1. |
コーディネーター会合(以下「会合」)は、FNCA第 23 回大臣級会合(MLM)の共同コミュニケに基づき、 農業発展、食物安全、環境保護、健康利用、核セキュリティ及び人材育成に関するFNCA活動を更に加速することに合意した。また、FNCAプロジェクト活動と通常の会合を、コロナウイルス感染症の現状下、各速やかに正常化するために最大限の努力をすることに合意した。これら活動は、各国の保健政策に従うことになる。 |
2. |
今回の会合では、プロジェクトの中間評価や、最終評価の対象はない。第24回コーディネーター会合(CDM)において、以下の5プロジェクトについて最終評価が行われる:放射線育種、放射線治療、研究炉利用、放射線安全・放射性廃棄物管理、及び核セキュリティ・保障措置。過去3年間、会合はコロナウイルス感染症の影響によりスケジュールを変更した。次回の会合はパンデミック前のスケジュールに戻される予定であり、2024年の2月または3月に開催予定である。 |
3. |
第17回MLMで承認されたプロジェクト提案の評価手順(改訂)に沿って、日本及び韓国からの2つの新規プロジェクト提案について、妥当性、有効性、効率及び継続性の観点から、全FNCAコーディネーターが事前評価を行った。
(1)「Radiocarbon-based approach to evaluating the CO2 emission from forest soils in Asia」(日本)
(2)「Performance Management Program (PMP) of Research Reactors for Continued Operation (韓国)
これらのプロジェクトに関する主なコメントを以下項目4及び5に述べる。
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4. |
新規提案プロジェクトに関する主なコメント |
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(1) |
「Radiocarbon-based approach to evaluating the CO2 emission from forest soils in Asia」 |
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気候変動プロジェクトは、FNCA 第23回MLMの共同コミュニケに記載された国や地域の開発政策に大いに関連している。 |
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このプロジェクトでは、14C分析に基づくアプローチを用いた森林土壌 CO2排出量のデータベースの構築に有効である。 |
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このようなデータベースは、気候変動における土壌CO2排出量の理解を深め、気候モデリングや政策立案に活用されると考えられる。 |
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全ての加盟国がこのプロジェクトへの参加に興味を示した。 |
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(2) |
「Performance Management Program (PMP) of Research Reactors for Continued Operation」 |
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このプロジェクトは、研究用原子炉の体系的かつ包括的な老朽化管理プログラムの開発と、それに伴う国家開発政策、及び安全な原子力管理に貢献する。 |
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研究炉に関するPMP では、その運用により、持続的な同位体生産及びその他の用途に貢献できる。 |
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新たなプロジェクトを開始する前に、PMP を確立するための詳細な仕様や手法は、参加に関心のある国ごとに原子炉の種類や目的が異なるため、調整が必要である。 |
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提案国が本事業の予算を確保していないため、事業実施に対する財政支援を検討する必要がある。 |
5. |
新規提案プロジェクトに関する最終評価 |
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(1) |
「Radiocarbon-based approach to evaluating the CO2 emission from forest soils in Asia」(日本) |
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このプロジェクトの評価平均は89 点で、全ての加盟国が興味を示した。したがって、このプロジェクトは反対意見なしで採用される。会合は、このプロジェクトを2023年度から立ち上げることで合意した。 |
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(2) |
「Performance Management Program (PMP) of Research Reactors for Continued Operation」(韓国) |
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このプロジェクトは、評価平均は83点と高かったものの、2か国から低い評価が寄せられた。原則として、このプロジェクトは考慮されない。しかし、会合では、仕様の詳細な調整、PMP を確立するための手法、プロジェクト実施のための財政支援についてさらに議論することが提案された。これらの懸案事項については、進行中の研究炉利用プロジェクトのワークショップ(2023年10月17〜19日)において議論されることが奨励された。 |
6. |
会合では、継続中の7つのプロジェクトについて議論を行った。プロジェクトは以下の通りである:「放射線育種」、「放射線加工・高分子改質」、「食品産地偽装防止」、「放射線治療」、「研究炉利用」、「放射線安全・廃棄物管理」、「核セキュリティ・保障措置」。
各プロジェクトが加盟国の効果的な協力により成功裏に実施されたことが確認された。
会合では、加盟国の協力により、プロジェクトが首尾よく実施されたことを確認した。
2022 年は、ほぼ全てのプロジェクトにおいてハイブリッド形式でワークショップを行い、情報共有及び能力開発の更なる促進のために、ウェブ会合では実施困難だった、テクニカルビジット、実地研修、机上演習など、直接的な活動が実施された。
各プロジェクトに関するコメントは以下の通りである。 |
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a) |
放射線育種 |
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今フェーズにおいてコメ10品種及びダイズ5品種が発表された。更なる新品種は、経済効果や、持続可能な農業に貢献することが期待される。 |
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b) |
放射線加工・高分子改質 |
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放射線分解したキトサンは家畜用飼料として応用され、天然ポリマーより止血剤ハイドロゲルが作られた。このプロジェクトでは、ユーザーのニーズを満たす特定の高分子改質を継続する必要がある。それにより、農業、環境及び医療分野への応用、その後エンドユーザーへの技術転用が促進される可能性がある。 |
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c) |
食品産地偽装防止 |
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federated fingerprintデータベース及び技術プラットフォームに関する研究は、バイオセキュリティ問題に関するトレーサビリティの課題を軽減すると期待される。 |
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d) |
放射線治療 |
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このプロジェクトでは、放射線治療の安全性及び有効性を向上させるため、アジアにおける主要な3種類のがんに関するプロトコルの最適化が継続されるべきである。放射線治療に関する研究を効果的に実施するために、IAEA/RCA との更なる連携が求められる。 |
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e) |
研究炉利用 |
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放射性同位元素(RI)の実用化への継続的な要請に応えるため、新規のRIを含むRI 製造は継続されるべきである。同様の観点から、大気中の粒子状物質、地質サンプル、土壌、食品サンプルなどの環境に関連したサンプルも、中性子放射化分析の対象とされるべきである。 |
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f) |
放射線安全・廃棄物管理 |
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NORM/TENORMリポジトリに関する情報交換の継続や、法律及び規制面の考察、処分方法、ステークホルダーとの関係の観点から統合された報告書を作成することが推奨される。 |
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g) |
核セキュリティ・保障措置 |
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このプロジェクトは、能力構築として、核セキュリティと保障措置に対する認識を高めることが重要である。核鑑識に関する机上演習、及び核セキュリティに関するセミナーは極めて重要な活動である。 |
7. |
会合では、FNCAが IAEA/RCAとの協力を促進することで、FNCA とRCA が相乗効果を発揮し、より幅広い経験を共有できることを期待することで合意した。 |
8. |
会合では、2023年度のプロジェクト・ワークショップは、以下のように各加盟国政府が開催することで合意された。2023年度のワークショップは、対面参加者が実体験するハイブリッド形式で行われることが奨励される。コロナウイルス感染症の世界的流行は収束傾向にある一方で、健康への脅威は過小評価できない。開催地は、ワークショップ開催中、コロナウイルス感染予防の対策を講じることが推奨される。対面参加者は、開催時の自らの健康状態に留意し、必要に応じて、マスク着用などの感染防止対策を講じることが望ましい。 |