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第5回 コーディネーター会合
2004年3月3日(水)〜5日(金) 東京 京王プラザホテル
第5回コーディネーター会合(CM)が2004年3月3日から5日にかけて、日本の東京で、内閣府と文部科学省の共催で開催されました。
この会合は今年12月に沖縄で行われた第4回FNCA大臣級会合を受けて開催されました。
大臣級会合が大臣や上級行政官による政策対話や活動の大局的運営運営方針の審議を目的としているのに対して、このコーディネーター会合はより実務的な活動報告や活動計画の具体的な審議と調整といった場と位置付けられています。
この会合には、FNCAに参加しているオーストラリア、中国、インドネシア、日本、韓国、マレーシア、フィリピン、タイ、べトナムの各国コーディネーターと、オブザーバーとしてIAEAの代表者も参加しました。
まず最初に、町末男 FNCA日本コーディネーター(原子力委員)が開会挨拶を述べ、その中で、FNCAの理想と目標の基本となる精神であるパートナーシップにのっとり、すべての活動が目に見える成果をあげながら進展していることを高く評価しました。
引続くセッション1で同氏は、2003年度の活動と第4回FNCA大臣級会合の概要を報告しました。
実施中の活動の重要な実績として、1) アジアの女性死亡疾患の上位を占めている子宮がんの治療効率を高めた「子宮ガンの放射線治療プロジェクト」、2) アジアの貧困撲滅に重要な食糧確保のための大豆・ソルガムの生産率の高い新種開発を進めている「放射線育種プロジェクト」、3)病気の早期診断に有効な核医学に不可欠なラジオアイソトープ医薬品の製造技術を開発する「テクネシウム99(Tc-99)プロジェクト」、4) 原子力利用の前提条件である安全確保の重要性についての認識の各国の行政関係者、事業者、研究者への浸透を目的とした「原子力安全文化プロジェクト」などがあります。
今回の会合のハイライトとして、2つの新しい活動の開始があります。それは、「アジアの持続可能な発展のための原子力エネルギーの役割」を検討するパネル設置と「医療でのPET(陽電子放出断層撮影法)、サイクロトロンならびにラジオアイソトープの利用」プロジェクトの準備開始です。
日本側提案の前者のパネルの概要と計画によると、パネルでは、FNCA各国やアジア地域の20年間から50年間の長期エネルギー計画を低減し、エネルギー源別生産コストと温室効果ガス(GHG)排出の削減効果などを比較することにより、原子力エネルギーの役割を明らかにします。そして、原子力発電の導入の可能性や非発電利用としての海水淡水化や水素製造技術の有用性も検討される予定です。
第1回目の会合は2004年の8月から10月の間に日本で開催することが提案されました。
パネルの参加者には原子力部門だけでなく、環境やエネルギーの専門家の参加を求めることになっています。
本コーディネーター会合の参加者全員がこのパネルの活動目的と計画を支持し、戦略的なエネルギー計画は、原子力発電の有無にかかわらずすべての国にとって大切であると合意しました。
もう1つの新しいプロジェクトであるPETとサイクロトロン利用は、FNCA主催国である日本と原子力活動を主導しているオーストラリアに加えてはじめてマレーシアという途上国から活動を主導を申し出た点で意義深いものです。PETもサイクロトロンも、廃液の早期発見に重要な医療機器です。もう1つの新しい提案である医学利用分野のPET・サイクロトロンプロジェクトは、FNCA主宰国である日本と原子力安全文化プロジェクトを主導しているオーストラリアに加えて、はじめてマレーシアという途上国から活動の主導を申し出た点で意義深いものです。また、PETは、がんの早期発見に非常に有効とされているため、FNCA各国も、期待が高い分野です。
マレーシアのペナン病院のMohamed Ali Abdul Khader氏が、新規プロジェクトの概要を発表しました。
すべての参加国がこの提案を承認し、プロジェクトはより詳しい活動計画をたてて、2005年度からスタートすることになりました。
このプロジェクトを通じて、PETによる画像診断とサイクロトロンにより放射線医薬品製造の技術についてお互いに有益な知見や情報が得られることが期待されます。
初日の夜は、会場となった京王プラザホテルの42階で、夜景を楽しみながら歓迎レセプションが開催されました。
パーティーには、FNCAの協力者・支援者も加わり、親交を深めました。
原子力委員会の近藤委員長が心のこもった歓迎の挨拶を述べ、FNCAの活動を励ましました。
今回の会合ではまた、FNCA活動の効率的な実施をめざしてプロジェクトの具体的な評価方法をどうするかが初めてとりあげられました。
日本側の提案を受けて、今回のコーディネーター会合参加各国代表者は、各プロジェクトで活動指標を設け、まず客観的な見地から評価を行ない、次回のコーディネーター会合にその経緯を報告することで合意しました。
指標として、社会的な影響や人材養成の進展面、研究の成果、経済性などがあげられました。
また、特別講演として、プリナスディアス氏(国際原子力機関(IAEA)技術協力局 アフリカ・東アジア太平洋課 RCA地域コーディネーター)が、IAEA/RCA活動についての紹介を行ないました。FNCAとIAEAの密接な連携と相乗効果は非常に重要であるとの意見が参加国で一致しました。
この会合にとっては定例ですが、とても重要な役割として8分野のFNCA活動のレビューがあります。
参加者は実施中のプロジェクトの活動のレビューを行ない、また将来計画を承認しました。
各プロジェクトのワークショップや会合の仮スケジュールや3ヵ年活動計画は、このホームページ上で近く紹介される予定です。
最後に、ベトナムの代表が2004年11月末にベトナムのハノイでの第5回FNCA大臣級会合を開催する案をアナウンスしました。
会合は「アジアでの原子力人材養成に関する協力」の基調テーマで開催されます。
議事録が採択された後、文部科学省研究開発局原子力課の信濃正範国際原子力協力企画官の閉会の挨拶によって今回の会合は幕を閉じました。
その午後には、参加者は放射線医学総合研究所を訪問しました。PET、サイクロトロン、重粒子線がん治療装置といった施設とそれを用いた研究開発の状況が各国代表に紹介されました。
(独)放射線医学総合研究所(NIRS) 重イオンによるガン照射
同研究所 重イオン治療加速器
第4回コーディネーター会合 (2002年度)
平成15年3月5日(水)〜7日(金)
於 ホテル日航那覇グランドキャッスル
第3回コーディネーター会合 (2001年度)
平成14年3月6日(水) 〜 8日(金)
於 東京グランドホテル 「桜」の間
第2回コーディネーター会合 (2000年度)
平成13年3月14日(水)〜16日(金)
於 東京グランドホテル
第1回コーディネーター会合 (1999年)
於 赤坂プリンス・ホテル
平成12年3月7日(火)、8日(水)
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