1.
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2015年度のFNCA活動について、参加国に利益をもたらす重要な成果を達成して効果的に実施されたことが高く評価された。
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2.
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第16回大臣級会合の共同コミュニケで指摘された、気候変動の緩和・適応に対する原子力科学技術の貢献に関して、以下の事項が合意された。
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a)
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加速器質量分析等の原子力技術を利用した気候変動の研究に関する新規プロジェクトを2017年に発足させるべく計画を立てる。
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b)
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人材養成と原子力安全といった、原子力基盤に関するプロジェクトやテーマをさらに進展させる。
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c)
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持続的発展のため、気候変動への適応として寄与しうる、放射線育種プロジェクト等、放射線利用プロジェクトをさらに進展させる。
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3.
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放射線育種と中性子放射化分析の2つのプロジェクトについて評価を行い、以下のコメント付きでそれらを継続及び延長することが合意された(放射線育種については2年間継続、中性子放射化分析については3年間延長)。
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a) |
放射線育種
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バングラデシュ、韓国及びベトナムでは新しいイネの品種が開発・登録され、インドネシアとマレーシアでは開発されつつある。
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市場で受け入れられる新しい品種を得るため、原子力研究機関とエンドユーザーを含む農業セクターの間の協力を強化することが重要である。
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突然変異品種と植物生長促進剤(PGP)やバイオ肥料の相乗効果を解明するために、他の関係するプロジェクト、すなわち、電子加速器利用及びバイオ肥料プロジェクトとの緊密な協力が必要である。
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b) |
中性子放射化分析
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環境監視のためのPM2.5の中性子放射化分析、及び資源探査のためのレアアースの中性子放射化分析は、アジア地域でかなり大きな社会経済的影響を生み出すと期待されている。プロジェクトリーダーは、適切な財政的支援を受けて、3ヵ年計画の終了までに具体的成果を生み出し、潜在的エンドユーザーとの強い連携を築くために最大の努力を払うべきである。
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PM2.5分析の活動は、大気汚染に関するRCAプロジェクトの成果で補完されるべきである。
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4.
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第16回FNCA大臣級会合の共同コミュニケにおけるFNCA活動の改善計画に合わせて、プロジェクトとスタディ・パネルの評価のための改善案を導入することが合意された。FNCAプロジェクトについては、その発足時と終了時に(継続も含めて)、コーディネーター会合で評価を行う。
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a)
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提案者が作成するプロジェクト提案書は、プロジェクトの目的、成果、活動、実施体制、及びステークホルダーを含む。
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b)
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プロジェクトは、関連性、有効性、効率、影響及び持続性の点で、FNCAコーディネーター全員により評価を受ける。
スタディ・パネルについては、上級行政官級会合開催時に、提案書の準評価(quasi-evaluation)を行う。
改善案の詳細は添付(ANNEX)1-1から1-7に記載し、これらは上級行政官会合においてさらに議論するほか、次回の上級行政官会合のために再検討する。
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5.
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放射線治療プロジェクトによって確立した子宮頸がんのためのCERVIX-IVと上咽腔がんのためのNPC-IIIのプロトコルに従い、治療が顕著な業績を生み出したことを評価し、 2016年度より開始するCERVIX-Vの研究を歓迎した。さらに、このプロジェクトで確立したプロトコルが、それぞれの参加国の病院で採用されることも期待している。
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6.
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原子力安全マネジメントシステムプロジェクトが成功裏に実施されたことを、2015年度にベトナムで行われた、参加国の専門家チームによるピアレビューで認識し、さらに、ベトナム原子力研究所(VINATOM)がピアレビューの助言に従って安全マネジメントシステムを改善したことに注目した。
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7.
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FNCAのほとんどすべての参加国が、低レベル放射性廃棄物処分施設または長期貯蔵施設を建設することを計画しているので、パブリックアクセプタンスのほか、処分施設の安全特性と実際の設計を、放射線安全・廃棄物管理プロジェクトで議論するべきであると提言を行った。
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8.
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2016年3月31日から4月1日に開催される第4回核セキュリティサミットの新しい行動計画を考慮して、核セキュリティの持続可能な発展のため、さらに進展するFNCA核セキュリティ・保障措置活動の重要性に注目した。
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9.
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人材養成プロジェクトに関して、参加国が、ワークショップ開催の前に教材を作成し、中学校でそれらを使用した実際の経験について、2016年度のワークショップで報告を行い、関連情報についても交換するよう提言した。
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10.
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FNCAに参加していない RCA参加国との経験の共有と相乗効果の可能性を求めて、放射線育種、放射線治療及び放射線処理に関する特定のプロジェクトにおいて、FNCAがIAEA/RCAと協力を継続するべきであることが合意された。
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11.
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FNCA参加国で重要な問題となりうる原子力損害賠償のような原子力法に関して、OECD/NEAと協力を開始することが合意された。
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12.
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“The Best Research Team of the Year”と”The Excellent Research Team”(FNCA Award)を設けることが合意された。Best Teamの貢献とExcellent Teamの貢献は、その年のすべてのFNCAプロジェクトから選択する。各国コーディネーターがAwardの候補を提案し、上級行政官会合で受賞チームを決める。
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13.
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2016年度のプロジェクトワークショップについては、添付(ANNEX)2に示した通り、それぞれの参加国政府が開催することが合意された。
効果的かつ効率的な議論と相乗効果を期待して、電子加速器利用プロジェクトとバイオ肥料プロジェクト、及び研究炉ネットワークプロジェクトと中性子放射化分析プロジェクの合同ワークショップをそれぞれ行うこととする。
開催候補国の政府は、可及的速やかにその実施可能性を確認するべきである。
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14.
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コメントを求めるため、改訂されたサマリー報告(案)を、2週間以内に参加国にEメールで送信し、参加国はその後2週間以内にコメントを寄せること、及び、事務局は代表者が承認出来るように報告の最終版を作成することが合意された。
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