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2000年 FNCA 原子力広報プロジェクト・リーダー会合

2000年度ワークショップ



 2000年11月1日〜3日に韓国のソウル市内で、FNCA参加国が集って、PAワークショップが開催された。ワークショップは、韓国科学技術部(MOST)、科学技術庁(STA)【注1】の共催、韓国原子力研究所(KAERI)、日本原子力産業会議(JAIF)の協力で実施された。参加者は、「アジア原子力協力フォーラム(FNCA)」の8カ国(中国、インドネシア、日本、韓国、マレーシア、フィリピン、タイ、ベトナム)から原子力広報(Public Information:PI)活動に携わるプロジェクト・リーダー、原子力政策、広報に関わる政策担当者、そしてマスコミ関係者が参加した。

 【注1】:2001年より文部科学省

各国のマスコミ関係者と原子力広報関係者が一堂に会した。
特別講演として、日本のFNCAコーディネーター町末男氏が放射線等による原子力技術の応用について発表。続いて、各国のマスコミ関係者による原子力報道に関わる実情やマスコミの役割等について発表及び活発な討論が行われた。

各国のマスコミ関係者と原子力広報関係者が一堂に会した
JCO事故等の報道を行う尾崎正直氏
 
マスコミ討論で
モデレーターを務めた
田中靖政氏
 
マスコミとの間で活発な意見が交わされた
 

 日本からは、元朝日新聞科学部長の尾崎正直科学技術ジャーナリストがJCO事故時のマスコミ報道について発表した。後半の討論では、キム氏と学習院大学教授の田中靖政氏が共同モデレーターを務めた。

 
報告・討議内容

WIN活動を説明する小川順子氏
 主な議論の中で、原子力に関するニュースと報道の在り方について、とかくマス・メディアが原子力に関してセンセーショナルかつ感情的な報道をしがちであることに対する疑問が提起された。他方、原子力に関するニュースが原子力発電所あるいは原子力発電以外の原子力の平和利用における事故や災害に偏ることは致し方ないという事実も指摘された。
 また、マス・メディアが発信する(ネガティブ)メッセージが原子力発電に関する大衆の態度や世論形成に悪影響を及ぼしている点も指摘された。 
さらに、もともと原子力は国防上の機密や特許などの企業秘密と重なる部分が多いため、透明性に欠ける部分がある。したがって、原子力について報道するジャーナリズムの使命は、こうした秘密の壁を除去して「事実」や「真実」を発見する事にある、という主張などもなされ活発な意見交換を行った。

地元の24時間TV局が取材
 また各国からのトピックスの発表では、タイの2000年2月に起きた放射線被ばく事故、フィリピンによる海外の原子力事故によるフィリピン国内への影響報告の他、日本からは、WIN‐ジャパン会長の小川順子氏がWIN創設と活動について報告した。
 なお、初日は、地元のYTN(24時間ケーブルテレビ)が取材に訪れた。さらに同市内で開催されていた第12回環太平洋原子力会議(PBNC)の参加者にも参加を呼びかけ、当日は70名近くの参加者が集った。
 また各国のプロジェクト・リーダーからの発表と円卓討議が行われ、今後の3ヵ年活動計画では、各国のニーズのある具体的な活動への移行も検討された。
 

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