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2003年3月13日 |
2002年FNCA原子力広報プロジェクト・リーダー会合が2002年10月16〜17日、マレーシアのクアラルンプールにて開催された。 マレーシア原子力庁(MINT)および日本の文部科学省(MEXT)がこの会合を共催した。日本原子力産業会議(JAIF)がこれに協力した。 会合はMINT長官のアフマド・ソブリ・ハシム博士によって公式に開会された。文部科学省の立川調査員が歓迎の挨拶を述べた。 この会合の参加者は、「アジア原子力協力フォーラム(FNCA)」の7カ国、すなわち、インドネシア共和国、日本、大韓民国、マレーシア、フィリピン共和国、タイ王国およびベトナム社会主義共和国のFNCA原子力広報のプロジェクト・リーダーであり、オーストラリアと中華人民共和国は欠席であった。参加者は2日間の会合に出席し、2日目にはMINTの施設を訪問した。 各プロジェクト・リーダーは2002年10月15日の国際原子力会議2002(INCユ02)の開会式と全体セッションに参加した。町常務理事とチュン氏は全体セッションで基調講演を行った。 町常務理事は、第2回FNCA本会合と第3回FNCAコーディネーター会合に関する報告を行った。 各プロジェクト・リーダーは、自国での今までの原子力広報活動に関して報告し、FNCA枠組のもとでの原子力広報活動の評価を行った。 結果は以下の通りである。 | |
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| 1. |
FNCA各国でのコミュニケーションの促進は、各参加国の広報プログラムに対し、非常に価値があると判明した。 | |
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| | ◆ | ファックスによる原子力情報の伝達は、各国の原子力情報プログラムに対し有用な情報を提供するものであり、継続すべきである。原子力情報の迅速な送信のために電子メールを用いるよう移行することの重要性が再確認され、この方法での実践的な具体的な原則について議論した。参加者によって合意事項は以下の通りである。 | | ・ | FNCA各国の原子力広報の情報交換は、電子メールと他の実用的なツールを使用し、できるだけ迅速に行われるべきである。 | ・ | 情報の提供において、各国の提供者はより多くの説明やコメントを要望される。 | | ◆ | 「Atoms In Japan」のような刊行物の定期的配布は、FNCA各国に感謝されており、継続するよう要望された。また、可能であればより多くの部数を提供することが要望された。FNCA各国は他の国々に対し、英文の定期刊行物を通じて広報の情報を提供する最善の努力を行うことが要請されていることを再確認した。 | ◆ | FNCAニュースレターはFNCA各国の要請があれば配布される。各国は配布されたコピーを慎重に選ばれた経路を通して最も効果的な方法で利用することを要請される。 | ◆ | 会合の参加者はJAIFがFNCA各国の貢献を得て、ウエッブサイトやその内容を改善すべきであると勧告した。 | |
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| 各プロジェクト・リーダーは、諸活動の具体的な例をあげて、その目的やターゲット・グループの優先順位、エネルギー全般、なかでも原子力に関する教育の重要性を明確にして、自国における広報活動の現状を報告した。社会的、政治的要素に影響された広報活動の例にも言及し討議した。 この会合ではまた、FNCA枠組のもとで将来行うべき広報活動の進め方も討議した。 その成果を以下に示す。 | |
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| 1. |
FNCA枠組のもとでの広報活動では、各FNCA参加国の真の必要性を確認すること、ニーズを満足するような可能な方法や過去の経験を研究すること、そして国が直面する問題を解決するための最も実行可能なアプローチを特定するよう設計すべきである。FNCA原子力広報活動の改善点では3課題に焦点を合わせた。 | |
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どのようにして新聞やテレビのレポーターなどマス・メディアとのコミュニケーションを高めるか。 |
◆ |
公衆とのコミュニケーションで最も重大な障害は何であるか。また、どのように問題を解決していくのか。 |
◆ |
学校教育での役割はどうあるべきであるか。現状と近い将来の傾向について。 |
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| マス・メディアとのコミュニケーションを高めるための確認された論点は以下の通りである。 |
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メディアとの個人レベルでの接触機会の増大。 |
◆ |
地方の新聞社は地元に影響するニュースの方に興味を持つ。 |
◆ |
メディア対応には特定のルールはない。 |
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| コミュニケーションを高めるためには、自分たちの施設にメディアを招待し、個人的な接触を増やす、セミナーを開催し選出されたメディアが代表者を選出し、メディアの決定を尊重することが提案された。さらに、メディアに自分たちのしたことについての認識をもってもらう。また、それがインタビューである場合には、短く、直接的、正確に行わなければならない。100%確実なことを示すべきである。 また、必要なサポートを行うレポーターを3〜5名確保することが提案された。代わりに、そのレポーターたちが要求していない時でも要求された時でも、彼らが必要と思ったときに使用できるニュースになりそうなものを我々は提供しなければならない。
また、前項に関する障害が以下のように指摘された。 | |
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公衆の中には聞きたがらない者もいる。彼らは自分たちと直接関係のない問題には心を 閉ざしている。 |
◆ |
コミュニケーションが異なった波長で行われている。 |
◆ |
技術的な言葉は公衆にとって理解できない。 |
◆ |
原子力界の人々は自分たちが特殊であると信じ、公衆との交流をしたがらない。
‘原子力界の人々は自分たちが優れたグループであると考えている’ |
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| 示された解決策は、 |
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原子力産業に関係する話をするには、宗教上のリーダーや公務員などの公衆にとってより受け入れやすい第3者を登用する。 |
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特に関心をいだくような適切な題材を準備する。 |
◆ |
原子力界の人々は態度を改め、公衆の一員であるかのように振る舞うべきである。 |
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| 本グループでは教育が原子力広報にとって非常に重要な要素であることで意見が一致した。 こういった目的を達成するために、異なったグループに教える際に、適切なテクニックを採用できる指導者を訓練すべきである。教科書は対象テーマに関する均衡のとれた情報を伝えるために改良されるべきである。 環境保護の概念は新しい方向づけをするべきである。アンケート調査は公衆、学生および教師との接触を確立するためのよい機会を作る。 | |
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| 2. |
FNCA地域スピーカーズ・ビューロ(RSB)の必要性と有効性について議論した。参加者はRSBプログラムが自国における広報活動に、今でも重要であると認識した。 この観点にもとづいて、RSBプログラムをできるだけ利用するために具体的な手順について議論した。これにはイベントの遅くとも4カ月前までの通知とイベントの詳細情報、またフォローアップの必要性が含まれた。 | ◆ |
来年2003年に関しては、FNCAは各国の原子力広報活動のための講師派遣の要請を支持すると提案した。ベトナムとタイは計画中のセミナーにこの支援を求めた。 |
◆ |
JAIFのアジア協力センター(ACC)はベトナムのホーチミン市の原子力展示会に講師を派遣する予定である。 |
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| 3. |
マス・メディアとのコミュニケーションを強化するのは、広報活動を成功させる上で重要な要素であることが確認された。また、会合では原子力界とマス・メディアとの会合を開催する可能性について議論した。 | |
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| 4. |
放射線についての知識とその利用に関する高校生を対象とした合同調査の実施についての暫定の報告がなされ、この種の調査の将来計画について議論した。この調査に関する報告を第3回FNCA本会合の前に作成し、FNCA各国の大臣級代表者に広報活動の意義を紹介することが提案された。 | |
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| 5. |
若い世代のための広報活動の重要性が再び強調され、この目的に沿った各国別の特別なイベントを検討すべきことが提案されプロジェクト・リーダーで同意した。 | |
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| 6. |
合同調査の現状と重要性および有用性についての暫定の報告があり議論した。すべてのデータが定量的に分析される時、重要性と有用性の評価を含む最終結果が明かにされる。 | |
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| 7. |
ベトナムは2003年にホーチミン市において、展示会やセミナーを含む自国の原子力広報イベントに関連してプロジェクト・リーダー会合を開催することを提案した。詳細については、ベトナム原子力委員会(VAEC)とACC/JAIFと間で調整する。タイはベトナムで開催できなくなったときにはプロジェクト・リーダー会合をホストすることを提案した。 | |
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この2002年FNCAプロジェクト・リーダー会合への参加者は、MINT、MEXTおよびJAIFがこの会合の開催のために行った努力に謝意を表わした。 この議事録は会合の参加者全員の合意を得たものであり、2002年10月30〜31日に韓国ソウルで開催される第3回FNCA本会合に報告される。 |
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