内閣府及び原子力委員会は、インドネシア原子力庁(BATAN)と共催で、平成24年11月24日(土)にインドネシア・ジャカルタ市(ホテル・ルメリディアン)において、第13回アジア原子力協力フォーラム(FNCA)大臣級会合を開催した。
FNCA参加12カ国、オーストラリア、バングラデシュ、中国、インドネシア、カザフスタン、日本、韓国、マレーシア、モンゴル、フィリピン、タイ、ベトナムの大臣級代表(大臣3ヵ国、副大臣2ヵ国、原子力行政機関長他)が一堂に会し、これまでのFNCAにおける放射線利用及び原子力発電に関する様々な取組の成果が大臣級へ報告され、今後の活動に対する指示が決議案として取りまとめられた。
また円卓討議においては、これまでのFNCAの活動を改めて振り返り、今後、特に福島事故後に期待されるFNCAの役割や活動について、議論を行った。(プログラム)(参加者リスト)
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開会挨拶
会合開会にあたり、ホスト国インドネシアより、ハッタ研究技術担当大臣が開会挨拶を行ない、各国参加者に対して歓迎の辞とともに、地域協力におけるFNCAの重要性について述べた。続いて共同議長である日本の白内閣府副大臣が挨拶を行い、直近の日本の原子力政策の検討状況について紹介し、今後も我が国の原子力安全等の高度な技術と福島第一原子力発電所事故の教訓を関係国と共有していく旨、述べられた。
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白内閣府副大臣
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ハッタ研究技術担当大臣
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カントリーレポート
各国代表より、各国におけるFNCA活動を含む放射線利用の幅広い成果や、今後の研究開発計画、エネルギー政策、原子力発電の導入・新増設計画、基盤整備の計画等が紹介された。今後のFNCAにおける更なる協力への期待が示されるとともに、放射線利用の更なる発展のためには、その社会経済的な有用性についての国民の正確な理解が必要であり、成果の発信の在り方や情報発信が重要との認識が参加国で共有された。
このため、各国より報告されたカントリーレポートを公開する方針とすることで合意された。(各国のカントリーレポート)
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活動報告
町日本コーディネータから、FNCAの下で進められている10件のプロジェクトの活動報告があり、農業・医療分野における放射線利用に関する成果やアジアにおける原子力安全確保に寄与する基盤整備に関する活動成果が紹介された。また、前日の上級行政官会合にて各国より報告された人材育成機関のネットワーク化の成果についてもとりまとめて報告された。
また、今年7月に開催された「原子力発電のための基盤整備に向けた検討パネル」第4回会合結果について、パネル会合議長の尾本原子力委員会委員より報告があり、福島の原子力事故後、各国の関心が高い福島事故の教訓、立地評価手法に関する知見、原子力賠償制度や緊急時対応等に関する情報の共有が行われ、今後は緊急時対応における地域間協力の可能性について検討の希望があったことが報告された。
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円卓討議
「FNCAの役割」という議題に基づき、これまでのFNCA活動の成果を改めて振り返りつつ、今後、特に福島事故後に期待されるFNCAの役割やあり方について、議論を行った。複数の国のご意見や要望は以下のとおり。
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FNCA活動、特に放射線利用に係る成果は、各国の社会経済的な発展に寄与している。更なる発展のために、FNCAの成果や一般的な放射線利用の有益性に関する社会経済的な評価を行うことが有用である。一方で、社会経済的な評価にあたっては、放射線利用以外の要因も大きく、寄与率をどう設定するか難しい。 |
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FNCAの放射線利用における成果をより広く周知するため、WEBサイトの活用や他の国際的枠組みとの効果的な連携が重要である。 |
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特に福島事故後、国民への正しい知識の周知と情報公開による透明性の確保が重要である。日本に対して、事故から得られた知見の共有を継続するよう期待したい。 |
各国によるFNCAへの高い評価を受け、白副大臣より、FNCA活動の有益性について、今後積極的に発信し、FNCA活動が更に発展できるよう働きかけたい旨、述べられた。
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決議の採択と会合サマリーの確認
以上の議論を踏まえ、決議を採択するとともに会合サマリーを取りまとめた。(決議(仮訳)、会合サマリー(英文))
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