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コーディネーター会合
第6回
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第6回 コーディネーター会合

2005年3月30日〜4月1日 東京 キャピトル東急ホテル  



image 第6回コーディネーター会合( CM )が 2005年 3月30日1日から4月1 日にかけて、原子力委員会と内閣府の共催により都内で開催された。この会合には、9カ国のコーディネーターや代表者、専門家、政府関係者合計43名、オブザーバー25名が出席した。主な出席者は以下である。

日本     :町 原子力委員会委員
ベトナム   :タン原子力委員会委員長
インドネシア :スントノ原子力庁長官
マレシア   :ダウド原子力庁長官
フィリッピン :デラ・ロサ原子力研究所所
中国     :ジャンチン国家原子能機構国際合作局局長
韓国     :チェ科学技術省原子力局原子力国際協力課長
タイ     :ジンダロム原子力庁原子力エネルギー管理局国際協力グループ長
豪州     :イージー豪州原子力科学技術機構上級研究科学官等


 
各国参加者

  今回の会合においては
1) 個別プロジェクト各分野の活動の報告、評価及び今後の計画の議論
2) 「アジアの持続的発展における原子力エネルギーの役割」会合について意見交換
3) 第5回大臣級会合(ベトナム、ハノイ)の人材養成分野、原子力大学構想のフォローアップ
等が行われた。

1. 個別プロジェクト活動
 現在、実施中の8分野11プロジェクトの内、以下の6分野8プロジェクトが 評価の対象となった。

(1)研究炉利用
1) ラジオアイソトープ Tc99m医薬品ジェネレーター技術
  プロジェクトの目的を達成したので2004年度で終了。今後は、実用化を推進する。
2) 空気中浮遊塵の中性子放射化分析の効率的手法(K0法)
 分析技術は確立されたので、2004年度で終了。「環境保全を目的とした大気汚染物質分析」の新規プロジェクトを立ち上げ、環境行政に活用する。
3) 天然高分子材料(天然ゴム、多糖類など)の中性子散乱技術による分子構造解析
 高出力研究炉が整備されるまで中断。

(2)農業利用
1) 放射線育種
  乾燥に強いソルガム(コウリャン)の開発に成功。新変異種の登録と普及のため、2年間継続。
  マレーシアは耐病性の強いバナナ、タイは耐虫性の強いランの開発指導国を担う。

(3)医学利用
1) 子宮頚がん等の放射線治療

  子宮頚がんの治療マニュアルを完成。抗がん剤と放射線の併用法の臨床試験を2006年まで継続する。新たに上咽頭がんの臨床試験を開始し、5年間実施する。

(4)原子力広報
 講師派遣、公開講座、原子力広報担当者の訓練、アンケート調査等の実施。本プロジェクトは継続するが、FNCA諸国共通のプログラムは効果的でないことが指摘された。今後は、ニーズに対応した広報戦略とFNCA活動の広報を検討する。

(5)人材養成
 教材の整備、人材養成の施設・設備の調査が実施された。人材養成戦略は各国の政策に基づいて推進すべきである。今後は大臣級会合での提案を踏まえてアジア原子力大学構想の内容の具体化などを検討する。(本プロジェクトは継続)

(6)放射性廃棄物管理
 医療用放射線源の管理と保管や、鉱山採掘で出される天然由来の放射性物質の調査を行い、報告書を発行した。しかし、各国活動成果は資金不足もあり、目に見える成果になっていない。今後は、安全管理の質を高めるピアレビュー(現地調査)や情報交換を行い、またIAEAのガイドラインを用いて、廃棄物管理の演習を実施する。

残り2分野3プロジェクトについては以下の報告がなされたが、評価は次年度以降の予定である。

(2) 農業利用
2)バイオ肥料 (BF)
 
本プロジェクトは土壌中の微生物の窒素固定化作用やりんやカリウム溶解作用、植物成長作用等を利用し、化学肥料の使用を減らし、作物の増収を図るプロジェクトである。これまでに、多くの植物種に対する圃場試験/実証が行われ、 BFの有効性が実証された。
  有効微生物を繁殖させるキャリアの放射線滅菌試験では、 15〜55 kGyの照射が有効であることが中国、インドネシア、マレーシア、タイ、およびベトナムから報告された。
  タイの BF 専門家である Omsub Nopamornbodi 博士は、タイにおける BF 利用の現状と将来展望について報告した。今後は、 BF の圃場試験/実証を進め、費用対便益分析を各国で実施する予定である。

(7) 原子力安全文化(NSC)
 オーストラリアの代表 John Easeyが、ベトナムと韓国で実施された研究炉の安全文化に関するピアレビューと安全文化を向上させるための改善活動について報告した。また 本会合は 以下を了承した。
1)独立した規制組織の確立が安全文化に必要な第一段階であることを。
2) 2005年の安全文化ワークショップはインドネシアで開催する。
3)安全問題には妥協が許されないため、本プロジェクトは継続されるべきである。
4) セキュリティ問題は安全文化プロジェクトと分けて扱うべきである。

(8) 工業利用
<電子加速器(EB)>
 低エネルギー電子加速器の物質、材料 (液体、固体、ガス)の加工処理への適用と、この技術の応用可能性が報告された。中国、ENTECHのBenjiang Mao博士は、「中国における排ガス処理への電子線の工業利用」を報告し、処理施設建設費用等の今後の展望を示した。
  2005年度のワークショップにおいて、廃水処理、排ガス処理について、技術的および経済的に評価すべきこと、今後の課題として天然高分子への応用が討論された。

2.「アジアの持続的発展に果たす
 原子力エネルギーの役割」のパネル
  日本コーディネーターより、2004年10月に東京で開催された第1回パネル会合の結果が報告された。FNCA地域におけるエネルギー需要は将来、急速に増大する一方、同地域の一人当たりの化石燃料埋蔵量は最低レベルであることが明確に示されたことが強調された。また、各国及び東アジア地域としての長期的なエネルギー供給戦略の策定が重要であることが確認された。

町コーディネーター 報告

 3.医療用 PET・サイクロトロン
  新プロジェクト発足
 
マレーシアより本新プロジェクトのの目的、構成、新計画が報告された。日本のプロジェクトリーダーである遠藤啓吾教授が技術概要を説明した。
  PETは、早期がんの発見、病期判定、治療効果の評価、再発や予後の識別といった様々ながんの診断に有効である。
 ベトナム、タイ、フィリピン、マレーシアより医療用 PET・サイクロトロンの利用の現状に

遠藤PL PET技術説明
ついて発表があった。ベトナムでは、すでに導入されており、タイでは、IAEAの協力を得てPETの国家計画が進行中であり、フィリピンでは、3年前から運用している。

4.人材養成協力
 ベトナムより「アジア原子力大学」設立のための可能な体制と活動計画についての提案が行われた。当面は、既存の原子力大学や研究所のネットワークを構築し、人材養成の基盤整備に取り組むことが提案された。討議では、主に以下の点につき一定の合意を得た。
1)原子力人材育成は持続可能な発展に不可欠で継続的に行うべき
2)各国はそれぞれの国策に応じた独自の原子力人材育成計画を策定すべき
3)専門家ミッションがニーズを調査し、実施のための可能なメカニズムを提案すべき
4)専門家ミッション報告を人材養成プロジェクトのワークショップに提出すべき
5)人材養成プロジェクトは上級行政官会合(SOM)に報告する活動計画を準備すべき
6)十分な検討を踏まえ、SOMは大臣級会合に決定を求める勧告を行うべき

5.FNCAの将来
主に以下の事項を合意。
1)FNCAの将来活動は参加国のニーズや関心と合致して作られるべきで、エンドユーザーとの密接な連携を保つ。
2)共通のの深い政策事項は、大臣級会合でとりあげる。
3)参加国は、プロジェクト活動の主宰や施設の共用など、FNCAプロジェクトに貢献する。
4)FNCA活動とRCAなど他の地域活動と更なる相乗効果を見出す。
5)各国コーディネーターはプロジェクトリーダーとの密接な情報交換とエンドユーザーとの連携などを積極的に図るべき。
レセプション
近藤委員長歓迎挨拶


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