内閣府 大臣官房審議官(科学技術政策担当)
永松 荘一 |
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1. |
第4回上級行政官会合(SOM)は2003年12月2日にFNCA9カ国からの19人の上級行政官の参加により開催された。
主要議題は以下のようであった。
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第4回FNCAコーディネーター会合(CM)ならびにFNCA活動の進展に関する報告 |
2) |
FNCA活動の管理と運営(新規活動) |
3) |
原子力科学技術利用のための人材養成(HRD)戦略 |
4) |
大臣級会合の円卓討議に関する事前討議 |
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2. |
議題(1)として、第4回FNCAコーディネーター会合の結論と2003年のプロジェクト成果のハイライトまた将来計画が町日本FNCAコーディネーターによってなされた。SOMはこの報告(添付資料1)を承認した。上級行政官会合はプロジェクトの顕著で目に見える進展を賞賛した。
研究炉利用分野では、とくにMo-99を吸着したPZCの自動装填の最初の実証プラントをインドネシアの原子力庁(BATAN)に2003年12月に設置したことが紹介された。農業分野では、ダイズとソルガムのさまざまな耐乾性突然変異体の開発が参加国間での変異体種子の交換を通して成功裡に実施されている。バイオ肥料に関するプロジェクトでは、ベトナムではピーナッツのフィールド・テストで顕著な成果を実証した。
原子力安全の分野では、「研究炉の安全文化」に関するプロジェクトで、ベトナムのダラト炉を用いてピアレビュー活動を開始し、有用なコメントを提供した。人工的に放射能濃度が高められた自然起源の放射性物質(TENORM)の管理のために、専門家代表団が2003年にベトナムとマレーシアの関連サイトを訪問し、いくつかの改善項目を勧告した。
「原子力広報」に関するプロジェクトでは、2つのオープン・セミナーがベトナムで、プロジェクト・リーダー会合の開催時に併催され、200人の参加者を得た。地域スピーカーズ・ビューロー(RSB)はマレーシアとタイの大きな会議のためにそれぞれスピーカーを派遣した。
「電子加速器の利用」に関するプロジェクトでは、傷口ドレシング材の薄膜照射による製造の実証がマレーシアの原子力庁(MINT)で実施された。 |
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3. |
議題(2)として、「陽電子放出断層撮影装置(PET)、サイクロトロンならびに医学分野におけるラジオアイソトープ」に関するプロジェクト(添付資料2)がマレーシア政府から提案された。また「持続可能な発展と原子力エネルギー」に関するパネル(添付資料3)が日本国政府から提案された。
前者の提案は全FNCA国から強い支持を得た。SOMは、この提案を承認し、また第5回コーディネーター会合で特定の作業計画とその他の関連する技術問題を討議することを示唆した。
第2番目の提案は、(現時点では原子力発電所の建設計画をもっていないオーストラリア、マレーシア、タイを含む)全FNCA国から高く評価された。この提案は2003年3月の第4回コーディネーター会合で承認されていることから、このパネルの第1回会合を2004年度の早い時期に開催することが同意された。 |
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4. |
議題(3)で、SOMは原子力科学技術の持続可能な発展のためには人材養成が非常に重要であることを確認した。この議題に関する討議からの結論と勧告は(添付書類4)のように承認され、2003年12月3日の大臣級会合(MM)に報告されることが合意された。 |
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5. |
議題(4)では、12月3日に行なわれるMMの円卓討議のための2つの特定トピックスに関する予備的な発表と見解の交換を行なった。 |
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6. |
2006年の第7回FNCA大臣級会合はマレーシアでの開催が合意された。フィリピンは2008年の第9回FNCA大臣級会合をホストすることを申し出た。 |
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