パーク・ホテルにて、学習院大学名誉教授の田中靖政博士が歓迎の挨拶を述べた。会合は、文部科学省研究開発局原子力計画課の佐野多紀子国際原子力協力官によって公式に開催された。FNCA日本コーディネーター、原子力委員の町末男博士から「2004年度のFNCA活動」および「原子力広報プロジェクトのレビューと計画」の報告があった。9月12日晩のレセプションはJAIFによって開催された。

 開会セッションに続いて、7カ国のカントリー・レポートが報告された。各国のFNCA原子力広報プロジェクト・リーダー(中国はチェン・ガン氏、日本は久保稔氏)が報告した。
4日間の会合には、中国代表、インドネシア、日本、マレーシア、タイ、フィリピン、ベトナムのプロジェクト・リーダーおよび久保稔氏の8名が参加した。また、FNCA日本コーディネーターおよび7名の日本人オブザーバーが参加した。オーストラリアおよび韓国のプロジェクト・リーダーが不参加であったのは残念であった。参加者リストおよびプログラムは、別添1および別添2として議事録に添付される。

カントリー・レポートのテーマおよび項目:
  (1) 原子力発電や放射線利用など最近の広報分野に関する話題
  (2) 自国での原子力広報活動の現状と今後の予定
  (3) FNCA活動
  (4) 地域スピーカーズ・ビューロー(RSB)の活用
  (5) 原子力に関する情報を伝えるコミュニケーターの養成
  (6) マス・メディア担当者との効果的なコミュニケーション
  (7) FNCAウエッブサイトの活用促進を含む、FNCA各国間の情報ネットワーク
  (8) その他

 9月12日と13日に行なわれた各セッションでは、カントリーレポートに記載されたテーマと2005年度からの3ヵ年の目標・活動計画について討議された。これらの議題は、
  (1) 原子力広報の戦略と技術の明確化
  (2) 各国でのRI・放射線利用分野を共通の広報テーマとした活動の推進
  (3) FNCAウエッブサイト・ニュースレターを用いた効果的な広報活動の検討
  (4) 原子力情報を効果的に発信するマス・メディア担当者との情報交換
  (5) 2005年〜2007年度計画および3ヵ年計画の策定
であった。

 東京での閉会セッションは9月14日、田中靖政博士の挨拶で総括された。

 9月15日に「アジア原子力協力フォーラム(FNCA)と原子力コミュニケーション」と題した総合講演・報告が、青森県の八戸工業大学で開催された日本原子力学会2005年秋の大会で行われた。日本のプロジェクト・リーダーである田中博士が座長を務めた。中国、インドネシア、マレーシア、フィリピン、タイ、ベトナムの参加者と日本の代理である久保氏から、各国の原子力平和利用の最重要点項目に関するカントリーレポートが報告された。総合講演・報告は一般公開され、60名以上が参加した。

 「財団法人環境科学技術研究所」および「日本原燃株式会社(JNFL)」へのテクニカル・ツアーも同日午後に行われた。

各セッションのハイライト

セッション2:原子力広報の方策と手法の明確化
 田中靖政博士(日本)、ダン・チー・ホン氏(ベトナム)の共同議長

 田中博士は最初にFNCA事務局によって準備した2つの文書を紹介した。
  - FNCA原子力広報プロジェクトの3ヵ年活動計画
  - FNCA原子力広報プロジェクトの目標と手法
共同議長の日本から紹介された文書について議論が行われ、以下の合意に達した。

(1) 原子力広報の目標(方策)は、3項目にまとめられる。
   第1項目は、放射線と原子力発電の安全と持続的利用に関する広報は、一般市民に対すると同じように専門の共同体に対しても、双方向のコミュニケーションを行うべきである。
第2項目は、広報の手法は、人から人へ情報を伝達するコミュニケーション(例:地域スピーカーズ・ビューロー(RSB))から従来のマス・メディア(例:テレビ、ラジオ、新聞、ニュースレター)や新しいメディア(例:電子メール、電子レター、ウエッブサイト、ブローグ(ウエッブ上での情報交換システムの総称))まで、新旧の種々の方法を活用し、また、効果的なコミュニケーションのツールを開発し利用するべきである。
第3項目は、政府機関、マス・メディアおよび一般市民を広報の対象として、FNCAの活動について広報を行うべきである。

(2) 提案された活動計画
  2005年度
 各国PLは、新しい活動項目を含む3ヵ年の活動計画について、日本の事務局が作成したアンケート形式によるフォーマットに従い、9月末までに事務局に提出することで合意した。これらの新しい活動計画に追加する項目には、パンフレット、ニュースレター、ウエッブサイト、地域スピーカーズ・ビューローおよびPL会合など、すでにFNCAの枠組みの中で運用している項目などがあるかもしれない。各国それぞれが自国の社会文化や伝統を基盤として原子力広報の目標を設定することも併せて推奨された。FNCA事務局(日本原子力産業会議アジア協力センター)は、情報センターとして機能するべきである。

(3) 活動計画についてのさまざまな討議の中で、下記に示す新しい提案はPLによって作成され満場一致で合意された。

 
(a) FNCA参加国のホームページは、施設や組織の名称・概要、現状のニュース、重要なイベントのスケジュールおよびリンクなどのレイアウトや内容に関して、標準化された形式にする。
(b) 施設や組織の名称・概要には、主に各国における原子力や放射線に関係した施設・組織名称、所在地、連絡先電話やFAX番号、電子メールアドレス、ウエッブサイトのURLの他に、可能であれば組織の沿革や背景が含まれるべきである。これらの情報は、各国が提供し、FNCA事務局(原産会議)に送付する。
(c) インドネシアのPLは、日本の文部科学省が運用している「ATOMICA」が、原子力エネルギーと放射線利用に関して、非常に役立つ情報源であることを述べた。英語を話す全てのユーザーに対して、「ATOMICA」が利用できるように、英語への翻訳の提案があった。
(d) いつでも自由に書込むことができるようなFNCAのブローグが、多方向で共時的な電子コミュニケーションの便利なツールとしての役割を果たすとの提案がなされた。新しいブローグによる方法を使うと、非常時におけるメッセージの発信や迅速な質疑応答の情報共有が可能である。

  2006年度
 タイ・バンコクで開催された2004年度FNCA原子力広報プロジェクト・リーダー会合において、PL会合はインドネシアで2006年度に開催されることが決まった。

  2007年度
 2004年度および2005年度のPL会合において、2006年度のPL会合はオーストラリアが主催すべきであるとの提案がなされた。オーストラリアが2007年度のPL会合の開催を受け入れるかどうかについて、FNCA事務局が早急に確認することになった。

 最終的に、次期3ヵ年活動計画について討議したセッションにおいて、タイPL会合前に満場一致で合意された「エネルギーと環境」合同アンケート調査の実施提案に関しての質問があった。日本のPLは、「残念ながら、提案された次期3ヵ年計画における合同アンケート調査の実施は、文部科学省の優先順位が低い」と回答した。しかしながら日本のPLは、前回実施した合同アンケート調査の結果が、2005年の春に東京で開催された第6回FNCAコーディネーター会合で各国の関心が非常に高かったことを述べた。

セッション3:各国でのRI・放射線利用分野を共通の広報テーマとした活動の推進
モハマッド・ロスリ・ムダ(マレーシア)、ダン・チー・ホン氏(ベトナム)の共同議長

 ラジオアイソトープおよび放射線利用は、私たちの日常生活の中で重要な技術にもかかわらず、多くの点で誤解されている。この状況は、私たちの原子力広報プログラムにおいて、より多くの専門的な活動への挑戦である。この点で以下に記述するPI活動は会合参加者から推奨された。

  (1) 高校や大学における上映会プログラム/ 原子力を知るセミナー。これらの活動は、放射線、放射線安全、放射線利用の講演、実際に計測器を用いた放射線測定の仕方のデモンストレーションを含むミニ展示会の企画である。フィードバックのメカニズム(アンケート調査の利用を通じて)も、また、プログラムの1つである。
  (2) ラジオアイソトープおよび放射線利用を促進するための広告企業を雇い入れることで、タイの原子力広報活動はかなり機能アップを果たした。
  (3) 移動展示会もまた、放射線利用を促進する効果的な方法である。
  (4) 出版物メディアやラジオを通じての原子力科学クイズ大会の開催は、放射線利用の興味を引き付けさせる。
  (5) 原子力広報の推進活動を支援するために専門のグループが組織された。例えば日本では、「スイートポテト、シュガー アンド アップル」とよばれる構成員10名の女性グループが、高校生などに日本での放射線技術と原子力エネルギー開発についての教育を手伝う。マレーシアでは、3つの専門家グループがメンバー間における情報交換のために組織化された。これらのグループは原子炉の営利団体(RIG)、花の営利団体(FIG)と生体機能材料の営利団体(BIG)である。
  (6) 実際の製品もしくはサンプルの提供は、放射線技術によって提供された例で、インドネシアでは、放射線で品種改良された米の新種のサンプルを農家に提供したり、腎臓診断のためのレノグラフの使用を一般市民に示すことは、放射線技術の受容を促進するのに大いに役立つ。地元のアーティスト達による伝統的芸能もまた、一般市民への放射線技術の有益性についての説明に役に立つ。
  (7) 校内ニュースの内容を含んだ学生のためのセミナー開催は、原子力情報を若者に広めるよい習慣となっている。
  (8) 「学生プログラム」の採用は、社会の中に原子力技術の関心を引き起こす効果的なテクニックであることを証明する。例えば、マレーシアは過去の数年間に、原子力科学の活動や生活の場を生徒に提供するようなプログラムを実施していた。
  (9) JNC(核燃料サイクル開発機構)、JAERI(日本原子力研究所)や原子力発電所への施設訪問は、原子力技術の有益な利用について、社会科学系の大学生のようなさまざまなグループへの効果的な教育方法の1つである。また、展示会もまた学生と一緒に来る親達への教育の機会を提供する。

 ビデオドキュメンタリーの作製は、原子力技術に関する一般市民の知識を向上させるためにかなり役立っている。例として、ウラニウムの採鉱に関するビデオ・ドキュメント。

セッション4:FNCAウエッブサイト・ニュースレターを用いた効果的な広報活動の検討
アディワルドヨ(インドネシア)、ビジャヤ・ラジャタティボディ氏(タイ)の共同議長

 FNCAウエッブサイトとニュースレターによる広報は、できるだけ多くの人に情報が伝わる非常に役に立つ有効なツールであることが証明された。FNCAのウエッブサイトとニュースレターの主な有効性と継続のために、本PL会合は参加国と事務局によって検討されるべき提案を強調した:

  (1) FNCAウエッブサイトとニュースレターの利用のための運用の継続
  (2) タイムリーな情報の更新
  (3) 理解しやすく興味のある情報の提供
  (4) 参加各国によるウエッブサイト管理スタッフの選任

ウエッブサイトのために考えられる特定項目は以下のとおり:
  (1) FNCA参加国の原子力や放射線に関する施設・組織の概要のウエッブサイト上の紹介
  (2) FNCAウエッブサイトの内容
 
a)
メインメニュー:施設の紹介と概要
b)
特定メニュー:ニュース、公開情報、他施設のリンクと追加項目

FNCAニュースレターの発刊
  (1) FNCAに関する便利な情報の提供。FNCAニュースレターは、FNCA参加国と提携してFNCA事務局によって準備され、参加各国に配付される。
  (2) FNCA事務局は、ウエッブサイト中にPDFフォーマット形式でFNCAニュースレターの掲載を継続する

セッション5:原子力情報を効果的に発信するコミュニケート方策の検討
チェン・ガン(中国)、ロドラ・レオーニン氏(フィリピン)の共同議長

 FNCA各国の参加者からは、マスメディアとのコミュニケーションにおける経験を共有した。以下のコメントと提案がプロジェクト・リーダーによってあげられた。

  (1) 「公正」、「正直」および「親善」の原則を尊重して、マス・メディアとのコミュニケーションは、よく準備された資料と良好な対応により、好意的に誠実な方法で行われるべきである。
  (2) 実務者レベルと上級メディア職員の双方とのよい個人的関係を維持することは、メディアとの関係を促進させる。よい第一印象は、メディアとの良好な関係を築くことができる。これは最初に、マス・メディア職員との最初のコンタクトに対処するためにとくに重要である。携帯電話への直接のアクセスは、メディアとのコミュニケーションにおいて、よい方法である。プレスクラブ、酒場、ニュースルーム、あるいは何らかの形式で、メディアとの定期的で常習的な集まりや会合は、メディアとの相互リンクを促進する。メディアとのよい関係を最大限に生かし、促進するよう努力すべき。いかなる場合でも、メディアの職員を敵にしてはいけない。
  (3) メディアによるニュースおよび報告の締め切りから考慮して、賞賛もしくは事故のニュースであるか、タイムリーなニュースなのかを適宜判断して対応する。ニュースの原稿あるいは記事の草稿を見直すこと、メディアからの原稿のフィードバックを実施することによって、メディアによる報告の公正さおよび正直さについて改善を施すことができる。
  (4) 積極的でタイムリーなマス・メディアへの応答や問合せ、あるいは電話連絡は、マス・メディアとの効果的な接触のために重要である。マス・メディアによる重要案件の発刊あるいは報道を確認するためには、メディアの幹部レベルとの接触が必要である。マス・メディアと共に働く広報関連の新しいスタッフは、そのための訓練あるいは教育が必要である。
  (5) 原子力施設の事故のニュースが流れると、うわさは国境を越えて一方的に流れる。事故に関する更新情報や関連情報のマス・メディアへの連絡は、一般市民のうわさや心配を取り払う効果的な方法である。事故あるいは非常事態の場合、1つの情報が1人の報道者によって、情報が解釈され強調される。

 最後に、2005年FNCAプロジェクト・リーダー会合のすべての参加者は、日本の文部科学省(MEXT)および日本原子力産業会議(JAIF)に対し、この会合の開催のために行った協力と援助に謝意を表わした。

 この議事録は会合の参加者全員の合意を得たものであり、2006年3月に日本・東京で開催される第7回FNCAコーディネーター会合に報告される。

以上




プログラム
2005年9月12日 現在
9月11日(日) 参加者到着(各国→日本)
 
9月12日(月) (第1日目)
時 間 内 容 講演・発表者
8:40-9:00 受付(PL会合参加者の登録)
開会セッション
議 長: 久保委員 (日本)
9:00-9:05 開会挨拶(日本) 佐野 多紀子
文部科学省 研究開発局
原子力計画課 国際原子力協力官
9:05-9:15 歓迎挨拶(日本) 田中 靖政
学習院大学名誉教授
FNCA原子力広報PL
9:15-9:45 歓迎挨拶およびFNCA活動報告
−「2004年度のFNCA活動」
−「広報プロジェクトのレビューと計画」
町 末男
原子力委員
FNCA日本コーディネーター
9:45-10:00 記念写真撮影
10:00-10:15 <コーヒーブレイク>
セッション1 カントリー・レポート
各国の発表時間は、20分(発表15分、Q&A 5分)
議 長:マレーシア、フィリピン(暫定)
10:15-10:35 中 国 PL
10:35-10:55 インドネシア PL
10:55-11:15 日 本 久保委員(核燃料サイクル開発機構)
11:15-11:35 マレーシア PL
11:35-13:00 <昼 食>
議 長: 中 国、インドネシア(暫定)
13:00-13:20 フィリピン PL
13:20-13:40 タイ PL
13:40-14:00 ベトナム PL
14:00-14:20 <コーヒーブレーク>
セッション2 原子力広報の方策・手法の明確化
議 長:日 本,ベトナム(暫定)
14:20-17:00 討 議
16:10-16:45 ベトナム
18:00〜
レセプション

9月13日(火)  (第2日目)
時 間 内 容 講 演・発表者
8:40-9:00 受 付
セッション3 各国でのRI・放射線利用分野を共通の広報テーマとした活動の推進
議 長: マレーシア、ベトナム(暫定)
9:00-10:15 フィリピンおよびマレーシアからの議題定義
討 議
10:15-10:30 <コーヒーブレイク>
10:30-11:30 討 議
11:30-13:00 <昼 食>
セッション4 FNCAウエッブサイト・ニュースレターを用いた効果的な広報活動の検討
議 長:インドネシア、タ イ(暫定)
13:00-15:00 タイからの議題提案
討 議
15:00-15:15 <コーヒーブレイク>
セッション5 原子力情報を効果的に発信するコミュニケート方策の検討 
議 長:中 国、フィリピン(暫定)
15:15-17:15 インドネシアおよび中国からの議題提案
討 議
セッション6 2005-2006年度計画および3ヵ年計画の策定
議 長:日 本、マレーシア(暫定)
17:15-19:15 討 議

9月14日(水)  (第3日目)
時 間 内 容 講 演・発表者
8:40-9:00 受 付
セッション7 議事録の作成
議 長:日 本、フィリピン(暫定)
9:00-10:45 議事録(案)の作成 各国PL
10:45-11:00 <コーヒーブレイク>
閉会セッション
議 長:日 本(暫定)
11:00-11:30 議事録(案)の採択 各国PL
11:30-11:35 閉会挨拶 田中 靖政
学習院大学名誉教授 
11:35-14:00 <昼 食 ・ 休 憩>
14:00-14:40 移動: 芝パークホテル → JR東京
14:40-18:10 移動: JR東京(14:56)→JR八戸(18:04) 「はやて19号」
18:10-18:30 移動: JR八戸 → 八戸第1ワシントンホテル
18:30-20:00 <夕 食>

9月15日(木)  (第4日目)
時 間 内 容 講 演・発表者
原子力学会秋の大会 「総合講演・報告」(9:40-12:00) 
「アジア原子力協力フォーラム(FNCA)と原子力コミュニケーション」
−FNCA 9カ国広報担当者から原子力平和利用の現状と課題を聞く−
議 長(座 長):田中主査
8:00-8:10 集合(ホテルロビー)
8:10-8:40 移動:八戸第1ワシントンホテル → 八戸工業大学 (マイクロバス)
8:40-9:40 会場準備
9:40-9:50 座長挨拶 田中主査(日本)
9:50-10:00 講演 @ インドネシアPL
10:00-10:10 講演 A 中国代表者
10:10-10:20 講演 B 久保委員(日本)
10:20-10:30 講演 C マレーシアPL
10:30-10:40 講演 D フィリピンPL
10:40-10:50 講演 E タイPL
10:50-11:00 講演 F ベトナムPL
11:00-12:00 質疑応答
12:00-13:00 <昼 食>
13:00-14:30 移動: 八戸工業大学 → 環境科学技術研究所・日本原燃 (マイクロバス)
テクニカルツアー(14:30-17:00)
14:30-17:00 日本原燃および環境科学技術研究所 施設見学
17:00-18:00 移動: 環境科学技術研究所・日本原燃 → 三沢空港 (マイクロバス)
18:00-19:30 <夕 食>
19:30-21:00 移動: 三沢空港(19:30) → 羽田空港(20:50) (JL 1228)
21:00-22:00 移動: 羽田空港 → 浜松町 (モノレール) → 芝パークホテル

9月16日(金) 参加者帰国(日本→各国)



海外・国内参加者リスト
平成 17年(2005年)9月12日 現在

○ 海外参加者

中国(CHINA)
Mr. チェン・ガン Mr. CHEN Gang 
秦山第三核電有限公司(TONPC) 国際協力部 チーフ
Section Chief, Foreign Affairs (Administrative) Office
Third Qinshan Nuclear Power Co. Ltd. (TONPC)

インドネシア(INDONESIA)

Mr.アディワルドヨ Mr. Adiwardojo
インドネシア原子力庁(BATAN)
原子力科学技術広報・協力センター(PPINK) センター長
Director Center for Public Information of Nuclear Science and Technology and Cooperation (PPINK) National Nuclear Energy Agency (BATAN)

マレーシア(MALAYSIA)

Mr. モハマッド・ロスリ・ビン・ムダ Mr. Mohd. Rosli bin Muda
マレーシア原子力庁(MINT) コミュニケーション部長
Head, Corporate Communications
Malaysian Institute for Nuclear Technology Research (MINT)
フィリピン(THE PHILIPPINES)
Ms. ロドラ・レオーニン Ms. Rhodra R. Leonin
フィリピン原子力研究所(PNRI) 原子力サービス・訓練部 情報サービス課長
情報サービス課長
Head, Information Services, Nuclear Services and Training Division Philippine Nuclear Research Institute (PNRI)

タイ(THAILAND)

Mr. ビジャヤ・ラジャタティボディ Mr. Vidhaya Rajatatibodee
タイ原子力庁(OAP)
原子力政策事務局 主任広報官
Senior Dissemination Officer, Bureau of Atomic Energy Administration Office of Atoms for Peace (OAP)

ベトナム(VIETNAM)

Ms. ダン・ティ・ホン Ms. Dang Thi Hong
ベトナム原子力委員会(VAEC)
企画・調査・開発管理部 情報・訓練課 主任
Senior Expert, Division of Information and Training Department of Planning and Research and Development (R&D) management Vietnam Atomic Energy Commission (VAEC)

○ 国内参加者

日 本(JAPAN)
<FNCA日本コーディネーター>
Dr. 町 末男 Dr. Sueo MACHI
原子力委員会 委員
FNCAタイコーディネーター
Commissioner, Japan Atomic Energy Commission

<原子力広報活動運営グループ 主査/PL>
Dr. 田中 靖政  Dr. Yasumasa TANAKA
学習院大学名誉教授
Professor Emeritus, Gakushuin University

<原子力広報活動運営グループ委員(五十音順)>
Ms. 小川 順子 Ms. Junko OGAWA
日本原子力発電株式会社(JAPC) 広報室 調査役(副部長)
Executive Communicator, Public Relations Dept.
The Japan Atomic Power Company (JAPC)

Mr. 久保  稔   Mr. Minoru KUBO
核燃料サイクル開発機構(JNC) 広報部長
Director, Public Relations Division
Japan Nuclear Cycle Development Institute(JNC)

Mr. 熊谷  明   Mr. Akira KUMAGAI
財団法人 日本原子力文化振興財団
科学文化部 教育支援センター長
Director, Educational Tool developing and Supporting Center
Japan Atomic Energy Relations Organization(JAERO)

<文部科学省>
Ms. 佐野 多紀子   Ms. Takiko SANO
文部科学省 研究開発局 原子力計画課 国際原子力協力官
Director for International Nuclear Cooperation
Atomic Energy Division, Research and Development Bureau
Ministry of Education, Culture, Sports, Science and Technology (MEXT)

<事務局>
Dr. 瀬口 忠男   Dr. Tadao SEGUCHI
社団法人日本原子力産業会議 アジア協力センター センター長
Director, Asia Cooperation Center (ACC)
Japan Atomic Industrial Forum, Inc. (JAIF)

Mr. 寺中 朋文   Mr. Tomoyuki TERANAKA
社団法人日本原子力産業会議 アジア協力センター プロジェクトマネージャー
Project Manager, Asia Cooperation Center (ACC)
Japan Atomic Industrial Forum, Inc. (JAIF)

Mr. 江尻 寿延   Mr. Toshinobu EJIRI
社団法人日本原子力産業会議 アジア協力センター 主任
Senior Staff, Asia Cooperation Center (ACC)
Japan Atomic Industrial Forum, Inc. (JAIF)


以上

 原子力広報プロジェクト

FNCA原子力広報(PI)プロジェクト 3ヵ年計画
平成17年(2005年)9月12日


項    目 2005年度(平成17年度) 2006年度(平成18年度) 2007年度(平成19年度)
1.全体スケジュール ・ 第6回FNCA大臣級会合
(11月30日・12月1日、東京)
・ 第7回コーディネーター(CRD)会合
(2006年3月、日本)
・ 第7回FNCA大臣級会合
(2006年秋季、マレーシア)
・ 第8回CRD会合
(2007年3月、日本)
・ 第8回FNCA大臣級会合
(2007年秋季、日本)
・ 第9回CRD会合
(2008年3月、日本)
2. 原子力広報(PI)活動
(1) プロジェクトリーダー(PL)会合
・ FNCA 2005 PL会合
(9月12日〜15日、東京および八戸市)
・ FNCA 2006 PL会合
(2006年秋季、インドネシア)
・ FNCA 2007 PL会合
(2007年秋季、オーストラリア)
(2) アジア原子力協力ネットワーク
a) 定期刊行物の提供
・ 原子力情報の発信
(電事連発行のパワーラインの配信など)
・原子力情報の発信(継続) ・原子力情報の発信(継続)
b) FNCAニュースレター(英文) ・ 日本 ・ マレーシア(第7回FNCA大臣級会合ホスト国)
・ 日本
・ 日本
c) FNCAウエッブサイト ・ 掲載記事・内容の更新 ・ 掲載記事・内容の更新(継続) ・ 掲載記事・内容の更新(継続)
(3) 地域スピーカーズ・ビューロー(RSB):専門家派遣による各国支援活動 ・ 「第8回放射線防護担当者会議」
(8月25〜27日、マレーシア)
・ (未定) ・ (未定)
(4) 効果的な原子力広報活動の方策検討 ・ 各国での広報のニーズ・対象の調査による広報活動計画の立案 ・ 各国で立案した広報活動計画の実施 ・ 各国で立案した広報活動計画の実施・ 評価の実施
(5) FNCA活動の広報活動の実施 ・ 日本原子力学会での講演の実施
・ FNCA成果報告会の実施(日本)
・ FNCA活動の広報(継続) ・ FNCA活動の広報(継続)
・ 評価の実施
(6) マスメディアとの効果的なコミュニケートの実施 ・ 効果的なコミュニケート方策の検討 ・ PL会合でのマスメディアとの交流 ・ PL会合でのマスメディアとの交流
・ 評価の実施
(7) 原子力情報を伝えるコミュニケーターの養成支援 ・ 「コミュニケーター養成プログラム」の効果的な活用の検討
・ コミュニケーター養成講座の実施
(2004年、タイPL会合)
・ PL会合でのプログラムの実施 ・ PL会合でのプログラムの実施
・ 評価の実施
備 考 ・2006年度活動計画の策定 ・2007年度活動計画の策定 ・プロジェクト評価(2005〜2007)
・3ヵ年計画(2008〜2010)の策定




「アジア原子力協力フォーラム(FNCA)と原子力コミュニケーション」
総合講演・報告

講演者の氏名と所属

氏  名
所  属
田中 靖政(座 長)
(Prof. Dr. Yasumasa TANAKA)
学習院大学名誉教授、 PL
チェン・ガン
(Mr. CHEN Gang)
中国 秦山第三核電有限公司(TONPC)
国際協力部 チーフ
アディワルドヨ
(Mr. Adiwardojo)
インドネシア原子力庁(BATAN)
原子力科学技術広報・協力センター(PPINK)
センター長、PL
久保  稔
(Mr. Minoru KUBO)
(独) 日本原子力研究開発機構(JAEA)
広報部長FNCA原子力広報専門家
モハマッド・ロスリ・ムダ
(Mr. Mohd. Rosli Muda)
マレーシア原子力庁(MINT)
コミュニケーション部長、PL
ロドラ・レオーニン
(Ms. Rhodra R. Leonin)
フィリピン原子力研究所(PNRI)
原子力サービス・訓練部 情報サービス課長、PL
ビジャヤ・ラジャタティボディ
(Mr. Vidhaya Rajatatibodee)
タイ原子力庁(OAP)
原子力政策事務局 主任広報官、PL
ダン・ティ・ホン
(Ms. Dang Thi Hong)
ベトナム原子力委員会(VAEC)
企画・調査・開発管理部 情報・訓練課 主任、PL
PL:FNCA原子力広報プロジェクトリーダー

Forum for Nuclear Cooperation in Asia